ブログが移転しました
いつも「クロアチア・サッカーニュース」をご愛好頂き、有難うございます。
このほど、当ブログをスポーツナビのセレクトブログへと移転しました。
タイトルはそのまま「クロアチア・サッカーニュース」です。
今後ともどうぞ宜しくお願いします。
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国内リーグで首位を快走するディナモ・ザグレブに激震が走りました。
14日、今年で3年目となるクロアチア一部リーグ室内選手権準決勝で、ディナモがライバルのハイドゥク・スプリトに1-2で敗北。ディナモを私物化しているズドラヴコ・マミッチ副会長がサポーターの標的となり、「マミッチのジプシー野郎」のコールが体育館に鳴り響きました。これに怒ったディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチがドレッシングルームへと乱入し、
「イヴァンコヴィッチ、マギッチ、そして全てのコーチどもめ。お前の母ちゃん、やっちゃうぞ! 8人しか選手を起用しなかったのはお前たちなのに、いつも私が罪を被るじゃないか。」と、クロアチア語定番の罵り言葉をコーチ陣に投げかけました。一晩経った15日の午前、ブランコ・イヴァンコヴィッチ監督(写真右)と彼の右腕であるライコ・マギッチ・アシスタントコーチ(写真左)が辞任を提出。クラブもそれを受理しました。
イヴァンコヴィッチ監督は失望した表情を見せながら
「辞表を出すことを決めた。これは私における最終決定であり、サーカスはもう御免だよ。マミッチの行き過ぎた行動が、コップから水がこぼれる一滴となった。
私がデマゴギーなしで言えることは、ディナモが私の監督のキャリアにおいて最も美しい時代となった。素晴らしい結果、素晴らしいプレー、そして素晴らしい栄光があったのだよ。非の打ち所のない振る舞いを見せた選手たちを指導できたのは幸せだったと思う。15ヶ月に一つもトラブルもなく、完璧に機能していたのだからね。」
とコメント。イヴァンコヴィッチは昨シーズンに国内リーグ・カップの二冠を達成し、リーグ28連勝という欧州歴代2位の記録を樹立。ディナモ史上最高の勝率を誇る監督でありましたが、またしてマミッチ副会長の暴走の犠牲者となりました。
その後、ブラジェヴィッチ(現ザグレブ監督)のTVトークショーに出演したマミッチは散々イヴァンコヴィッチをけなしたわけですが、同時に後任監督として現在ディナモ・ユースを指導しているズボニミール・ソルド(41)の就任を明らかにしています。
話が前後しますが、8~14日に開催されていたクロアチア一部リーグ室内選手権についてです。今年で3年目を迎えるこの大会はドイツの室内選手権を見習ったもので、優勝したクラブには使途をユース運営に限定した20万クーナ(約440万円)が贈られます。しかしながら、シーズン再開の準備以前に行われるため各クラブは怪我人の心配を抱いていました。ディナモは膝に故障を抱えるMFモドリッチをはじめ、半分の主力を出場させず、またハイドゥクもFWカリニッチを温存。一方で現在リーグ得点王のザグレブのFWロヴレクは初日で前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまいました。 まず最初の4日間は12チームを2グループに分けての総当り戦が行われ、ディナモ、ザグレブ、インテル・ザプレシッチ、ハイドゥク、ザダール、リエカの6チームが二次リーグへと進出。6チームのリーグから未対決の9カードが行われ、1位ディナモ(勝点13)、2位インテル(10)、3位ザグレブ(8)、4位ハイドゥク(7)の4チームが決勝トーナメントに進出しました。
準決勝でディナモとハイドゥクの両雄が対決。ハイドゥクは二次リーグでディナモと2-2で引き分けたものの、インテルには0-4、ザグレブには0-6と大敗していました。ディナモ優勢と見られた準決勝ですが、7分にハイドゥクのフルゴヴィッチが先制点を挙げると、21分には個人技でルカビナが追加点。ディナモは23分にPKでカルロスが1点返しますが、それが精一杯。終了間際にはカルロスの肘打ちをきっかけに両チームの選手にわる殴り合いに転じてしまい、後味の悪い試合となりました。 ファイナリストはハイドゥク、そして準決勝でインテルを3-0と一蹴したザグレブ。過去の大会で二連覇を果たしているザグレブは「ロヴレクのため」を合言葉に勝ち上がってきました。試合は序盤からザグレブが主導権を握り、20分にムイジャの左からの折り返しにイブリチッチが押し込んで先制に成功します。ザグレブは直後に追加点のチャンスを決められずに終わると、24分、ハイドゥクのフルゴヴィッチが左サイドからシュートを決めて同点。前後半40分を終えてPK戦に託されました。ハイドゥクは5人全員が決めたのに対し、ザグレブはブルクリャチャのシュートが止められてしまい、5-4でハイドゥクが勝利。初優勝を飾っています。3位決定戦ではディナモが3-0でインテルを一蹴。また最優秀選手はザグレブのイヴリチッチ、得点王はザダールのトマソフが9得点で受賞しています。
(写真はSport-netより)
14日、ワールドカップ南アフリカ大会の欧州予選、グループリーグ6の試合日程に関する話合いがザグレブのシェラトン・ホテルで行われました。各国の代表団が集結し、クロアチアからはビリッチ監督、またイングランドからはカペッロ新監督らが出席しています。ウクライナが主張をごり押ししたため話合いは難航しましたが、予定より遅れること一時間、日程が発表されました。クロアチアは以下のような日程です。
2008年9月6日 カザフスタン戦(ホーム)
2008年9月10日 イングランド戦(ホーム)
2008年10月11日 ウクライナ戦(アウェー)
2008年10月15日 アンドラ戦(ホーム)
2009年4月1日 アンドラ戦(アウェー)
2009年6月6日 ウクライナ戦(ホーム)
2009年8月19日 ベラルーシ戦(アウェー)
2009年9月5日 ベラルーシ戦(ホーム)
2009年9月9日 イングランド戦(アウェー)
2009年10月14日 カザフスタン戦(ホーム)
欧州予選は9グループに分かれ、1位となった9ヶ国に加え、2位の成績上位8ヶ国でプレーオフが行われ勝利した4ヶ国が本大会に出場します。
ビリッチ監督は
「我々の希望の多くが通ったと言えよう。最初はホームで弱い相手と対戦したかったし、イングランドも次の秋のうちに対戦したかった。唯一嫌な日程は8月のベラルーシ戦で、本来ならば親善試合を行う日だからね。」
とコメントしていますが、まだサッカー協会はビリッチ監督との契約延長に合意できておらず、年間1000万円にも満たない安給料のクロアチアの監督の座を去る可能性も十分にあります。
前クロアチア代表監督のズラトコ・クラニチャールが、クロアチア二部リーグのクロアチア・セスヴェッテの監督に就任することになりました。契約期間は6ヶ月です。
当初は1990年にツルヴェナ・ズヴェズダをチャンピオンズ・カップ優勝に導いたセルビアのリュプスコ・ペトロヴィッチが監督に就任する予定でしたが、中国のクラブに引き抜かれてしまい、代わる人物を探していました。UAEのクラブの監督を辞任したばかりのクラニチャールはボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督の仕事に関心を持っていたものの、こちらはボスニア人のメホ・コドロが就任。よってクラニチャールはセスヴェッテと合意に至りました。ちなみにセスヴェッテは現在一部リーグの首位を走っており、初の一部昇格を目指しているザグレブ郊外のクラブです。
ハイドゥクの左サイドバックで主将も務めるボスニア・ヘルツェゴビナ代表DFミルコ・フルゴヴィッチ(28・写真)に、ジェフユナイテッド千葉がオファーを出しています。フルゴヴィッチは近いうちにハイドゥクから去ることをかつてより明言しており、最近ではフランスのレンヌ、ル・アーブル、ドイツのケルン、またロシアのクラブからもオファーが届いていると報じられていました。移籍金は70万~100万ユーロとされ、条件面を考慮した上で1月までには新たなクラブを選ぶと言っていましたが、現在はジェフからのオファーに魅力を感じているようです。
「ジェフからの具体的なオファーはある。しかし、今は急いでコメントすることはない。何かが起こる可能性は十分にあるが、タイミングより前に突っ走りたくはないよ。
とはいえ、僕はかつて大阪にいた。比較的短かったとはいえ、2001年にガンバでプレーしていたんだ。今だったらもっとよく適応できることだろう。当時はハイドゥクから大阪に移り、それからシロキ・ブリイェグ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)に戻って、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表となった。それからヴォルフスブルクへ移籍し、ブンデスリーガからハイドゥクに戻った。まるで一周を終えるかようにね。そして今、僕が去るとしたら新たな一周が始まる。歴史は繰り返されるように、日本へ旅立つことは運命におけるチャレンジなのだよ。
僕が仮定形で話すことが多いのは、物事に急ぎたくないし、ハイドゥクをせかすつもりもないからだ。クラブとの話合いが全てとなるだろう。それ以外は有り得ない。日本に行くことが唯一のオプションではないけど、全ての条件面において最も良いオファーとなるだろう。もう29歳になるし、もう一度国外のクラブと契約する価値が私にはあるだろう。」
とコメントしています。
ただ今、休暇も兼ねて日本に帰国しており、年末年始ということでしばらくお休みしていました。
この二週間で最も話題となったのはモドリッチの残留劇でありました。 26日よりディナモのズドラヴコ・マミッチ副会長(写真)とゾラン・マミッチ・スポーツディレクターの兄弟がイングランドに渡って各クラブと交渉を進めました。たまたま、ザグレブ→ロンドンの便で私はマミッチ兄弟と一緒になりまして、顔なじみの副会長から直接に話を聞く機会がありましたが、この時はまだモドリッチ売却の方向性でありました。トッテナム・ホットスパーとチェルシーが2500万ユーロを提示する中、最高額の2700万ユーロを提示したマンチェスター・シティの移籍が濃厚とされた中、ザグレブへと戻ったマミッチ副会長が先月29日に記者会見を開き、モドリッチの残留を発表しました。
「ルカ・モドリッチは2009年もディナモのユニフォームで迎えることになるだろう。そう言えるのは私にとっても名誉としか言えない。どのイングランドのクラブも直ぐに彼を獲得しようとした。どのオファーも5000万ユーロを下ることはなかった。」
と幾らか大げさに語ったのち、
「しかし、昨日の朝、神の声で目が覚めた私は、もう一度ヨーロッパの年越しのチャンスを我々のクラブに与えるために、どうすればディナモやサポーター、子供に対して誠実になれるか理解したのだよ。ゾランの部屋へと行き、私の方向性を彼に伝えた。ゾランはショックを受けたけど、ポジティブなショックだった。それからバリシッチ会長に電話をし、誰もが興奮をし始めたのさ。私とゾラン、会長以外はこの決定を知らなかったはずだ。イヴァンコヴィッチ監督でさえもね。ルカにはチームメートと一緒にディナモを欧州カップの年越しへと導く義務がある。まるでサナデル首相がクロアチアをEUへと導く義務があるようにね。」 と述べました。てっきり国外へと移籍すると思っていたモドリッチ(写真)はこの顛末にショックを受け、マスコミには口を開くことはありませんでしたが、1月8日、公式記者会見で口を開き、
「クラブの決定にはとても驚いた。なぜなら去る準備は全てできていたからだ。最初は残念に思ったよ。しかし今は決定に失望はしていない。やっぱりディナモは僕のクラブだしね。国内リーグてもっと進歩できるかは分からない。国外に出たほうがもっと進歩できるのは間違いないだろう。この先6ヶ月は欧州選手権と新たな移籍のため、よい良い準備とトレーニングができるよう努めるつもりだ。チームを去るのが今でないのならば、夏に移籍が実現するよう願っている。これが僕の最終決定だよ」
と述べています。マミッチ副会長は欧州選手権後ならば3000万ユーロ以上で売れる、との期待を抱いているようですが、モドリッチにとっても最良の移籍のタイミングだっただけに周囲からの批判にさらされています。
そんな中、アーセナルでブレイクしつつあるエドゥアルド(写真)とマミッチ副会長の対立がクローズアップされています。 「モドリッチが気の毒だ」と友人として悲しむエドゥアルドはヴェンゲル監督にモドリッチを購入するよう依頼したと言われていますが、癪に触ったマミッチは「エドゥアルドはアーセナルに行ってから一度も連絡がない。そういうのがサッカー選手だ」と語ると、逆にエドゥアルドも「マミッチはロンドンに何回も来ているというのに、最初の一回以外は僕に連絡をすることもない。なぜ僕を避けようとするのか、マミッチが説明してくれ」とやり返しました。
マミッチは「あのハナタレ小僧のレベルまで自分を下げるつもりはない。俺が奴をアーセナルに連れてやったというのに。奴は病気で、人としてもなっていないと言えよう」と反撃。それに対してエドゥアルドは「僕はマミッチのエージェントのためにプレーしたのではない。ディナモのためにプレーしたのだ。マミッチが僕を売ったのではなく、むしろ僕のプレーと決めてきたゴールで移籍が実現したのだ」と反発しました。
この両者の対立が明るみになった背景には移籍金の一部が支払われなかったことがあるようで、ディナモを去る際には無理やり「移籍金を要求しない」という書類にサインさせられたようです。これはエドゥアルドに限らず、マミッチのエージェントと契約していたバラバンやレコ、ツェサールといった選手たちも同様なことがあったとされています。
1月8日よりクロアチア一部リーグ12クラブによる室内選手権が開幕。今年で三度目となる大会ですが、シーズン再開の準備期間が失われるのと、人工芝では怪我人が出る可能性があるため、現場では反対の声が上がっています。実際、ディナモはモドリッチをはじめ主力の何人かを大会に送っていません。
そんな不安が実際に起こってしまいました。初日のディナモvs.ザグレブ戦で、ザグレブのエースストライカーで現時点の得点王であるクルノスラフ・ロヴレクがGKカレヴと交錯して退場。診断の結果は前十字靭帯損傷で全治4ヶ月。今季絶望となる挙句、レンヌ、デポルティーボ・ラコルーニャ、FCソウルなどから届いていたオファーの話もフイになってしまうということで、ロヴレク本人は「最悪の気分だ…」と涙ながらにこぼしています。ロヴレク以外にもザグレブのMFムイジャ、ディナモのDFシルデンフェルドも初日で怪我してしまっています。
リエカの左SBマヌエル・パミッチ(21)がレッドブル・ザルツブルクに移籍しました。移籍金はリエカ史上最高の100万ユーロ(次の移籍では30%の移籍金がリエカに)、年俸30万ユーロ、契約期間は3年半となります。パミッチは17歳の時にプーラで一部リーグのデビューを果たすと、2年後にはリエカに移籍。その持ち前のスピードとパワーでリーグ随一の左サイドバックへて成長しました。レッドブルでは退団した三都洲の後釜として期待されています。
既に日本のメディアでも報道されていますが、ディナモでリーグ優勝を経験しているヨシップ・クジェ(写真)がジェフユナイテッド千葉の監督に就任することになりました。クロアチアのメディアでは3年契約、年俸40万ドルと報じられています。 「ルワンダでは素晴らしい2ヶ月間を過ごした。しかし、日本のオファーを断ることはできなかったのだよ。ガンバ大阪から去ったのち、自分にそう誓ったのさ。やっぱり日本を優先するのだと。日本から私に仮契約書が届いたとき、私にとっても大きなショックだったことを信じて欲しい。
この5日間、ルワンダ・サッカー協会と話合いをしてきた。彼らは私が残るよう強く望んだものの、私は友好的に別れたかった。友好的でありプロフェッショナル関係で別れることを保障すべく、契約にも違約金の上限を設けていた。これら話合いなしで契約を解消したならば、私は罰金を払わなければならない。こうして、金銭にてうまく事は終えた。」
とクジェは述べています。契約解消の話合いではルワンダ大統領のポール・カガメも加わり、引き留めには金銭に糸目をつけないと伝えてきたものの、クジェが日本でチャレンジする意思の方が強かったそうです。今後もルワンダのアドバイザー役となるオファーを引き受けたものの、仕事を引き継げるクロアチア人のコーチを二人送ることを明言しております。
新年明けましておめでとうございます。
私が運営してきたホームページ「クロアチアに行こう!!」が、今日めでたく10周年を迎えました。最近はほぼサッカーに内容が完全シフトしたため、タイトルとコンテンツが噛み合ってない状況となっていますが、これまでご愛好頂いた皆様には深く御礼を申し上げます。
2005年6月からブログとして独立した「クロアチア・サッカーニュース」ですが、近いうちにスポーツナビのセレクトブログに移行する予定です。これまでは淡々と既成事実をニュースとして書いてきましたが、今後はもう少し幅を広げて書いていくつもりです。こちらもどうぞ宜しくお願いします。
年末年始は一時帰国による日本移動と体調不良もあってニュースの更新が遅れていますが、また近いうちにまとめてアップします。
それでは2008年も宜しくお願い致します。
20日、UEFAカップのリーグラウンドの最終節「レンヌvs.ディナモ・ザグレブ」がレンヌの本拠地、ルテ・ドゥ・ロリアンで行われました。
3試合を終えて勝点1しか取れていないディナモは、レンヌ相手に2点差以上の勝利を収めればグループリーグを3位で突破。一方のレンヌも勝点1しかなく、ディナモ相手に3点差以上の勝利を収めれば3位でグループリーグ突破。お互い厳しい条件であり、それ以外の結果ならば伏兵のブランが3位でグループリーグ突破となります。
これまでは週2試合ペースで試合をこなして疲れが顕著だったディナモも、今回は10日以上の準備期間がありました。失態続きのDFシルデンフェルドがスタメンから外され、センターバックにはカルロスが起用。またアヤックス戦の再現とばかりFWにはバラバンではなくてタディッチを起用してきました。システムはいつもの4-2-3-1です。
GKコッホ-(右から)DFエトー、ドゥルピッチ、カルロス、チャレ-MFヴコイェヴィッチ、ポクリヴァチュ-サミール、マンジュキッチ、モドリッチ-FWタディッチ
一方のレンヌは国内リーグで6連敗と低迷中。ドレオッシ監督が解任され、17日、昨季にはパリ・サンジェルマンを率いていたラコンブが新監督に就任しました。メンバーは以下のようです(4-2-3-1)。ちなみに元浦和のエメルソンは怪我でベンチにも入っていませんでした。
GKププラン-DFファンニ、ハンソン、メンサー、ソルラン-MFシェイル、エムビア-ルロワ、パジ、ヴィルトール-FWブリアン
氷点下まで気温が下がり、凍りついたピッチで足を滑らす選手が多い中で、より高いモチベーションを持ったディナモが相手へのプレッシングを強めながら主導権を握ります。3分にはヴコイェヴィッチ、7分にはモドリッチがミドルシュートで相手ゴールを脅かすものの、ゴールは枠を捕らえられず。今季のディナモは欧州の舞台となるとゲームを支配しながら決定力の低さを露呈してきたわけですが、この日も例に漏れずひたすらチャンスを台無しにしていきます。
この試合を最後にディナモを去るのが濃厚なモドリッチは前半に高いパフォーマンスを見せれど、前線で踏ん張れないタディッチ、一対一に脆いサミール、個人プレーに走りがちなマンジュキッチのせいでチャンスをモノにできません。30分にはセットプレーからドゥルピッチが押し込むだけの場面があったものの決められず。レンヌはピッチに適応できないばかりかパスやトラップなどの基本的ミスが目立ち、ロスタイムにヴィルトールが前半唯一のチャンスとばかりシュートを放つもののGKコッホがセービング。前半45分をお互いスコアレスで終えます。
後半に入ると直ぐ、応援に駆けつけた200人ほどのバッド・ブルー・ボーイズ(BBB)から発炎筒が次々と投げ込まれて試合が中断します。ほぼ恒例となった光景でして、またしてディナモはUEFAから罰金を払うことになりました。その後もディナモの優勢は続くものの得点には結びつきません。
50分にドリブルでファンニをかわしたモドリッチが左からシュートを放ちましたが、GKププランの正面。55分にはカウンターから3対1の形を作ったものの、マンジュキッチのお粗末なパスでチャンスを潰します。
しかし、先制点はディナモに転がり込みます。57分、右サイドのエトーがサイドラインで二人を引き付けた状態でマンジュキッチへパス。そのままペナルティエリアに入ったマンジュキッチが中央へと戻すと、そこにヴコイェヴィッチが飛び込んで右足でシュートを決めます。 あと1点で38年ぶりの欧州カップ戦の年越しを実現するディナモ。しかし、レンヌも諦めずに次々と攻撃のカードを切っていきます。ディナモは65分にサミールに代えてグエラ、77分にはタディッチに代えてバラバンを投入。お互いがあと一発で決まるグロッキー状態のボクサーであるかのように、危ういディフェンスを伴ったカウンター応酬合戦になっていきます。
79分、決定的なカウンターから左サイドを切れ込むマンジュキッチ。正面にはバラバンが詰めていたものの、マンジュキッチはラストパスのタイミングが遅れ、バラバンまでボールが届かず。このチャンスを活かせなかったのが大きな痛手でした。
85分にペナルティエリアでカルロスがモレイラを倒したとしてレンヌがPKを獲得。これでディナモは終わりと思いきや、シェイルが右方向に蹴り込んだボールをGKコッホ(写真)が素晴らしいセーブを見せます。コッホはその2分後にもシェイルのミドルシュートをビッグセーブで止め、若い選手たちを鼓舞します。イヴァンコヴィッチ監督は最後のカードとしてFWショコタを投入。しかしその直後、トメールが左サイドからクロスボールを上げると、正面でエムビアがボレーシュートをゴール右上隅に放ち、これにはさすがのコッホも反応できずに1-1。このゴールがディナモの欧州での終焉を告げました。ロスタイムは5分あったとはいえ、またしてコッホが決定機をセーブした以外は見せ場がなくタイムアップを迎えました。
ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「プレー条件が良くなかったとはいえ、私の選手たちは相手よりも上手く適応していた。レンヌは我々の手のひらにある状態で、こちらが多くの良いチャンスを作ったのにもかかわらず、ラストパスや速いリアクションが私たちには少し欠けていた。例えば1-0の状況でマンジュキッチはバラバンにラストパスする機会があった。あれで2-0になっていれば、試合は全く違うものになっていただろう。また審判も試合を通して相手ばかり優遇していたことを言わねばならない。
しかし、我々は欧州の舞台で12試合をこなした。これはチームにとって大きな学校だったよ。スタメンに名を連ねる選手たちが何歳かを見てくれ。彼らはチームにおける大きな資本だ。(リーグラウンドの)4試合全てで我々はクオリティを示したと思う。バーゼルやブランよりも我々の方が優れていただけに、2試合を終わって勝点6を得ていなくてはならなかったのだよ。ハンブルガーSV相手でも引分けにしなくてはならないのに試合の最後でミスをしてしまった。そしてレンヌ戦でも我々が優れていただけに勝利せねばならなかった。経験不足だと言うことはできるだろうが、今はそうは言いたくない。」
とコメントしています。
ディナモの多くの選手はノーコメントを貫く中、キャプテンのモドリッチ(写真)は
「80分間は僕たちの方が良かった。しかし、チャンスを決められないまま、またして最後にゴールを食らい崩れてしまった。ピッチは非常に硬く凍っていただけにしっかりと立つことすら難しかった。運が足りなかったかもしれないが、僕は運ばかりを引き合いに出したくはない。なぜなら、相手がノックダウンの状態だったケースが幾らでもあったからだ。集中力もしくは運の欠如かもしれないが、僕にはよく分からない。残念ながら、グループリーグを通過でなきかったということだけが記憶に残るだろう。」
と口にしています。
これで今季のディナモに対して欧州の門は閉ざされました。「あの場面で決めていれば…」「あのミスをしなければ…」と悔やむシーンは幾つも浮かんできます。もし決定力に優れたエドゥアルドが移籍せずにディナモに残っていたのならば、UEFAカップでの年越しどころかチャンピオンズリーグ本戦も夢でなかったかもしれません。
「チョルルカが残っていたら…」「ロベルト・コヴァチが獲得できていたら…」などタラレバは尽きないわけですけど、それほど今季は期待が持てるチームだったのも事実です。これでチームの至宝であるモドリッチが離れれば、来年以降にディナモが欧州で活躍するチャンスはより小さくなるかもしれません。
[最終順位]
1位…ハンブルガーSV (勝点10)
2位…バーゼル (勝点8)
3位…ブラン (勝点4)
4位…ディナモ・ザグレブ(勝点2)
5位…レンヌ (勝点2)
シャルケに所属するクロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチ(写真)が、先週末のフランフルト戦の後、セルビアのターボフォーク(ユーゴ演歌)歌手ミーレ・キティッチのコンサートにチームメイトのムラデン・クルステイッチとジャーメイン・ジョーンズと共に朝の4時半までいたという記事が独紙ビルトに写真と共に掲載されました。チームは規律違反として水曜日のチャンピオンズリーグ・対ローゼンボルグ戦を欠場させ、また罰金を貸せました。 「こんなことが起こってしまって残念だ。コンサートに行った理由は陳腐なものだった。10日ほど前に友人に"フランクフルト戦が終われば誕生日パーティに駆けつける"と約束したんだよ。2-2で試合が終わり、それからパーティ会場のデュイスブルグへと向かった。しかし、ついつい長く居てしまって、誰かに写真を取られてしまったというわけさ。過ちを犯したのは分かっている。本当に悔やんでいるよ。」
と語るラキティッチはシャルケの監督やチームメイトに直ぐに謝罪。シャルケはローゼンボルグ戦に3-1と勝利したわけですが、謝罪に応えるかのようにチームメイトのラフィンハとバイラモヴィッチが試合後にラキティッチとクスタイッチのユニフォームを高く掲げています。
セルビアやボスニアを中心に歌われるターボフォーク、もしくはナロドニャークと呼ばれるユーゴ演歌は今でもクロアチアの若い層に根強い人気を誇っているものの、クロアチアでは公共放送で流されない状況にあります。2006年9月には欧州選手権予選のロシア戦直前に合宿所からバラバン、オリッチ、スルナが脱走し、代表から追放されたいわゆる「フォンタナ事件」が記憶に新しいところですが、19歳のラキティッチもターボフォークの愛好者でありました。
代表のビリッチ監督にはラキティッチ本人から謝罪の電話があったそうで、ビリッチはこの事件に関して以下のようにコメントしています。
「若さからの過ちは我々誰にでも起こるものだ。私にもあったもんさ! そこにはちょっとした運も必要だ。ある者はメディアにすっぱ抜かれ、ある者はすっぱ抜かれず…。私にとっては彼が試合に再び出ることが最重要だ。電話では彼を励まし、同じことをもうやらないよう注意したよ。」
サスペンションを解かれたラキティッチは次のブンデスリーガ、対ニュルンベルク戦に復帰予定であります(ちなみに私はこの試合を現地で観戦予定です)。
13日に行われる予定だったクロアチア・カップ準々決勝第1戦「スラヴェン・ベルーポvs.ディナモ・ザグレブ」が、近頃の雨によるピッチ不良のために来年2月に延期されることが決まりました。先週土曜日にスラヴェンに大敗した上、20日にUEFAカップの対レンヌ戦を控えるディナモにとっては好都合な決定となります。 そのディナモですが、12日の練習にサポーターのバッド・ブルー・ボーイズ(写真)15人ほどが乱入し、選手たちを説教する場面がありました。選手を一列に並ばせ、サポーターは以下のように説教しました。
「マンジュキッチよ、スラヴェン戦が終わった後、ピッチから汚い言葉を吐きかけたが、そんなことはやっちゃいけない。お前の村ではやってもいいが、ディナモではやめてくれ。このクラブのために戦うのならば、きちんと振舞え。モドリッチよ、お前もキャプテンとして、彼らが地に足つくよう指導してくれ!」
「パーティに集まってくるようなモデルの女たちはお前たちの家族ではない。俺たちがお前たちの家族だ。全ての試合でお前たちを追っているのは俺たちだけで、試合が終わっても一時間は応援しているのだぞ。当然の振る舞いをしてくれ! そしてディナモのユニフォームのために戦ってくれ! モドリッチが自陣に戻って相手にタックルしているというのに、なんで他の選手たちはタックルもやらないのだ?」
サポーターたちはキャプテンのモドリッチとゴールキーパーのコッホを模範として持ち上げ、後の選手たちを厳しく叱り付けました。それからイヴァンコヴィッチ監督にディナモのマフラーを渡し、練習場から去っていきました。その後は通常通りに練習が続けられたわけですが、バッド・ブルー・ボーイズの不満も次第に募りつつある事件となりました。
今季前半を終えて、14ゴールで得点王となったザグレブ所属のクルノスラフ・ロヴレク(28・写真)がこの冬に国外移籍することが100%決まりました。今年夏にメディッチ会長との間でチーム残留に合意した際、冬の国外移籍を認めるという条件を盛り込んでおり、このほど改めて両者間で国外移籍を確認しまた。彼の元には韓国のクラブから正式オファーが届いていたのですが、フランスとドイツのクラブが急接近しており、数日中に話がまとまる予定です。移籍金は50万ユーロほどとされています。 「ここ数日で起こったことに僕も驚いているよ。もう韓国に渡る準備を全てしていて、28歳という年齢を考えると極東以外でお金を稼げることは思えなかったんだ。しかし、得点王という肩書きが一夜にして新たな可能性を僕にもたらしてくれた。僕のキャリアにおいて今ほど調子がいいと感じたことがない。また欧州のクラブで自分を証明したいというモチベーションをこれほど持っていることも今まではなかった。降格争いをしているフランスとドイツのクラブが経験あるフォワードを探していて、僕に注目してきたんだ。今週中には決まると思う。これまでの僕の苦しみがようやく報われる時がやってきたんだよ。」
将来性を期待されながら怪我に泣かされてきたロヴレクですが、古巣ザグレブに戻ってからの一年半は32ゴールの活躍。スピードがあるわけではないですが、以前よりも重心が低くなり、ポストプレー、シュート、ドリブルのいずれにも粘り強さが出てきました。
「クロアチア・リーグの若い選手たちは余りにも国外脱出して稼ぐことばかりを考えすぎている。選手として成熟することを考えるのはほんの少しだ。彼らにとって僕の例が良い道しるべになるだろう。かつての僕は大きな期待の星であり、多くの国外のクラブが欲していた。しかし頭から全ての雑音を捨ててから、ようやく本当のサッカーがプレーできるようになったのさ。だから今、全てが報われるだろうと思っている。今となってようやく自分を証明したんだ。」
とロヴレクは語っています。
欧州選手権予選が終わってからのクロアチア代表の最初の親善試合として、来年2月6日にオランダ代表と対戦することが決まりました。以前よりデンマークやチェコなどが候補に挙がっていたのですが、欧州選手権とワールドカップ予選のドローの際に両サッカー協会が接近し、話がまとまりました。試合の開催地はスプリトが濃厚です。
様々な移籍話が飛び交っているディナモ・ザグレブのMFルカ・モドリッチ(22)ですが、このほどディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチ氏が「彼がもう一年在留するよう、300万ユーロの年俸を提示するつもりだ」とコメントしました。この話題を含めて、10日、モドリッチが移籍に関して報道陣に口を開きました。
「僕はその話を聞いていないし、コメントはない。もし副会長がそう言ったとしても、何も新しい話ではない。彼は何ヶ月か前のテレビ番組でも一度口にしていたし。しかし、具体的には何も話し合ってはいないよ。」
-そのようなオプションに君は関心があるのか?
「クラブと僕を満足させるようなオファーが来ないのならば、話し合うことは可能だ。しかし、僕の目標であり希望はこの冬にディナモを去ることだよ。しかし、望むような移籍話が起きないのならば、移籍について急ぐことはなく、ディナモに残留するつもりだ。」
-シャフタール・ドネツクからの2500ユーロのオファーを拒否した際には、ディナモに譲歩したわけだが。
「いや、僕は譲歩とは考えていない。ウクライナに行きたくなかっただけだ。本物のオファーが届くのを待っていると僕はその時に口にした。今でも僕はそのように考えている。」
-オランダからのオファーには関心があるのか? オランダリーグはそう強くはないとはいえ、アヤックスはビッグクラブだ。
「それについて今話すのは難しい。以前より僕はスペインに渡りたいと言っている。移籍市場が開く1月は時間的に長いし、何が起こるか見てみなくてはね。まだ何も起こっていない状況下で、僕は何を話せばいいのだね?」
-チェルシーが君を獲得して、夏までPSVにレンタルするという可能性については?
「ロンドンへの飛行機もオランダの飛行機にも僕は乗っていないよ。つまり、そんな可能性については誰とも話し合っていないということだ。新聞でそんな記事を読んだけど、僕は笑ってしまったよ。」
-そのオファーが来たならば、君は受け入れるのかい?
「そんなコンビネーションに承諾するつもりはない。レンタルなんて関心はないよ。」
ディナモに対してはまだ正式なオファーが届いていないものの、現時点ではアヤックスとチェルシー、アーセナル、マンチェスター・シティの関心が高いとされています。300万ユーロというのはマミッチならではポーズでもありますが、戦力ダウンは否めないとはいえ、クロアチア選手としては史上最高の移籍金額でディナモはモドリッチをこの冬に手放すことになると思われます。
宣伝ですが、私が書いたモドリッチのストーリーが12日発売の「ワールドサッカーダイジェストEXTRA」に掲載されています。宜しかったらご覧になって下さい。
8日、クロアチア・リーグ第19節が行われました。この節を最後にクロアチア・リーグはウィンターブレークに入り、再開は来年の2月20日になります。
首位ディナモ・ザグレブは4位スラヴェン・ベルーポとアウェーで対戦。ディナモは先のUEFAカップ・対ハンブルガーSV戦の敗北による精神的なダメージが残る上、キャプテンで司令塔のモドリッチが足の親指の負傷で欠場。またDFドゥルピッチも太股の負傷で欠場しました。
一方、スラヴェンは今季ホームで負けなし。ただし、チーム事情はディナモ以上に深刻で、MFボシュニャク、MFポリャーク、DFラデリッチの3人が累積警告、またDFクリスティッチとDFポルドゥルガチュが怪我のため、ベンチの控えとして4人しか入れられないほどでありました(ルール上は7人までOK)。
試合開始と共にディナモが勢い良く仕掛けていきますが、心身両方の疲労もあってか次第に形勢はスラヴェンに傾いていきます。そして、ディナモの守備崩壊はいきなり訪れました。
まずは15分、中央でMFソピッチとMFポサヴェツが組み立て、最後は左サイドからDFチャバルのパスがペナルティエリア内のMFデリッチに通ると、デリッチはドリブルでDFカルロスとMFポクリヴァチュをかわし、近距離からシュートを叩き込んでスラヴェンが先制に成功します。 その3分後には右サイドからMFユリッチがMFヤヤロにパスを通すと、ヤヤロはペナルティエリアでDFシルデンフェルドと相対しながら、最後は股間を抜いてのシュートをゴール左隅に決め、2-0とリードを広げます。デリッチ、ヤヤロの二人ともスラヴェンのユースで育った19歳のプレイヤー。スラヴェンのユルチッチ監督は若手起用に積極的な人物であり、二人は期待に応えました。
23分にはディナモのDFエトーがFWヴルチーナ(写真)を背後から叩いて倒してしまったためにレッドカード。数的優位にも立ったスラヴェンはヴルチーナがそのまま25mの直接FKを突き刺してしまいます。ちなみにヴルチーナ(23歳)もスラヴェンのユース出身で、18歳でトップデビューを果たしたのちコンスタントに出場している選手です。
ディナモは42分、MFヴコイェヴィッチが中央FKから左サイドのFWバラバンにボールを通し、バラバンの折り返しをカルロスが押し込んで1-3としますが、前半終了間際にお粗末なディフェンスを露呈してしまいます。スラヴェンのMFソピッチがドリブルにシルデンフェルドがつきましたが、あっさりとかわされシュート。GKコッホが一度は止めますが、弾かれたボールをシルデンフェルドがクリアしようとするものの、触れたボールが自陣ゴールの方へ。ゴールライン上でカルロスがクリアしますが、そのクリアボールを拾ったヤヤロがあっさりとゴールを決めて1-4。GKコッホはピッチで怒り狂い、「うちの若い選手たちは年上の選手に対してリスペクトがない」と試合後に嘆くほどでした。
モドリッチがいないディナモはゲームのリズムを作ることができず、後半もスラヴェンに押されたままに。64分、ソピッチが左のデリッチに展開すると、デリッチは中央に切れ込みながら最後はディフェンスの背後に走り込んだヴルチーナにラストパス。ヴルチーナはゴール右下隅にシュートを決めて5点目。ディナモが一試合で5失点を喫するのはクロアチア・リーグ始まって以来です。
83分に途中交替のDFブリャトが直接FKを決めて2-5とするものの、またして絶望的な試合をやらかしてしまいました。ディナモは2位リエカに勝点12の差をつけて「秋の王者」になったものの、ディフェンス再構築がウィンターブレーク中の急務となるでしょう。ちなみにスラヴェンとディナモは13日にクロアチア・カップ準々決勝第1戦で再び対戦します。
3位ハイドゥク・スプリトは10位ヴァルテクス・ヴァラジディンとアウェーで対戦しました。ヴァルテクスは開幕8連敗のどん底を味わったのち、第9節にベセク新監督のもとでディナモに勝利。それから2連敗したものの、第12~18節まで4勝3分とチームも上昇してきています。ハイドゥクはエースのFWカリニッチがまたして負傷で欠場。ルカビナとバルトゥロヴィッチも負傷のため、17歳のFWチョップを初めて先発出場させました。また司令塔のチェルナトが累積警告、MFアンドリッチが怪我、MFダムヤノヴィッチも下痢のため欠場しています。
主力選手がこれだけ欠けているとはいえ、ハイドゥクはゲーム開始からエンジンが掛かった状態に。いきなりFWヴェルパコヴスキスがゴールを決めるものの、副審の怪しいオフサイドの判定で取り消されます。しかし6分、ヴェルバコヴスキスが右サイドをドリブルで切り崩すと、最後はファーサイドに走り込んだMFリニッチにラストパスを送り、これを押し込んでハイドゥクが先制します。 21分にはエリア内へ突破するヴェルパゴスキスをDFルチッチが倒してしまってPK。鳴り物入りでディナモ・キエフから移籍したラトビア代表の彼もようやくチームにフィットしてきました。DFフルゴヴィッチ(写真)が緩いボールを中央へと蹴り込んで2-0とします。
ヴァルテクスは精神的支柱の司令塔ムムレクを累積警告で欠いたのが大きく、38分まではシュートすら打てない状態。45分にはフルゴヴィッチが得意のFKを低い弾道にて叩き込み、3-0と更にリードを広げます。
後半はハイドゥクがスローペースになった反面、ヴァルテクスが攻撃を仕掛けるものの、62分にルチッチがPKで1点決めるのが精一杯。3-1でハイドゥクの勝利。得失点差でスラヴェン・ベルーポに順位を抜かれたとはいえ、ここ3試合はリーグ再開後に期待を持たせる戦いをしています。
2位リエカはここ2節もたついたとはいえ、FWヂャロヴィッチの久しぶりのゴールと、ジョーカーとしていい働きをするMFシュトロクのゴールでシベニクに2-0の勝利。 また前節にディナモに3-6と大敗したザグレブは、5位ザダールをホームに迎えて7-2の圧勝。この試合を最後に古巣ザグレブを離れ、国外へと移籍が濃厚なFWクルノスラフ・ロヴレクがキャリア初のハットトリックを達成。14得点で得点王レースのトップにも立ちました。ゴールの瞬間にサポーターの「ビエリ・アンジェリ」("白い天使"の意味)からは「クルーノ、ありがとう」の横断幕(写真)が掲げられ、「クルーノ、オスタニ(残れ)」のコールが繰り返されました。
今節は6試合で33ゴール、一試合平均5.5ゴールと、クロアチア・リーグ史上最高の数字となりました。全試合の結果はこちら。
Varteks Varazdin - Hajduk 1:3
0:1 6' Linic
0:2 21' Hrgovic (PK)
0:3 45' Hrgovic
1:3 62' Lucic (PK)
Zagreb - Zadar 7:2
1:0 12' Brkljaca
2:0 36' Cutura
2:1 48' Tomasov
3:1 55' Pejic
4:1 68' Lovrek
5:1 89' Lovrek
5:2 81' Parmakovic
6:2 83' Kartelo
7:2 85' Lovrek
Medimurje - Inter Zapresic 2:3
1:0 14' Piskor
2:0 16' Eliomar
2:1 43' Grgurovic
2:2 67' Gulic (PK)
2:3 87' Stefulj (OG)
Rijeka - Sibenik 2:0
1:0 17' Dalovic
2:0 85' Strok
Osijek - Cibalia Vinkovci 5:1
1:0 2' Niksic
2:0 23' Jukic
2:1 36' Husic
3:1 47' Niksic
4:1 56' Hrncevic
5:1 78' Jukic
Slaven Belupo - Dinamo Zagreb 5:2
1:0 15' Delic
2:0 18' Jajalo
3:0 24' Vrucina
3:1 43' Carlos
4:1 45' Jajalo
5:1 64' Vrucina
5:2 83' Buljat
【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点49)、2位…リエカ(37)、3位…スラヴェン・ベルーポ(33)、4位…ハイドゥク・スプリト(33)、5位…オシエク(25)、6位…ザダール(25)、7位…チバリア・ヴィンコヴチ(23)、8位…ザグレブ(22)、9位…インテル・ザプレシッチ(21)、10位…シベニク(20)、11位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(18)、12位…メヂムリエ(11)
【得点】
14ゴール…ロヴレク(ザグレブ)
13ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)、ヂャロヴィッチ(リエカ)
11ゴール…テルケシュ(ザダール)
10ゴール…モドリッチ(ディナモ)
9ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)
8ゴール…ニクシッチ(オシエク)
ディナモはボーフムに所属するクロアチアU-21代表MFイヴォ・イリチェヴィッチ(21)を獲得するため、スポーツ・ディレクターのゾラン・マミッチがドイツに渡って交渉したものの(ちなみにマミッチは元ボーフムの選手)、要求した移籍金が高いために成立しませんでした。
「まるでモドリッチを売却するかのように対応された。余りにも高すぎる金銭を要求したために、現時点では如何なる合意にも至りそうにない。」 とマミッチは嘆いています。またポスト・モドリッチを探すべくマミッチはブラジルにも渡っており、バスコ・ダ・ガマのMFモライス(23)にもオファーを出しています。移籍金は600万ユーロと言われており、ディナモとバスコの間では合意に達したものの、選手と代理人の両者とはまだ合意に達していない状況です。
またディナモはベルギーのヘンクに所属するトミスラフ・ミクリッチ(25・写真左)の移籍をまとめました。ミクリッチはヘンクとの契約が今季いっぱいで切れるのですが、ディナモが30万~40万ユーロの移籍金をヘンクに払うことでこの冬に移籍。ミクリッチとは20万ユーロの年俸で3年契約を結ぶ予定です。ミクリッチはオシエクのユースで育ったストッパーと左サイドバックを専門とするディフェンダーで、2005年にオシエクからヘンクへと移籍。ヘンクでもレギュラーとしてプレーしていました。
2006年のワールドカップ・ドイツ大会でクロアチア代表を指揮したズラトコ・クラニチャール(写真)が、このほどアラブ首長国連邦のアル・シャーブの監督を解任されたことが明らかになりました。 今年6月に1年+1年オプションで契約したクラニチャールは、アル・シャーブを5試合指揮して2勝2分1敗、国内リーグ4位につけ、国内カップでも準々決勝に導いていたものの、選手起用面を巡ってオーナーと対立していました。
「たった一つの理由でクラブ側と物別れになってしまった。先日、規律面の悪さと反プロフェショッナルな行いから二人の選手を罰したのだが、アル・シャーブのフロントは彼らを許してチームに戻すことを望んだ。私はそれをやらなかったのだよ。その後、監督の仕事を続ける可能性がもうなくなってしまった。」
とクラニチャールはアラブ諸国ならではの解任理由を語っています。違約金でクラブは50万ドルほどクラニチャールに払うとされており、今月15日には自宅のあるザグレブへと戻って、新たな仕事を探すことになりそうです。これまでワールドカップや欧州選手権にクロアチア代表を指揮した監督は、代表監督の座を離れたのちは幾分と苦労しているのがが現実です。これまでの三監督の例を並べてみました。
○ミロスラフ・ブラジェヴィッチ(1994~2000年在任。1996年欧州選手権、1998年ワールドカップ)…イラン代表、NKオシエク、ディナモ、ムラ(スロベニア)、ヴァルテクス、ハイドゥク、ザマザ(スイス)と監督業を転々としたのち、2006年からザグレブの監督。
○ミルコ・ヨジッチ(2000~2002年在任、2002年ワールドカップ)…長くに渡って表舞台に出なかったが、2006年以来、ディナモ・ユース校長に就任。
○オットー・バリッチ(2002~2004年在任、2004年欧州選手権)…2004年11月にディナモのスポーツ・ディレクターに就任するも、成績不振のため一ヶ月間で辞めたのち、2006年よりアルバニア代表監督。ユーロ予選終了後、新たな契約延長のオファーを断って、ディナモのスカウティング・アドバイザーに就任予定。
12月5日、UEFAカップのリーグラウンド第4節が行われました。バーゼルに引分け、ブランにまさかの敗北と、最悪のスタートを切ったディナモ・ザグレブはグループ最強のハンブルガーSVとホームのマクシミール・スタディオンで対戦しました。これまでの揮わない結果と底冷えもあって観客は2万人に留まりました。
ディナモ・ザグレブは前節のブラン戦でDFシルデンフェルドがレッドカード。彼の穴をブラジル人のカルロスが埋め、システムはいつもの4-2-3-1で挑みました。
GKコッホ-DF(右から)エトー、ドゥルピッチ、カルロス、チャレ-MFヴコイェヴィッチ、ポクリヴァチュ-サミール、マンジュキッチ、モドリッチ-FWバラバン
一方のハンブルガーSVは残り2試合で勝点1を取ればグループリーグ突破。それでもエースのMFファン・デル・ファールト、そして元ディナモのFWオリッチを起用。ローテーションをしているとはいえ、各国の代表選手を揃えてきました(システムは4-2-3-1)。
GKロスト-ボアテング、ラインハルト、マタイセン、アトゥバ-MFコンパニ、デ・ヨング-カステーレン、ファン・デル・ファールト、ヤロリム-FWオリッチ
個人能力の高さと組織力が融合したハンブルガーを相手にしては、これまでのようにディナモがゲームをコントロールすることはできません。爆発的なスプリント能力で攻守両面でかき回すオリッチは敵にすると非常に嫌な存在であり、同時に欧州屈指のセカンドトップであるファン・デル・ファールト(写真)も常にケアせねばなりません。またディフェンスも手堅く、ディナモのプレーメーカー、モドリッチがボールを持ったところでも素早く寄せられてしまいます。ディナモは引分けも視野に入れていたとはいえ、普段より守備的なプレーを強いられました。
試合の序盤はディナモが中盤でボールをあっさりと失うことで、ハンブルガーに攻撃を畳み掛けられる場面が見られます。最初のチャンスは18分、ハンブルガーのヤロリムが左サイドでアトゥバのパスを受けると、ペナルティエリア外から右足のミドルシュート。ドライブが掛かった弾道はクロスバーを叩き、ディナモは難を逃れます。23分にはボアテングのアーリークロスにオリッチがヘディングシュートを狙いますが、これはGKコッホがクリアします。 チャンスを見出せないディナモでしたが、25分辺りから次第にモドリッチ(写真)を中心にボールが回るようになります。28分、左サイドからモドリッチが中央でフリーのヴコイェヴィッチにパスを送ると、ヴコイェヴィッチは得意のミドルシュートを放ちますが、ボールはポストの左に。1分後にもモドリッチがヒールでお膳立てしたところにポクリヴァチュがミドルシュートを狙ったものの、GKロストの正面を突いてしまいます。31分にはモドリッチの左FKがいい角度でゴール前に入りますが、バラバンに届く前にアドゥバがクリアしてしまいました。その1分後にはエトーが右サイドからシュートを放つものの、これもポストを逸れてしまいます。
ハンブルガーは38分にコンパニが中央からグラウンダーのミドルシュートを放ちますが、これはGKコッホが好反応でゴールを守ります。42分にはファン・デル・ファールトの左CKからオリッチがヘディングシュートを狙ったものの、これもGKコッホがキャッチ。
前半終了間際、ディナモは正面20mの位置で直接FKを得るものの、バラバンのグラウンダーのシュートは脅かすことなくGKロストにキャッチされました。
後半は前半と同じ戦いが続きます。ディナモは攻めに向かうものの、引分けでも望みがあることが頭にあるせいか無理なリスクを冒しません。そのような戦いではハンブルガーのディフェンスを打ち破るのは容易ではありませんでした。 ハンブルガーは60分、ファン・デル・ファールトの鋭い右FKがGKコッホがセーブされ、その1分後にもファン・デル・ファールトの左FKからマタイセンが放ったヘディングシュートは左ポストを叩きます。
ディナモはバラバンに代えてタディッチを投入し、スピードアップを図りましたが、ハンブルガーの堅い守備を前に成す術はありません。それでも69分、マンジュキッチからペナルティエリアへと侵入するモドリッチにパスが通るものの、走りながらのシュートは力がなく、GKロストの正面を突いてしまいます。75分にはタディッチがバイタルエリアで反転してシュートを放つものの、シュートはわずかに左ポストを逸れてしまいます。76分、"攻撃においてモドリッチとマンジュキッチのスペースを広げるため"(イヴァンコヴィッチ監督談)、サミールに代えて守備的MFのヴルドリャクを投入。しかし、逆に相手にスペースを広げてしまい、カウンターで脅かされる場面が増えてきます。
欧州の舞台では常に試合終了間際に力尽きるディナモでありますが、この試合でも同じ光景が繰り返されてしまいました。87分、チャレ(写真上)が無駄なファウルでペナルティエリア左でFKを与えると、ファン・デル・ファールトの左足から繰り出されたボールは弧を描いてゴール前に。ぽっかり空いた中央でデ・ヨングが頭から飛び込んでゴール。集中力が切れたというには、立ち位置からしてお粗末なディフェンスでした。イヴァンコヴィッチ監督は勝利を求めて、ポクリヴァチュに代えてFWショコタを投入。ロスタイム3分間に望みを託しますが、更にお粗末なプレーをチャレが犯します。ハンブルガーのデメルが左サイドをドリブルし、チャレがタックルに一度空振りに終わると、ペナルティエリアに入ったDFデメルに対してチャレが再びタックル。デメルを倒してしまってPKを与えてしまいます。ディナモは若い選手が多くて経験不足は仕方ないにしても、決勝トーナメント進出に得失点差が関連してくるだけに、全くもって有り得ないタックルでした(概して、チャレはサッカー脳が低いプレイヤーでありますが…)。PKを途中交替のMFトロコウスキに決められて0-2。そしてタイムアップ。失望感どころか絶望感が残る試合となってしまいした。
試合後、ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は暗い表情で以下のように語りました。
「この試合から多くを期待していただけに失望は理解できる。ハンブルガーの実力は知っていたし、彼らはザグレブでもその実力を見せつけた。けれども我々は敗北に値しなかったと思う。多くの時間帯では互角に戦ったし、前半の終盤は我々の方が良かった。バーゼル戦やブラン戦ほどチャンスがないことは分かっていたし、一つのチャンス、一つのセットプレーで決めなければならない試合だったのだよ。しかし、上手くはいかず、最後には集中力の欠如で敗れてしまった。
グループリーグを勝ち抜けるチャンスがある以上は諦めることはしない。レンヌで奇跡を起こしに行くのだよ。勝利を求めて戦うし、必要な2ゴール差で勝利できるようトライするつもりだ。」
ハンブルガーのスティーブンス監督は
「ディナモのような強いチーム相手に戦うのは非常に難しかった。だから我々はこの勝利に満足しているよ。我々が国際レベルで戦えることを証明した。次のバーゼル戦はプレッシャーがないことから、サポーターのために試合を楽しもうと思う。
ディナモは自分の可能性をかけて戦うと予想していたし、実際そのようにプレーしてきた。こちらがしっかりと組織立てば、彼らがディフェンスを破るのが難しいと分かっていた。ディナモに勝利が必要なのは分かっていただけに、我々は自分のチャンスを待っていた。幸運にもそのチャンスがやってきた、ということだ。」
とコメント。またこれがディナモのユニフォームを着て最後のマクシミールの試合と予想されるモドリッチは
「本当に失望している。僕たちが試合に負けることに値しなかったと思うだけに……。しかし、負けてしまったんだ。セットプレーで失点するまではポジティブな結果だったのに、いつも同じことが起こってしまう。ハンブルガーが特別なチャンスを作れなかったのにね。まだレンヌ戦が残っているけど、2-0で勝利するのは難しいだろう。けれども、僕たちはアヤックス戦を再現したい。あの時だって誰もが僕たちが終わったと考えていた。決してどうなるかは分からないんだ。チャンスがある限りは諦める必要はない。」84分にピッチを去る際には拍手で送られたオリッチ(写真)は
「ディナモはセットプレーに対して非常に弱かった。相手選手と離れて立っていたしね。ファン・デル・ファールトは素晴らしいクロスボールがあるし、チームには跳躍に優れた選手が何人もいる。その一つのセットプレーでボールがネットに収まったということだ。僕は嬉しいけど、ディナモには気の毒だよ。ハンブルガーのようなチーム相手に勝利を期待するのは難しかったとはいえね。今日の僕たちは高いリズムでプレーしなかったけれども問題なく勝利できた。ディナモはバーゼル戦とブラン戦で自ら勝ち抜けるチャンスを失ったんだよ。」
とコメントしています。
同日に行われたバーゼルvs.ブラン戦はバーゼルが1-0で勝利し、バーゼルも決勝トーナメント進出を決めました。残り3チームとも決勝トーナメント進出の可能性が残っているとはいえ、ディナモにとってはかなり厳しい条件です。ちなみに勝ち点が並んだ場合は直接対決の結果は加味されず、①得失点差②ゴール数③アウェーゴール数という優先順で順位が決められます。最終節はレンヌとのアウェーマッチですが、ディナモが3位に入るためには2点差以上の勝利が必要。レンヌにも3位の可能性があり、ディナモ相手に3点以上の勝利が必要となります。それ以外の結果ならば、既に4試合を終えているブランが3位に入ることになります。試合は12月20日に予定されています。
1位…ハンブルガーSV(勝点9/3試合)
2位…バーゼル(勝点7/3試合)
3位…ブラン(勝点4/4試合/得点:失点 3:4/アウェーゴール 1)
4位…ディナモ・ザグレブ(勝点1/3試合/得点:失点 1:4/アウェーゴール 1)
5位…レンヌ(勝点1/3試合/得点:失点 1:5/アウェーゴール 0)
12月1日・2日にクロアチア・リーグ第18節が行われました。
首位ディナモ・ザグレブはNKザグレブと本拠地マクシミールでダービーマッチを戦いました。UEFAカップにおける得点力不足の鬱憤を晴らすかのようなゴールショーとなります。
開始4分、右サイドでMFモドリッチのパスを受けたFWマンジュキッチがペナルティエリア外からグラウンダーのミドルシュートを決めて先制すると、23分、ディフェンス陣をエリア中央で引き付けたモドリッチから左を走り抜けるFWバラバンにラストパスが送られ、バラバンがこれを決めて2-0。34分にはモドリッチ本人が直接FKを放ち、ザグレブの選手の壁に当たってゴールに吸い込まれ、3-0とリードします。 後半に入ってもディナモの勢いは止まらず、48分、ボランチで先発出場したヴルドリャク(写真右)がマーカーをフェイントでかわし、古巣相手にミドルシュートを突き刺して4-0。58分には左サイドでマンジュキッチからボールをもらった途中交替のFWタディッチ(写真左)が中央へと抜け出してシュートを放ち、5-0。更にその5分後にはDFブリャトからの縦パスに素早く反応したタディッチが決めて6-0と大量リードします。
しかし、これで集中力が切れてしまったディナモはザグレブの反逆を食らいます。70分にFWロヴレクがGKコッホの左脇で沈むミドルシュートをゴール隅に沈めると、その2分後にはロヴレクがGKコッホの位置を見極めてのループシュートを決めて6-2。89分には左サイドからMFムイジャがシュートを叩き込んで6-3。今季のディフェンスの不安定さは常に批判されているとはいえ、ハンブルガーSV戦を前にしての後味の悪い試合となりました。
4位ハイドゥク・スプリトはホームで3位スラヴェン・ベルーポと対戦。ヴァトレニ世代の監督対決(ヤルニvs.ユルチッチ)となったカードでテレビ放映もされたわけですが、熱しやすく覚めやすい土地柄もあってか、ハイドゥクの本拠地ポリュウド・スタディオンの観客は1500人止まりでした。その代わり、現在リーグ得点王のFWニコラ・カリニッチ(写真)に注目するシャルケ、フェイエノールト、AZアルクマールなどのスカウトが訪れています。 クロアチア・リーグでも屈指の中盤を誇るベルーポに対し、ハイドゥクは中盤を省力したサッカーで前線のカリニッチとヴェルパコヴスキスにボールを放り込みがちになります。そんな中、最初のハイドゥクのチャンスは3分、カリニッチが35mのミドルシュートを狙いますが、205cmのGKイヴェシャが指先でクリア。13分にはMFアンドリッチが中央突破してMFルビールにボールを繋ぎ、それからワンタッチでゴール前へと走り抜けるカリニッチへ。しかし、これもGKイヴェシャの早い反応でシュートを逃れます。ベルーポは33分、売り出し中のU-21代表MFヤヤロが30mのミドルシュートを放ちますが、これはGKバリッチがセーブ。
後半に入って57分、前線へとヘディングで押し出されたボールをもらったカリニッチが一直線でペナルティエリアに。そこで背後から追ったDFクリスティッチが倒してしまいPKの判定。カリニッチ自ら、右にきちっと決めてハイドゥクが先制します。カリニッチはこれでリーグ出場13試合で13ゴールを挙げたことになります(カップ戦やU-21代表も含めれば22ゴール目)。
反撃を試みたベルーポは67分、右サイドのFWヴルチーナから中央のFWシェーヒッチに理想的なクロスが通るものの、シュートに失敗。ハイドゥクも終了間際、DFラデリッチからボールを奪ったFWチョップがGKと一対一となるものの、シュートはポストを叩いてしまいます。試合はそのまま1-0でハイドゥクが終了。ベルーポを抜いて3位に浮上しています。
全試合の結果はこちら。
Sibenik - Cibalia Vinkovci 2:0
1:0 50' Roglic
2:0 53' Zec
Zadar - Medimurje 4:0
1:0 27' Terkes
2:0 32' Zupan
3:0 36' Terkes
4:0 89' Terkes
Inter Zapresic - Osijek 1:1
0:1 78' Niksic
1:1 90' Verhas
Rijeka - Varteks Varazdin 1:1
0:1 46' Smrekar
1:1 69' Strok
Hajduk Split - Slaven Belupo 1:0
1:0 57' Kalinic (PK)
Dinamo Zagreb - Zagreb 6:3
1:0 4' Mandzukic
2:0 23' Balaban
3:0 34' Modric
4:0 48' Vrdoljak
5:0 58' Tadic
6:0 63' Tadic
6:1 70' Lovrek
6:2 72' Lovrek
6:3 89' Mujdza
【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点49)、2位…リエカ(34)、3位…ハイドゥク・スプリト(30)、4位…スラヴェン・ベルーポ(30)、5位…ザダール(25)、6位…チバリア・ヴィンコヴチ(23)、7位…オシエク(22)、8位…シベニク(20)、8位…ザグレブ(19)、10位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(18)、11位…インテル・ザプレシッチ(18)、12位…メヂムリエ(11)
【得点】
13ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
12ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ)
11ゴール…ロヴレク(ザグレブ)、テルケシュ(ザダール)、モドリッチ(ディナモ)
9ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)
【アシスト】
7アシスト…ムムレク(ヴァルテクス)、マンジュキッチ(ディナモ)
6アシスト…モドリッチ(ディナモ)、ブーレ(リエカ)、ツェルナト(ハイドゥク)
5アシスト…ジュパン(ザダール)、シャルビーニ(リエカ)、マルチッチ(チバリア)
3日、半年間サッカーから離れていたDF/MFイゴール・ビシュチャン(29)が古巣のディナモ・ザグレブと3年半の契約を結びました。リバプールに移籍した2000年以来のディナモ復帰となります。
「7年を経てディナモに戻れることは嬉しいよ。歓迎の言葉を述べてくれた全員に感謝しているし、僕はそれにプレーで応えなければならないと思う。ディナモが引き続きクロアチア国内のサッカーを支配し、ヨーロッパの大会で他と競合するチームとなるようサポートするつもりだ。とはいえ、現時点でもディナモはヨーロッパレベルのクオリティを持っていると考えているよ。」
とコメントしています。また一時、サッカーを引退したと報じられたことに関しては
「いや、それは真実ではない。僕はメディアに口を余り開かなかったから、引退を確認することはできなかったはずだ。今はサッカー選手にとって脂の乗った年代にあるわけだし。これまで身体に問題を抱えたことがないし、酷い怪我で苦しんだこともないのだから。」
とコメントしています。ディナモの補強はビシュチャンだけに留まらず、ヘンクのDFトミスラフ・ミクリッチとボーフムのMFイヴォ・イリチェヴィッチにも触手を伸ばすと言われています。
スラヴェン・ベルーポに所属するDFイヴァン・ラデリッチ(27・写真中央)が、この冬にブンデスリーガ一部のエネルギー・コットブスへ移籍することがコットブスの公式サイトで明らかになりました。契約期間は2011年まで、背番号は28です。コットブスを指揮するスロベニア人監督ボヤン・プラシュニカールは 「長い間、イヴァンのプレーを追ってきただけに、彼のことはよく分かっている。まさしく彼は私たちが求めてきた選手だ。ヘディングの上手い力強いディフェンダー。ここ最近も何度に渡って彼を見たが、現在の働きぶりに我々は熱狂したよ。」
とコメントしています。ラデリッチはハイドゥクやシベニク、インテル・ザプレシッチでプレーし、2004年にはセレッソ大阪に在籍。再びインテルとハイドゥクを経て、2006年からスラヴェン・ベルーポでプレーしていました。フアド・ムズロヴィッチ監督(彼も元セレッソ)がボスニア代表を指揮するようになってからは、クロアチア出身とはいえ、ボスニア代表にもピックアップされています。またコットブスにはDFマリオ・ツヴィタノヴィッチ、DFクリスティヤン・イプシャ、GKトミスラフ・ピプリッツァ、MFスティーヴェン・リヴィッチの4人のクロアチア人が在籍しています。
リエカの左サイドバックでU-21代表でもレギュラーを務めるマヌエル・パミッチ(21・写真)に、オーストリアのレッドブル・ザルツブルクがオファーを出すといわれています。パワーある突破力が持ち味のパミッチは今季にブレイク。ザルツブルクは三都主アレサンドロを年内で手放すため、左サイドの控えが手薄になっています。ザルツブルク以外にもリヨンが関心を示していると言われ、2009年まで契約を残すリエカは3年間に契約を延長して引き留めを図ろうとしています。
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