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2005年11月26日 (土)

U-21欧州選手権プレーオフ/クロアチア、セルビア・モンテネグロ相手に敗退

11月12日と16日、U-21欧州選手権プレーオフ「クロアチアvs.セルビア・モンテネグロ」戦が行われました。クロアチアは2試合ともセルビア・モンテネグロ相手に敗北。来年5月開催の本大会出場への道が閉ざされました。

P1090049 初戦は12日、舞台はベオグラードのマラカナ・スタジアム。試合のチケットの最低価格が1ユーロに設定されたこともあり、3万人の観客が訪れました。クロアチアも200人ほどのサポーターがベオグラードに向かったものの、試合前にクロアチア・サッカー協会とセルビア・モンテネグロ・サッカー協会の間でサポーターの行き来禁止を取り決めしたこともあって全員が国境で止められることに。戦争から既に10年が経過し、かつてほどの緊張感はないにしろ両国間の国民感情から特別な関心を集める対決となり、国内外から350人ほどのジャーナリスト申請があったそうです。

クロアチアU-21代表監督のスラヴェン・ビリッチは臀部のヘルニア手術後の経過が良くなく、クロアチアのベンチにはアシスタント・コーチのアリョーシャ・アサノヴィッチが座りました。クロアチアのスタメン(3-4-1-2)は、
GKヴラニッチ-DFヴチュコ、チョルルカ、ヴルドリャク-MFペライッチ、ヴコイェヴィッチ、マルチッチ、ボドルシッチ-モドリッチ-FWダ・シルヴァ、ラキッチ
またドラゴミール・オクカ率いるセルビア・モンテネグロU-21代表は、グループ予選の後にチームを離れることを声明したエースのラゾヴィッチを引き留めるのに成功し、前線にタレントを揃えた布陣(4-4-2)となりました。
GKストイコヴィッチ-DFバスタ、イヴァノヴィッチ、ビシェヴァッツ、トシッチ-MFクラシッチ、ミリヤシュ、ヤンコヴィッチ、ヴクチェヴィッチ-FWラゾヴィッチ、ヴチニッチ

modric試合が始まって3分、まだクロアチアDF陣が眠っている隙をついて、ヤンコヴィッチの右アーリークロスからレッチェ所属のFWヴチニッチがヘディングシュートを決めてセルビア・モンテネグロが先制します。とはいえ、前半はパスを繋げるクロアチアがボールを支配し、何度もチャンスを作り出します。8分にはダ・シルヴァが左サイドから攻め込み、ボールを繋いだラキッチがシュートを放 つもののGKストイコヴィッチがセーブ。17分、司令塔モドリッチ(写真)からエリア右に突進したヴコイェヴィッチにスルーパスを通すと、ボールは中央のダ・シルヴァへ。ダ・シルヴァは左へとシュートを決めて同点に追いつきます。その後もマルチッチやチョルルカがゴール機会を伺うなど、よりコレクティブなクロアチアのペースで試合が進みました。

しかし後半に入ると状況は一転します。空中分解したようにチームとしての力強さを失ったクロアチアに対して、セルビア・モンテネグロは素早いボール回しから鋭い攻撃を仕掛けていきます。ラゾヴィッチがタックルでボールを奪い、中央のクレシッチへ。クラシッチはDF2枚の裏へと抜けるヴチニッチへとパスを通し、これをあっさりと決めて2-1。アサノヴィッチ監督代行はラゾヴィッチのタックルがファウルだと抗議したため退場処分となります。しかしセルビア・モンテネグロも60分、ヤンコヴィッチが2枚目のイエローで退場。それでも69分、中央のクラシッチから右DFヴチュコの裏をついたロブが上がり、これをヴチニッチが胸トラップから左足でシュートを流し込んでハットトリック。75分にラゾヴィッチが2枚目のイエローで退場となり、クロアチアは11人対9人という数的優位に立つものの攻めあぐねてしまい、1-3でベオグラードを去ることとなりました。

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第2戦はザグレブ郊外のベリカ・ゴリツァで行われました。キャパシティの小さいスタジアムのため観客は4000人ほど。私もカメラマンとして取材してきました。40000人のキャパシティのあるスプリトのポリュウド・スタディオンも試合開催に立候補していたものの、予選を通して使い慣れたベリカ・ゴリツァを協会は選びました。結果論とマラカナの雰囲気と比較すれば、この判断は誤りだったといえましょう。

P1090019 クロアチアはマルコヴィッチ協会長とビリッチが話し合った上で、ニコ・クラニチャールを召集することを決定。クラニチャールは既にA代表のレギュラーなわけですが、第1戦の前からクラニチャール召集論が上がっており、本人もプレーを希望しておりました。しかしクラニチャールは現U-21代表のチームではプレーしておらず、彼を入れることでチームコンセプトを変えなくてはならないことと予選を戦ってきたチームの一体感を崩すということでビリッチ監督は召集しなかったわけです。しかし、追い詰められた状況で頼りになるのは"クラニチャール"ということになりました。ビリッチ監督はまだ退院できず、アサノヴィッチが前試合で退場処分となったため、U-19代表監督のイヴァン・グルニャが指揮することとなりました。
スタメン(3-4-2-1)は、
GKヴラニッチ-DFチョルルカ、ヴクマン、ヴチュコ-MFペライッチ、ヴコイェヴィッチ、マルチッチ、バルトゥロヴィッチ-クラニチャール、モドリッチ-FWダ・シルヴァ

セルビア・モンテネグロはラゾヴィッチ、クラシッチ、ヴクチェヴィッチ、ヤンコヴィッチといった前試合で活躍した攻撃陣がサスペンションで欠場。スタメン(4-4-2)は以下のようでした。
GKストイコヴィッチ-DFイヴァノヴィッチ、ステパノフ、ビシェヴァッツ、ロミッチ-MFバスタ、トドロヴィッチ、ミリヤシュ、トリショヴィッチ-FWプロヴィッチ、ヴチニッチ

P1080903開始5分、CKからの続きで前線に残っていたDFチョルルカが、エリア手前から空中のボールをコントロールしてゴール前のダ・シルヴァへ。ダ・シルヴァはトラップしてから欺くようなシュートを決めてクロアチアが先制します。2-0の結果でクロアチアは本大会へと進めることから、積極的な攻撃の姿勢を 見せます。14分には右のモドリッチから左のダ・シルヴァへボールが渡り、左足で放ったシュートはバーの上に。17分、モドリッチとのダブル司令塔を組んだクラニチャールからのロングパスが、前線を疾走するワントップのダ・シルヴァに届きます。ダ・シルヴァはエリア内でボールをキープすると二人のマーカーの中央を絶妙のボールコントロールで抜き、GKと1対1の形を作ろうとした時にDFロミッチが抱えて倒すもののフランス人主審ドゥハメルは笛を吹かず(写真)。これがこの試合の転換点となりました。
21分、セルビア・モンテネグロはミリヤシュが右CKを蹴り、二アサイドのステパノフが足で合わせたボールは空中に高く浮かび上がります。これにGKヴラニッチは中途半端なポジショニングでパンチングすることなく、チョルルカがヘディングでクリアしたボールはフリーのビシェヴァッツに。ボレーシュートは密集をかいくぐってネットに突き刺して1-1となります。24分、モドリッチが左サイドを崩して中央のダ・シルヴァに折り返すと、アウトサイドにかけたシュートはGKストイコヴィッチが飛びついてクリアしました。

vranjic 後半からFWラキッチ、MFパパのカメン・イングラッドのホットラインを入れて2トップの形に戻します。49分にラキッチとのパス交換でモドリッチが8mの距離からシュートするも、DFビシェバッツがスライディングでクリア。55分にはダ・シルヴァが5mの距離からシュートしましたが、またしてGKストイコヴィッチがセーブします。ゴール前を固めたセルビア・モンテネグロを崩そうにも、GKストイコヴィッチが立ちはだかります。残り20分はリズムが落ちたクロアチアをセルビア・モンテネグロが攻め込みます。86分、ミリヤシュが放った何でもないFKをGKヴラニッチ(写真)がポロリと落とし、これをステパノフに押し込まれて万事休す。2-1でセルビア・モンテネグロが連勝し、本大会進出を決めました。

プレーオフの試合では健康問題で指揮を取れなかったスラヴェン・ビリッチ監督は辞職を表明したものの、協会の説得にあって態度を保留しております。

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