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2005年12月 7日 (水)

もう一つ、ボスニア国内紙のオシムのインタビュー

P1010007 サラエボでの通訳仕事を終えてザグレブへと戻ってきたわけですが、今度は12月5日付けのボスニアの日刊紙「AVAZ」にイヴィツァ・オシムの記事が掲載されていたのを発見しました(写真)。地元サラエボの人に聞くとジェフユナイテッド千葉の結果は常に新聞に掲載されているものの、インタビューはそう頻繁に載るものではないようです。彼のコメントよりも記者の前置きが長いですが、それも合わせて翻訳紹介しましょう。

-勝点1の差でリーグ優勝したガンバに引き離され、ジェフユナイテッドはシーズンを終えた。イヴィツァ・オシムが指揮するチームはクラブの歴史で最も成功したシーズンを送った。ジェフはナビスコカップを制して100万ドルを手に、天皇杯ではベスト16に残り、シーズンは2位の浦和と同じ勝点の4位で終わっている。オシムのチームのクオリティは、王者ガンバにリーグで二度に渡って倒し、またナビスコカップの決勝ではPKで勝利したというデータが語る。

「フットボールのためにも、ガンバがチャンピオンになった方がずっと良い。ゴールを量産する攻撃的なフットボールをしていたのがセレッソとの違いだ。ガンバは得点差を82:58で終え、セレッソは48:40で終えている。それが全てを物語っているね。
セレッソはホームでFC東京から最後の1分で失点を食らった。FC東京にとっては全くもってこの試合は意味がないというのにだ。それは大きな事象である。ヨーロッパのリーグのほとんどで、このようなカードがあるならば非常に疑わしきことが起こるんだけどね。」

-オシムはもっと良い結果になったと考えるとはいえ、今季のジェフは成功以上のものを収めた。ナビスコ・カップのあとのリーグの2試合で、チームは磐田に引き分け、FC東京に負けたことで勝ち点1しか拾えなかった。もしどちらかに勝利していたらリーグタイトルも取れたことだろう。

「クラブでは誰もが満足している。結果は素晴らしかったわけだが、私はもっとやれたものと思っている。もしかしたらリーグタイトルもね。シーズンに入っても本命となるような戦いができず、常に5位から6位の辺りをうろうろとしていた。もしかしたら対戦相手は私達を少し過小評価していたかもしれない。でもそれがいつもアドバンテージとなった。来季は本命の一つとして見られるだろうから、もっと難しいシーズンとなるだろう。」

-イヴィツァ・オシムは昨シーズンの終わりにジェフの雇い主を驚かせた。チーム最高のストライカーである韓国人のチェ・ヨンスの売却を要求したのだ。我々の専門家(オシム)は32歳になったチェ・ヨンスを売却時期だと見極めた。移籍期間では投資した以上に売却で利益を上げ、最後は昨年よりも良い結果を残した。

「今季は違ったチームでシーズンに突入した。もしかしたらクオリティは失ったかもしれないが、安定性を得ることは出来ただろう。」

-オシムのサッカー哲学は常に同じだ。計算を抜きにした攻撃的なもので、なるべく多くのゴールを生み出すことだ。我々最大の専門家はチェルシーよりもバルセロナを愛し、マウリーニョよりライカールトを好む。

「私が思うに、世界の誰もがバルセロナのようにチームを好むだろう。多くのリスクを伴ってプレーし、ほとんど全ての選手が攻撃に参加する。あっさりとゴールを割られることにはなるんだけどね。その一方でマウリーニョのチェルシーは、彼がかつて指揮していたポルトのようにいかなるリスクを伴わずにプレーをし、テンポと力で相手を打ち砕く。カルバージョやフェレイラのような選手に多くのお金を払って連れてきたわけだが、彼らはおそらくこのような強いクラブでプレーするチャンスもこれだけのお金を稼げるチャンスも無かったはずだ。彼ら全員がピッチの上でマウリーニョのために犠牲になるだろう。
彼(マウリーニョ)はインテリジェンスに長け、一緒に働いたロブソンやファン・ハールから多くのことを吸収した。結果も残しているし、タイトルも獲得している。それは尊重しなくてはならない。リバプールのラファ・ベニテスも似たような監督だ。でも私はチェルシーやリバプールよりもずっとバルセロナやアーセナルのプレースタイルを好むね。」

P1090422 -日本でイヴィツァ・オシムは監督が望む全てのものを手にしている。素晴らしい労働条件、素晴らしい給与、プロフェッショナルに組織されたクラブだ。とはいえ、シュヴァボ(オシムの愛称)は喜んで家へと帰るだろう。もう何年間も渡って親愛なる友人や家族はサラエボにいる。もしサラエボでまともな環境で彼が働くことができるのならば、直ぐにでも生まれ故郷に戻ってくるという印象を私達は話をしている中で感じた。

「人生を通して私は働くし、仕事がないと私は何をやればいいか分からない。日本に関しては何一つも不満はない。ただ遠い、本当に遠い。」

(2枚目の写真は、ジェリェズニチャールにちなむサラエボ市内のチェバブ(肉団子)屋「Zeljo 2」の壁に張られているもの)

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コメント

オシムの言葉を読んで、オシムがサラエボを大切にしている気持ちが痛いほど良く分かったのでサラエボに帰ってしまうのは避けられないことだと思います。
とても寂しい事ですが。

いつも翻訳してくれてありがとうございます。

投稿: ゆーすけ | 2005年12月 8日 (木) 20時29分

いつもいつも翻訳してくれてありがとうございます。
やっぱオシムは攻撃ありきのサッカーが好きなんですね。

投稿: 僕の名はジェフィ | 2005年12月 8日 (木) 21時05分

長束さん、いつもありがとうございます。
W杯抽選結果日本とクロアチア同組になり興奮してここに書き付けています。
今NHKで対戦国紹介、31才遅咲きのストライカー、プルショが中心選手としてちらりと紹介される。
奥寺康彦氏曰く「前々回は1-0で敗れているがそんなに難しい相手ではない」「ブラジルには勝てないだろうが最近は引き分けているしひょっとしたら最終戦に当たるので引き分け狙える。」「オーストラリアには勝ち点3狙える」総じて日本はなかなかいい組に入ったと楽観的な感想を述べていました。そ、そうなのか?

(すみません、取りあえず走り書き逃げます~オシムインタビューの感想はまた後ほど、ホントなんかセレッソ気の毒で1週間経ってもビデオ見られません)

投稿: bella | 2005年12月10日 (土) 06時27分

ジェフユナイテッド市原・千葉は、チェルシーだのバルセロナだのの中に登場するチームになっていたのか?
(;=。=;)恐るべし!オシムジェフ!
これは、もちょいビシッと勝利しないと、思わぬところで評価されかねんな・・・(;・。・;)
2006!気合い入れなはれや~(^^)/

投稿: 知らぬ間に・・・(!) | 2005年12月26日 (月) 01時24分

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□[クロアチア・サッカーニュース] もう一つ、ボスニア国内紙のオシムのインタビュー 「クロアチア・サッカーニュース」さんが、またサラエボでのオシム監督の記事を翻訳して下さいました。 向こうでも、常に新聞に結果が掲載されるほどジェフ=オシム監督の指揮するチームは注目されているんですね。 いくつか、注目記事をピックアップ。 (今季のジェフは成功以上のものを収めた。) 私はもっとやれたものと思っている。もしかしたらリーグタイトルもね。  # やっぱり最後まで諦めず、狙っていたのですね!... [続きを読む]

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エルゴラ木村元彦さんのコラムより 12月18日、成田空港。 ルフトハンザのセキュリティ前にはすでに50人以上の黄色い集団が見送りに待ち構えていた。 ・・・・・・監督、ナビヤーチ(サポーター)ですよ。彼らは朝早くから待ってました。 「うちのナビヤーチはあんなに沢山いたか?」 言いながらもとても嬉しそうだ。千葉のサポーターは節度を守って無闇に押し寄せない。距離を置いて敬意を示す。その態度がオシムはまた好きなのだ。戦う顔が消えて柔和になっている。 いい話じゃありませんか、泣ける..... [続きを読む]

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