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2005年9月16日 (金)

仕事のため暫くお休みなので、少し余談を。

ship 16日~26日までスルーガイドの仕事で自宅を離れてしまうため、サッカーニュースはお休みです。
9月のクロアチアは団体ツアーにおいては7月・8月以上にハイシーズンです。うだる暑さが抜け、町観光に適した気候になるからです。この季節はサッカー観戦も最もしやすい時期ですが、これからはあっという間に秋が通り過ぎ、厚手のコートが必要になってくる12月初旬にクロアチア・リーグはウィンターブレークに入ってしまいます。

今週からチャンピオンズリーグも始まりましたね。クロアチア国営放送では「リヨンvs.レアル・マドリッド」「ヴェルダー・ブレーメンvs.バルセロナ」の生放送がありました。ジュニーニョのFKは実に素晴らしい。ボールが回転せずにゴール左下にぶち込んだシュートは圧巻でした。8月のクロアチアvs.ブラジル戦では途中交替で出場したわけですが、ブラジルがファウル貰った瞬間に「キター!」とジュニーニョが蹴る場面をカメラに構えず凝視しましたよ(結果はボールが壁に)。
ちなみにリヨンのゲルラン・スタジアムでは1999年春にフランス・リーグの「リヨンvs.オーゼール」を観戦したことがあります。ラコンブ監督のもと安定した成績を収めるようになってきた頃で、司令塔のドラソーがお目当てだったわけですが、スイス代表のFWグラッシが大歓声を浴びて登場していい活躍をしてました。まだ10代だったMFマルブランクも鋭い動きをしていましたね。あの当時のリヨンはGKのクペー以外様変わりしましたが、観客の乗りが良くてフレンドリーでしたし(チケットも手頃でした)、これからも勝ち上がって欲しいチームであります。

また今夜はUEFAカップ「バーゼルvs.シロキ・ブリイェグ」の試合がクロアチア国営放送でありました。シロキ・ブリイェグはボスニア・ヘルツェゴビナのチームですが、クロアチア人地区のチームなんですね。クロアチア勢は欧州カップの予選で全滅したので、シロキがクロアチア国営放送でも取り上げられました(政治色は臭いますけど^^; シロキ・ブリイェグのレポートはこちら→http://homepage2.nifty.com/hrvgo/report/siroki.htm)。ちなみにバーゼルはクロアチア人やセルビア人、マケドニア人といった旧ユーゴ勢がチームに揃っています。
友人のFWドマゴイ・アブラモヴィッチが出るということでTVで応援しながら見てました。地元からのサポーターだけでなく、スイスやドイツのクロアチア移民も集まっての応援団が出来たのですが、アルゼンチン人のデルカドに前半にあっさりFKを決められてしまいます。しかしそれからは攻撃を防ぎきり、後半からは攻勢を仕掛けたものの50分にシロキのレジッチ選手が二枚目のイエローで退場。それでも70分までは耐えつつ、コンビネーションで崩そうとしました。アブラモヴィッチは前線で孤立状態でしたけどね。しかし疲れも出てきた最後の20分に立て続けに4点決められてジ・エンド。0-5と完敗でした。29日にシロキのホームで試合がありますが、こちらには足を運ぶ予定です(試合後はアブラモヴィッチ宅へ)。またその際には記事を書きますのでお楽しみを。

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2005年9月13日 (火)

ディナモvs.ハイドゥクはスコアレスドロー、リーグ第7節

土日にクロアチア・リーグ第7節が行われました。

stadion 9月11日、ザグレブのマクシミール・スタディオンでディナモ・ザグレブvs.ハイドゥク・スプリト戦が行われました。「Hrvatski Derbi(クロアチア・ダービー)」とも呼ばれるこの対決は旧ユーゴリーグから数えて132試合目。今回はディナモから移籍して以来初めてニコ・クラニチャールがハイドゥクのユニフォームを着てマクシミールでプレーすることと、これまでディナモの会長と監督を務めてきたミロスラフ・"チーロ"・ブラジェヴィッチが初めてハイドゥクを率いて登場ということで、クロアチア・リーグが独立して以来最大の注目カードとなりました。マクシミール・スタジアムは北スタンドのゴール裏の死角と、相手サポーター"トルツィダ"にあてがわれた南スタンドの1/3を除けば満員の35,000人の観客が訪れました。私もカメラマンとして、ちょっと早めにスタジアムに行ってきました。

ディナモはチームに怪我人もなくベストな状態。ただDFツェサールがマルセイユに移籍したため、これまでの3バックから4バックに切り替えました。スタメン(4-4-2)はGKトゥリーナ-(右から)DFブリャト、チョルルカ、ドルピッチ、チャレ-MFモドリッチ、マミッチ、チャゴ、ミトゥ-FWボシュニャク、ダ・シルヴァ。
一方のハイドゥクはまだ怪我人が5人いるものの、代表GKプレティコサがシャフタール・ドネツクからレンタル移籍で加わり、開幕以来怪我で欠場していたU-21代表DFヴチュコと新加入のマケドニア代表DFクラレヴスキが最終ラインを構成しました。スタメン(4-2-3-1)はGKプレティコサ-DFミラディン、グラニッチ、ブチュコ、クラレヴスキ-MFダムヤノヴィッチ、マルチッチ-バルトゥロヴィッチ、クラニチャール、ムニョス-FWブラトニャク。

hajduk これまで守備陣の崩壊に苦しんでいたハイドゥクですが、国際代表試合における2週間のリーグ中断にブラジェヴィッチはボスニア合宿を組みました。そこで生まれた新たな4バックの守備陣(写真)は、ディナモのボシュニャクとダ・シルヴァのスピードあるA代表コンビの攻撃を見事に食い止めます。彼らにスペースを与えず、また中盤のダムヤノヴィッチとマルチッチはスライディングタックルで司令塔のモドリッチを削りにかかります。ただ攻撃となるとクラニチャール頼み。クラニチャールは元同僚から手荒いタックルが繰り返されました。主審のシリッチもあまりカードを出さないタイプのため、ピッチ上は激しくなる一方で互いに決定機を作れない時間帯が続きました。
9分にクラニチャールがエリア左から直接FKでGKの右脇を狙いますが、これはGKトゥリーナがパンチング。17分にはBBBが多くの発炎筒を投げ入れて試合は5分間の中断。ディナモは35分にチャゴの折り返しからマミッチが地を這うミドルシュートを放つも、DFクラレヴスキが差し出して足にボールが当たって枠は逸れていきます。44分、モドリッチは右サイドでフリーのチャゴへ綺麗なロングパスを通し、チャゴが胸トラップからシュートしますが、ボールはポストの左に。結局、前半のディナモは一本のシュートが枠内にいきませんでした。

niko2 後半も前半と変わらないガチガチな展開に。51分にクラニチャール(写真)がフェイントでマーカーを外してミドルシュートを利き足とは逆の左足から放ちますが枠の外へと逸れます。52分にディナモは疲れの見えるモドリッチに代えてマリッチを投入。しかしこれも効果なく、ディナモがセットプレーを得たとしても高さのあるハイドゥクDF陣にことごとくクリアされます。この試合の最大の山場は75分、ハイドゥクはカウンターを仕掛け、ボールを貰ってエリアに突っ込んできたクラニチャールは3人の選手に囲まれるもののフェイント一発で全員をかわして左へと流れ、フリーとなった時点で左足で強烈なシュート。GKトゥリーナは一歩も動けませんでしたが、ボールはクロスバーを叩き、空へと高く上がってしまいました。ディナモは86分に長身FWのリュボイェウィッチを投入しますが時は既に遅く、試合はスコアレスドローに終わりました。ちなみに両チーム合わせてシュートが9本(枠内6)、ファウルは54(イエローは1枚のみ)でした。

試合後、ハイドゥクのブラジェヴィッチ監督は
「満足すべき理由がたくさんある。なぜなら我々より強いディナモに抵抗することに成功したからだ。騎士のように規律高く戦った選手達を祝福したい。こうもしなければディナモを止めることは出来なかった。ディナモは意欲の極限をもってしてゲームに挑んだが、ハイドゥクが負けなかったことはサッカーのため、リーグのためにもラッキーだったろう。観客のためにもこのダービーはゴールだけが欠けていたね。ニコは精神的にも辛い条件下にあったが、彼が世界的なクラスの選手であることを示してくれた。100%のチャンスを二度に渡って一人だけで作ったわけだから」
とコメント。またディナモのヨシップ・クジェ監督は
「ハイドゥクは勝点1に値した。彼らはディフェンス面でとりわけクオリティが高く、我々が前へと進む解決方法を見つけることができなかった。あまりにもこの試合の重要性を意識しすぎたかもしれない。唯一の勝利手段は質ある攻撃なわけだが、我々は積極的ではなかったし、ゆっくりと攻撃を組み立てられるようなボールポゼッションも高くなかった。サポーターに勝利を与えられなかったことには失望している。しかし客観的になればこれは現実的な結果であり、スポーツ的には失望はしていない。」
と語っています。

niko 試合前からマクシミールにハイドゥクの一員として戻ってきたクラニチャールに対して罵倒が繰り返され、これまでにない異様な雰囲気のスタジアムでしたが、警官隊と警備員が1400人近く配置されたこともあって大きなトラブルはありませんでした。BBBが準備していたクラニチャールを侮辱する人文字も事前に取りやめさせられ、また一般の横断幕の類も持ち込み禁止。東側スタンドに「デブのブタ」の文字にハイドゥク・ユニフォームを着たブタの旗が掲げらたのみでした。更にクラニチャールがBBBの多い北側スタンドと東側スタンドへセットプレーで近づくと、彼に向けて発炎筒や爆竹が投げつけられ、9分には彼の間近を発炎筒が横切る危険な場面(写真)がありました。それでもメディアがマン・オブ・ザ・マッチに選ぶ活躍をみせたクラニチャールは試合後、
「悪い試合だったし、悪いダービーマッチだった。サッカー以外の全てがここに存在した。バーに当たった私のシュートがゴールに吸い込まれることがなかったのが残念だ。しかしこの勝点1は今後のリーグ戦で自信をもたらしたことだろう。私に向けられた醜いコールに関していえば、サポーターは私がディナモにいた時から叫んでいたことから、まったく恐れるものではなかった。ディナモはメディアが書いているように恐ろしいチームではないね」
とコメントを残しています。

10日にもインテル・ザプレシッチvs.ヴァルテクス・ヴァラジディンの撮影取材に行ってきました。移籍期限ぎりぎりにインテルはディナモからMFフルヴォイエ・シュトロクとDFヴェドラン・イェシェをレンタルで獲得。またディナモを出て自由契約選手になっていたFWヴェルディン・カーリッチも加入し、この3人が揃って先発起用されました。一方でヴァルテクスはMFゴラン・ムヤノヴィッチがベルギーのリエーセへ、同じくMFのマケドニア代表イゴール・ヤンチェフスキもトルコのディヤルバクルに移籍しました。
benko しかしながら試合感の鈍い3人を含んだインテルはまとまりに欠け、開幕から若手中心でチームが出来上がってきているヴァルテクスが開始早々から先制します。10分に左サイドのメルニャクがファーポストに速いクロスを上げると、FWハリロヴィッチがヘディングで合わせて1-0。後半は多少インテルがボール支配をするも、60分にヤニェトヴィッチが中央でボールを奪われるとカウンターから右サイドでマークの緩いFWベンコ(写真)にボールが渡り、縦へ叩くボールコントロールから右足で対角線でシュートを流し込んで0-2。81分、オフサイドトラップをかい潜ったインテルFWのグーリッチが1点返すもののヴァルテクスが勝利。ディナモとは勝点差1で2位につけております。

またリエカvs.スラヴェン・ベルーポでは、リエカに新加入した元代表FW/MFダヴォール・ヴグリネツがトップ下で初起用。試合前は怪我での出場が心配されていたのですが、デビュー早々にシャルビーニのグラウンダーのクロスに滑り込んでシュートを決めると、2-2に追いつかれた1分後の40分に25mのFKを決めて勝ち越し。ヴグリネツの活躍もあってリエカは4-2と勝利し、3位の好ポジションを保っています。

全試合の結果はこちら。

Inter Zapresic - Varteks Varazdin 1:2
0:1 10' Halilovic
0:2 60' Benko
1:2 81' Gulic

Cibalia Vinkovci - Zagreb 1:1
0:1  3' Cutura
1:1 78' Krizanovic

Rijeka - Slaven Belupo 4:2
1:0  9' Vugrinec
2:0 23' Kurilic (own goal)
2:1 25' Karabogdan
2:2 39' Musa (PK)
3:2 40' Vugrinec
4:2 87' Ah.Sharbini

Medjumrje - Osijek 1:0
1:0 51' Guvo

Pula Staro Cesko - Kemen Ingrad 1:2
0:1  3' Lakic
1:1 41' Pamic
1:2 45' Mujcin

Dinamo Zagreb - Hajduk Split 0;0

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点16)、2位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(12)、3位…リエカ(14)、4位…ハイドゥク・スプリト(11)、5位…カメン・イングラッド(11)、6位…ザグレブ(11)、7位…オシエク(9)、8位…メヂムリェ(7)、9位…チバリア・ヴィンコヴチ(8)、10位…インテル・ザプレシッチ(8)、11位…プーラ・スターロ・チェシュコ(5)、12位…スラヴェン・ベルーポ(2)

【得点ランク】
1位…5得点 ダ・シルヴァ(ディナモ)
2位…4得点 クラニチャール(ハイドゥク)、シャファリッチ(ヴァルテクス)、ヨリッチ(ヴァルテクス)、ボシュニャク(ディナモ)、クルパン(リエカ)、シャルビーニ(リエカ)、ラキッチ(カメン・イングラッド)
3位…3得点、ブシッチ(ハイドゥク)、プルピッチ(リエカ)、ヨリッチ(ヴァルテクス)、

【アシストランク】
5アシスト…ミトゥ(ディナモ)
3アシスト…シャリッチ(リエカ)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)、ポサヴェツ(ヴァルテクス)、ダ・シルヴァ(ディナモ)、ブライコヴィッチ(カメン・イングラッド)

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2005年9月10日 (土)

マルタでのフーリガン騒動

ワールドカップ予選「マルタvs.クロアチア」戦の終了間際以降に発生したクロアチア・サポーターのフーリガン騒動がここ連日報道されています。国内メディアは今回もやらかしてしまったフーリガンとマルタに引き分けたクロアチア代表を「国の恥だ」として矛先を向けています。

huligan クロアチア・サポーターはメインスタンドの右側に陣取っていたわけですが、ホイッスルが鳴る200秒前からドローという結果になることに痺れを切らしたフーリガン連中が椅子を壊し、柵の向こうのマルタ側の観客やVIP席に向けて投げつけました。クロアチア警察は問題あるサポーターが試合に訪れることを数日前から把握し、マルタ警察に注意を促していたものの、真に受けなかったマルタ警察は丸腰状態でした。クロアチア・サポーターから投げつけられた椅子を警官隊は投げ返すといった対応をしてしまったために事はエスカレート。投げつけられた椅子が当たり、VIP席にいたマルタの大臣が意識を失い、また警官隊や一般人を含む約70人が病院に担ぎこまれました。

そのあと武装警官隊が入り、ようやく落ち着いた状況下でクロアチア・サポーターのうち103人を連行。しかしながら暴動に加わったのはBBBを中心にしたメンバーだったにもかかわらず、マルタ警察はアザを作ったサポーターや髪型が短いサポーターといった適当な基準で選別したために逃げ切ったフーリガンもいたそうです。また逆に濡れ衣を着せられた一般サポーターも連行され、その中にはジャーナリスト、校長、パイロット、エコノミスト、教師、エンジニア、ツアーガイドといった職種の人達もいました。103人はブタ箱に放り込まれ、実際ならば7ヶ月~2年の懲役になるところを略式裁判で済ませ、10日朝の飛行機で最初の70数人が帰国送還されました。濡れ衣だったサポーターも早くに帰国したいことから渋々罪を認めているのですが、3人のサポーターだけが罪を認めずにそのままマルタに残って裁判で戦うそうです。

あと暴動の模様を撮影していたクロアチア国営テレビは、撮影中にマルタ警察に殴られてビデオテープを没収。もう1つのテレビ局RTLのカメラマンも撮影中にマルタ警察に殴られたものの、テープは取られることなく帰国後に暴動の模様が放送されました。試合を実況した国営放送のボジョ・スシェツ氏は「30年この仕事をやってきたが、これほどの事件は経験したことがない。あれは完全なカオス状態だった。クロアチアに政治的・経済的・スポーツ的に悪影響な結果をもたらすことは疑いない。これは少数の人間が大多数を痛めつけたスポーツのテロリズムだ。しかしジャーナリストまで家畜同然に扱ったことに対しては、これほど哀れに感じたことはない」とコメントしています。

クロアチアのイヴォ・サナデール首相は「試合に負けたことに我々全員悲しんでいるが、サッカーとスポーツは国と人々を近づけるべきものであり、混乱の要因となるものではない」とコメント。またクロアチア・サッカー連盟のヴラトコ・マルコヴィッチ会長は「なんて酷い日だ。試合のせいよりも事件が起こってしまったせいだ」と語っており、これまで誘致活動を進めていたユーロ2012(ハンガリーとの共催)にも悪影響を与えることを憂いております。UEFAから課せられる罰金は1万ユーロ辺りになるとされています。

9月11日にはクロアチア・リーグで「ディナモ・ザグレブvs.ハイドゥク・スプリト」戦があるのですが、両サポーターが険悪なだけでなく、ニコ・クラニチャールとミロスラフ・ブラジェヴィッチ監督がハイドゥクに移った最初の試合ということで暴動が起こる可能性が想定され、1000人の警官隊と324人のセキュリティを配置することになっています。2日間でチケットは25,000枚売れており、私の記憶では初めて国内リーグでマクシミール・スタディオンが満員になりそうです。

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2005年9月 8日 (木)

クロアチア、マルタ相手に痛恨のドロー

9月7日、マルタの首都バレッタにあるタ・カリ・スタジアムでワールドカップ予選「マルタvs.クロアチア」が行われました。4日前に試合を行ったアイスランドとは一転して蒸し暑いマルタ。サッカーでは欧州最弱国の一つである相手だけに楽勝ムードが漂っていたのですが、大きな落とし穴が待ち構えておりました。

クロアチアはトゥドールとコヴァチ弟が累積警告で欠場。リベロのコヴァチ弟の代役にはトキッチを起用。また守備的MFのトゥドールの代わりにイェルコ・レコを入れるという報道がされていたのですが、試合二日前にズラトコ・クラニチャール監督は左MFのバビッチを守備的MFに入れ、左MFにはシェーリッチを起用することを明らかにし、その通りのスタメン(3-4-1-2)となりました。
GKプレティコサ-(右から)DFシミッチ、トキッチ、シムニッチ-MFスルナ、コヴァチ兄、バビッチ、シェーリッチ-クラニチャール-FWプルショ、バラバン
一方のマルタはカイザースラウテルンに所属したこともあるFWミフサド(現在はノルウェーリーグのリレハンメル所属)と、イングランドのチェスターに在籍するディメツが怪我で欠場。チームの殆どが国内でプレーするアマチュア選手であります。スタメン(4-4-1-1)は以下のようです。
GKハベル-プリチーノ、サイド、シクルーナ、ウェルマン-MFマトックス、アギウス、アノナム、ブリッファ-FWウッズ-コヘン

malta 試合当初からクロアチアの選手には緊迫感がなく、安易なミスパスを続けてはマルタが攻め込み、イエローカードを恐れてか相手選手に厳しく当たることすらしません。技術で劣るマルタはそれでも決定機が簡単に作れないわけですが、必死に食い下がろうという姿勢が見えました。そんな状況でも前半はクロアチアがチャンスを作ります。アイスランド戦では殊勲者だったバラバンは12分、クラニチャールからのパスを受けてシュートチャンスを迎えますが、ボールを下手にキープしたために相手DFにカットされます。けれども19分にスルナが右サイドからクロスを上げようとしたところ相手選手に当たり、中央へと流れてきたボールをクラニチャールがボレーで正確にシュートを決めてクロアチアが先制します。その直後にはスルナのヒールパスからバラバンが右クロスを上げて、GKハベル(写真右)の正面でプルショ(写真中央)がヘディングシュートしますが、この決定機をポスト左へと外してしまいます。25分にはクラニチャールが25mのミドルシュートを放つもボールは左へ。マルタは42分、縦パスからアノナムがDFに挟まれながらシュートをするもののボールはポスト左へと逸れました。前半終了間際にはボール処理を失敗したGKハベルからバラバンがボールを奪ったにもかかわらず、シュートを打つことなくミスパスで台無しに。また直後にはプルショが相手のカットミスのボールを受けてGKと一対一になるもののシュートは遮られてしまいました。

ハーフタイムにクラニチャール監督は明らかに弛んだチームに変化を加えるべきでしたが、選手変更も新たな指示もまま、前半と同じペースで試合が進みます。62分、シェーリッチが左サイドから切れ込んで決定的なラストパスを中央に送るものの、バラバンはこれをシュートミス。このようなクロアチアに罰が下されたのは74分でした。右サイドの20数mの位置でFKを得たマルタは、DFのウェルマンがグラウンダーで蹴りこむとボールはあっさりとクロアチアのネットを割り込んで同点となります。この失点は壁に一人の選手しか立たせず、真横にボールが来たのにもかかわらず反応に遅れたGKプレティコサの責任でした。77分にスルナのFKからプルショがヘディングシュートしますが、これはクロスバーの上に。クラニチャール監督は80分に最後のカードとなるクラスニッチを投入。しかし時間は刻々と過ぎ、マルタは空回りなクロアチアに対して何度もカウンターを仕掛けます。82分にマルタのチャンタルが右サイドから放ったシュートは枠の上へ、またロスタイムにマルタは4対2の形を作ったもののアノマンのシュートはプレティコサの正面をつきます。クロアチアもロスタイムに左サイドでフリーとなったバビッチが決定機を迎えましたが、近距離のシュートはGK正面に。また最後の攻撃ではクラスニッチが右サイドでシュートしたもののボールは外のネットに。結果は1-1のドロー。クロアチアにとってはかなり痛い結果となりました。

試合後にクラニチャール監督は「マルタに我々が驚かされることを自分達から許してしまった。勝てなかったのは残念だが、絶望する必要はない。効率良く得点しなければならなかったのに、そのレベルに達してなかったことは明らかである。
マルタの選手達はゴール前を堅く閉ざしたのに対し、我々は欲望があったにもかかわらず勝利することが出来なかった。数あるチャンスを失敗したことは悔やまれるが、このような蒸し暑い天候でプレーするのは難しいことや4日間で2試合プレーすることも考慮に入れなくてはならない。
ワールドカップ出場のプロジェクトを無駄にすることは許されない。まだ我々には二試合残されているし、全ては自分達次第だ。不満ではあるが、不幸でもない。」とコメントを残しています。

同じ日に行われたハンガリーvs.スウェーデンはロスタイムにイブラヒモヴィッチが得点を決めて1-0でスウェーデンが勝利。これでスウェーデンが勝点で上回って21。クロアチアは勝点20で2位に落ちました。また2位に入る可能性があったハンガリーはこの敗北で脱落。クロアチアは10月8日にホームでスウェーデンと1位を賭けて一騎打ちとなり、10月12日にクロアチアはアウェーでハンガリーと、スウェーデンはホームでアイスランドと対戦します。

また試合終了前からメインスタンドにいた一部のクロアチア・サポーターが暴動を起こし、警官隊相手に壊した座席を投げ合い、更には特別警官隊も突入。クロアチアからは約500人のサポーターが訪れ、その中には老人や女性もいたのですが、特別警官隊が出口をふさいでしまったために彼らも混乱に巻き込まれてしまいました。騒ぎを収拾するのには時間が掛かったらしく、クロアチア・サッカー協会にもUEFAから罰が与えられる可能性は大であります。

また前日にはU-21欧州選手権予選のマルタvs.クロアチアが行われました。開始50秒でモドリッチからのパスを受けたブシッチが右足でシュート決めてクロアチアが先制すると、その後はマルタが主導権を握るものの幾度とマルタのFWフレンドのシュートを防ぎきり、後半は疲れから精細に欠きましたが、1点を守りきって勝利しています。

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2005年9月 7日 (水)

おねだり、せびり、かっぱらい

dudu クロアチアに限らず旧ユーゴの人達は一種の「ずうずうしさ」というものがあるのですが、とりわけサッカーサポーターは顕著に「ずうずうしい」人種であります。日本では好きなサッカー選手に「プレゼント」するケースがあるでしょうが、こちらではいかに選手から「ぶんどる」かがサポーターの野望であります。ディナモの本拠地マクシミール・スタジアムには毎日張り付いて選手からお金をねだる中年オヤジがいますし、サポーターが練習場に侵入して選手から下着以外の練習着をかっぱらうという事件もありました。これは悪く取ってもらいたくはないのですが、ピッチへと入れる障害者の方でもあらゆる選手から試合後にユニフォームをねだり、簡単に集めたコレクションをカメラマンに対して自慢して「写真を撮ってくれ」という人もいます。私がカメラマンでピッチに入ることからで、友人のサポーターは「○○からユニフォームを奪ってこい」と頼まれます。とにかく、ここは誰でも「ねだる」ことが大好きな国です。

その「ねだり」も「泥棒」となれば犯罪です。アイスランドのレイキャビクで行われた「U-21欧州選手権・アイスランドvs.クロアチア」ではとある事件がありました。クロアチアA代表にも名を連ねるブラジル人エドゥアルド・ダ・シルヴァ選手(22・写真)は、この試合ではU-21代表の一員として先発出場しました。この夏、クロアチア人女性のアンドレアさんと結婚した彼は結婚指輪を左手薬指にはめていたのですが、試合開始前に主審から指輪を外すよう命ぜられ、指輪を受け取ったチームドクターのヴラホヴィッチ氏は彼の結婚指輪を自分のジャージのポケットへと閉まっておきました。そのジャージは試合中にドレッシングルームへと置かれていたのですが、試合後にドレッシングルームからジャージが盗まれていることが判明。ヨーロッパでも有数の治安が良い国であるアイスランドは警官が300人しかいないという国です。ダ・シルヴァは「妻に直ぐに連絡などできない。犯人が見つかることを望んでいるけど....」と落ち込みました。

しかしドレッシングルームの廊下には防犯カメラが付いており、クロアチア代表の背番号4番のユニフォームをつけた男性が映っておりました。事件を知ったヴィンコヴチ出身のサポーターが一日かけて犯人を捜しまくり、盗んだ本人を発見。彼からダ・シルヴァの結婚指輪を取り戻し、翌日のA代表の試合開始前に手元に戻すことに成功しました。犯人はオーストリア在住のクロアチア人でして、フェロー諸島からフェリーで渡り、レイキャビクでは選手や代表団のホテルに張り付いてお金をせびっている一人でありました。ダ・シルヴァは「犯人がクロアチア人で我々を応援していたサポーターだと聞いて、またショックを受けた。これは恥だ」と嘆きました。ちなみにハーフタイムにはMFアンテ・トミッチのユニフォームが盗まれてしまい、スラヴェン・ビリッチ監督は後半にモドリッチに代えてトミッチを投入するつもりがユニフォームがないことで違う選手を出さざるえなかったとのことです。

このような話はクロアチアに限ったことではありません。お隣のボスニア・ヘルツェゴビナではベルギーとのW杯予選が同国ゼニツァであったのですが、サラエボ空港からゼニツァまでバスで向かう途中でボスニアの警官がベルギー選手一団のバスを停め、「この先に行きたければユニフォーム一式を出せ」とせびったとのこと。しかし試合で使うユニフォームを渡すことはできずに足止めを食らい、ベルギーサッカー協会はUEFAとFIFAに訴えたそうです。

われわれ日本人の感覚からは信じられない話ですが、こちらはまだまだ原始的という証拠ですかね(苦笑)

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2005年9月 5日 (月)

BBB、サラエボで暴れる

bbb 9月4日に、サラエボのグルバヴィツァ・スタディオンで、ジェリェズニツァールvs.ディナモ・ザグレブの親善試合が行われましたが、ディナモ・サポーターのバッド・ブルー・ボーイズ(略称・BBB、写真)が暴れてしまい、試合は75分で中断となりました。
同カードは7月にザグレブで15年ぶりに行われたわけですが、サラエボでも15年ぶりカードとなり、ピッチでは友好的な展開で試合が進められまていました。しかし70分頃にBBBの間で「駐車場に停めた車がピッキングに遭って、車内が盗難にあっている」という誤報が伝播し、現場に駆けつけようと出口へと殺到。しかし警官隊はスタジアム外でジェリェズニチャールのサポーター「マニヤク」との衝突を避けるために出口でBBBを制止したことで、BBBは矛先をスタジアム内のマニヤクへと向かいました。殴り合いや投石、座席の投げあいが始まり、その5分後にスカキッチ主審は代表団を話し合って試合を中断を決定。怪我人で入院は1人、数人は警察に連行され、スタジアム内にあるショーウィンドーが破壊、またスタジアム近くにあった車も何台かも破損しました。
ただ両サポーターの主メンバーは友好関係にあり、試合前はサラエボ市内中央で一緒につるみながら親交を深めていたそうで、今回の事件の原因は一部の人物による意図的な扇動だとされています。

アイスランドに勝利したクロアチア代表ですが、ドイツ・ワールドカップ進出がデータ的にも随分と近くなってきました。ヨーロッパからは8グループのうち首位の8ヶ国に加えて、2位の8ヶ国の中で成績が上位の2ヶ国も本大会進出となります(残り6ヶ国はプレーオフへ)。
グループが7ヶ国あるリーグは最下位との勝敗を抜いて計算するわけですが、現時点で2位もしくは3位までの勝点が高いグループはグループ1(オランダ25、ルーマニア22、チェコ21…7ヶ国)、グループ6(ポーランド21、イングランド19…6ヶ国)、グループ8(クロアチア19、スウェーデン18…6ヶ国)です。
グループ1はルーマニアが残る1試合で、チェコは3試合残しているのですが、チェコは先のルーマニア戦で敗北したために残る3試合(うち1試合はオランダ戦)を勝利したところでも勝点は30。これに最下位(現アルメニア)との対戦を除けば勝点24に留まります。クロアチアは次のマルタ戦、そして最終節のハンガリー戦に勝てば25まで勝点を伸ばすことができ、ホームでのスウェーデン戦の結果にかかわらずワールドカップ進出が決められます。
またグループ6は、ポーランドがイングランド戦を含めて残り3試合を全勝し、イングランドはそれ以外の試合に勝利した場合は、ポーランドが勝点27で1位、イングランドは勝点25で2位。クロアチアが2勝1敗で勝点25に留まった場合は、得失点差が優先されますが、クロアチアは現在15に対してイングランドは11と優位に立っています。もしイングランドが3試合を全勝し、ポーランドもイングランド戦以外に勝利した場合、イングランドが勝点28で1位、ポーランドは24で2位になるためにクロアチアが2勝1敗でいけば上回ります。
つまり、クロアチアは残る3試合のうち2試合に勝てばワールドカップ出場はほぼ確定というわけです。2012年にEURO共催を立候補しているハンガリーとはサッカー協会同士が友好関係にあることも上手く働くかもしれませんね。

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2005年9月 4日 (日)

クロアチア、アイスランドに逆転勝利

9月3日、レイキャビクの"Laugardalsvollur"スタジアムで、ワールドカップ欧州予選「アイスランドvs.クロアチア」が行われました。観客は5000人ほどで、クロアチアからは200人ほどのサポーターが訪れました。

クロアチアはアキレス腱の怪我が心配されたコヴァチ弟は間に合ったものの、GKブティナが肺炎の症状が出てしまい欠場。代わりにプレティコサが起用されました。また怪我で長期離脱のFWオリッチに代わってバラバンが、また戦術面からDFトマスではなくシミッチが起用されました。スタメン(3-4-1-2)は以下のようです。
GKプレティコサ-(右から)DFシミッチ、コヴァチ弟、シムニッチ-MFスルナ、トゥドール、コヴァチ兄、バビッチ-クラニチャール-FWプルショ、バラバン
一方のアイスランドは3月の対戦(結果は4-0でクロアチア)の際には怪我で欠場していたチェルシー所属のグジョンセンが主将としてスタメンに。しかし怪我のためビヤルナソンとマルテインソンの二人が欠場しました。スタメン(4-4-1-1)は以下のようです。
GKアラソン-DF K.シグルドソン、ギスラソン、フレイダルソン、I.シグルドソン-MFステインソン、グンナルソン、ヘルガソン、エイナルソン-グジョンセン-FWヘルグソン

srna 滑り出しは良かったクロアチアは繋ぐという意識が少なくドリブルやロビングのパスを多様し、それが失敗続きとなります(風が強いのも一因)。その一方で、アイスランドはアグレッシブな守備を起点としてショートパスとフリーランニングで主導権を握り始めます。とりわけフリーに動くグジョンセンを捕らえられず、ボールキープする彼を追い越してスペースへと飛び込んでくる選手にも手を焼きます。
3分にペナルティエリア手前でアイスランドはファウルを貰い、そこからグジョンセンがグラウンダーの直接FKを狙いますが、プレティコサが一度はファンブルするもCKへと追いやります。クロアチアの攻撃の起点はもっぱら右サイドのスルナ(写真)。6分にはコヴァチ弟のロングパスを受けたスルナがクロスを上げるもバラバンのシュートは枠を逸れます。24分、グジョンセンが中央でボールを持つとワンツーであっさりと守備陣をかいくぐり、クリアすべきコヴァチ弟はバランスを崩して転倒。エリア内でGKと一対一となったグジョンセンがシュートを決めてアイスランドが先制します。30分、左のエンドライン近くでキープするプルショがボールを後ろに戻して、コヴァチ兄がボレーシュートを放ちますが、これはGKアラソンがキャッチ。クロアチアは守備の綻びを解消できず、31分にはグンナルソンにミドルシュートをあっさりと打たせ(これはGKプレティコサ正面)、39分にエイナルソンの放った強烈なシュートはGKプレティコサの好セーブで逃れます。ロスタイムにはクロアチアはスルナのFKからプルショがヘディングシュートするもDFギスラソンにブロックされてしまいました。前半はこれまでの予選で見せてきたクロアチア代表の面影はなく、消極的で成り行きな守備・攻撃になってしまい、テレビ解説していたボバンも「何一つOKなことはない」と酷評していました。

しかし後半になるとメンツはそのままですが内容はガラリと変わります。守備におけるカバーの連携が良くなるとともに、中盤でのボール狩りも積極的になり、それによって攻撃の時間帯が一気に増えてきます。48分にスルナが突破し、クロスを上げるもバラバンのシュートはまた枠の外へ。その1分後にはスルナがまたして右サイドを崩し、エリア内での人数でも優勢でしたが、あっさりとスルナがシュートを打ってしまってDFにブロックされます。しかし56分、右サイドへと流れていたバビッチが細かい足技からエリア内で縦への突破に成功し、DFを振り切った後に利き足とは逆の右足でクロス。これにゴール前に構えていたバラバンがヘディングシュートを決めてクロアチアが同点に追いつきます。61分にはスルナがまたして右クロスを上げるとバラバンが中央に飛び込んで足を伸ばして左隅へシュート。GKアラソンがボールに食いつき、一度はポストに当たるも、跳ね返ったボールはアラソンの頭に当たってゴールに吸い込まれて2-1と逆転に成功します。クロアチアのペースで試合は進み、83分にはプレティコサからのロングボールがエリア内へ走りこんだプルショまで届き、ギスラソンがプルショを倒してしまってPK。スルナが中央にこれを決めて3-1とし、勝利を確定しました。

ズラトコ・クラニチャール監督は「チームの勝利と後半のプレーには満足できる。自らのクオリティを信じ、ハーフタイムの指示を全てこなした選手達を祝福したい。我々は勝利に値した。アイスランドは正確なプレーをしたが、クオリティの面で我々が上回った。我々とスウェーデンの死闘はまだ先だが、今は一位にいるし、この位置に残れることを願っている。今回のようにあっさりと試合に入ってしまうことは許されない。ラ・バレッタ(マルタの首都)における次の試合において十分すぎる警告となっただろう。とはいえ、マルタに勝利するというモチベーションが我々には十分あるものと深く信じている」とコメントしています。
また2ゴールと活躍をみせたFWボシュコ・バラバンは「自分のプレーとチームプレーから生まれた得点には満足している。チームに動揺はなかったが、アイスランドがかなりアグレッシブだったのに我々は軽く試合に入ってしまった。強い風もまた彼らに味方し、不器用に失点してしまった。後半は連携を深め、プラン通りにショートパスを繋いでプレーをし、勝利へと導くことが出来た」と語っています。

クロアチア代表一向は帰国せず、そのままチャーター機でマルタ入りします。マルタ戦(9月7日)では累積警告のためコヴァチ弟とトゥドールが欠場。また肺炎を患ったブティナは帰国となり、代わりにパナシナイコスGKのガリノヴィッチが召集されています。
その他のグループリーグの試合は、スウェーデンがブルガリアに3-0とホームで勝利。勝点差1のまま、残り3試合となっています。スウェーデンは7日にハンガリーとアウェーで対戦。クロアチアとスウェーデンの直接対決は10月8日、ザグレブを予定しています。

また前日にはU-21欧州選手権予選のアイスランドvs.クロアチアが行われました。こちらのクロアチアU-21代表のスタメン(3-4-1-2)は、GKヴラニッチ-DFチョルルカ、ヴクマン、ヴルドリャク-MFペライッチ、ヴコイェヴィッチ、グルグロヴィッチ、チャレ-モドリッチ-FWブシッチ、ダ・シルヴァでした。32分にグルグロヴィッチのダイアゴナルパスから、ダ・シルヴァがフリーの状態でボールを受けるとゴール右下隅にシュートを決めてクロアチアが先制。53分にはダ・シルヴァがエリア内で倒されて得たPKをモドリッチが決めて2-0。87分に途中交替のベンコがエリア内でハンドをしてPKを取られてしまい、これをハルフレドソン(トッテナム所属)に決められましたが2-1で勝利。こちらもグループリーグ1位を保っています。

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2005年9月 2日 (金)

アイスランド戦のクロアチア代表スタメン

balaban 9月3日、アイスランドとのワールドカップ予選の試合(現地時間18時05分キックオフ/クロアチア時間20時05分/日本時間4日3時05分)がレイキャビクにて行われます。1日にクロアチア代表一向はザグレブから旅立ちました。
合宿当初は怪我人と病人が目立ち、レンジャースで一週間で3試合をプレーしたため膝の状態が悪化したプルショを始め、ブティナが風邪、スルナが気管支炎、コヴァチ兄とシェーリッチが手の怪我、またコヴァチ弟は合宿中にアキレス腱を痛めたのですが、それぞれ3日の試合には間に合うものとされています。
スタメンは既に明らかになっています。膝の十字靭帯損傷で全治6ヶ月のオリッチに代わるFWとしては代表ではクラスニッチより好調なバラバン(写真)を起用。またアイスランドは長身FWに目掛けてのロングボール攻撃はないことから、マンマークに強いトマスに代えて、動きのより速いシミッチを起用することをクラニチャール監督は明言しています。また、もしコヴァチ弟の治療が間に合わない場合はトキッチをリベロで起用。MFのポジションに定着したトゥドールを敢えてDFに戻す考えはないと語っています。スタメンは以下のようになります。
GKブティナ-(右から)DFシミッチ、コヴァチ弟、シムニッチ-MFスルナ、トゥドール、コヴァチ兄、バビッチ-クラニチャール-FWプルショ、バラバン

元クロアチア代表MF/FWダヴォール・ヴグリネツ(30)が、移籍期限ぎりぎりにリエカと契約を結びました。背番号は30となっています。昨季にヴグリネツはセリエBのカターニャでプレーしていました。

一時はハイドゥク・スプリトへの移籍が確定とされたスラヴェン・ベルーポ所属FWイゴール・カラボグダン829)ですが、ベルーポの会長が移籍を拒否したため流れてしまいました。ハイドゥクはルマン所属のFWズボニミール・デラニャを引き戻そうとしたものの、こちらも失敗しています。

インテル・ザプレシッチに所属するDFスルジャン・ペツェリ(30)がオーストリア一部のアドミーラに1年契約で移籍することとなりました。清水エスパルスに在籍したこともあるペツェリは、UEFAカップ敗退後に国外移籍する事前約束をクラブと結んでました。アドミーラには元代表MFのネナド・ビエリツァとニーノ・ブーレが所属しています。

ヴァルテクス・ヴァラジディンに所属するU-21代表MFゴラン・ムヤノヴィッチ(22)がベルギー一部のリエーセに移籍しました。契約は3年とされています。

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イヴィツァ・オシムのインタビュー記事

osim 9月1日付けのSportske Novosti紙にジェフユナイテッド市原・千葉のイヴィツァ・オシム監督のインタビューがありました。今回はミルコの取材に訪れた当紙記者が現地で直接インタビューしたこともあって、駅で切符を買うオシムの姿(写真)が掲載されました。毎度のこと興味深いインタビューですので、翻訳紹介します。

-既に日本の生活は3年目になるわけだが。
「我々の国の人々はいつもお金を通して全てを見てしまう傾向がある。私は違う。日本に来たのは金銭面が動機になったのではない。私は意地から日本に来たわけであり、頑固さから日本に来たんだ。詳細を語るのは重要ではないが、私の内面にはある不安やプライベートな事柄が問題となった。だからまず自問自答した。"イヴィツァ、ここで何がしたいんだ? しかしもうここにいるんだから、ほら働けよ"。1年、そして1年が経ち、もうここで3年目だ。」

-日本には妻のアシムとコーチである息子のアマルがいるが、しかし...
「ここは遠い、余りにも遠い。祖国で何が起こっているかはインターネットを見ながら情報を追っている。しかし、我々が口にするような天国が私にはない。それが欠けている。人生は終わりに近づき、友人を少しずつ失っているところで、世界の果てにいたら力不足を感じるだろう。時々は電話を掛けてはみるが、それはもっと悪いことだ。声は聞こえるが姿は見れない、まるで私が盲目のように感じてしまう。妻は私以上に辛いだろう。アマルと私は働いており、トレーニングに行って帰って毎日150km移動している。そこで一日、一週間を費やしている。しかし彼女は一人寂しく過ごしているわけだからね。」

-故郷に戻ることをしばしば考えたりするか?
「ああ、私の戻る家がどこか判ったならばね....」

-オファーが数あるのに、決して旧ユーゴ諸国のチームを率いないという首尾一貫した姿勢を見せたわけだが。
「それに関してコメントはないよ。何も言わないことで十分だ。人々は全て理解することだろう。私は自分の内面に個人的な戦争を抱えている。祖国で起こったことは概して私を失望させた。人々が信じて傾倒する右翼にも左翼のどちらにも私は囚われることはない。」

-日本のサッカーは?
「日本はクロアチア、スロベニア、オーストリアより上のランクに位置している。サッカーを知っていると思っている人達には非常に不愉快だろうがね。全てのベースに走力があり、走力がなければ何もないと同じだ。君達に例えれば、ジャーナリストになりたいとしても書くことを学んでなかったようなもの。非常によく走る。規律については話す必要がないだろう。」

-ジェフユナイテッドは?
「組織されたクラブだ。選手は黙って働く。脱線することはない。誰かに怒鳴り声を上げたい衝動に思いっきり駆られるのだが、それが楽しみの一つであるにも関わらず、怒鳴り声を挙げる対象が無い。それが私には不愉快かな。
トレーニングで選手達は時速200kmの勢いで行い、少なくとも10枚のレッドカードが出るようなタックルをする。そこで抗議などなく、手を差し出してトレーニングは続く。祖国で同じことがあったとしたら選手間で何が起こるかなんて想像したくもないよ。私は選手をトレーニングから追い払わなくてならない。出場機会を得られずにアピールしたい選手だけに言えるのではなく、レギュラーの選手もそうだからね。私が慣れるのには時間が掛かったよ...。」

-日本の完全主義はストレスとなるでは?
「私にはプレッシャーが必要だ。でなければ私は働くことが出来ない。それに伴う症状を次第に感じて、心臓の辺りが痛む。でも検査に行けば問題は出ない。まるで一晩中歯が痛くて、朝に歯医者に行って診察室に入ると痛みが止まるようなものだよ。」

-日本のジャーナリストやサポーターとはどんな関係を築いている?
「新聞は読まないから判らない。サポーターは感じが良くて純真だ。得点を食らったときでさえ拍手をする。しかし信じがたいほど忠誠心があり、アウェーでも5000人ものサポーターが我々をサポートしてくれる。」

-クロアチアがワールドカップに出場する見込みは?
「クロアチアがドイツ大会に行けなくなるには、何が起こる必要があればいいか判らないほどだ。最悪のケースでも、グループリーグ2位のうちでも強い方の4ヶ国の一つとなるだろう。」

-他の旧ユーゴ諸国は?
「スロベニアはノルウェーに勝たねばならない。イタリアに勝てたんだったら、ノルウェーにも勝てるはずだ。セルビア・モンテネグロはスペインとの争いだ。ボスニア・ヘルツェゴビナ? ボスニアはあくまでボスニアだ。あそこでの全てと同じことが、サッカーでも言えよう。」

-願望、ビジョン、プランなどを。
「当の昔に私の願望など過ぎ去ってしまい、先のプランもない。しかしモチベーションはある。しばしば休暇について考える瞬間が増えているとはいえね。今なら喜んでアドリア海に行って、海水浴を楽しみ、イチジクを食べることだろう。しかしイチジクの季節が終わったらどうするんだね。秋が来て、また私は何か働きたくなるだろう。私はサッカーの奴隷だ。だから携帯電話を持つことはしない。携帯電話は私にとって更に別の奴隷状態になるだろうからね....」

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