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2005年8月31日 (水)

トゥドール、シエーナにレンタル移籍

8月31日に欧州の移籍市場がクローズしますが、それに合わせてクロアチアでも移籍の動きが出ています。

tudor ユベントスの去就が注目されるDFイゴール・トゥドール(27・写真)ですが、ユベントスはボルトンとの間でレンタル移籍に合意していたものの本人が拒否。またWBAのオファーも拒否しました。ヴィジャレアルの話もなくなり、パナシナイコスは予算不足で獲得できず。またラツィオやボルドーなども移籍期限間際になって打診をしてきましたが、クロアチア国営放送が報じた最新のニュースでは昨季後半同様にシエーナにレンタル移籍されるそうです。

ハイドゥク・スプリトは新たな補強選手として、スラヴェン・ベルーポのFWイヴィツァ・カラボグダン(29)を獲得しています。カラボグダンは俊足FWとして昨季はチームトップの10得点を決めております。また獲得候補に名前が挙がっていたDFダミール・ミリノヴィッチ(ポモラッツ所属)とMF/FWミハエル・ミキッチ(カイザースラウテルン所属)は獲得失敗に終わっており、元クロアチア代表FW/MFダヴォール・ヴグリネツとは現在交渉中とされています。

ディナモ・ザグレブに所属するスロベニア代表FWボシュトヤン・チェサール(23)のマルセイユ移籍が決定しました。移籍金は200万ユーロとされています。チェサールはディナモのユース育ちの選手で、ポテンシャルは認められながらも昨季までは不遇を味わっていました。しかしスロベニア代表のレギュラーとして、ワールドカップ予選ではイタリアを破る得点を決め、また今季はクジェ監督がレギュラーとして彼を据え、安定したプレーを見せておりました。またディナモはアトレティコ・パラネンセからブラジル人MFエトー(24)を4年契約で獲得しています。

あと記事を書きそびれてしまいましたが、ワールドカップ予選のアイスランド戦(9月3日)とマルタ戦(9月7日)の代表メンバーを下にまとめております。イヴィツァ・オリッチが怪我で外れた以外には変化はありません。
http://homepage2.nifty.com/hrvgo/soc/hrv.htm

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2005年8月30日 (火)

ビシュチャンのインタビュー記事

biscan 4年間に渡ってマスコミに沈黙を続けていた元クロアチア代表MFイゴール・ビシュチャン(27)ですが、今年になってからようやくインタビューに応じるようになりました。Sportske Novosti紙が8月27日、パナシナイコスへと移籍したビシュチャンへのインタビュー記事を掲載したので翻訳紹介します。

-リバプールとの契約最終年の昨季は活躍したにもかかわらず、契約更新とはならなかったが。
「(リバプールは)美しい想い出だ。しかし人生は先へと続くよ。」

-今季はパナシナイコスに移籍金なしで移籍した。
「本当にここで満足していると認ねなければならない。アンフィールドを去ると決めたときに、アテネ(パナイナイコスの所在地)はプランになかった。スペインかイタリアでキャリアを続けることを期待していたし、そこから具体的なオファーもあった。しかし最後はここを選んだ。パナシナイコスの人達は具体的な上にきちんとしており、たいへんに熱心であった。イタリアのクラブ(サンプドリアなど)の交渉の遅延ぶりにうんざりしていたので、パナシナイコスのオファーを引き受けることに決めた。彼らは私を評価し、私を望んでいることがはっきりしていたからね。」

-そして7月14日にチームへ加入し、チャンピオンズリーグ本戦の出場を決めた。
「オファーを引き受けたことは幸運だった。(予備戦3回戦の)ヴィスラ・クラクフとの戦いの前にもそれは言ったはずだ。私にとってパナイナイコスというクラブは大きく心地よい驚きだった。例えばリバプールのような栄光あるクラブにいた人間は、他のクラブが全て価値が小さいものと見てしまうだろう。私はアテネでそんな偏見は消えてしまった。本当にパナシナイコスは私を熱狂させ、またこの街での生活に興奮している。現役の最後までここにいようかとさえ思っている。それだけここでの価値を見い出しているということだ。常にヨーロッパ・カップに出場しているということが、パナシナイコスが良い仕事をしているという証明だろう。組織ぶりは非難の余地がなく、選手に対しても親切な関係にある。サポーターはファナティックだし、街並みは既に言ったように驚異だからね。」

-ライバルのオリンピアコスとの試合が日曜にあるが。(結果は0-2で敗北。ビシュチャンは途中交替出場)
「その熱狂ぶりはどこでも感じられる。少し緊張しすぎだけどね。しかし、ビッグゲームやプレステージ、クラブにとって重要なお金をもたらすチャンピオンズ・リーグ出場を決めたことの方がより重要だと思う。国内リーグは長期戦だし、いつでも修正が可能だ。とはいえ、オリンピアコスとの試合は特別なものだ。」

-チャンピオンズリーグのグループCについては。
「組合せは興味深い。バルセロナは力強く、対戦することが楽しみだ。ウディネーゼとヴェルダーとの対戦が我々が成功するかの鍵となる。どこも強いチームだが、結果は相対的なものとなるだろう。」

-パナシナイコスが更に良くなるためにまだ欠けているものは。
「もっとチームのプレーを重ねてなければならないが、我々は十分に良いチームだ。もしかしたらディフェンスとフォワードに補強が必要だろう。国内リーグにヨーロッパ・カップと多くの試合があるから、選手の選択肢を広げることが重要だ。」

-イゴール・トゥドールの移籍話が取り沙汰されているが。
「ああ、しかしその話がどの段階まできているかは分からない。トゥドールは我々にとって理想的な選手だけどね。」

-パナシナイコスに加入したならば5人目のクロアチア人となるわけだが。
「チャンピオンズリーグ予備戦でもクロアチア人は必要な役割を十分に果たしたと見ている。GKガリノヴィッチは本当に素晴らしい。予選突破に最も貢献した選手の一人だ。以前は彼のことをよく知らなかったが、代表の質を持った選手だと確信している。」

-監督のアルベルト・マレサーニについては。
「とりわけ気性が激しく、ここまでチームのゴールに喜ぶ監督はこれまで見たことがない。彼の仕事ぶりは良いし、他のイタリア人監督同様に戦術には多くを割いている。」

-パナシナイコスとリバプールの練習を比較すると。
「リズムに差がある。イングランドでは毎朝キャンプ地に行かねばならず、そこで午後まで自由となる。ここでは朝から拘束がなく、夕方になってから練習だったことに驚いた。時々、私は休暇を過ごしているような気分になるよ。海があり、暑さがあり、太陽があり、自由時間がある。リバプールにおける雨、雲空、寒さ、拘束とは全て逆だよ。」

-アテネは美しい街だが、混沌さがあるのでは。
「昨年のオリンピック開催でのインフラ整備により、交通面の渋滞は改善されて素晴らしくなったと誰もが言っている。ちょうど、街でも最も美しい海に面した地区の家に引越ししたところだ。全選手が近くに住んでいて、よくつるんでいるよ。」

-ザグレブにはいつ戻る?
「クリスマスまでは戻らないだろう。国内リーグとチャンピオンズリーグにおける義務は大きいからね。ギリシャ・リーグはイングランド・リーグと比べてもう一つ利点がある。ここでは中断期間かあり、休暇をとる時間があることだね。」

Sportske Novosti紙は今年夏にマスコミへの沈黙後、最初のインタビューを掲載しており、ビシュチャンは2003年の代表合宿脱出事件の真相を語っています。1999年の代表デビュー以来、彼は協会や監督の扱いに満足してなかったですが、再召集となったブルガリア戦では当時のオットー・バリッチ監督が起用を匂わせた呼んだにも関わらず合宿に来たら構想外だったことを知り、堪忍袋の緒が切れて脱出したとのことでした。クロアチア代表でのプレーは希望しているものの、謝罪してまで戻る考えはないとの態度を表明。サッカー協会側はあくまでビシュチャンが謝罪しない限りは代表に入れないつもりです。

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2005年8月29日 (月)

クロアチア・リーグ第6節

8月27日・28日にクロアチア・リーグ第6節が行われました。

bosnjak 首位ディナモ・ザグレブは最下位のスラヴェン・ベルーポと対戦。会場となるベルーポのホーム、グラツキ・スタディオンにはディナモ・サポーター「BBB」数百人を含む4000人でほぼ満員となりました。ベルーポの指揮が昨季のディナモ監督であるニコラ・ユルチェヴィッチという因縁ある試合でありました。
お互い削りあいの展開となる中、5分にディナモDFのドルピッチがエリア内でFWカラボグダンの顔を手で叩いてしまうものの主審はPKを取らず、また27分にはまたしてディナモのエリア内でGKトゥリーナがFWカラボグダンと衝突したものの主審はプレーを流してしまいました。前半のディナモは内容も結果もないプレーに終始していたのですが、ハーフタイム直前にDFツルナッツがボールを肩でトラップミスしたところをボシュニャク(写真)が俊足を飛ばしてボールをさらってシュートを決めてディナモが先制します。
後半になって立ち直ったディナモはモドリッチ、ダ・シルヴァがそれぞれシュートを放つものの得点できず、70分にダ・シルヴァがFKをゴール左上隅に決めて2-0と突き放しました。ディナモは勝点を15と伸ばし、首位を堅持しています。

一方でライバルのハイドゥク・スプリトはチャンピオンズ・リーグ予備戦敗退後は国内リーグで二連敗と苦しい戦いを続けています。ホームに格下のチバリア・ヴィンコヴチを迎えたものの、チバリアのカウンターに苦しみます。前半に決定機を二度に渡ってFWブシッチが外してしまうと、後半65分にエリア内でミラディンをかわしたラトコヴィッチがシュートを決めてチバリアが先制。その2分後にはチバリアのクネジェヴィッチが近距離からシュートを放ちますがGKカレが好セーブし、追加点を奪えません。ハイドゥクは88分、チャチッチが左サイドでフリーのマカリンにパスを通すと、まだ18歳のマカリンはGKカリニッチの股下にシュートを決めて何とか同点に追いつきました。

次節(9/10)にディナモ・ザグレブとハイドゥク・スプリトがマクシミール・スタディオンで直接対決します。既にハイドゥクはディナモに勝点5を引き離されており、次の試合でハイドゥクが敗れるようならば、ミロスラフ・ブラジェヴィッチ監督は辞任の可能性が大であります。

2位ヴァルテクスはホームでリエカと対戦。ヴァルテクスはヨリッチのゴールで1-0とリードしながらMFヴクマンが二度目のイエローで45分に退場すると、後半にリエカのシャルビーニがハットトリックを決めて逆転。クルパンのゴールを含めて4-1とリエカが勝利しています。

その他の試合はこちら。

Slaven Belupo - Dinamo Zagreb 0-2
1-0 45' Bosnjak
2-0 70' Da Silva

Zagreb - Pula Staro Cesko 2-0
1-0 82' Custic
2-0 90' Pelaic

Hajduk Split - Cibalia Vinkovci 1-1
0-1 65' Ratkovic
1-1 88' Makarin

Kamen Ingrad - Medimurje 2-2
1-0 7' Lakoc
1-1 16' Kresinger
1-2 22' Guvo
2-2 57' Kralj

Varteks Varazdin - Rijeka 1-4
1-0 14' Jolic
1-1 58' Sharbini
1-2 75' Sharbini
1-3 79' Sharbini
1-4 86' Krpan

Osijek - Inter 1-0
1-0 85' Ruzak

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点15)、2位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(12)、3位…リエカ(11)、4位…ハイドゥク・スプリト(10)、5位…ザグレブ(10)、6位…オシエク(9)、7位…カメン・イングラッド(8)、8位…インテル・ザプレシッチ(7)、9位…チバリア・ヴィンコヴチ(7)、10位…メヂムリェ(5)、11位…プーラ・スターロ・チェシュコ(5)、12位…スラヴェン・ベルーポ(2)

【得点ランク】
1位…5得点 ダ・シルヴァ(ディナモ)
2位…4得点 クラニチャール(ハイドゥク)、シャファリッチ(ヴァルテクス)、ボシュニャク(ディナモ)、クルパン(リエカ)
3位…3得点、ブシッチ(ハイドゥク)、プルピッチ(リエカ)、ヨリッチ(ヴァルテクス)、ラキッチ(カメン・イングラッド)、シャルビーニ(リエカ)

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2005年8月27日 (土)

移籍情報

stipe クロアチア代表GKスティペ・プレティコサ(26・写真)が今季末まで古巣のハイドゥク・スプリトにレンタル移籍されることが決まりました。2003年にシャフタール・ドネツクに移籍したものの、2004年のユーロ直前で怪我をしてしまい、以後はレギュラーどころかベンチ入りすら厳しい状況になっていました。ハイドゥクはカレとバリッチの両GKが満足できない状況であり、かつての守護神であるプレティコサを引き入れるためスポーツ・ディレクターのシュティマッツは尽力しておりました。復帰戦は9月10日のマクシミールでのディナモ・ザグレブ戦となりそうです。

クロアチア代表DFイゴール・トゥドール(27)の移籍先がそろそろ決まりそうな雰囲気です。ユベントスは既にボルトンとの間でレンタル移籍の合意に至っているものの、トゥドールはパナシナイコスとビジャレアルの二つのクラブと話し合っており、イタリア人のマレサーニ監督が率い、かつクロアチア人が4人在籍するパナシナイコスが有力といわれています。

前クロアチア代表FWサーシャ・ビエラノヴィッチ(25)がセリエAに昇格したアスコリに移籍することとなりました。昨季はレッチェでプレーした彼は、今季から所有権のあるジェノアに戻ってましたが、八百長問題を理由にジェノアはセリエCに降格。そのため彼は移籍先を探しておりましたが、ジェノアから所有権を50%買い取ったアスコリへの移籍が決まりました。2002年にヴァルテクスからイタリアにわたった彼はこれまでコモ、キエーボ、ペルージャ、ジェノア、レッチェでプレーしています。

前クロアチアU-21代表MFゴラン・ルビール(24)がJ2の湘南ベルマーレに移籍することとなりました。17歳の時にナントに移籍したものの怪我などもあってトップチームでの出場に恵まれず、契約も昨季で切れておりました。今年初めにはディナモ・ザグレブが獲得を目指したものの、年俸が折り合わずに流れてしまっていました。「日本には今シーズン終わりまでプレーする。つまり12月15日までの契約だ。その後で日本でのキャリアを続けるかヨーロッパに戻るかを考えるよ」とコメントを残しています。

イタリアやイスラエル、クロアチア国内でプレーしたFWミリエンコ・コヴァチッチが20日、交通事故のため32歳のため亡くなりました。死因はカワサキのオートバイを制限時速以上で運転し、誤ってガードレールに激突したものとされています。俊足が売りだった彼はディナモでキャリアをスタートし、セリエAのブレシアに移籍。しかしブレシア在籍中に僧侶になるため現役を一度引退しました。2001年にクロアチア下部リーグのヴルボヴェツで現役復帰すると、のちにクロアチア一部のスラヴェン・ベルーポとイスラエルのハポエル・ペタフ・ティクバに在籍。ベルーポでは2シーズンで14得点を決め、昨年に現役からの一時的な引退を発表していました。

ディナモ・ザグレブのDFボシュトヤン・ツェサール(23)のマルセイユ移籍が秒読みと言われています。スロベニア代表でもあるツェサールには、グラスゴー・セルティック、グラスゴー・レンジャース、ヴェルダー・ブレーメンなどが関心を示しておりました。マルセイユが提示した移籍金は200万ユーロで、ディナモは当初以上の額である250万ユーロを希望しているものの、移籍の可能性は高そうです。
ディナモ・ザグレブで出場機会の得られないMFフルヴォイエ・シュトロク(25)とDFヴェドラン・イェシェ(24)が、今季末までインテル・ザプレシッチにレンタル移籍されることとなりました。

ベルギー一部のFCブリュッセルにレンタル移籍が進められていたディナモ・ザグレブのFWダリオ・ザホラ(23)ですが、ブリュッセルのトレーニングで評価を得ることが出来ず、レンタル移籍は不成立となりました。ザホラはブリュッセル以前にも韓国Kリーグの釜山でも同様に移籍が成立せず、ディナモに残留することとなりそうです。

スラヴェン・ベルーポのブランコ・カラチッチ監督がチーム不振の責任を取り、18日に辞表を提出。後任監督には元ディナモ監督のニコラ・ユルチェヴィッチが就任しました。ベルーポは現在最下位で、昨季の優勝決定リーグ以来、14試合で1勝しかしておりませんでした。ユルチェヴィッチにとってはザグレブ、ディナモに次いで3番目に指揮するクラブであり、ベルーポ史上最年少の監督(39歳)となります。

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ヨーロッパ・カップ戦、クロアチア勢全滅

8月25日、UEFAカップ予備戦2回戦第2戦が行われました。

リエカはホームのカントリーダ・スタディオンにリテックス・ロヴェツ(ブルガリア)を迎えました。初戦は0-1と敗北したリエカですが、この試合はクルパン-ゼキッチ-ノヴァコヴィッチという3トップで挑み、開始当初からチャンスを作ります。しかし相手GKの好セーブやゼキッチの不調もあって得点を奪えません。中盤でルーズボールの競り合いに負けるケースも多く、リテックスはロングボールから好機を見出します。前半終了間際にカウンターからリテックスのヴェンコフがエリア内に入ったところをリエカDFレーラントが倒してしまってPK。これをジャン・フィリップ・カイルーが決めてリテックスが先制します。予備戦突破には3点が必要となったリエカは後半から更に攻撃陣を投入するもバランスが崩れてしまい、リテックスに好機を許します。GKジリッチの活躍もあって失点を防ぐと、60分にゼキッチがエリア内で倒されてPK。クルパンのシュートはGKに止められるも、撥ね返りをクルパンが押し込んで1-1。終了間際にレンドゥリッチが左サイドから右上隅にシュートを決めて2-1と勝ち越すも、トータルスコアは2-2、アウェーゴール2倍ルールで敗退が決定しました。

pantelic インテル・ザプレシッチはアウェーでツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア・モンテネグロ)と対戦。ズヴェズダは既に初戦を3-1と勝利していることもあり、マラカナ・スタディオンは3万人の観客が集まりました。試合開始前にデリエは人文字でドクロの模様を作り、「チェトニク(セルビア民族主義組織)よ、準備せよ。力による闘いだ」との横断幕が掲げられましたが、初戦で片がついていたこともあり、この試合は一方的な展開となりました。6分にジギッチのシュートをGKクラニチェッツが弾いたところを、左サイドから駆け込んだヤンコヴィッチが押し込んでズヴェズダが先制。41分にはジギッチが右サイドからDFラインに裏にいたパンテリッチ(写真)へとパスを送り、パンテリッチはエリア内に入ったペチェリをかわしてからシュートを決めて2-0。45分にはヤンコヴィッチが右サイドからグラウンダーのクロスを入れ、これにジギッチがシュートを合わせて3-0とリードします。
後半は71分にコヴァチェヴィッチにタックルを入れたインテルのペチェリが二枚目のイエローで退場、またペチェリを押したジギッチも二枚目のイエローで退場します。また82分にはメインスタンドの観客がインテルの監督ボグダンに向けて様々なモノをぶつけたことで、UEFAの制裁を恐れたパンテリッチらがメインスタンドの観客に止めるよう説得する場面がありました。85分、そのパンテノッチがDFポロヴァネツを速いフェイントでかわしてからシュートを決めて4-0。トータルスコア7-1でズヴェズダが勝利しました。

これでクロアチア勢はヨーロッパ・カップ戦から消滅。更にヨーロッパでのクラブ・ランクが下がることとなります。

またボスニア・ヘルツェゴビナのシロキ・ブリイェグは、セルビア・モンテネグロのゼータとホームのスタディオン・ペツァーラで対戦。初戦をアウェーで1-0で勝利していたシロキですが、この試合では開始4分に失点するも、16分にルカチェヴィッチ、18分にユリチッチ、26分にはロニエーレの得点で3-1と逆転。PKで一点差に縮められるものの、63分にブバロの得点で4-2と勝利して、本大会一回戦にコマを進めました。この試合で元ディナモのドマゴイ・アブラモヴィッチは前半のみ出場。Sportske Novostiでは7の評価を得ています。またアブラモヴィッチは国内リーグの前節(第3節)で、レオタール相手に2ゴールを決めました。UEFAカップ一回戦の対戦相手はスイスのバーゼルとなっております(取材予定)。シロキ・ブリイェグはクロアチア人地区のチームであり、ゼータとの試合ではクロアチア首相のイヴォ・サナデルだけでなく、クロアチア代表監督のズラトコ・クラニチャールやハイドゥク会長ブランコ・グルギッチ、クロアチア・サッカー協会事務局長ゾリスラフ・スレブリッチなどが観戦に訪れています。

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クロアチア・リーグ選抜vs.バイエルン・ミュンヘン

8月23日、クロアチア・リーグ選抜(T-Com クロアチア)vs.バイエルン・ミュンヘンの親善試合がマクシミール・スタディオンで行われました。ユニセフのチャリティマッチも兼ねたこの試合は当日ソールドアウト、40000人という満員の中で行われました。滅多にマクシミールが満員になることはなく、チケットを購入できなかった何百人ものファンはスタジアム外の柵などから覗き見するほどでした。
トミスラフ・イヴィッチ監督はディナモの選手を中心にスタメンを構成しました。ハイドゥクから唯一選ばれたクラニチャールは直前の怪我でキャンセルしてしまっています。スタメンはGKトゥリーナ-DFチョルルカ、ドルピッチ、ツェサール-MFヴクマン、マミッチ、ミトゥ、チュトゥラ-モドリッチ-FWダ・シルヴァ、ボシュニャク。またフルメンバーでやってきてくれたバイエルンは、GKカーン-DFサリハミジッチ、ルシオ、イスマエル、ハーグリーブス-MFイェレミース、ゼ・ロベルト、バラック、アリ・カリミ-FWマカーイ、ゲレーロのスタメンでした。

makaay 親善試合らしくバイエルンは怪我人が出ないよう軽めのプレーをしたこともあって、クロアチア・リーグ選抜にもチャンスが生まれます。最初のチャンスはクロアチア・リーグ選抜。チョルルカのスルーパスからボシニャクがDFを振り切り、カーンの目の前でボールをさらってシュートするものの、カバーに入ったルシオがクリアします。時間と共にバイエルンは中盤の支配度を増し、25分にマカーイ(写真)が左サイドから飛び込んだゼ・ロベルトに合わせてスルーパスを出し、これを右ネットぎりぎりにシュートを決めてバイエルンが先制します。35分、ダ・シルヴァの右クロスからボシュニャクがヘディングシュートを試みるも、ボールはポストの左へ。終了間際にはゼ・ロベルトの左クロスにゲレーロがヘディングシュートしますが、こちらも左ポストをわずかに逸れます。
後半からバイエルンはダイスラー、ショル、シュバインシュタイガー、リザラスらが起用され、クロアチア・リーグ選抜もイブリチッチ、ベンコ、また試合途中からポサヴェツ、ヴルドリャク、バルトロヴィッチ、ブルクリャチャなどが起用されました。48分のダイスラーの右からのシュートはGKトゥリーナがセーブ。その後はゲームが停滞してしまいましたが、77分にダイスラーが中央左でフリーのマカーイにパスを通すと、マカーイはコースを狙ってシュートを決めて2-0。クロアチア・リーグ選抜も79分にブルクリャチャのミドルシュートがGKレイジングの好反応で止められると、84分にはベンコの強烈なミドルシュートはバーを叩きます。試合は2-0でバイエルンが勝利しました。

ivic 試合後にフェリックス・マガト監督は「試合組織者に対してクロアチアに招待してくれたことに感謝している。クロアチアはいつも優秀なサッカー選手を生み出す土地柄だけに、クロアチアでプレーすることは大きな満足だ。試合は非常に美しく、内容もあり、また我々にとっては大きな挑戦でもあった。観客を満足させたならば嬉しいよ。相手にもゴールチャンスがあったとはいえ、2-0という結果には満足している。自分のチームの選手にばかり目をやっていたが、後半には背番号12番の選手(ボシュニャク)を注意してみていた。彼は非常にアトラクティブな選手だ」と語っています。
またトミスラフ・イヴィッチ監督(写真)は「このようなスペクタクルをオーガナイズしてくれた皆さんに感謝したい。とりわけその知名度でこれだけに観客を我々のスタジアムに集めてくれたバイエルンには感謝している。試合は素晴らしいものだった。前半はバイエルンが支配したが、後半は五分五分であり、一点でも奪うチャンスことも可能だった。バイエルンの実力は明らかだし、コンディションにも問題がないチームで、サイドチェンジも容易にやっていた。そんな彼らの部分を見ることだけでも楽しいことだ。私のチームの若い選手たちが見せてくれたものには満足しなければないない。彼らは現時点でやれることを最大限発揮してくれた。このような試合は我々にとって重要だ。なぜなら速いプレーリズムを相手が提供してくれるからね。バイエルンはヨーロッパのどんな最高のチームでも勝てる状況にあるし、心から20度目のブンデスリーガ優勝と欧州チャンピオンになることを願っている」とコメントを残しています。

私は仕事のためこの試合を観戦できなかったのですが、試合前日にザグレブのホテルで偶然にもイヴィッチ監督と話す機会がありました。私がロビーでSportske Novosti紙を読んでいたところ、ちょうどイヴィッチ氏がロビーに下りて同じ新聞を買いに行くところに目が合い、初対面ながら自然に挨拶し、気さくに話しかけてくれました。新聞を手に私の向いに座ったイヴィッチ氏は翌日のバイエルン戦のこと、またポルトを率いてトヨタカップを制した話などを語ってくれました。クロアチア随一の名将だけにこのように接する機会があったことは嬉しいことです。

(写真はSport-netより)

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クロアチア・リーグ第5節

8月20日、クロアチア・リーグ第5節が行われました。

cesar注目のカードは2位ディナモ・ザグレブと首位ヴァルテクス・ヴァラジディンの直接対決。マクシミール・スタディオンには今季最高の約2万人の観客が集まりました。
試合開始からディナモが猛攻を仕掛けます。6分にマリッチがチョルルカのお膳立てによる決定機を逃すと、11分にはダ・シルヴァのパスからマリッチが放ったシュートはGKヴラニッチの正面に。しかしその1分後、ダ・シルヴァの右FKからDFツェサール(写真)がヘディングシュートを決めてディナモが先制します。24分にはモドリッチのヒールパスからボシュニャクが放ったシュートは枠を僅かに逸れると、36分にはマミッチがミドルシュートを放ち、これはGKがコーナーキックへと追いやりました。
一方的なディナモの攻撃に終わった前半でしたが、後半はヴァルテクスが目を覚まします。しかしなかなか同点機は作れず、72分にはイプシャのミドルシュートをGKトゥリーナがセーブし、終了間際にはベンコがミドルシュートを放つもののこれもトゥリーナが好セーブ。ディナモは1-0で勝利をものにし、新たに首位に立ちました。

不調に陥っているハイドゥク・スプリトはアウェーでプーラ・スターロ・チェシュコと対戦。前半はハイドゥクが支配下に置き、グルグロヴィッチのFK、またクラニチャールの近距離のヘディングシュートと二度の決定機を逃してしまいます。プーラは前半には3トップが機能しませんでしたが、後半頭からヘルニアから半年ぶりに回復した俊足FWシェヒッチを投入。するとスピード不足が問題のハイドゥクDF陣は混乱します。49分にライッチ・スダールからのスルーパスを貰ったシェヒッチがゴールへ向かって疾走し、ハイドゥクに復帰したばかりのミラディンをフェイントでかわしてシュートを決めてプーラが先制します。71分に近距離からのシュートをハイドゥクのムニョスがふかして同点のチャンスを逃してしまうと、77分にもライッチ・スダールがスルーパスを出したリヴィッチがシュートを決めて2-0とプーラが勝利しました。

Dinamo Zagreb - Varteks Varazdin 1-0
1-0 12' Cesar

Kamen Ingrad - Osijek 2-0
1-0 55' Mujcin
2-0 66' Brajkovic

Cibalia Vinkovci 1-0 Slaven Belupo
1-0 12' Bagaric

Pula Staro Cesko - Hajduk Split 2-0
1-0 49' Sehic
2-0 77' Rivic

Rijeka - Inter Zapresic 0-0

Medimurje - Zagreb 0-0

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点12)、2位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(12)、3位…ハイドゥク・スプリト(9)、4位…リエカ(8)、5位…カメン・イングラッド(7)、6位…ザグレブ(7)、7位…インテル・ザプレシッチ(7)、8位…オシエク(6)、9位…チバリア・ヴィンコヴチ(6)、10位…プーラ・スターロ・チェシュコ(5)、11位…メヂムリェ(4)、12位…スラヴェン・ベルーポ(2)

【得点ランク】
1位…4得点 クラニチャール(ハイドゥク)、シャファリッチ(ヴァルテクス)、ダ・シルヴァ(ディナモ)
2位…3得点、ブシッチ(ハイドゥク)、クルパン(リエカ)、プルピッチ(リエカ)、ヨリッチ(ヴァルテクス)、ボシュニャク(ディナモ)

【アシストランク】
1位…5アシスト ミトゥ(ディナモ)
2位…3アシスト シャリッチ(リエカ)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)、ダ・シルヴァ(ディナモ)、ポサヴェツ(ヴァルテクス)

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2005年8月19日 (金)

「クロアチアvs.ブラジル」取材記

  ブラジルとの親善試合、スプリトまで撮影取材してきました。ビッグゲームだけに今回はプレスパスが下りるか心配したものの、いつもマイナーな試合に足を運び続けていることが良かったのか、無事にパスが下りました。クロアチア・サッカー協会も多くのリクエストを撥ねつけるべく、これまでの取材実績があるところを優先したそうです。またSport-netの編集部でもパス争奪戦があり、「試合日の近くが誕生日だから、パスを取ってくれ」みたいな要望も他の記者からはあったようです^^;

navijac8月は観光シーズンということで添乗仕事と重ならないことを願っていたわけですが、無事に時期が逸れ、2日前からスプリト近辺のカシュテルの知人宅へと行き、当日にスプリトへと入りました。試合3時間前にスタジアムに行くと、クロアチア代表、ハイドゥク・スプリトのグッズ以外にもブラジル代表のユニフォームや国旗、マフラー、またブラジルとクロアチアの両ユニフォームを半々組み合わせた風変わりなユニフォームも売られていました。対戦相手のユニフォームを着るクロアチア人なんて存在するものかと思ったのですが、スプリトは空前の瞬間的ブラジル大ブームでして、仲良くブラジルとクロアチアのユニフォームを着ているカップルなんかもいたりしました。

ユーロ2012にハンガリーと組んで立候補しているクロアチアは、この試合を通して大会実行能力を示す絶好の機会のため、スタジアム周辺はしっかりと警備され、またプレスパスやチケットもバーコード読み込みというクロアチアでは多分初の試みがされました。ただ警備している特別警官隊のメンツはあんまり変わらないみたいで、「お前、インテルvs.ズベズダの試合でもいただろ。BBBの一員じゃないのか」なんて警官にからかわれてしまいましたね。

severinaスタジアムの雰囲気はブラジル代表GKジーダがピッチに現れると既に最高潮に達します。普段ならブーイングのはずが、大歓声と共にジーダ・コール。「珍しく寛容じゃないか」と驚かざるを得なかったのですが、もう一つ試合前に驚くことがありました。両チームの練習中にまずハイドゥクのヒット曲を持つムラデン・グルドヴィッチがピッチ中央で歌を歌い、続いて女性人気歌手セヴェリナ(写真)が登場しました。「あなたの為、そして我々の為に歌います、セヴェリーナー!」と紹介されると同時に大ブーイング。1998年のワールドカップ時には彼女の持ち歌「Djevojka sa sela(村から来た娘)」をアサノヴィッチが気にいり、それから代表ソングの一つにまでなったわけですが、以後はスター街道を驀進したにもかかわらず、昨年にプライベートSEX映像がネットで流出。それで彼女はすっかり味噌を付けてしまいました。彼女がトルツィダ(ハイドゥク・サポーター)のいる北側スタンドに近づくとブーイングは最大となり、2曲目で歌うはずの「Djevojka sa sela」の触りだけ歌って去るハメになりました。

robi試合内容は別の記事で書きましたが、ボールボーイから消防隊までが仕事を忘れてカメラを持参して撮影に励み、また特別な経路でパスを取得した女性達も随分とピッチ際に詰め掛けてました。元ディナモの広報であり、現在はサッカー協会の広報長は女たらしでして、やたらと美女にはプレスパスを配っているようです。これも役得というものでしょうか(笑) 試合の90分はあっという間でしたが、いつもにない雰囲気を楽しむことができました。ブラジルの選手は動きが読めないから撮影は難しいですね。ファインダー越しではカカが絵になる選手だなと思いました。またベンチに座るロビーニョ(写真)はまだお子ちゃまといった顔つきでしたね。でもプレーはさすがでした。

niko3クロアチア代表のプレーに関してですが、クラニチャール監督が早くにチーム固定した成果が現れています。またトゥドールを中盤に据えたのも正解でした。「DFが希望だが、調子が良ければ中盤でもいい」というのが彼のスタンスですが、ボール奪取の能力の高さとロングパスの精度は代表チームの武器です。あとニコ・クラニチャール(写真)がほぼチームにフィットしてきて、左サイドのバビッチとのコンビネーションが良く、バビッチとのパス交換で両者の攻撃参加が多くなりました。スルナの縦への運動量はロベルト・カルロスの動きを留め、彼ら若い力は着実に代表に根を下ろしています。あとはクラスニッチでしょう。ブレーメンではあれだけ得点できる選手にもかかわらず、代表となると冴えが見られません。このままではボクシッチみたいなケースになりそうな感じではありますが....。

ともかく、このような試合で得点を決められるニコ・クラニチャールはスター性がある選手です。チャンピオンズリーグ予備戦のデブレチェン戦でもう少し彼の才能が出たならば良かったんですけど、昨季のような調整不足というのは今季に限ってないようです。試合後にピッチからTVスタジオへと向かうクラニチャールに近づき、「おめでとう」と手を差し出すと、片目で軽くウィンクして手を握り返してくれました。16歳の頃から彼を見てますが、顔つきも逞しく、また頼もしい存在になりましたね。

23日はクロアチア・リーグ選抜vs.バイエルン戦がありますが、こちらは添乗仕事のために取材できません。スプリトは6時間掛かりますが、こちらの試合会場は自宅から自転車で5分ぐらいのところなんですけどね。残念。「ザグレブvs.カメン・イングラッド」みたいなマイナーの方が私にはお似合いです(笑) しばし、サッカーニュースもお休みとなります。

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オリッチ、十字靭帯損傷で全治6ヶ月

olic ブラジルとの親善試合で代表FWイヴィツァ・オリッチ(写真)がルシオと交錯して負傷退場しましたが、検査の結果、左足十字靭帯の損傷で少なくとも半年はプレーできない模様です。オリッチは昨季も怪我で半年近くを棒に振って、復帰後は代表でレギュラーの座を再び確保していたところでした。

8月23日にマクシミール・スタディオンで、クロアチアリーグ選抜(T-Com Croatia team)対バイエルン・ミュンヘンの試合が行われますが、18日、この試合で選抜チームを率いるトミスラフ・イヴィッチ監督がメンバー22人を発表しました。ドイツのT-ComがCroatia Telecomを買収し、それがクロアチアリーグのスポンサーであることから実現する試合ですが、収益はユニセフに募金されることとなっています。アシスタント・コーチは元ディナモ監督のニコラ・ユルチェヴィッチ、またキャプテンはディナモのゾラン・マミッチが選ばれています。

GK:
Ivan Turina (Dinamo), Marin Skender (Osijek)

DF:
Zoran Mamic(Dinamo), Bostjan Cesar(Dinamo), Vedran Corluka(Dinamo), Dino Drpic(Dinamo), Ivica Vrdoljak(Zagreb), Mario Cutura (Zagreb), Josip Milardovic(Osijek), Neven Vukman(Varteks)

MF:
Dumitru Mitu(Dinamo), Luka Modric(Dinamo), Niko Kranjcar(Hajduk), Srebrenko Posavec(Varteks), Nikola Safaric(Varteks), Senijad Ibricic(Zagreb), Mario Brkljaca(Zagreb)

FW:
Ivan Bosnjak(Dinamo), Eduardo Da Silva(Dinamo), Mladen Bartolovic(Zagreb), Leon Benko(Varteks), Karlo Primorac(Osijek)

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親善試合「クロアチアvs.ブラジル」

RR 8月17日、スプリトのポリュウド・スタディオンで親善試合「クロアチアvs.ブラジル」戦が行われました。5度のワールドカップ王者「セレソン」がやってくるということで、国民の大関心事となる試合となったわけですが、チケットが非常に高い(メインで12000円)ということで満員には至らず、キャパシティの8割ほどの約32000人の入りとなりました。
しかしながらブラジル人気は予想以上であり、前日の公開練習では約10000人が集まりました。また当日の試合でもブラジルのユニフォームを着るクロアチア人も随分といまして、愛国心が異常に高い国民性を考えると例外中の例外といえましょう。これまでスプリトでは相性の悪さ(これまで一勝もせず)もあって代表の試合が避けられていたわけですが、スプリトはユネスコ世界遺産にも指定されているローマ帝国時代のディオクレティアヌス宮殿ができて1700年という記念年ということもあって、ブラジルを迎える舞台となりました。

ただブラジルはロナウジーニョがワールドカップ予選の次節の試合で出場停止ということもあってパレイラ監督は召集せず、またクロアチアも試合二日前になってダド・プルショが欠場を決定。プルショは膝の調子が完全ではなく、週末にはセルティックとの試合が、また一週間後にはチャンピオンズ・リーグ予備戦が控えているためにグラスゴー・レンジャースを優先しました。

両チームのスタメンは共に以下のようになりました。
クロアチア(3-4-1-2):GKブティナ-(右から)DFトマス、コヴァチ弟、シムニッチ-MFスルナ、コヴァチ兄、トゥドール、バビッチ-クラニチャール-FWクラスニッチ、オリッチ
ブラジル(4-4-2):GKジーダ-DFカフー、ルシオ、ジュアン、ロベルト・カルロス-MFエメルソン、リカルジーニョ、ゼ・ロベルト、カカ-FWアドリアーノ、ロナウド
キックオフ前にはクロアチアの主将コヴァチ兄が代表50試合目、またブラジルの主将カフーが代表140試合目ということで共に記念のクロアチアのユニフォームが渡されるというセレモニーがありました。

niko-lucio 試合前はこれまでにもなかったお祭り気分の雰囲気だったのですが、試合が始まると観客もゲームとクロアチアの応援に集中し始めます。試合開始当初のクロアチアはボールが足元に落ち着かず、クラッキの集まるセレソンが攻め込みます。6分にボールカットしてゴール前へとドリブルで切り込んだルシオがミドルシュートを放ちますが、これはブティナがセーブ。8分にはロベルト・カルロスが好位置からFKを蹴るものの壁に当たって難を逃れました。ディフェンス陣が粘り強い守りでブラジルの攻撃をコントロールし始めると、ボールキープでもブラジルと互角に渡ります。9分にバビッチが左サイドでカフーに競り勝ち、送ったクロスボールはファーに駆け込んだスルナに渡るも、スルナのシュートはポストの右外のネットに。14分、ゼ・ロベルトのスルーパスにロナウドが抜けて近距離から強烈なシュートを放ちますが、ブティナが右に飛びつきセーブします。28分はロベルト・カルロスがミドルシュートを試みますが、ブティナの正面に終わります。
32分、これまでチャンスを伺っていたクロアチアが均衡を破ります。何でもない状況でジーダが一番近いDFジュアンへ不用意にボールを送り、再びバックパスしたところをオリッチがスピードを活かしてボールカットし、角度のない位置からシュート。ボールはポストを叩くも、跳ね返ったところへクラニチャールが飛び込んで左足でシュートを決めて1-0。スプリトで最も愛される選手のゴールということでスタジアムは盛り上がります。39分、カカの横パスからリカルジーニョがグラウンダーのシュートを放ちますが、これはブティナの正面。しかし42分、トゥドールがカカを正面20mの位置で倒してFKを与えると、リカルジーニョが左足で左上隅に直接決めて同点に追いつきました。

niko-kaka 後半からブラジルはリカルジーニョに代えて、レアル・マドリッド入りしたロビーニョを投入。ロビーニョの変幻自在のドリブルに守備陣はてこずります。49分にはルシオと交錯したオリッチが負傷退場し、ブラジル人のクロアチア代表FWダ・シルヴァが投入されますが効果なし。後半はブラジルが常にボールを支配し、クロアチアはカウンター以外では攻撃の術を無くします。52分にはロビーニョが放ったシュートはブティナがセーブ、57分にはカカのパスからロナウドが決定機を思い切り外します。60分にはエメルソンがファーにクロスを上げますが、アドリアーノのヘディングシュートはバーの上。69分にはエメルソンがFKからの速いアクションからロビーニョへと渡り、ファーサイドのアドリアーノにパスを送るもアドリアーノは押し込むだけのシュートを枠に当てます。その直後にはトゥドールのロングパスにDFの背後へと入ったバビッチがシュートを狙うもボールに足が届かず。以後はそれぞれが交替選手を送り込み、ピッチを去るクロアチア、ブラジルそれぞれの選手に拍手が送られます。79分、クラニチャールが縦のスルーパスを通し、交替直後のバラバンが巧みなトラップで一対一の決定機を迎えますが、シュートは左へと逸れてしまいました。83分、現欧州No.1のFKの名手ジュニーニョ・ペルナンブカーノがFKの機会を得ますが、枠を捉えることなく逸れました。試合は1-1のドロー。この夏最大のイベントは、内容的にも結果的にも誰もが満足するものとなりました。

試合後、クロアチアのズラトコ・クラニチャール監督は「サッカー界にはこのコメントを残したい。クロアチア代表は世界最高の代表とも戦えるとね。我々には一体性があったし、チャンスもあった。ブラジルはとりわけ強いセレクションであったが、我々も組織プレーを失ってはなかった。戦術的な規律があったし、フィニッシュまで持ち込めたことで、(ワールドカップ予選の)アイスランド戦とマルタ戦に向けて良い印象を持てた。個人個人がもっと動きが良くなり、プルショが加わったならばもっと我々は強くなるだろう。」とコメント。
ブラジルのカルロス・アルベルト・パレイラ監督は「ブラジルは勝利したときだけが良い結果だと思っているが、今回はそれが出来なかった。しかし我々の7~8人の選手はまだリーグも始まらずに本調子ではないことを考えれば、この結果は受け入れることが出来る。真のリズムが欠けているように見受けられた。ボールキープをしていたとはいえ、中央のスペースを埋めようとしたことでサイド攻撃が出来なかったことが残念だ。ゼ・ロベルトは遅れて遠征に参加したし、カカは練習をしてまだ10日ほどだ。過去の試合を考えれば、いつものテンポがないことは明らかだったろう。ロナウドとアドリアーノのコンビが慣れてないことも一つの理由だ。これら全てを考えれば、結果は現実的だといえるだろう。クロアチアはスター選手がいないとはいえ弱点がない。選手はスピードがあるし、テクニックはしっかりしていて、チームに一体感がある。チームスピリットがクロアチアをワールドカップへと導くものだと確信している。」とコメントしています。

また先制弾を決めたニコ・クラニチャールは「この試合にプレーしたことで素晴らしい気分だ。私のことまでのキャリアで間違いなく最大のスペクタクルだろう。ブラジルは最高級の選手がそろい、言葉にし尽くせないわけだが、そんな彼らと戦えるということは特別なことだ。我々はそんな代表相手に一体性と集団性で相対することを示すことができた。一体性と集団性は我々の美徳であるからね。ゴールに関しては? 何と言えばいいだろう、おそらく誰でも世界チャンピオン相手に得点することは夢だろうね」と語っています。
ロナウドは「クロアチアはとりわけ堅い守備を持った強い相手だということを示し、彼らと対戦することは楽ではなかった。これは親善試合だったとはいえ、我々は勝ちたかったが、最後は運もなかった。私も100%決めなくてはならないチャンスを外してしまったからね。」と語り、カフーは「素晴らしい環境で、我々はしっかりとプレーした。クロアチアは非常に良いチームであることを示したし、対戦相手としては十分な相手であった」とコメントを残しています。

(写真は上から)
「ロナウドとアドリアーノ」
「クラニチャールとルシオ」
「カカとニコ・コヴァチ」

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2005年8月15日 (月)

クロアチア・リーグ第4節 その2

da_silva 14日、クロアチア・リーグ第4節の残る2試合が行われました。

ディナモ・ザグレブはアウェーでインテル・ザプレシッチと対戦。ヨシップ・クジェ新監督は早くにチームの骨格を整え上げ、昨年とは違ってディナモは得点力あるチームとなりました。インテルは木曜日にUEFAカップでツルヴェナ・ズヴェズダとの試合をしたばかりであり、ホームで試合をするとはいえ、ザグレブ近郊のためにスタンドの8割近くはディナモ・サポーターに覆われました。ズヴェズダ戦以上の観客が集まり(約5000人)、チケットなしでスタンドに入ろうとしたBBBが暴れ始めましたが、直ぐに警察隊に鎮圧されました。スタジアム周囲の柵や建物の屋根にはタダ見しようとする近所の人々とBBBが群がるほど、今季のディナモへの期待は強いようです。
試合はディナモの一方的な展開となりました。ボシュニャク、ダ・シルヴァ、モドリッチ、ミトゥによる攻撃力は圧巻で、13分にインテルDFのクリアボールが誤って背後にいったところをダ・シルヴァがボレーシュートを決めると(写真)、20分、モドリッチが20mの距離からミドルシュートを決めて2-0。32分には右サイドでボールを受けたダ・シルヴァをDFがエリア内で倒してしまってPK。しかしキッカーのボシュニャクは左ポストにぶつけてしまいます。インテルはほとんどチャンスを作れることなく、ロスタイムにはDFチョルルカがモドリッチの左CKをヘディングでシュートを決めて3-0とディナモがリードを広げます。チョルルカもモドリッチも昨季はインテルでプレーしていたディナモ・ユース出身の選手です。
後半48分にはDF二人をかわした上でエリア内に侵入したダ・シルヴァが倒されてPK。今度はボシュニャクがきちんと決めて4-0。52分にはマミッチから横パスを受けてフリーとなったダ・シルヴァが狙い済ましてシュートを決め5-0。70分にはボシュニャクがヘディングで競り合ったボールを受けたダ・シルヴァがGKミシュコヴィッチをあざ笑うかのようなループシュートを決めて6-0。スタンドと柵の外の観客はお祭りのようにディナモの圧勝に盛り上がりました。

またもう一試合のオシエクvs.リエカ(国営放送で生放送)は15分にリニッチの右CKをイヴァンチッチがヘディングシュートを決めてリエカが1-0で勝利しています。

Inter Zapresic - Dinamo Zagreb 0-6
13' 0-1 Da Silva
20' 0-2 Modric
45' 0-3 Corluka
48' 0-4 Bosnjak (PK)
52' 0-5 Da Silva
70' 0-6 Da Silva

Osijek - Rijeka 0-1
15' 0-1 Ivancic

【順位】
1位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(勝点12)、2位…ディナモ・ザグレブ(9)、3位…ハイドゥク・スプリト(9)、4位…リエカ(7)、5位…インテル・ザプレシッチ(6)、6位…ザグレブ(6)、7位…オシエク(6)、8位…カメン・イングラッド(4)、9位…メヂムリェ(3)、10位…チバリア・ヴィンコヴチ(3)、11位…プーラ・スターロ・チェシュコ(2)、12位…スラヴェン・ベルーポ(2)

【得点ランク】
1位…4得点 クラニチャール(ハイドゥク)、シャファリッチ(ヴァルテクス)、ダ・シルヴァ(ディナモ)
2位…3得点、ブシッチ(ハイドゥク)、クルパン(リエカ)、プルピッチ(リエカ)、ヨリッチ(ヴァルテクス)、ボシュニャク(ディナモ)

出場機会を求めてユベントスからの移籍を希望している代表DFイゴール・トゥドールですが、モナコが関心を示していると報じられています。モナコは今年、センターバックのユリエン・ロドリゲスをグラスゴー・レンジャースに売却したため、デシャン監督は彼の代わりになる選手を探しており、トゥドールの名前が挙がっているようです。

ハイドゥク・スプリト所属の代表MFニコ・クラニチャールにオーゼールが関心を示していると、フランスのFoot Trasferts誌が書いております。現在は副会長となった元オーゼール監督ギ・ルー氏がとりわけクラニチャールを評価しているらしく、このオフにも移籍させることを希望していたそうです。また同誌はリヨンもクラニチャールを以前に興味を示していたと報じています。ちなみにオーゼールには父ズラトコ・クラニチャールとディナモでコンビを組んでいたマルコ・ムリナリッチという名プレーメーカーが在籍したことがあり、ムリナリッチはローラン・ブランやエリック・カントナと並んでオーゼール史上最高の選手20人の一人に選出されています。

昨季まではディナモ・ザグレブでプレーし、今年1月からは所属クラブがなかったDF/MFダリヴォール・ポルドルガチュがスラヴェン・ベルーポと2年契約を結んでいます。ポルドルガチュは8年前にもベルーポでプレー経験があります。

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2005年8月14日 (日)

クロアチア・リーグ第4節 その1

13日、クロアチア・リーグ第4節の4試合が行われました。

ハイドゥク・スプリトはホームでメヂムリェと対戦。チャンピオンズ・リーグ予選で0-8という惨めな敗退、前節はカメン・イングラッドに1-2と敗北とトンネルに入っているハイドゥクですが、この試合では選手8人が怪我で満足なスタメンを構成することすら出来ません。ポリュウド・スタディオンの観客も3000人と寂しいものでした。
試合はハイドゥクが主導権を握るものの決定機が作れずにいましたが、23分、フルマンのクロスがエリア内にいたメヂムリェのMFドゥイモヴィッチの手に当たってPKの判定。この日に21歳の誕生日を迎えたクラニチャールがPKを決めてハイドゥクが先制します。26分には右MFシュートのミドルシュートがゴールの枠左隅に弾かれ、34分にはシュートの右クロスをブシッチがヘディングするも枠を逸れます。
後半49分にクラニチャールがヒールパスでブシッチにアシストするも彼はシュートを吹かしてしまい、その後もブシッチはシュートを右ポストに当てるなどツキにも恵まれず。66分にはメヂムリェのモスタルリッチがDFをかわしてシュートするも枠をわずかに逸れます。ハイドゥクは苦しみながら1-0の勝利をもぎ取りました。

zagkam 私はザグレブvs.カメン・イングラッドの取材に行ってきました(観客1500人)。リーグのダークホースと見られたザグレブは開幕戦は勝利するものの波に乗れずにこれまで1勝2敗。更に中盤のリーダーであるヤキロヴィッチがCSKAソフィアに移籍してしまいました。カメン・イングラッドはディナモから移籍した主将ムイチンが味わい深いプレーをし、またディナモ・ユースで育った俊足ウィンガーのパパ(写真・右)が左サイドのスペースを突く印象的な働きをみせます。
試合は13分、パパが左サイドの突破からマーカーを外すと、ゴール前のFWラキッチに一度当ててから戻したボールをシュートしてカメン・イングラッドが先制。しかし21分にイヴァンコヴィッチのアーリークロスをFWヴィドヴィッチが強烈なヘディングシュートで同点に追いつくと、35分にはカメン・イングラッドのMFダルモピルが肘打ちで一発退場。しかしザグレブは全体的にミスパスが多く、カメン・イングラッドのカウンター攻撃を浴びることとなりました。65分にはライトマンが2枚目のイエローで退場して10人対10人に。それでも攻撃的に挑んだザグレブは75分、U-21代表右MFのペライッチ(写真・左)がファーポストでフリーのFWマンジュキッチにクロスを送り、これをヘディングで決めて2-1とザグレブが勝ち越しに成功しました。

首位のヴァルテクスはチバリア・ヴィンコヴチをMFシャファリッチとFWヨリッチの2ゴールずつで4-0と一蹴。開幕4連勝と首位をひた走っています。

Slaven Belupo - Pula Staro Cesko 1-1
5' 0-1 Rivic
79' 1-1 Jambrovic

Zagreb - Kamen Ingrad 2-1
13' 0-1 Papa
21' 1-1 Vidovic
75' 2-1 Mandzukic

Hajduk Split - Medimurje 1-0
25' 1-0 Kranjcar (PK)

Varteks Varazdin - Cibalia Vinkovci 4-0
38' 1-0 Safaric
42' 2-0 Jolic
47' 3-0 Safaric
54' 4-0 Jolic

ディナモ・ザグレブ所属のFWダリオ・ザホラ(23)がベルギー一部のFCブリュッセルに一年間のレンタル移籍することとなりました。シーズン終了後に購入するか両クラブ間で話し合うこととなります。FCブリュッセルは昨季16チーム中15位に終わったクラブであります。

リエカ所属のFWイゴール・ノヴァコヴィッチ(26)がロシア一部のトムスクに移籍することとなりました。シベリアにあるトムスクはこの夏、ハイドゥクのDFフルヴォイエ・ヴェイッチが移籍したチームであり、リエカには移籍金20万ドル近くが支払われることとなっています。

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2005年8月13日 (土)

クロアチア紙によるピクシーへのインタビュー

piksi2 ピクシーことドラガン・ストイコヴィッチが、ツルヴェナ・ズヴェズダ会長としてクロアチアへとやってきたことを受けて、クロアチアの各紙は彼のインタビューを掲載しています(ex.Vecersnji-list紙)。ピクシーにとってザグレブはユーゴスラビア代表デビュー(対フランス・1983年)の地であり、かつてはミロスラフ・ブラジェヴィッチ監督がプリシュティナで兵役をしているピクシーをディナモ・ザグレブへと引っ張ろうとした経緯もあるそうです。

試合前日にピクシーはインテル・ザプレシッチとクロアチア・サッカー協会のトップと有名レストラン「Okrugljak」で夕食を取り、その際にSportske Novosti紙がインタビューした記事がありましたので翻訳紹介しましょう。

「クロアチア・サッカー協会の幹部とは素晴らしい協力関係にある。とりわけ3年10ヶ月もの間、セルビア・モンテネグロ・サッカー協会長を務めた頃からね。」
-セルビア・モンテネグロは?
「ワールドカップ予選はスペインが優位に立っている。今年6月、ベルギーにホームで勝てなかったことが残念でならない。グループリーグには他にボスニア・ヘルツェゴビナ、リトアニア、サンマリノがいね。ペトコヴィッチ監督は最大限努力しているよ。」
-クロアチア代表は?
「とりわけ強いと見ている。貴方達はワールドカップ進出に問題はないだろう。チーム作りは素晴らしいし、間違いなくドイツへと行くだろうね。」
-とりわけ評価している選手は?
「何年か前にロベルト・コヴァチを観た時、私は直ぐに"彼は驚異的な選手となるだろう"と言った。その通り、現在では最高級のディフェンダーだ。ダド・プルショも印象的だ。人間性かつスポーツにおける美徳もあって彼は開花したね。」
-ヴァトレニで連絡を取り合っているのは?
「ボバンとシュケル、ヤルニ、プロシネツキとは連絡を取り合っている。ボバンとは今年5月にリスボンでのUEFAカップ決勝スポルティングvs.CSKA戦で隣り合って座った。(CSKAに)クラシッチ選手がいることから私はリスボンに行ったのだが、そこではオリッチ選手とも知り合ったよ。」
-2012年のクロアチア-ハンガリーのユーロ共催立候補に関しては?
「もちろん開催地レースに勝つことを望んでいるよ。」
-セルビア・モンテネグロの国内リーグは?
「全てがズヴェズダとパルチザンを中心に回っているね。」
-ズヴェズダは優勝できるか?
「できるし、しなければならない。私は一日20時間クラブにいるが、今は私の多くの仕事を分担するよう経営委員会を形作っているところだ。8月4日にはトヨタがメインスポンサーとなり、トヨタの名前をユニフォームの胸に乗せることになった。」
-日本から戻ってきた後はどこで生活したのか?
「パリだよ。子供の教育のためにね。アンドレヤ(16歳)、アニャ(14歳)、マルコ(12歳)は英語が実質的な母国語となっている。最近は娘二人だけでニューヨークに二週間行っていたよ。今は子供達全員と妻のスネジャナはスベティ・ステファン(モンテネグロ)に滞在している。あちらには別荘があり、13mのモーターボートは一昨日進水したばかりだ。今週末には私もあちらで泳げることを願っているよ。」
-ユーゴ代表の想い出は?
「今でも1990年ワールドカップでフィレンツェにてアルゼンチンにPK戦で敗れたことを悔やんでいる。我々は準決勝進出に値したチームだった。オシムは素晴らしい戦術家だったし。」
-故郷のパシ・ポリャーネ(ニシュ近郊)には?
「私の父、母、そして妹(姉?)が住んでいる。もしベオグラードでの仕事の義務、パリでの私的な義務から解放されれば時折は故郷を訪れるよ。」
-ズヴェズダ会長職はボランティア的だが、自身の生活源は?
「私は名古屋グランパスのテクニカル・アドヴァイザーであり、義務として一年間に二度は名古屋に訪れる契約となっている。もちろん電話ではいつも連絡を取り合っているよ。しかし、彼らに選手を売却することはないし、代理人業に手を染めるつもりもない。しっかりと給与を払ってくれているし、私が破産することはないだろう。破産が起こってしまうほど私は狂ってないしね。」
-インテルとの試合前にデリエ(ズヴェズタ・サポーター)と話し合いがあったわけだが。
「彼らには挑発や暴力、愚かなことはせずに正しく振舞うように言っておいた。第2戦ではインテルがスポーツ面の全条件が満たされるよう、我々が彼らの正しい振舞いを徹底するのを理解せねばならない。緊張はいつもあるが、ライバル心ならば望ましいものだ。」
-国内の政治的混乱に関しては?
「政治に関わるつもりもないし、興味を持っていない。誰もが自分の国民の生活が良くなるよう願うのは当たり前のことだけどね。政治家達は責任という重荷を背負わなくてはならない。そして民主主義で選ばれた政治家達は、信用を形にしなくてはならない。与党にも野党に親友はたくさんいるが、誰がどこの政党かなんて私にはまったく影響することではない。」
-もしモンテネグロがセルビアと分裂したならば?
「私の頭の中も心の中も、何も変わることはないだろう。すべてが穏やかに終わることだけだ。国民投票で人々は自分の考えというものを明らかにするだろう。モンテネグロの私の友人はたとえ国家が分裂しても友人であり続けるよ。」
-貴方にとってザグレブは?
「ザグレブでの私は素晴らしい気分だ。ここに来てからというもの、まるでベオグラードにいるかのように全てが最高だ。自由であるし、落ち着いているよ。」

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デリエがやってきた!

delije 木曜日にインテル・ザプレシッチvs.ツルヴェナ・ズヴェズダ戦の取材に行ってきました。試合開始は17時半だったわけですが、スタジアム周辺道路は14時から自動車が通行禁止になると知り、14時頃にトラムとバスを乗り継いでスタジアムに到着。退屈な雨天気もあって3時間前では盛り上がりもなく、スタジアム周辺は警官隊ばかり。カフェでコーヒーを飲んでたら友人であるスポルツケ・ノヴォスティ紙のカメラマンもやって来たので、15時半からスタジアムの西スタンドの入口でズヴェズダのサポーター「デリエ」(写真)の到着を張りました。

雨もやみ、バリケードの内側では近所の犬が何匹もうろうろして警官隊と警察犬に愛想を振舞います。16時、一人のオヤジが自転車で西スタンド入口に到着。彼が最初のズヴェズダ・サポーターでした。なんと二日かけてセルビアの都市ノヴィサドからズヴェズダの試合見たさに自転車でやってきたのです。高速道路を自転車で走り、何度も警官隊に止められたそうですが、その熱意(?)に許してもらったとか。フーリガンとは一線を画す熱狂オヤジということで、厳しいボディチェックもなく、自転車も柵の内側に止めさせてもらってました。

試合が近づくにつれ、スタジアム前の道路も完全封鎖。バリケードの内側は警官と報道陣のみになります。デリエの動向は随時伝えられるものの、国境を越えたのが予想以上に遅く、17時半の試合開始にも間に合いません。Sport-netの同僚にはデリエ到着の撮影後にスタジアム入りすると約束してしまったため、スタジアムの歓声を外で聞くことになってしまいました。雨がまた降り始め、警察のヘリコプターが空を旋回した18時過ぎ、ようやく警官隊の車の先導を受けた4台のバスが到着。バスの写真は撮れど、警官隊の壁は厚くてデリエがスタンドへと入るところを近距離で撮影することは不可能。メインスタンドの入口へと引き返そうとしたらインテルの同点弾が決まったらしく、スタンドのクロアチア人と近所のマンションから見ていた住民が歓喜の声を上げました。

凶器となるものは持ち込み禁止ということで、傘を持ち込むことも入口の警備員に止められてしまいます。警備員に「盗まれないよう見張っておいて」と頼んで傘を入口に置き、スタンドの軒下で前半終了を待ちます。すると上から投げつけられた携帯電話が地面に転がり、一人の警備員が頭から血を流して医務室に運ばれました。携帯電話も凶器になるんですね(苦笑) 前半が終わり、びしょ濡れの選手だけでなく、カメラマンも戻ってきました。

後半からはゴール裏で撮影を開始。雨もやみ、晴れ間も出てきました。デリエに近いところで撮影したわけですが、デリエの応援は実に素晴らしい。バリエーションの多さ、ユニゾンの美しさ、そして男臭さ。BBBにも多彩な歌があれどデリエほどの統一感はありません。一方、メインスタンドのインテル・サポーター(一部のBBBとトルツィダも加わったという話)は「死ね、セルビア人」「貴様の小さなマ○コ」「ジプシー」ぐらいの貧相なバリエーションしかなく応援でも負けました。終わりにはディナモのサポーターがよく使う応援歌まで歌い上げました(替え歌ではなく)。BBBに所属する友人カメラマンに「デリエの応援は立派だねえ」と言うと、彼もそれは素直に認めていました。ちなみにデリエはクロアチアに乗り込むのを一度は取りやめたものの、昨年にハンドボールの試合でザグレブに乗り込んだグロバリ(ライバルのパルチザン・サポーター)に意気地なしと煽られてしまったようで、ザグレブに来ざるえない状況だったそうです。政治的な横断幕は全て禁止で、デリエは一枚の横断幕もなく、またチームのユニフォームを着た人もゼロでした(前夜、ザグレブの中心でズヴェズダのユニフォームを着たオヤジが袋叩きにあったとか)。

piksi 試合が終わり、上のVIP席に「ピクシー」ことドラガン・ストイコヴィッチ(写真)を見つけます。名古屋出身でグランパスを応援した私にとっては、もちろんピクシーは憧れの存在。下から何枚も写真を撮ってから、スタンド下の取材ルームでSport-netの同僚と写真のやり取りをしていると、ピクシーが横を通ります。その際に挨拶するとポンポンと腕を叩いてくれました。その後は安全のためズヴェズダ関係者がスタジアムに足止めになったわけですが、同僚の眼を盗んでピクシーに近づいて話し掛けました。会長職で随分とお疲れのようでしたが、「オゲンキデスカ」と日本語で挨拶して握手してくれました。こちらに来て現場に慣れているとはいえ、憧れの人物が目の前にいると舞い上がってしまうものです。ボディガードっぽい人に「ピクシーと写真撮りたいんだけど」と頼むと、近くにいたズヴェズダの選手の一人が「あいつも仇名がピクシーだぜ」と別の選手を指差します。いやいや会長のピクシーさんで、ということでボディガードっぽい人にシャッターを押して貰いました。インテルの選手もピクシーと写真を撮ってもらってましたから彼は特別な存在ではありますね。ただ、写真を撮った現場を友人のカメラマン(クロアチア人)に見つかってしまい、「他の奴等には内緒にしとくから」と耳打ちされました。しかし肝心の写真はピンボケ。こんなんだったら友人のカメラマンに頭を下げて撮影を頼むべきでした^^;

こぼれ話としては、スポルツケ・ノヴォスティ紙のスタメン予想図でインテル・ザプレシッチのロゴがなぜだかインテル・ミラノのロゴでした。チームが本物のインテルだったら勝てたかもしれないのに(笑)

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インテル、ズヴェズダに完敗

8月11日、UEFAカップ予備戦2回戦第1戦が行われました。

インテル・ザプレシッチはホームでツルヴェナ・ズヴェズダ(レッドスター・ベオグラード)を迎えました。民族間の対立感情が強いクロアチアとセルビアのチームの対決ということもあって、300人のズヴェズダ・サポーター(デリエ)を迎えるのに1000人の警官隊を配備するという厳重な体制で行われました。午前中に強い雨が降り、試合前・試合中は雨と晴れが交互にやってくる不順な天候でありましたが、インテル史上初のヨーロッパ・カップ戦であり、戦後初めてズヴェズダがクロアチアにやってくるということでインテル・スタジアムは満員の約4000人が集まりました。

zigic インテルは怪我のためMFクルズナールとDFヴィダクの二人のベテランが欠場。スタメン(3-4-1-2)はGKミシュコヴィッチ-DFペチェリ、ラデリッチ、スクリッチ-MFチェライ、チズメク、ヤニェトヴィッチ、ポロヴァネツ-ポリャーク-FWグーリッチ、ピシュコール。
ゼンガ新監督が率いるズヴェズダのスタメン(4-4-2)は、GKランヂェロヴィッチ-DFドゥディッチ、ヨクシモヴィッチ、ヂョルヂェヴィッチ、ルコヴィッチ-MFヤンコヴィッチ、トライコヴィッチ、ムドリニッチ、コヴァチェヴィッチ-FWパンテリッチ、ジギッチでした。

個々のタレントに勝るズヴェズダはボールを奪ってからのサイドの攻め上がりが速く、202cmのFWジギッチ(写真)にクロスを合わせ、彼の周囲をパンテリッチがサポートします。8分、ジギッチがヘディングでパンテリッチにボールを送り、パンテリッチの右斜めからのシュートはGKミシュコヴィッチがセーブ。しかし21分、左サイドを突破したSBルコヴィッチが速いクロスを上げると、ボールはDFとGKを通過してファーポストにいたジギッチが右足で合わせてズヴェズダが先制。34分にチズメクがチーム最初のシュートを放つまでは攻め手に欠けたインテルでしたが、前半終了が近づくにつれ、ズヴェズダのペースが落ちます。41分、ポリャークの右CKをニアポストのスクリッチがバックヘッドでつなぐと、ボールは正面フリーのペチェリに。元ズヴェズタの選手でもあるペチェリはシュートを決めてインテルが同点に追いつきます。
しかし後半50分、ドディッチの右アーリークロスにまたしてフリーにしてしまったジギッチがヘディングを決めてズヴェズダが2-1と勝ち越し。引き気味となったズヴェズダに対してインテルがイニシアティブを握るも決定機を作れず、69分にまたジギッチのヘディングシュートが襲い、これはわずかに枠をそれます。インテルDFがてこずったFWジギッチは75分に交代しますが、81分に右からのルコヴィッチのクロスをファーポストでフリーのパンテリッチがヘディングシュートを決めました。初戦アウェーでの3-1の勝利にズヴェズダは2回戦突破を現実的なものとしています。

試合後、インテルのスレチコ・ボグダン監督は「三度に渡ってファーサイドをカバーせずに得点されてしまうという基本的なミスを犯してしまった。とはいえ、ズヴェズダの三つのゴールは素晴らしいものだった。前半は良いプレーをしたが、後半は内容にも満足できなかった。ズヴェズダは良いチームだけに勝つことは非常に難しく、第2戦で奇跡が起こりえるとは思わないが、それに向けてしっかり準備するつもりだ」とコメントを残しています。
ズヴェズダのウォルター・ゼンガ監督は「(二試合を一試合とみたら)ようやく前半が終わったばかりだ。強いクロアチアリーグで2位となったインテルにはとりわけリスペクトしているし、第2戦でも過小評価するつもりはない」とコメントしています。
またドラガン・ストイコヴィッチ会長は「満足している。大きな緊張があったにもかかわらず、全てがフェアに終わったことが最も大事なことだ。ちょっとしたところで我々が良かったが、勝利には値しただろう」と語っています。

国境からクロアチア警察の車とヘリコプターでの警護を受けながら、4台のバスでやってきたズヴェズダ・サポーターのデリエ300人は出発が遅れたのと国境で2時間以上の検査を受けたため、試合開始から遅れること35分後にスタジアムに到着しました。ユニフォームやマフラーといった応援グッズ以外は持ち込み禁止で、2点目が入ったあとに発炎筒を炊いた一人がしょっ引かれた以外は大きな問題もなく、試合終了まで熱い応援を繰り返しました。クロアチア警察は事前にBBB(ディナモ・サポーター)のメンバーに接触して喧嘩のためにスタジアムに来ないように説得したわけですが、デリエの帰途を狙って3度に渡る襲撃がありました。瓶と石、ロケット花火などにより、3台のバスのうち6枚のガラスが破損。怪我人はなく、実行犯の5人が警官隊によって逮捕されています。

リエカはブルガリアのリテックス・ロヴェツとアウェーで対戦。リエカのスコーリア監督は昨年のUEFAカップで退場処分を受けたため、ベンチに座れませんでしたが、打ち合わせ通りに守備的な戦術を徹底。リティックスの攻撃を潰し、俊足のクルパンをワントップに置いたカウンターを狙います。前半終了間際にリテックスはカイエのFKがポストに当たり、跳ね返ったところをゴール前のハズロフがヘディングシュートするも、100%の決定機を外してしまいます。後半にリティックスが幾つかチャンスを迎えるも、GKジリッチが好セーブ。リエカも77分にクルパンが決定機を迎えましたが失敗。このまま0-0で終われば良かったものの、83分に左CKからヘディングでボールを繋げて最後はジェレフがヘディングシュートを決めて1-0でリテックスが勝利しました。共に第2戦は8月25日に予定されています。

シャフタール・ドネツク所属の代表GKスティペ・プレティコサをイングランド・プレミアリーグのフルハムがレンタル移籍での獲得を進めていたものの、労働ビザが下りずに断念となりました。かつては正GKであったプレティコサは怪我もあって代表では出場機会に恵まれず、ここ2年の代表公式戦の出場75%というイングランドの労働ビザ基準に達しませんでした。フルハム側は政府に事情を説明して労働ビザ取得に急いだものの、取得には余りにも時間が掛かるということで断念せざる得ませんでした。シャフタールでは新たなウクライナ・リーグの外国人枠制度もあってプレティコサはベンチに座ることすらなくなってしまい、今回の移籍不成立には失望しているようです。

ディナモ・ザグレブ所属の代表MF/FWイヴァン・ボシュニャクに、オランダのフェイエノールトが移籍金160万ユーロのオファーを提示したものの、クラブ側が拒否しています。エルウィン・クーマン監督は俊足のFWを探しており、ボシュニャクが第一候補だったそうですが、ディナモ側はボシュニャクの移籍金額はワールドカップ後に二倍に跳ね上がるものと考えているようです。

ディナモ・ザグレブの来季のメインスポンサーが韓国企業の大宇になると報じられています。昨季のヤスミン・アギッチの仁川ユナイテッド移籍が布石となり、韓国との接点が多くなったディナモでありますが、この度は韓国元代表DF金鉉洙を獲得。ディナモ副会長のズドラヴコ・マミッチが現在ザグレブ市内に建設中のビジネスビルに大宇の東欧支部をテナントとして入れる話し合いもついているそうで、9月には大宇の幹部をマミッチのクルーザーに迎えて話し合いを進めるとのことです。

NKザグレブのMFセルゲイ・ヤキロヴィッチ(29)がCSKAソフィアに移籍することが確実視されています。ヤキロヴィッチは様々なクラブを渡り歩き、昨季のザグレブで開花。192cmの長身でありながら、テクニックとパス能力の高いMFです。オーストリアのパスチングとドイツのカイザースラウテルンが今季になって獲得の意思を示していましたが、移籍金25万ユーロ、年俸30万ユーロの2年契約を提示したCSKAソフィアが獲得に成功する模様です。またヤキロヴィッチはザグレブのドラジェン・メディッチ会長と殴り合いの喧嘩をしていたことから、チーム側もあっさりと放出を決めました。ヤキロヴィッチはクロアチア代表歴はないものの、ヘルツェゴビナのモスタル出身ということから、8月17日の対エストニアとの親善試合で初めてボスニア・ヘルツェゴビナ代表に選出されています。

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2005年8月11日 (木)

マリオ・ツァレヴィッチ、シュトゥットガルトと3年契約

carevic 元ハイドゥク・スプリト在籍で、昨季からはサウジアラビアのアル・イティハドに在籍していた元U-21代表MFマリオ・ツァレヴィッチ(23・写真)がシュトゥットガルトのテストに合格、アラブ仕事でほったらかしだった所有権問題も解決し、3年契約を結びました。ツァレヴィッチはドリブルと左足のボールテクニックを持ち合わせた選手であり、アーセナルに移籍したフレブの抜けた穴を埋める選手としてトラパットーニ監督からの期待を寄せているそうです。シュトゥットガルトは2004年のU-21欧州選手権の時にツァレヴィッチに注目したとのこと。ちなみにチームにはズボニミール・ソルド、ボリス・ジヴコヴィッチも所属しています。

今季はマッカビ・テルアビブでプレーする元代表MFジョバンニ・ロッソがようやくイスラエル国籍を取得、国内ではイスラエル人扱いでプレーすることとなりました。かつてはイスラエル代表になる考えもありましたが、条件に適した彼にイスラエル政府は寛容な態度を見せず、パスポート取得に年月が掛かりそうだったため最終的にはクロアチア代表を選んだ経緯があります。

元ハイドゥク・スプリトのFWマテ・ビリッチ(24)がスペイン二部のコルドバとの契約を切り、同国二部のレイダと1年契約を結びました。「満足している。これ以上の条件を夢でみることはできない」とコメントを残しています。ビリッチは2002年に移籍金200万ユーロでサラゴサに移籍したのち、アルメリア、スポルティング・ヒホン、コルドバといったスペイン二部でプレーしています。

オリンピアコスに在籍するクロアチア代表歴もあるDF/MFイヴァン・レジッチ(25)が、クラブとの契約を打ち切りました。ノルウェー人のソリエード新監督にアピールできることなく、選手が飽和状態のオリンピアコスで最初に切られた選手となります。

ディナモ・ザグレブが元韓国代表DFの金鉉洙(Kim Hyun Su・32歳)を1年契約で獲得しました。金はディナモでの1週間のテストを経たのち、クジェ監督が気に入ったようです。金は釜山大宇、城南一和、仁川ユナイテッドでプレーした身長186cmのDFで、2003年の東アジア大会などで韓国代表としてプレーしています。

昨季はベガルタ仙台とディナモ・ザグレブでプレーしたマケドニア代表DFゴツェ・セドロスキのインタビューが掲載されました。セドロスキは今季からトルコ一部のディヤルバクルに移籍しました。
「リゼシュポールとの開幕戦でチームは勝利した。私は得点を決められなかったが、二度に渡ってシュートをポストにぶつけたよ。昨季のサポーターの暴動のペナルティで、リゼシュポール戦では無観客でプレーした。3節もまた無観客でプレーしなくてはならない。そのあとはホームでどの相手も我々に勝つことは難しいだろう。ディヤルバクルはイスタンブールから飛行機で1時間15分のところだし、ザグレブまでも遠くない。8月17日のフィンランド戦の帰りにザグレブに寄るかもしれない。
ディナモのチームメイトを喜んで訪ねたいからね。リエカ戦のディナモは素晴らしかったと聞いている。嬉しいよ。昨年のような酷いシーズンのまま、私が去ることは出来ないことだ。いつかはディナモに戻って、もう一度タイトルを獲得したい。ディナモで現役を終えたいからね。おそらく引退後もザグレブに住むことになるだろう」
とコメントを残しています。

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代理の代理戦争

grb-inker 今日、UEFAカップ予備戦2回戦「インテル・ザプレシッチvs.ツルヴェナ・ズヴェズダ」の一戦が行われます。戦争が終わって10年、いまだにクロアチア人vs.セルビア人の民族感情は激しいものがあり、俄然、このカードも盛り上がりを見せています。これがディナモ・ザグレブvs.ツルヴェナ・ズヴェズダならば想像もつきません(苦笑)

ズヴェズダも先のリーグ開幕戦の対ハイドゥク・クラ戦で2-2という結果に、サポーターのデリエが暴徒化。ピッチに乱入して試合を中断させた上、試合後はマラカナ・スタディオンにあるドラガン・ストイコヴィッチ新会長の執務室の窓ガラスを投石で割られてしまいました。「クロアチアにおける勝利が我々の問題においての唯一の薬であり、勝利は必須である」とピクシーは述べます。最初は「ザプレシッチってどこ?」という状況だったデリエ達も300人ほどがザプレシッチに乗り込む予定で、クロアチア側も可能な限りの警戒態勢を取る予定です。ちなみにピクシーはハイドゥク・クラとの試合でも5人のボディガードを付けたそうですが、クロアチアでも同様にボディガードを付けるそうです。

さて迎え撃つ側のザプレシッチ。サポーターは「Divlja svinja(イノシシ)」という名前の小さなグループであり、300人のデリエよりも小さな規模。ディナモ・サポーターのBBBは「この試合に関心はない」と表向きは言っているものの、この機会にしゃしゃり出てくるのは目に見えています。昨日、ばったり街中でBBBにあったら「チケットはないけど、セルビア人と喧嘩しに行く」と言ってました(苦笑) 昨年はハンドボールの「ザグレブvs.パルチザン」の試合でBBBとグロバリが大喧嘩。派手にやらかしてしまいました。

実は数日前、ベオグラードの友人でデリエに所属するセルビア人から連絡があり、「宿泊と観戦の計画を手伝ってくれないか?」と頼まれました。チケット購入の際にはパスポート提示があるため、彼にとっては購入が出来ないわけです。デリエだけが押し込められるバックスタンドのアウェー席ではなく、彼が求めるのはメインスタンドのチケット。「下手な行動をしないなら」との約束で協力する考えでしたが、彼は急用でキャンセルになってしまいました。もし一緒に行ったとしたら、ザプレシッチ行きのバスでは彼が方言でセルビア人とばれないよう無言で二人で乗ったでしょう。

という私も、Sport-netでカメラマン申請をしていたものの、インテル側が一メディアに一カメラマンの方針のため一度は蹴られてしまいました。4000人で満員になる小さなスタジアムであり、昨日の新聞では残り200枚と書いてあったことから、チケットを買いに行こうとしたもののパスポートを忘れたことが判明。諦めてTV観戦を覚悟しましたが、カメラマン申請が下りたとの連絡がありました。これまで経験したことのない修羅場をくぐってこれそうです(笑)

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2005年8月 9日 (火)

対・ブラジル戦のクロアチア代表メンバー発表

0000000000260306 8月8日、クロアチアサッカー協会にて、8月17日にブラジル代表と親善試合と戦うクロアチア代表メンバー23人が発表されています。
クラニチャール監督自身が説得したボカ・ジュニオルス所属のFW/MFダニエル・ビロシュが召集されるかどうか注目を浴びていましたが、本人が最終決断する期限を2日ずらして8月10日として返事を待っている状況です。またダド・プルショは膝の状況が思わしくなく、辞退を申し入れていたものの結局は召集されました。選手は14日にスプリトにて集合、17日の21時15分キックオフです。

クロアチア代表メンバーはこちら。
GK:
Stipe Pletikosa(Sahtar Donjeck), Tomislav Butina(Club Bruges), Joseph Anthony Didulica(Austria Wien)
DF:
Dario Simic(AC Milan), Robert Kovac(Juventus), Igor Tudor(Juventus), Stjepan Tomas(Galatasaray), Josip Simunic(Hertha Berlin), Mario Tokic(Austria Wien)
MF:
Niko Kovac(Hertha Berlin), Darijo Srna(Sahtar Donjeck), Jerko Leko(Dinamo Kijev), Marko Babic(Bayer Leverkusen), Jurica Vranjes(Werder Bremen), Anthony Seric(Panathinaikos), Ivan Leko(Club Bruges), Niko Kranjcar(Hajduk Split), Ivan Bonjak(Dinamo Zagreb)
FW:
Ivica Olic(CSKA Moskow), Dado Prso(Glasgow Rangers), Bosko Balaban(Club Bruges), Ivan Klasnic(Werder Bremen), Eduardo Da Silva(Dinamo Zagreb)

ブラジル代表は既に発表されており、9月4日のW杯南米予選の対チリに累積警告で欠場するロナウジーニョを、クロアチア戦のメンバーからパレイラ監督が外してしまったことが失望を呼んでいます。ブラジル代表メンバーはこちら。

GK:
Dida(AC Milan), Julio Cesar(Inter)
DF:
Cafu(AC Milan), Roberto Carlos(Real Madrid), Cicinho(Sao Paulo), Gilberto(Hertha Berlin), Lucio(Bayern Munchen), Juan(Bayer Leverkusen), Luisao(Benfica), Alex Rodrigo(PSV Eindhoven)
MF:
Emerson(Juventus), Gilberto Silva(Arsenal), Ze Roberto(Bayern Munchen), Kaka(AC Milan), Juninjo(Lyon), Renato(Sevilla), Ricardinjo(Santos)
FW:
Ronaldo(Real Madrid), Adriano(Inter), Robinho(Real Madrid), Julio Baptista(Real Madrid), Oliveira(Betis)

またチケット価格が余りに高いため(メインが約14000円、バックスタンドが約12000円、ゴール裏南が約8000円)、未だにチケット完売することができず、約25000枚を売却済みで、残りは1万枚も残っております。

また16日にスロバキアU-21代表と対戦するクロアチアU-21代表も発表されています。
GK:
Tomislav Vranjic(Varteks), Velimir Radman(Rijeka)
DF:
Tomislav Labudovic(Zagreb), Vedran Corluka(Dinamo), Neven Vukman(Varteks), Ivica Vrdoljak(Zagreb), Igor Lozo(Pula)
MF:
Mladen Pelaic(Zagreb), Goran Mujanovic(Varteks), Ante Tomic(Dinamo), Ognjen Vukojevic(Lierse), Mario Grgurovic(Hajduk), Luka Modric(Dinamo), Hrvoje Cale (Dinamo), Mario Brkljaca(Zagreb).
FW:
Leon Benko (Varteks), Josip Tadic(Bayer), Hrvoje Custic(Zagreb), Karlo Primorac(Osijek), Tomislav Busic(Hajduk)

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クロアチア・リーグ第3節

8月6日、クロアチア・リーグ第3節が行われました。

bosnjak 前節はオシエクに敗戦を喫したディナモ・ザグレブは、今季初のホームの試合としてリエカを迎えました。バカンスでザグレブの人口が減り、テレビ放映もあるにもかかわらず、マクシミール・スタディオンの観客は10000人とまずまずの入りでした。この試合では新加入のカメルーン人MFチャゴ(22歳)が神出鬼没のボランチとして活躍します。22分、モドリッチのスルーパスから上手いトラップでDFより一歩先に出たボシュニャク(写真)が対角線にシュートを決めてディナモが先制すると、38分には右サイドを切り崩したブリャトのヒールパスにマミッチがグラウンダーのミドルシュートを決めて2-0。そして44分、チャゴがボールカットから左サイドのダ・シルヴァに展開し、シルヴァが相手GKジリッチの目の前にクロスを上げると、チャゴがダイビングヘッドを決めて3-0とリードします。
後半頭はリエカが攻撃に転じ、49分にシャリッチのクロスからクルパンが合わせたヘディングシュートはGKトゥリーナが好反応でセーブされますが、52分にノヴァコヴィッチのクロスをクルパンは今度は沈めて3-1。しかしディナモも相手の勢いをセーブすると、ダ・シルヴァ、ボシュニャク、ミトゥのコンビネーションによる多彩な攻撃を見せます。77分、中央をするするっと抜けたチャゴが混戦を抜けるグラウンダーのミドルシュートを決めて4-1とすると、80分にはミトゥの右クロスからツェサールがヘディングシュートを決めて5-1と勝利しました。

デブレチェンの大敗からのショックを抜け切れないハイドゥク・スプリトは、アウェーでカメン・イングラッドと対戦しました。カメン・イングラッドの新監督マトコヴィッチは先のデブレチェン戦を研究し、ハイドゥクのDF陣のスピードの遅さを考えてカウンターに徹します。ディナモから新加入のムイチンが司令塔となり、スピードのあるブライコヴィッチ、高さのあるラキッチのツートップに次々とシュートチャンスを作りました。15分にハイドゥクは中盤でボールを失い、そこからカウンターを食らってラキッチにシュートを決められます。52分にはボジノフスキとダルモピルが作ったチャンスをブライコヴィッチが決めてカメン・イングラッドが2-0と突き放します。ハイドゥクも1分後にクラニチャールのアシストからシュートが得点を決めるも、その後はチャンスを作れず、カメン・イングラッドが2-1と勝利しました。

また終了間際に強さをみせた開幕3連勝のヴァルテクスが首位に立っています。
全試合の結果はこちらです。

Dinamo Zagreb - Rijeka 5-1
22' 1-0 Bosnjak
38' 2-0 Mamic
44' 3-0 Chago
52' 3-1 Krpan
77' 4-1 Chago
80' 5-1 Cesar

Pula Staro Cesko - Varteks 0-2
81' 0-1 Plantic
88' 0-2 Mujanovic

Cibalia Vinkovci - Inter Zapresic 0-1
50' 1-0 A.Andricevic

Medimurje - Slavan Belupo 2-0
51' 1-0 Katic
83' 2-0 Sesar

Kamen Ingrad - Hajduk Split 2-1
15' 1-0 Lakic
52' 2-0 Brajkovic
53' 2-1 Suto

Zagreb - Osijek 0-1
38' 0-1 Primorac

【順位】
1位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(勝点9)、2位…ハイドゥク・スプリト(6)、3位…ディナモ・ザグレブ(6)、4位…インテル・ザプレシッチ(6)、5位…オシエク(6)、6位…カメン・イングラッド(4)、7位…リエカ(4)、8位…メヂムリェ(3)、9位…ザグレブ(3)、10位…チバリア・ヴィンコヴチ(3)、11位…スラヴェン・ベルーポ(1)、12位…プーラ・スターロ・チェシュコ(1)

【得点ランク】
1位…3得点 クラニチャール(ハイドゥク)、ブシッチ(ハイドゥク)、クルパン(リエカ)、プルピッチ(リエカ)
2位…2得点 ムサ(スラヴェン・ベルーポ)、シャファリッチ(ヴァルテクス)、セサール(メヂムリェ)、ラキッチ(カメン・イングラッド)、ボシュニャク(ディナモ)、チャゴ(ディナモ)

【アシストランク】
1位…5アシスト ミトゥ(ディナモ)
2位…3アシスト シャリッチ(リエカ)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)
3位…2アシスト グルグロヴィッチ(ハイドゥク)、ブライコヴィッチ(カメン・イングラッド)

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ハイドゥク、2年連続CL二回戦敗退

8月3日、チャンピオンズ・リーグ予備戦2回戦第2戦「ハイドゥク・スプリトvs.デブレチェン」が行われました。初戦はアウェーで0-3と敗れたハイドゥクは、24000人の観客を集めたホームのポリュウド・スタディオンでデブレチェンを迎えるも、直ぐにハイドゥクのサポーターを失意に落とすこととなりました。
開始わずか17秒、自陣のペナルティエリアでボール回していたDFグラニッチが相手FWをフェイントでかわそうとしたところをコントロールに誤り、ボールを奪ったドンビがクロスを挙げるとファーサイドでハルモシがシュートを決めてデブレチェンが先制。これで5点を奪わないと勝ち越せないハイドゥクは絶望的な状況に。22分、ハルモシのFKからケレケスがヘディングシュートを決めて0-2となると、27分にはカウンターからボグダノヴィッチが左サイドに駆け込むハルモシに理想的なパスを送り、これをハルモシが決めて0-3。このゴールに怒りと失望の観客は次々と帰途に着きはじめ、またサポーターのトルツィダは枠を飛び越えてピッチに乱入しようと企てたものの、警官隊が配備されて止められました。ハイドゥクも36分にブシッチとのワンツーにクラニチャールがシュートするも枠の外へ、また42分にはグルグロヴィッチが放ったFKがポストに当たるだけで点差は縮められずに終わります。
後半75分にはハルモシのアシストからコートジボアール出身の控えFWシディベにスライディングシュートを決められると、ロスタイムにはコーナーからキスがヘディングで決めて0-5。トータルスコア「0-8」という完璧な敗北を喫するとともに、3回戦でマンチェスター・ユナイテッドと戦う夢もはかなく消えてしまいました。

ciro 試合後、ハイドゥクのミロスラフ・ブラジェヴィッチ監督(写真)は辞任を考えたものの、スポーツ・ディレクターのイゴール・シュティマッツの説得のもと監督に留まることに決めました。「もしハイドゥクが私を追い出そうとしないのならば、監督として留まることとする。辞表提出がモラル的なやり方であろうが、私の仲間の一人がこう言った。"それは意気地なしの手段だ"とね。私は意気地なしではない。だから私はハイドゥクに残ることを決断した」とコメントを残しています。
またクラニチャールは「正直なところ試合中は、終了後のコメントとして何を言おうか考えていた。結果がすべてを物語っているとはいえ、どの人間もこのような結果がどんな意味を持っているか判っているものだ。このような日が起こってしまったら何が可能だというのさ。我々は酷いプレーをし、また彼らは良いプレーをした。まだ国内リーグが残っているし、この何ヶ月もの間、私に優しく手を差し伸べてくれたサポーターとこの街に恩返しをするモチベーションを私は持っている」と応えています。

イゴール・トゥドールの移籍先として、シュトゥットガルトとベシクタシュの名前が挙がっております。ユベントスはベンフィカのミゲルを獲得するための資金が必要であり、それの資金源としてトゥドールを売却する考えがあるらしく、シュトゥットガルトは500万ユーロのオファーを提示したと言われています。ただシュトゥットガルトは資金難にあり、300万ドルという年俸は払える状況にはなく、その場合はベシクタシュが合意を取りまとめるのではと報じられています。

元代表MFミラン・ラパイッチが一方的にスタンダール・リエージュを退団しました。ラパイッチは昨年12月にスタンダールと契約し、活躍はしていたものの帰国を決断。理由としては、オノフリオ会長とオフの間に別のクラブへ移籍できるよう図ってくれるはずが実現しなかったことに失望したためです。契約は2006年6月まで残っており、月給も3万ユーロから5万ユーロまで上げるようオノフリオ会長が動いたものの残留させることはできず、また他のクラブからのオファーも届いてないとのことです。クラブ側は一方的な退団に怒りを示しており、当地の新聞にも「ラパイッチは泥棒だ」との見出しが出ているとのこと。これに対してラパイッチは「それは恥をかかせるためにベルギー人がもっとも一般的に書く言葉だ。私は全員に挨拶したし、人間としてチームを去った」とコメントを残しています。

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2005年8月 4日 (木)

添乗仕事でニュースはお休みです

avion 昨日からザグレブをスタートし、プリトヴィチェ国立公園、スプリト、ドゥブロヴニク、モンテネグロと行く添乗仕事に入っており、しばらくはサッカーニュースをお休みします。ご了承下さいませ。

チャンピオンズリーグ二次予選2回戦「ハイドゥク・スプリトvs.デブレチェン」は0-5の完敗。試合のテレビ放送は仕事で見られず、ビデオに撮ったのを5点目のシーンだけ巻き戻して見ましたが、点が入ったところで期待通りハイドゥク・サポーターは嫌味の大歓声と拍手をしていました(苦笑)
トータルスコア「0-8」。あまりのヘボさに笑っちゃいますね。

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2005年8月 1日 (月)

クロアチア・リーグ第2節

クロアチア・リーグ第2節が7月30日に行われました。

ディナモ・ザグレブはアウェーにてオシエクと対戦。オシエクは先のハイドゥクの試合で0-6と大敗し、FWトゥルコヴィッチを獲得するなど汚名返上に躍起になっており、グラツキ・ヴルト・スタディオンも8000人と普段以上の観客が集まりました。ディナモは調整に遅れていたFWダ・シルヴァ、MFマリッチ、DFボスナールが加わり、現時点で考えられる最強メンバーで望みました。
試合はディナモが圧倒するものと思いきや、新たに加わった選手が機能しません。次第にオシエクのボールが繋がるようになった24分、ヴラトヴィッチが左サイドからエリア内フリーのバラティナッツに折り返し、力強いシュートを相手ネットにぶち込んでオシエクが先制します。
後半頭からディナモは試合感の鈍いマリッチとボスナールを外して、チャゴとブリャトを投入。51分にモドリッチのシュートが右ポストに当たり、その直後にはモドリッチが作ったシュートチャンスをダ・シルヴァが失敗します。82分、オシエクはプリモラッツのゴール前のクロスから途中交替のトゥルコヴィッチがヘディングするもボールは左ポストに。その跳ね返りをバラティナッツが折り返したボールがDFチョルルカの手に当たってPKの判定。しかしバラティナッツのPKはGKトゥリーナがセーブしました。結果は1-0でオシエクが勝利、ディナモは早くも最初の一敗をしてしまいました。またサポーター間で喧嘩があり、15人が警察に連行されています。

ハイドゥク・スプリトはホームのポリュウド・スタディオンでザグレブと対戦。観客は4000人で、試合はTV放映されました。昨季はリーグ戦・カップ戦での直接対決6試合で5度に渡ってザグレブが勝利しており、先のデブレチェンでの敗北で沈み気味のハイドゥクにはもっとも厳しい相手を迎えることとなりました。
3分、ゴール前へのスルーパスにザグレブのバルトロヴィッチが飛び込んでシュートチャンスを迎えるも、GKカレの飛び出しもあって防ぎ切ると、その直後にゴール前でクリアされたボールをクラニチャールが強烈なミドルシュートをゴール左上隅に決め、ハイドゥクが先制します。その後はザグレブが次々とチャンスを作り出しますが、バルトロヴィッチ、ペライッチ、ヤキロヴィッチがそれぞれ決定機を決められません。42分にはイブリチッチがエリア内で倒されてザグレブがPKを得るも、ヤキロヴィッチのシュートをカレが止めて前半は1-0で折り返します。
後半はハイドゥクの方がペースを握るものの、83分、ザグレブのFWバルトロヴィッチのアシストから左サイドに入り込んだマンジュキッチがゴールを決めて1-1に並びます。しかしその1分後にハイドゥクのMFバルトゥロヴィッチが左サイドをドリブルで切り崩し、中央へ速いグラウンダーのパスを送るとFWブシッチがそれに合わせて2-1とハイドゥクが突き放します。ロスタイムにはエリア内に飛び込んだバルトゥロヴィッチにDFブルナスが危険なスライディングをしたためにPK。これをクラニチャールが決め、3-1とハイドゥクが勝利しました。

inter 昨季は開幕6連勝とスタートダッシュに成功したインテル・ザプレシッチは、プーラ・スターロ・チェシュコをホームに迎えての対戦。蒸し暑さもあり、観客はわずかに700人でしたが、ツルヴェナ・ズヴェズダとのUEFAカップでの対戦を控えたチームをチェックすべく撮影取材に行ってきました。
ディナモからのレンタル選手返却を除けばチームの骨格に大きな変更のないインテルは、昨季と同様に安定した守備から効率的な攻撃を展開します。その攻撃ポストプレイの強いFWグーリッチにボールを預け、突破力とスピードのあるFWピシュコール(写真左)とトップ下のポリャクが脇を走り回るといったもの。17分、ピシュコールが25mのFKをゴール左隅に決めてインテルが先制すると、その後は常にインテルのペース。ただ2点目を奪うことはなかなかできず、ロスタイムにピシュコールがファーポストへと走りこむチズメクに正確なクロスを送り、これをチズメクがヘディングで決めて2-0と勝利しています。

全試合結果はこちら。

INTER - PULA 2-0
17' 1-0 Piskor
90' 2-0 Cizmek

SLAVEN BELUPO - KAMEN INGRAD 1-1
29' 0-1 Lakic
56' 1-1 Musa (PK)

OSIJEK - DINAMO 1-0
24' 1-0 Balatinac

RIJEKA - CIBALIA 4-1
2'  1-0 Prpic
4'  2-0 Prpic
34' 3-0 Krpan
54' 4-0 Prpic
86' 4-1 Knezvic

VARTEKS - MEDJIMURJE 3-2
2'  1-0 Safaric
42' 2-0 Jolic
53' 3-0 Safaric
78' 3-1 Mesic
85' 3-2 Sesar

HAJDUK - ZAGREB 3-1
5'  1-0 Kranjcar
83' 1-1 Mandzukic
84' 2-1 Busic
90' 3-1 Kranjcar (PK)

【順位】
1位…ハイドゥク・スプリト(勝点6)、2位…インテル・ザプレシッチ(6)、3位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(6)、4位…リエカ(4)、5位…ディナモ・ザグレブ(3)、6位…ザグレブ(3)、7位…オシエク(3)、8位…カメン・イングラッド(1)、9位…プーラ・スターロ・チェシュコ(1)、10位…スラヴェン・ベルーポ(1)、11位…メヂムリェ(0)、12位…チバリア・ヴィンコヴチ(0)

【得点ランク】
1位…3得点 クラニチャール(ハイドゥク)、ブシッチ(ハイドゥク)、プルピッチ(リエカ)
2位…2得点 ムサ(スラヴェン・ベルーポ)、クルパン(リエカ)、シャファリッチ(ヴァルテクス)

【アシストランク】
1位…3アシスト ミトゥ(ディナモ)、シャリッチ(リエカ)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)
2位…2アシスト グルグロヴィッチ(ハイドゥク)

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