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2006年3月27日 (月)

ただ今、国外取材中

DSCF0837 現在は取材で国外に来ております。2月10日に戻ってからというもの丸一ヶ月間はメディアのコーディネート通訳に追われていたわけですが、今回は一人で来ている分、やり易さがあります。

国外とはいえ、対象はクロアチア選手。ドイツ、オランダと渡り、現在はベルギーのブリュッセルまで来ました。
計3試合ベルギーリーグの試合を観ましたが、スタジアムや観客の雰囲気も良く、またクロアチアと違って90分テンポが維持する試合で面白いですね。
偶然にもセルビア語が判る現地記者の方がいて、「なぜベルギーにクロアチア人選手が増加しているか?」と前から気になっていることを聞いたら、「ベルギーの選手には少し欠けているテクニック面を持っているのが一つ。あとは外国人枠がないことだろう」とのことでした。

取材対象にハプニングが多く予定も二転三転するですが、国外にいてもクロアチア流儀(バルカン流儀)があるということでしょう。29日にザグレブに戻る予定です。

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2006年3月19日 (日)

クロアチア・リーグ第23節

クロアチア・リーグ第23節が18日に行われました。
今節から上位6チームと下位6チームに分かれ、それぞれ総当り2回戦10節を行います。勝点は22節までのものを持ち越します。

DSCF0505 首位ディナモ・ザグレブは6位カメン・イングラッドと対戦。3月17日にサポーターのバッド・ブルー・ボーイズ(BBB)が誕生20周年を迎えたことで、試合開始と共に北側のスタンドのBBBが大きな20周年記念の旗を掲げました(写真)。観客数も約15,000人と平均観客3300人ほどのクロアチア・リーグにおいては特筆すべき数で、ディナモが試合内容でも観客が呼べるチームとなってきました。私も今回はカメラマンとして取材してきました。
怪我から復帰したダ・シルヴァが先発出場し、トップスコア(16得点)で並ぶボシュニャクと久しぶりのツートップを形成。またディナモにとってカメン・イングラッドは今季5-0、5-1と勝利している分の良い相手。好材料は充分にありました。カメンは守備を固めてムイチンを司令塔にしたカウンターを狙いますが、そのような相手に慣れたディナモもしっかりと繋いで、緩急をつけた攻撃を繰り出します。18分、ブリャトの右クロスを相手DFがヘディングでクリアしたものの、ボールはペナルティエリア手前のボシュニャクに届き、ボレーで右足を振り抜くとボールはゴール右上に突き刺さりディナモが先制します。後半60分にはボシュニャクが右サイドからシュートを放ち、GKマタスが弾いたボールをモドリッチが押し込んで2-0。ただダ・シルヴァはこの試合でブレーキでした。それからディナモは初出場となるMFジュニオールもお目見え。ブラジル人らしいトリッキーな動きで観客を湧かせました。きちっと勝点3を伸ばし、着々と優勝へと近づいております。

2位リエカは5位ハイドゥク・スプリトをホームに迎えました。通称「ヤドランスカ・デルビ(アドリア海ダービー)」と呼ばれるカードで、カップ戦準決勝でも近々両者がぶつかります。暴漢に金属バットで襲われたハイドゥクのボナチッチ監督は脅威なまでの回復力を示し、ベンチには座らなかったものの選手とのミーティングをきちんとこなし、貴賓席で携帯電話で指示を送りました。試合前には「これが私の人生だ。単に違うことを私は出来ないからね。」とボナチッチは語ったそうです。テレビ放映されたこの試合は華やかさはないにしても拮抗した内容となりました。その中で目立ったのはリエカのヴグリネツ。今季途中加入ながら10ゴールを上げ、数々のチャンスも演出していきます。未だに身体が重く、調子の上がらないクラニチャールとは好対照な動きでした。ハイドゥクはGKプレティコサのスーパーセーブで何度もピンチを救い、後半には完璧なヴグリネツのFKも掻き出します。しかし75分、クラニチャールが自陣内でボールをタッチミスし、ペナルティエリアの方向へ誤って蹴り出します。これをヴグリネツが奪おうとしたところを、ミスを挽回しようとしたクラニチャールが交錯してしまいPKの判定。ヴグリネツが左にきちっとPKを決めてリエカが先制します。けれどもロスタイムにクリアミスのボールを拾ったブラトニャクがゴール前のフルゴヴィッチと繋ぎ、リエカのマークの甘さからフルゴヴィッチがくるりと反転してシュートを決めて同点に追いつき、ハイドゥクが負け試合から勝点1と引き出しました。

[優勝決定リーグ]
Dinamo Zagreb - Kamen Ingrad  2:0
1:0 18' Bosnjak
2:0 60' Modric

Osijek - Varteks Varazdin 0:2
0:1 28' Pavlicic
0:2 74' Halilovic

Rijeka - Hajduk Split  1:1
1:0 75' Vugrinec (PK)
1:1 90' Hrgovic

[降格決定リーグ]
Pula Staro Cesko - Medimurje 1:0
1:0 85' Starcevic

Cibalia Vinkovci - Slaven Belupo  1:1
0:1 28' Mumlek
1:1 76' Pletikosic

Zagreb - Inter  3:1
0:1 23' Strok
1:1 39' Ibricic
2:1 80' Brkljaca
3:1 89' Pelaic

【順位】
[優勝決定リーグ]
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点59)、2位…リエカ(46)、3位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(34)、4位…オシエク(34)、5位…ハイドゥク・スプリト(30)、6位…カメン・イングラッド(29)

[降格決定リーグ]
7位…プーラ・スターロ・チェシュコ(31)、8位…ザグレブ(30)、9位…チバリア・ヴィンコヴチ(27)、10位…スラヴェン・ベルーポ(23)、11位…インテル・ザプレシッチ(22)、12位…メヂムリエ(21)

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イヴィツァ・オシム、W杯を語る

スポルツケ・ノヴォスティ紙が今週発売した「W杯ガイドブック」に、ジェフユナイテッド千葉のイヴィツァ・オシム監督のワールドカップ評が掲載されました(写真)。
スポーツ報知に一部が報道されましたが(http://www.yomiuri.co.jp/hochi/soccer/mar/o20060317_50.htm)、ここでは全文を紹介しようと思います。

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P1090684 サッカー選手はその昔、ワールドカップのために生きていた。地球上のサッカーの祭典は、世界が4年間に渡って準備した特別で力強い挑戦の場であった。しかし、今日ではサッカーライフは根本から変わってしまった。欧州そして世界のクラブの王冠というべきチャンピオンズ・リーグはワールドカップよりもレベルの高い大会となり、毎年開催される上にメディアがしっかり放映することによってビッグマネーが飛び交っている。ワールドカップにとっては大きな危険だ。

ワールドカップの年になると、どの代表監督も「どうやってレギュラー陣の問題を解決するか」という苦しみと共に生きることとなる。選手達の90%は(ワールドカップ出場が)明らかである。つまり11人のレギュラー陣のうち9人から9人半は計算できる。けれども選手達はクラブが生活の糧であり、代表が生活の糧ではない。どうやってワールドカップまでの時間を選手達が安全に過ごせるかが大きな問題だ。ワールドカップの大きな挑戦のために自らをセーブできるのか、それとも雇い主のためにプレーして全てのエネルギーを使い切るのか? 
そのような問題は2002年ワールドカップのフランスに起こった。彼らは搾取された状態でやってきた。その問題はダド・プルショにも起こっている。クロアチア代表以前にレンジャースが彼を搾取することを望んでいる。
バルセロナが年間の全ての目標を狙いに行った時、つまりチャンピオンズリーグ、クラブ世界選手権、リーガエスパニョーラを制覇しようとするならば、次のような問題が出てくるだろう。「選手達は更に代表のために力を出すことができるのか」ってね。

ワールドカップの現時点でのトレンドは人生と同じだ。トレンドは勝利であり、成功である。しかし、どのように成功まで至るかについては誰も聞かない。チームにプレーと知識とパワーを結びつけることに成功したものが勝利する。そのようなフォーマットのもと、次のようなサッカー選手がチームの土台となる。背が高く、パワーがあって、プレーと闘争、そして戦争の準備が出来ているサッカー選手だ。今日成功しているチームの多くの構成は非常に似ている。クラブと代表の多くがドログバやトニのような背の高いFWを一人置き、それを周囲に攻撃的なプレーを形成するというもの。唯一、バルセロナだけが現時点で異なる。

どのように勝利するかの方法を懸命に追求する監督達(=薬剤師)のトレンドは、できるかぎりリスクを少なくすることだ。リスクが0%になる可能性を求めている。魔法の処方まで辿り着くために努力が費やされたことは、全くもって理解できる。誰かがミスを犯す権利を持つためには、余りにも多くのお金がサッカー界で動いているからだ。しかし、もしリスクがないならば、どこにプレーがあるというんだね? もし全員がリスクの限界をゼロまで近づけたいのならば、サッカーには何があるというんだね? リスクのないサッカーは本当に退屈となるだろう。まるで野球のようにね。それは破滅的なことだ。

ワールドカップの本命はいつも同じだ。ブラジル、オランダ、イタリア、アルゼンチン、ドイツ.....。けれども、彼らも大きな注意を払わなければならないよ。なぜならクロアチア、チェコ、コートジボアール、メキシコ、エクアドルのようなチームが、一回だけ一流のセンセーショナルを起こせる準備をいつもしており、その力も充分に持っているからだ。

人々はアーティストを待ち焦がれてきたし、ロナウジーニョみたいな選手がもっと出てくることを望んでいる。ロナウジーニョは本当に輝いており、サッカーが数字や戦術に余りにも行き過ぎている時代で人々をリフレッシュさせる存在だ。しかし誰もライカールトへ彼について尋問しない。ロナウジーニョは代表とクラブで最高のカテゴリーに属し、自分が好きなようにプレーでき、誰からも口出しされない唯一の選手だ。このような選手がもっといれば良いんだろうけどね。けれどもロナウジーニョはパリ(PSJ)でも同じように才能があったのに、バルセロナのようなプレーはしなかった。彼は周囲の選手によるということは明らかだよ。

クロアチアが入ったグループは非常に興味深い。ブラジルはブラジル。しかしクロアチアはグループ2位の本命という立場からどうしても逃げることはできないだろう。それは良きにつけ悪しにつけね。クラニチャールのチームはどんな相手でも倒すことができる。本当にどんな相手もだ。彼らの最大の武器は鉄壁な守備陣にある。クロアチアから得点を奪うことは難しいし、ディフェンスはコンクリートのようだ。それが結果のベースとなっている。しかしその他の全てのベースはプルショとスルナの個人技によるもの。個々のボールキープは長すぎるし、プレーには流れがない。クロアチアで最もコレクティブな選手であるクラスニッチが苦しむ理由はまさにそこにある。しかし誰もクラスニッチに続こうとしない。

オーストラリア人に何をしなければならないか語る必要はないだろう。オーストラリアのサッカーをするのか本当のサッカーをするのかは判らないとはいえ、またプレーは無骨に見えるとはいえ、彼らは非常に危険な存在だ。多くはイングランドでプレーしているからね。日本には劣勢の立場の方が力を発揮するだろう。プレーに関していえばブラジルのスタイルにもっとも近い。それはブラジルのコーチ陣の大きな影響があった結果だ。とはいえ、最高の教師達がいるが一つのことだけを学ぶことができない。彼らのうち誰も責任を引き受けたがらないことだ。

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2006年3月17日 (金)

ハイドゥクのボナチッチ監督、金属バットで襲われる

bonacic3月15日夜、ハイドゥク・スプリトのルカ・ボナチッチ監督(写真)が自宅前で覆面の男二人に金属バットで襲われ、重傷を負うという惨劇が起こりました。
犯行は先週土曜日のスラヴェン・ベルーポ戦の内容と結果に不満を持ったハイドゥク・サポーターのトルツィダとされています。前回のニュースでも触れましたが、降格が掛かっているベルーポと上位6チームによる決勝リーグ進出にあと勝点1だけ必要だったハイドゥクは試合前から意図的に引き分けると噂され、1点ずつ取ったあとはお互い消極的となり1-1のドロー。試合後に80人ほどのトルツィダがスタジアムの正面入口に陣取り、「魂を売った」と叫んで抗議行動を起こしていました。
ボナチッチ氏は一ヶ月前にハイドゥクの監督に就任し、低迷するハイドゥクを立て直した指揮官。引き分け試合ののちに「サポーターは不満となる権利はあるだろうし、プレッシャーを与えていいだろう。しかし彼らは誰かに押しかけて攻撃するだけだ。」とトルツィダを批判したことが報復を受けるきっかけになったとも見られます。ボナチッチ氏は金属バットで頭部を数発殴られ、背中と腕にも傷を負いましたが、命に別状はないとのこと。
ボナチッチ氏は一日後には取材陣に答え、「この先も恐れることはなく、自分の仕事をするだけだ。暴行にトルツィダが絡んでいるとは信じたくはない。これはプロフェッショナルな暴行だ。他に心当たりはあるが、それは警察に言うことだ。」とコメントしています。
またハイドゥクのグルギッチ会長には「次はお前だ」との匿名のメッセージを受け取ったとされています。クロアチア・リーグも相当キナ臭くなってきました。

色々と移籍関係のニュースをまとめてみましょう。

leko クロアチア代表MFイェルコ・レコ(25・写真)にモナコが関心を示しております。レコは今季でディナモ・キエフと契約が切れるわけですが、契約延長しないことから現在はトップチームから外され、サブチーム(ディナモ2)でプレーしています。アンドリー・シェフチェコの代理人であるオスカール・ダミアーニがシェフチェンコにレコのディナモでのプレーぶりを聞き、ダミアーニが知人関係にあるイタリアの代理人であるセルジオ・ベルティにそれを伝え、ベルティがモナコに売り込みを図ったとフランスでは報じられています。

3ヶ月前にシュトゥットガルトから1FCケルンにレンタル移籍されていた元代表DFボリス・ジブコヴィッチが、ケルンで戦力外になると報じられています。ブンデスリーガで25試合56失点という最も悪いディフェンスを持つケルンは、元浦和のアルパイとジブコヴィッチの二人をセンターバックに据えていました。先のニュルンベルク戦では守備が崩壊して3-4と敗戦。ハンスペーター・ラトゥール監督はそれぞれPKを与えたジブコヴィッチとアルパイを試合途中にベンチへと下げ、彼らも試合が終わる前に帰ってしまいました。ラトゥール監督は「この試合がアルパイにとって最後だとは言えない。しかしもし彼なしの方が強いという感触を持つならば、アルパイはチームにいることはないだろう。ジブコヴィッチは長く待ったものの、本当の調子を取り戻すことができない」とコメントしています。

98年W杯のクロアチア代表でもあったFWペタール・クルパン(31)がリエカとの契約を解除し、中国二部の南京と契約を結んでいます。
また同じく中国への移籍としてリエーセ(ベルギー)に所属していたFWゴラン・トミッチ(29)がHenan Constructionに2年契約で移籍しています。

ちなみに財政危機にもあるリエーセからは次々とクロアチア人が離れており、元セレッソ大阪のFWクルノスラフ・ロヴレク(26)がクロアチア二部のクロアチア・セスベッテに移籍しております。
Jリーグつながりでは昨年に湘南ベルマーレでプレーしてといたMFゴラン・ルビール(25)が、リエカに加入する見込みです。既に練習には参加しており、約10日後にJリーグからの書類が届けば契約となりそうです。

ディナモ・ザグレブは3月3日にブラジル人MFジュニオール(19)と契約、今週にブラジルから書類が届き、クロアチア・リーグに出場できることとなりました。急速にブラジル化を進めるディナモにとっては現時点で5人目のブラジル人選手となります。マミッチ副会長は「ロナウジーニョのような選手だ」と語るように、167cmで多彩なテクニックを持つ攻撃的MF。火曜日のハシュクとの練習試合にも出場し、観客を喜ばせました。トップ下のほか、左右のハーフでもプレー可能です。

3月3日にニヨンで2008年欧州選手権のグループEの試合スケジュールが決定しています。2月23日にザグレブで話し合いが行われたものの、その時にはロシアが最後まで合意せずに物別れに終わっていました。試合予定は以下のようです。
[(H)はホーム、(A)はアウェー]
2006年9月6日   対ロシア戦(A)
2006年10月7日  対アンドラ戦(H)
2006年10月11日 対イングランド戦(H)
2006年11月15日 対イスラエル戦(A)
2007年3月24日  対マケドニア戦(H)
2007年6月2日   対エストニア戦(A)
2007年6月6日   対ロシア戦(H)
2007年9月8日   対エストニア戦(H)
2007年9月12日  対アンドラ戦(A)
2007年10月17日 対イスラエル戦(H)
2007年11月17日 対マケドニア戦(A)
2007年11月21日 対イングランド戦(A)
ズラトコ・クラニチャール監督は
「初戦をアウェーでロシア戦、また今年中にホームでイングランドと対戦したかった。また2006年11月にイスラエルへのアウェーも確定した。これら全ては私たちの意見が通った。エストニアでのアウェー戦とホームでのロシア戦の間は4日間しかないが、相手だって楽ではないだろう。」
とコメントしています。

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2006年3月13日 (月)

クロアチア・リーグ第22節

【3月11日 第22節】
12チームの2回戦総当りとしては最後となる節で、これを最後に上位6チームの決勝リーグと下位6チームの降格決定リーグに分かれます。毎年この節は上位6チームに入れるか入れないかの激しい戦いを賭けることが関心が集まります。しかし、今回は別の意味で関心を集めた節でありました。

7位ザグレブは6位ヴァルテクス・ヴァラジディンとホームで対戦。勝点差1ということもあり、ホームで勝率の高いザグレブに分があると思われました。しかし前半からヴァルテクスが高いラインを敷いての攻撃的に挑み、28分にベンコが左サイドからGKストイキッチをかわしてシュートし、縦へと飛び込んだヨリッチが押し込んで先制。後半から完全にヴァルテクスは引き、ザグレブはシュートがポストに当たるなど不運もあって1-0でヴァルテクスが勝利しました。

首位を独走するディナモ・ザグレブはアウェーで8位プーラ・スターロ・チェシュコと対戦。今節からプーラは98年W杯代表メンバーでもあるクルノスラフ・ユルチッチが新監督に就任しました。ディナモのクジェ監督は現役選手だったユルチッチをディナモに連れてきたという間柄にあります。守備的ながらアグレッシブなプレスをかけるプーラ相手にディナモはてこずります。23分にコンビネーションからディナモ守備陣を崩し、パミッチがヘディングシュートを決めてプーラが先制。44分にディナモはカウンターからモドリッチが対角線のロングパスをボシュニャクに通し、これを流し込んで1-1。しかし後半71分、ディナモのエトーがプーラのセンタリングボールをハンドしてしまってPK。これをリヴィッチが決めてプーラが2-1と金星を挙げました。

hrgovic前節のアウェーでのヴァルテクス戦に勝利して息を吹き返したハイドゥク・スプリトはホームでスラヴェン・ベルーポと対戦。ハイドゥクはあと勝点1さえあれば上位6チームに入れ、一方でベルーポは降格争いに直面していることから、試合前から談合の上に引き分けとなる疑惑が持たれていました。最初の30分はそれなりにサッカーとなっており、31分にクラニチャールが左サイドから綺麗なセンタリングを上げ、これにフルゴヴィッチ(元ガンバ大阪、写真)がヘディングを決めてハイドゥクが先制。しかしその後からハイドゥクはパッタリと攻撃の手を緩め、ベルーポが主導権を握ります。52分にベルーポのヴルチーナが右サイドを突破するとDFガルが引き倒してPK。これをムムレクが決めて同点に追いつきます。以後はお互いが退屈なサッカーに興じ、私もこの試合に取材に来ましたが、余りの内容の無さに眠りこけそうになりました。試合後、怒り狂ったハイドゥクの80人近いサポーターが正門の出入り口を占拠し、「魂を売った」とシュプレヒコールを繰り返し、選手のいるドレッシングルームに突入しようとしました。ドレッシングルームの鍵を掛け、サポーターが散り散りになるまで選手は出ることができませんでした。

またカメン・イングラッドvs.インテル・ザプレシッチも八百長疑惑が持たれ、ブックメッカーもブロッキング(賭けの対象から外すこと)しました。カメンは既に上位6チームに入ることが確定しており、一方でインテルは降格争いをしていることから、アウェーであってもインテルに勝利が譲られると予想されていた通り、シュトロクのゴールでインテルが1-0で勝利しています。

Dinamo Zagreb - Pula Staro Cesko 2:1
1:0 23' Pamic
1:1 44' Bosnjak
2:1 71' Rivic (PK)

Hajduk Split - Slaven Belupo 1:1
1:0 31' Hrgovic
1:1 52' Mumlek (PK)

Osijek - Cibalia Vinkovci 1:1
0:1 44' Knezevic
1:1 76' Barisic

Zagreb - Varteks Varazdin 0:1
0:1 28' Jolic

Medimurje - Rijeka 2:4
1:0  1' Mostalic
1:1 27' Vugrinec
1:2 30' Sharbini
1:3 35' Vugrinec(PK)
1:4 71' Vugrinec
2:4 88' Cicero Lima

Kamen Ingrad - Inter Zapresic 0:1
0:1 65' Strok

次節(3/18)からは決勝リーグと降格決定リーグに分かれ、2回戦総当りで行われます。22節までの勝点は持ち越しされます。

【順位】
[決勝リーグへ]
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点56)、2位…リエカ(45)、3位…オシエク(34)、4位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(31)、5位…ハイドゥク・スプリト(29)、6位…カメン・イングラッド(29)
[降格決定リーグへ]
7位…プーラ・スターロ・チェシュコ(28)、8位…ザグレブ(27)、9位…チバリア・ヴィンコヴチ(26)、10位…スラヴェン・ベルーポ(22)、11位…インテル・ザプレシッチ(22)、12位…メヂムリエ(21)

【得点】
16ゴール…ダ・シルヴァ(ディナモ)、ボシュニャク(ディナモ)
11ゴール…ベンコ(ヴァルテクス)、ヨリッチ(ヴァルテクス)、シャルビーニ(リエカ)
10ゴール…ラキッチ(カメン・イングラッド)、ヴグリネツ(リエカ)

【アシスト】
9アシスト…ダ・シルヴァ(ディナモ)
7アシスト…モドリッチ(ディナモ)、ブリャト(ディナモ)
6アシスト…シャリッチ(リエカ)、シャルビーニ(リエカ)

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クロアチア・リーグ第19~21節

【3月4日 第21節】
anderson ディナモ・ザグレブは10位のメヂムリエと対戦。メヂムリエは今節から元セレッソ大阪監督のアルベルト・ポボルが指揮を執ります。ポボルはこれまで2部のナフタシュ・イヴァニッチの監督を務めており、今季はクロアチア・カップでディナモを3-2で見事に下しました。ディナモにとってはある意味、ポボルへの復讐戦となります。ポボルはクロアチア・カップの時と同様に守り倒してのカウンターを狙います。前半はその戦術で通りましたが、後半からディナモがゴール前をこじあけます。47分にブリャトがサイドから折り返し、アンデルソン(写真)が右足で強烈なシュートを決めて先制。79分にはチャゴのミドルシュートをGKが掴み損ねたところをボシュニャクが押し込んで2-0。82分にはエトーが右サイドを突破してのセンタリングをボシュニャクがヘディングで決めて3-0と勝利しました。この試合でクロアチア・リーグでクラブ初の通算300勝(454戦)を収めております。

ハイドゥク・スプリトはアウェーでヴァルテクス・ヴァラジディンと対戦。お互い上位6チームの決勝リーグに進出するかしないかの瀬戸際に立っているため、ピッチは悪いものの熱い試合となりました。10分、ジョロンガの左サイドからのFKをブラトニャクがヘディングで合わせてハイドゥクが先制。後半も55分にブラトニャクがシュートをポストに当て、63分にはエルツェグがポスト際にシュートを放ちます。最後の20分はハイドゥクが集中力が切れつつありましたが、何とか虎の子の1点を守りきって1-0と勝利しました。ハイドゥクは次節で勝点1を挙げられば決勝リーグに行けるということで随分と楽な立場となりました。

Cibalia Vinkovci - Pula Staro Cesko 0:2
0:1 65' Rivic
0:2 80' Babic

Dinamo Zagreb - Medimurje 3:0
1:0 47' Anderson
2:0 79' Bosnjak
3:0 82' Bosnjak

Inter Zapresic - Zagreb 1:0
1:0 38' Karic (PK)

Rijeka - Kamen Ingrad 3:1
1:0 43' Prisc
2:0 50' Novakovic
3:0 65' Sharbini
3:1 87' Stipkovic

Slaven Belupo - Osijek 3:1
1:0 15' Vrucina
2:0 44' Pejic
3:0 48' Mumlek (PK)
3:1 50' Vuica

Varteks Varazdin - Hajduk Split 0:1
0:1 10' Blatnjak

【2月26日 第20節】
首位ディナモはアウェーでカメン・イングラッドと対戦。私はザグレブvs.リエカ戦に引き続き、この試合は取材の仕事で行ってきました。カメン・イングラッドの本拠地があるヴェリカに訪れたのは初めてでしたが、小都市のスタジアムながらクロアチアでは一番整備されたピッチで驚きました。さすが土建屋がスポンサーだけあります。5分にFWダ・シルヴァが怪我のため離脱してしまいましたが(このためA代表のアルゼンチン戦も出場できず)、代わりに入った新補強のブラジル人FWアンデルソンが穴埋めをしました。15分にボシュニャクがミドルシュートを決めると、19分にはアンデルソンがヘディングで追加点。その後も着々と点を決めたディナモが5-1と圧勝しています。

2月12日のディナモ戦でハイドゥク・サポーターのトルツィダがディナモのブラジル人とカメルーン人選手相手にモンキーチャットをしたとして、ハイドゥク・スプリトはインテル・ザプレシッチ戦を無観客試合で行いました。クロアチア・リーグは「NE RASIZMU! (反レイシズム)」の一大キャンペーンを張っていますが、日本の某スポーツ紙が報じたようなディナモFWエドゥアルド・ダ・シルヴァの代表入りに対して民族主義者が反対を掲げるという話は聞いたことありませんね。クロアチア語をマスターし、クロアチアに順応したダ・シルヴァにはリスペクトの方が強いです。
話は逸れましたが、試合は9分にジョロンガのFKで359分ぶりの得点を決めたハイドゥクが先制。それから31分にエルツェグのシュート、49分にはクラニチャールのPKで3-0とリードします。しかし81分にインテルのゴンジッチにFKを決められると、87分にはカーリッチがヘディングシュートを決めて3-2と迫ります。89分、ハイドゥクのペナルティエリアでDFレジッチの手にボールが当たったもののインテルのPKとならず、抗議したイェルネイツが退場。ハイドゥクが122日ぶりに勝利を決めました。

Kamen Ingrad - Dinamo Zagreb 1:5
0:1 15' Bosnjak
0:2 19' Anderson
0:3 22' Bosnjak (PK)
0:4 39' Cale
1:4 43' Brajkovic (PK)
1:5 78' Drpic

Slaven Belupo - Varteks Varazdin 4:3
1:0  3' Vrucina
2:0  7' Vrucina
3:0 10' Dodik
3:1 32' Novinic
3:2 60' Benko
3:3 75' Safaric
4:3 86' Musa

Hajduk Split - Inter Zapresic
1:0  9' Dolonga
2:0 31' Erceg
3:0 69' Kranjcar (PK)
3:1 81' Gondzic
3:2 87' Karic

Osijek - Pula Staro Cesko
1:0 69' Turkovic

Zagreb - Rijeka
1:0  8' Pelaic
2:0 57' Ibricic

Medimurje - Cibalia Vinkovci 3:3
1:0 22' Pirija
1:1 23' Zgela
1:2 43' Stojanovski
1:3 77' Jukan
2:3 78' Mostalic
3:3 90' Kresinger

【2月17日・18日 第19節】
bosnjak 首位ディナモ・ザグレブはホームでNKザグレブと対決。39回目となるザグレブ・ダービーです。私もカメラマンとして試合に行ってきました。ディナモが優勢に進めると思いきや、ザグレブのスロベニア人監督ルスはディナモの攻撃をきちんと分析、スペースを与えずにボールを奪ってからカウンターを仕掛けます。結実したのは45分、ムイジャのクロスにマンジュキッチが頭で落とし、これをMFバルロフがシュートを決めてザグレブが先制します。しかし後半65分、ペナルティエリアでDFイヴァンコヴィッチがボールに達するディナモのダ・シルヴァを倒したということでPK。微妙なジャッジだったためにザグレブは猛抗議。PKはボシュニャク(写真)が決めて同点に追いつきます。これで切れてしまったザグレブは防戦一方。66分にダ・シルヴァが中央でボールを奪うとドリブルで疾走して得点を決めて2-1。70分にはチャゴのアシストからダ・シルヴァが斜めからシュートを決めて3-1。最後はロスタイムに新加入のアンデルソンがシャリッチのアシストからゴールを決めて4-1と快勝しました。

前節でディナモに敗北し、8位と低迷するハイドゥク・スプリトはアウェーで2位リエカと対戦。アドリア海ダービーと呼ばれるライバル同士によるカードですが、今季は明暗がくっきり分かれています。ハイドゥクは前節のディナモ戦の敗北でイヴァン・グデリ監督が更迭。代わりにルカ・ボナチッチが指揮を執りました。監督交替のショック療法もあってハイドゥクは目覚めたような戦いぶりをしますが、一度は監督が代わったもののシーズンを通して安定したリエカがペースを握ります。それでもハイドゥクのGKプレティコサ、リエカのGKジリッチが好セーブを続け、スコアは動かず。71分、リエカはウィンターブレークに獲得した元ドイツ代表FWボビッチを投入します。89分、そのボビッチが右サイドで追い越していくノヴァコヴィッチにパスを通し、ノヴァコヴィッチが斜めからシュートを放つとボールはDFガルに当たって方向が変わってネットに吸い込まれ、リエカが1-0と勝利しました。

Rijeka - Hajduk Split 1:0
1:0 89' Novakovic

Dinamo Zagreb - Zagreb 4:1
0:1 45' Parlov
1:1 65' Bosnjak (PK)
2:1 66' Eduardo
3:1 70' Eduardo
4:1 90' Anderson

Cibalia Vinkovci - Kamen Ingrad 1:1
1:0 18' Zgela
1:1 30' Lakic

Pula Staro Cesko - Medimurje 4:0
1:0  9' Starcevic
2:0 12' Ramadani (PK)
3:0 28' Ramadani
4:0 65' Rivic

Varteks Varazdin - Osijek 0:1
0:1 56' Dinjar

Inter Zapresic - Slaven Belupo 2:1
1:0 28' Karic
2:0 37' Zekic
2:1 83' Saranovic (PK)

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2006年3月 4日 (土)

ブラジュ・スリシュコヴィッチ/ボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督のインタビュー

3月2日のスポルツケ・ノヴォスティ紙にボスニア・ヘルツェゴビナの代表監督ブラジュ・スリシュコヴィッチ(写真)のインタビューが掲載されました。

P1020303ボスニア・ヘルツェゴビナ第二の町モスタルで生まれたスリシュコヴィッチは80年代のハイドゥク・スプリトで絶大な人気を持ったファンタジスタ。ユーゴスラビア代表としても26試合にプレーし、全盛期を迎えるオリンピック・マルセイユにも在籍した選手です。昨季はボスニア・ヘルツェゴビナ代表と同時にハイドゥク・スプリトを指揮し、現在のクロアチア代表の"ファンタジスタ"ニコ・クラニチャルも指導した関係にあります。また現在も地元のズリンスキ・モスタルの監督とボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督という二束のわらじを履いています。クロアチア・メディアとも近い関係にあるスリシュコヴィッチは日本との試合(2-2のドロー)をこう振り返りました。

「私は決してコメントをばら撒くような人間でないし、誰かを過小評価する人間でもない。あまり"自分が""自分のが"と話すことは好きではない。しかしながら、誤って私を理解される危険性を考慮しなければ、日本戦の後に話したことをもう一度言えるよ。日本は私を興奮させなかっただけでなく、むしろ私を失望させたとね。」

-日本のジャーナリストに貴方は「(日本は)クロアチア戦での見込みはない」と言ったそうですが?
「私はそのようにダイレクトに言ってない。私は(ボスニア代表と)クロアチア代表と比較はできないという考えを彼らに伝えただけだ。記者達と多くの会見をやったが、日本の記者はあらゆる方面から吹き出してきた。ドルトムントの試合は120人の外国人記者が取材パスを取ったと聞いたが、116人が日本で4人が我々の国からだ。それも何かを語っているんじゃないかな。」

-そのようなクロアチア代表の力への確信はどこから? 貴方の予想はクラニチャール監督の仕事を難しくさせなくなるのでは?
「もし私が(クロアチアを率いて)親善試合を日本とやったならば、私はクロアチア代表の選手をボスニア根性のブランドにはめることはないだろう。なぜなら、このような機会ではトゥドールや他の選手達は半分のガスでしかプレーしないからね。けれどもワールドカップで行方を決めるような試合は特別なものであり、日本に見込みはないだろう。なぜ私がクラニチャールの立場を苦しめるというんだね。神が助けてくれるよ。しかし、もしクロアチアがワールドカップで日本に勝てなかったら、それは失態だろう。」

-ゆっくり。もっと分かりやすく。つまり、日本はあっさりとクロアチア代表の餌食となるのか?
「全員が100%の力で挑む試合ならば、知識や戦術準備、才能が如実に現れる。それぞれが普通に100%で戦うのを期待したならば、勝利するのは優れた選手がいる方だ。だから私はこの試合をクロアチアが勝たねばならないと考えている。」

-しかし1998年は何とか私たち(クロアチア)が(日本に)勝ったわけだが。
「しかし、貴方たちは勝ったじゃないか!」

-日本のプレーの特徴は?
「伝統的なものとして闘争心、スタミナ、アグレッシブさが挙げられる。彼らは決して諦めないね。私たちはそのようなプレッシャーによく耐え、集中力が落ちた瞬間以外は持ちこたえた。(失点の瞬間は)私の選手達が全ては終わったと思ってしまったからね。それは私たちの不幸なメンタリティだ。それから我々が解放されるのは難しいよ。」

-2失点とも前半もしくは後半の終わりに決められたわけだが。
「それは本当に発狂させることだ。両方の守備の場面で私はベンチを飛び上がり、最大限の注意を払うように注意したのに失点してしまった。私たちはスペインでのレッスンから何も学んでいない。7分という(異常に長い)ロスタイムを味わされ、そこでワールドカップ予選の順位を決めてしまうゴールを食らってしまった。全員が知っているが、あの時は審判がスペインを手助けした。しかしドルトムントでもそうだったように、私たちは不注意だった。」

-2失点はヘディングだったが。
「それは驚きに見えるだが、日本人は攻撃でのヘディングでは特別な感覚を持っている。しかし守備でのヘディングは弱い。守備では何とか立ってられる一方で、攻撃では常に(ヘディングは)打点まできちんと行くことができる。」

-日本の最高の選手は?
「中田だ。彼は(ピッチの)監督だ。他の選手全員が彼に服従している。クロアチアにはそのような選手はない。クラニチャール? いや、中田はもっと広範囲に動く。彼は相手のゴールに近い場所でより危険だ。」

-とはいえ、貴方たちはワールドカップ3大会連続出場のアジア王者に2-2だった。それはポジティブなことではないか?
「隠すことはしないが、ドルトムントの試合前に私は恐れを感じていた。しかし試合が始まると、チームにバランスが取れているのが見えて、随分と私は楽になったよ。」

-この試合が2008年の欧州選手権予選の準備のスタートとなったのか?
「欧州選手権が最重要な目標であり、唯一かつ最大のものだ。ようやく障壁を打ち破り、最高の舞台に登場する時代が来たと思っている。私たちのグループは楽ではないが、難しすぎることもない。多くはスタート次第だろう。良いスタートは常にチームを引っ張るからね。最初の2試合に勝利することを夢見ているよ。初戦はアウェーでハンガリー、2戦目は地元でマルタとだ。最初の勝点6がなければ、私たちのチャンスはより小さくなる。」

-グループには欧州王者のギリシャ、2002年ワールドカップ3位のトルコ、それからノルウェー、モルドバが同居しているが。
「その国々の中で私たちはアウトサイダーではない。どの相手でもやっていけるだろう。」

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2006年3月 3日 (金)

クロアチア、アルゼンチンに3-2で勝利

cro 3月1日、スイスのバーゼルでクロアチアはアルゼンチンと親善試合を戦いました。スイスにもクロアチア移民が多く住んでおり、観客は13138人ながら多くのクロアチア・サポーターが駆けつけました。またドルトムントから流れた日本の報道陣に加え、日本代表監督のジーコも視察に訪れました。

arg ディフェンスの要ロベルト・コバチが前日のトレーニングで左足の小指を痛めたため、リベロの位置には普段はボランチのトゥドールが入りました。空いたボランチのポジションにはこの試合が代表デビューとなる20歳のルカ・モドリッチが抜擢。また怪我のDFシムニッチの代わりにシミッチ、GKブティナの代わりにプレティコサが起用されました。4-2-3-1システムを採用する話もありましたが、いつもの3-4-1-2システムをクラニチャール監督は採用。またアルゼンチンは3-3-1-3システム。司令塔のリケルメの前にクレスポ、テベス、メッシという強力な3トップを揃えました。

meteいきなり試合は波乱の展開になります。3分にMFクラニチャールの左FKをGKアッボンダンシエリがキャッチミスをすると、こぼれ球をFWクラスニッチが押し込んでクロアチアが先制。これが逆に呼び水となり、1分後には「マラドーナ二世」ことFWメッシ(写真・左)が右サイドでリケルメのスルーパスを受けると、ファーサイドに走りこんだFWテベスへアウトサイドキックでラストパス。テベス(写真・右)はスライディングでシュートを決めて同点。更にその2分後にはFWトマスのパスミスをカットしたメッシがドリブルで切り裂き、最後は左足で丁寧なシュートを決めてアルゼンチンが逆戦に成功。前半はクロアチアの3バックがアルゼンチンの変幻自在な3トップに対応できず、とりわけメッシがドリブルをすると混乱に陥りました。

gol 後半からクラニチャール監督はメッシに振り回されたトマスに変えてDFトキッチを投入。左アウトサイドのバビッチにもメッシのケアをさせ、前半は陰をひそめた右アウトサイドのスルナをより高いポジションへと配置。監督の指示がずばりと決まると、前半とは見違えるようなチームとなりました。アグレッシブかつ連携された守備でアルゼンチンの攻撃を食い止めると、一気に主導権を握ります。52分に左サイドをFWプルショがドリブルでマーカーを外し、クロスボールにプルショが狙い済ましてヘディングシュートを決めて同点。この試合で目立ったのは代表デビューとなるモドリッチ。ディナモ・ザグレブの司令塔は、柔らかいタッチからパス・アンド・ゴーを繰り返し、動きの重いクラニチャールに変わって中盤にリズムを作りました。試合はロスタイム92分、イヴァン・レコの左CKからDFシミッチが背中に当てたボールがアルゼンチン・ゴールに吸い込まれてクロアチアが逆転(写真は喜ぶ選手達)。3-2で金星を挙げました。

試合後にクラニチャール監督は
「非常にダイナミックで良い試合だった。アトラクティブなサッカーを見せられたと思う。偉大なアルゼンチンに逆転勝利できたことが嬉しいね。この素晴らしい結果は長く語られるものかもしれないが、試合の中ではミスもかなりあった。私たちにとっては前半に同点に追いつかなくて良かったのかもしれない。ハーフタイムによりハードにプレーするよう取り決めたことで、後半はミスが少なくなった。私たちは勝利に値したと思うよ。ミスを繰り返さないように試合分析をして、これからの親善試合はワールドカップのため正確性を求めていくつもりだ。」
とコメント。

またアルゼンチン代表監督のホセ・ペッケルマンはこうコメント。
「良い試合だった。5得点も見られたわけだし、観客にとっては間違いなく楽しかったことだろう。この試合で明らかになった欠点で眼が覚めたことを考えれば、私はまったく不満ではない。私たちが何をすべきかとはしっかり判っている。0-1で一度はリードされたとはいえ、前半の我々は良かったし、より危険な形を作っていた。時間が経つにつれ、忍耐力に欠け、不安定になった。クロアチアのハードでアグレッシブなプレーに対応できなくなってしまった。とりわけ相手のディフェンスにね。クロアチアの選手達は私の選手達を完全に固まらせてしまった。」

またスポルツケ・ノヴォスティ紙がマン・オブ・ザ・マッチにも選んだルカ・モドリッチは
「僕がプレーするなんて思ってもいなかった。もしロベルト・コバチが怪我してなかったら、僕はプレーしなかったことだろう。アルゼンチンには何人か素晴らしい選手がいる。メッシ、リケルメ、テベスは世界クラスの選手だ。僕がクロアチアのメッシだって? 分からないよ。この試合をきっかけでかつての自分より良くなるとは思わないし、代表の座が確定したとも思わない。」
と語り、クラニチャール監督はモドリッチに関して
「モドリッチが私の召集と信用に応えてくれてとても満足している。私には驚きではないよ。モドリッチ、クラニチャール、プルショ、クラスニッチ、そして他の全員も一人では何もできない。これはチームとしての集団の勝利だ。」
と語っています。

クロアチア 3-2 アルゼンチン
バーゼル/セント・ヤコヴ・パーク・スタジアム
観客:13138人

3'  1-0 クラスニッチ
4'  1-1 テベス
6'  1-2 メッシ
52' 2-2 スルナ
90' 3-2 シミッチ  

クロアチア:(3-4-1-2)
GKプレティコサ-DFシミッチ、トゥドール、トマス(46分トキッチ)-MFスルナ、N.コヴァッチ(82分イェルコ・レコ)、モドリッチ(84分イヴァン・レコ)、バビッチ-クラニチャール(90分ブリャト)-FWプルショ(90分ペトリッチ)クラスニッチ(75分オリッチ)

アルゼンチン:(3-3-1-3)
GKアッボンダンシエリ-DFコロッチーニ(60分L.ゴンサレス)、サムエル、ブルディッソ-MFポンシオ、デミチェリス、カンビアッソ-リケルメ-FWメッシ、クレスポ(75分D.ミリート)、テベス(68分アイマール)

[スタッツ]
クロアチア:アルゼンチン
枠内シュート  4:3
枠外シュート  1:4
ファウル    22:20
コーナーキック 10:2
オフサイド   0:5
ボールキープ率 48%:52%

ちなみに私はテレビ取材の仕事でバーゼルへと行きましたが、クロアチア・サッカー協会のはからいで彼らのチャーター機でザグレブ~バーゼル間を移動させて貰いました。クロアチア人以外は私だけ。選手やジャーナリストの中には友人や知人がいるとはいえ、同行するとなるとさすがに緊張しましたね。帰りは試合後にそのまま深夜にザグレブに戻りましたが、喜びというよりはお疲れという感じでした。選手は1/3ほどが同乗。無理をせずにバーゼルに延泊して、翌日に自分のクラブに戻る選手が多かったようです。

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