ヴァトレニの現在。
8月17日にスプリトのポリュウド・スタディオンにて親善試合「クロアチアvs.ブラジル」が行われます。
この構想が上がった当初は(2,3年前)、1998年ワールドカップ3位に輝いた「ヴァトレニ」世代の功績をたたえるお別れ試合としてのものでした。今年になってようやく実現の運びになったわけですが、お別れ試合は結局のところ実現しないことに。理由はクロアチア・サッカー協会の上層部が彼らが協会の仕事に入ってくることを好まないため(とりわけ協会長のポストを目指していたボバンなど)、そしてもう一つの理由はメンバーが仲間割れをしているためです。ハイドゥクへの投資撤回とブックメーカー「SPORT TIP」の倒産を巡って、ボクシッチとビリッチ、アサノヴィッチがシュティマッツを訴え、現在は法廷で争っています。最後の10分だけヴァトレニを率いるというチーロ・ブラジェヴィッチ監督のアイデアも実現することなく、彼らが一同で揃う場はもう見られないことでしょう。
中立な立場のマリオ・スタニッチはこう語ります。
「お別れ試合については何も知らないし、サッカー協会から何もコンタクトはない。ソルドと連絡を取ったけど、彼もまた何も知らなかった。既に何度か集まっての試合はあったが(ex.ボバンの引退試合)、実際のところは公式的な試合はまだ。もしブラジルとの試合で実現するならいいんだけどね...」
スタニッチは将来に何をするかまだ決めず、テニスに没頭するなど悠々自適な生活をしているのですが、スプリトでのブラジル戦は観客として訪れるそうです。
ワールドカップ得点王のシュケルはマスコミに対しては口を開かないため、お別れ試合についてどう考えているか不明です。彼は「現役引退」発表すらしてないわけで、ブラジル戦は花道となったはずでしょう。彼は我が道を行くかのごとく知名度を活かしたビジネスに没頭してきたわけですが、6月に代理人ビジネスのパートナーだったポクロヴァッツ氏が暗殺。一番商品だったニコ・クラニチャールはシュケルに三行半を突けました。シュケルもストレスが溜まっているのでしょうか、Vecernji-list紙が掲載した夏休みの模様の写真を見ると彼は激太りしてしまったようです。「エル・クロアタ」というヨットで毎日、アドリア海をクルージングしている彼ですが、もしやヤケ食いしているのかもしれません(笑)
この記事にはシュケルの写真が11枚掲載されています。中には2002年のワールドカップで大喧嘩したはずのボクシッチとのツーショットもあります(協会から払われる日給を巡って、シュケルが金・金・金とこだわったことに、ようやく大きな大会に出場したボクシッチが切れたという噂)。彼も奥さん達と「アクアリウス」というヨットでクルージング中。二人はサッカーとブラジェヴィッチの話で盛り上がったみたいです。この二人が再びピッチでツートップを組むのを見てみたいものですけどね。
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コメント
初めまして。毎回、楽しく拝見させていただいています。
今回、ヴァトレニの記事が載っていたので堪らず書き込んでしまいました。。。
中学生の時、98年W杯でのヴァトレニの活躍を観たのをきっかけに、
それ以来ずっとクロアチア代表を応援しています。
(正直、今では日本代表よりも思い入れが強いかもしれないです。。。)
特にマリオ・スタニッチ氏のファンで、現役を引退してから全く情報が入らず、
現在何をしているのかとても気になっていました。。。
将来は是非、監督やコーチとして現場に戻ってきてもらいたいです!
それにしても『お別れ試合』実現して欲しかったです。。。
なにか複雑な事情があるようで、もう揃うことはないのかと考えると
ちょっと寂しい気分になります。。。
少し長くなってしまいましたが、気になる記事があったらまたコメント残したいと
思いますので、宜しくお願い致します。
投稿: まりお | 2005年7月30日 (土) 00時25分
>まりおさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
スタニッチは膝の故障で現役引退したわけですが、テニスは膝のリハビリにも良いということで始めたみたいです。海外生活が長かっただけに、1年経った今も休憩している状況で、何か仕事をやると決めるまでは本人曰く「年金生活者」みたいな人生を送るようです。クロアチアでこういうタイプにとって一番いい仕事はカフェ経営かもしれませんね(笑) 随分と多くの選手が自分のカフェを持っておりますよ。
また気軽にコメントを残して下さいね。
投稿: 長束恭行 | 2005年8月 1日 (月) 20時45分