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2005年8月19日 (金)

「クロアチアvs.ブラジル」取材記

  ブラジルとの親善試合、スプリトまで撮影取材してきました。ビッグゲームだけに今回はプレスパスが下りるか心配したものの、いつもマイナーな試合に足を運び続けていることが良かったのか、無事にパスが下りました。クロアチア・サッカー協会も多くのリクエストを撥ねつけるべく、これまでの取材実績があるところを優先したそうです。またSport-netの編集部でもパス争奪戦があり、「試合日の近くが誕生日だから、パスを取ってくれ」みたいな要望も他の記者からはあったようです^^;

navijac8月は観光シーズンということで添乗仕事と重ならないことを願っていたわけですが、無事に時期が逸れ、2日前からスプリト近辺のカシュテルの知人宅へと行き、当日にスプリトへと入りました。試合3時間前にスタジアムに行くと、クロアチア代表、ハイドゥク・スプリトのグッズ以外にもブラジル代表のユニフォームや国旗、マフラー、またブラジルとクロアチアの両ユニフォームを半々組み合わせた風変わりなユニフォームも売られていました。対戦相手のユニフォームを着るクロアチア人なんて存在するものかと思ったのですが、スプリトは空前の瞬間的ブラジル大ブームでして、仲良くブラジルとクロアチアのユニフォームを着ているカップルなんかもいたりしました。

ユーロ2012にハンガリーと組んで立候補しているクロアチアは、この試合を通して大会実行能力を示す絶好の機会のため、スタジアム周辺はしっかりと警備され、またプレスパスやチケットもバーコード読み込みというクロアチアでは多分初の試みがされました。ただ警備している特別警官隊のメンツはあんまり変わらないみたいで、「お前、インテルvs.ズベズダの試合でもいただろ。BBBの一員じゃないのか」なんて警官にからかわれてしまいましたね。

severinaスタジアムの雰囲気はブラジル代表GKジーダがピッチに現れると既に最高潮に達します。普段ならブーイングのはずが、大歓声と共にジーダ・コール。「珍しく寛容じゃないか」と驚かざるを得なかったのですが、もう一つ試合前に驚くことがありました。両チームの練習中にまずハイドゥクのヒット曲を持つムラデン・グルドヴィッチがピッチ中央で歌を歌い、続いて女性人気歌手セヴェリナ(写真)が登場しました。「あなたの為、そして我々の為に歌います、セヴェリーナー!」と紹介されると同時に大ブーイング。1998年のワールドカップ時には彼女の持ち歌「Djevojka sa sela(村から来た娘)」をアサノヴィッチが気にいり、それから代表ソングの一つにまでなったわけですが、以後はスター街道を驀進したにもかかわらず、昨年にプライベートSEX映像がネットで流出。それで彼女はすっかり味噌を付けてしまいました。彼女がトルツィダ(ハイドゥク・サポーター)のいる北側スタンドに近づくとブーイングは最大となり、2曲目で歌うはずの「Djevojka sa sela」の触りだけ歌って去るハメになりました。

robi試合内容は別の記事で書きましたが、ボールボーイから消防隊までが仕事を忘れてカメラを持参して撮影に励み、また特別な経路でパスを取得した女性達も随分とピッチ際に詰め掛けてました。元ディナモの広報であり、現在はサッカー協会の広報長は女たらしでして、やたらと美女にはプレスパスを配っているようです。これも役得というものでしょうか(笑) 試合の90分はあっという間でしたが、いつもにない雰囲気を楽しむことができました。ブラジルの選手は動きが読めないから撮影は難しいですね。ファインダー越しではカカが絵になる選手だなと思いました。またベンチに座るロビーニョ(写真)はまだお子ちゃまといった顔つきでしたね。でもプレーはさすがでした。

niko3クロアチア代表のプレーに関してですが、クラニチャール監督が早くにチーム固定した成果が現れています。またトゥドールを中盤に据えたのも正解でした。「DFが希望だが、調子が良ければ中盤でもいい」というのが彼のスタンスですが、ボール奪取の能力の高さとロングパスの精度は代表チームの武器です。あとニコ・クラニチャール(写真)がほぼチームにフィットしてきて、左サイドのバビッチとのコンビネーションが良く、バビッチとのパス交換で両者の攻撃参加が多くなりました。スルナの縦への運動量はロベルト・カルロスの動きを留め、彼ら若い力は着実に代表に根を下ろしています。あとはクラスニッチでしょう。ブレーメンではあれだけ得点できる選手にもかかわらず、代表となると冴えが見られません。このままではボクシッチみたいなケースになりそうな感じではありますが....。

ともかく、このような試合で得点を決められるニコ・クラニチャールはスター性がある選手です。チャンピオンズリーグ予備戦のデブレチェン戦でもう少し彼の才能が出たならば良かったんですけど、昨季のような調整不足というのは今季に限ってないようです。試合後にピッチからTVスタジオへと向かうクラニチャールに近づき、「おめでとう」と手を差し出すと、片目で軽くウィンクして手を握り返してくれました。16歳の頃から彼を見てますが、顔つきも逞しく、また頼もしい存在になりましたね。

23日はクロアチア・リーグ選抜vs.バイエルン戦がありますが、こちらは添乗仕事のために取材できません。スプリトは6時間掛かりますが、こちらの試合会場は自宅から自転車で5分ぐらいのところなんですけどね。残念。「ザグレブvs.カメン・イングラッド」みたいなマイナーの方が私にはお似合いです(笑) しばし、サッカーニュースもお休みとなります。

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コメント

得点こそ、相手のミスからのもののようですが、大一番でゴールできたのはよかったですね。

クラニチャールは、今までのU-16、U-21などの大会では、コンディションが悪くさっぱりダメでしたからね。
来年のワールドカップこそは、活躍して欲しいです。

投稿: alena | 2005年8月20日 (土) 12時08分

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