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2006年4月30日 (日)

オシム、日本代表選手について語る その2

4月27日の「オシム、日本代表選手について語る」で、ユタルニ・リスト紙の特別付録でイヴィツァ・オシムによる14人の選手のコメントを掲載しましたが、残る10人のコメントも紹介しておきます。

Osim楢崎…私の好みにあったGKだ。身長が高く、冷静で信頼がおける。最高の選択であるはずだ。しかし現時点では名古屋で守っていない。理由は判らないけどね。彼を召集しているという一貫性でジーコは賞賛に値すると思うよ。
土肥…彼は3人(他は川口、楢崎)の中で最も標準的なGKだ。彼のFC東京は機動力を活かし、アグレッシブかつしっかりとしたプレーで知られている。そんなチームの中で彼は冷静さと自信で強い印象を与えている。
中田(浩)…既にヨーロッパで選手生活を過ごし、マルセイユからバーゼルへと移籍した。そのため私は彼を見ることはさほど出来なかった。ここではきちんとカリスマを持っていることは知っているし、しばしばストッパーよりも守備的MFでプレーする左利きの選手だ。
坪井…ブッフバルト率いる浦和でプレーしている。浦和は日本で最も人気のあるチームで、彼はトミスラフ・マリッチと最近までチームメートだった。規律があり、鋭く、また妥協を許さない選手だ。
稲本…ジーコがワールドカップのメンバーに彼を入れるのかどうか私は判らない。良いMF陣による競争の中で彼はもっとも弱く評価されている。
松井…ルマンの一部リーグでの躍進の中で、彼は意味ある役割を果たしている。サッカーを知っているものの脆さがあった選手だったが、ヨーロッパで出場するようになってからかなり進歩し、一対一のプレーが修正された。
本山…良い選手だし、臨機の才のあるドリブラーだ。しかし、よりクオリティのある中盤の選手達を横にして出場時間が少しかゼロでは評価するのは難しい。
鈴木(隆)…フォワードにおける労働者だ。しかしここ数年は代表のゴール数で賞賛をされることができなくなっている。
大黒…Jリーグで最も効率の良いFWだ。代表で多くプレーしてないにもかかわらず、ジーコが与えた時間をいつも最高の形で利用した。
久保…ボスニア・ヘルツェゴビナとの親善試合に登場した。経験もあり敏捷なFWで、高原とうまく調和する。

読む人にとっては色々と意見はあるでしょうが、記者やライターのフィルターが掛かってたり、私の訳がニュアンスを取り違えたりするわけで、次第に「オシムの言葉」はオシムの言葉でなくなり、一人歩きしている、もしくは意図的に一人歩きさせられている可能性が十分にあることをご理解くださいませ.....。

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リエカが大勝/クロアチア・カップ決勝第1戦

4月26日、クロアチア・カップ決勝「リエカvs.ヴァルテクス・ヴァラジディン」が行われました。決勝はホーム&アウェー。リエカは昨年もカップ戦王者となっており大会二連覇を、ヴァルテクスは初タイトルを目指します。第1戦はリエカのカントリーダ・スタジアムで行われ、8000人もの観客を集めました。

Vugrinec_1 リエカが開始と共に攻め込み、3分にリエカの枠内を捉えたシュートをライン上に立っていたヴァルテクスの主将シャファリッチがハンドで止めてしまい一発退場。ヴグリネツのPKはGKコプリッチが止めましたが、いきなり1人欠けたヴァルテクスが劣勢に立たされます。この試合で活躍したのはまたして元代表MFのダヴォール・ヴグリネツ(写真)でした。20分、左サイドから中央へと切れ込んだヴグリネツはマーカーのイプシャをかわして狙いすましたシュートを左に決めてリエカが先制。ヴァルテクスも34分にPKを得ましたが、来季からニュルンベルグに移籍するFWベンコのシュートはGKジリッチに止められます。43分、リエカのシャリッチの右クロスにGKコプリッチが処理に失敗、リニッチが押し込んで更にリードを広げました。
後半に入ってもコンビネーションに優れたリエカが圧倒します。68分、シャリッチの右クロスからヴグリネツがシュートを決めて3-0。81分にはレンドリッチの左クロスから途中交替のボビッチがボールの落ち際を叩き込んで4-0と引き離しました。5月3日にヴァラジディンで第2戦がありますが、リエカがカップ戦二連覇をほぼ手中に収めたことになります。

この試合を視察したズラトコ・クラニチャール代表監督は
「非常に良い試合だった。リエカは勝利を確実にモノにし、カップ王者を実質的に決めてしまった。ヴグリネツについて? PKは失敗したけれども、それから2つのゴールを決めた。ワールドカップの代表候補のステータスを証明したことになる。彼は最初の日から私の30人の代表候補リストに入っているからね。」
とコメントしています。

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2006年4月28日 (金)

トミスラフ・マリッチのインタビュー

_3 当サイトのコンテンツ「現地発!! クロアチア・サッカーレポート」の第37弾レポートとして「赤きサムライ~トスミラフ・マリッチ インタビュー」を掲載しました。
スポーツ報知の企画として3月下旬にドイツでトミスラフ・マリッチ(写真)にインタビューしたものであり、レポート内ではワールドカップに限らず、浦和での想い出とクロアチア代表への想い出を掲載しております。宜しければご覧になって下さい。

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2006年4月27日 (木)

オシム、日本代表選手について語る

ユタルニ・リスト紙の特別付録「ワールドカップ2006」の中で、ジェフ千葉監督のイヴィツァ・オシムが日本代表と24人の選手について語っています。私が通信員をしているスポーツ報知の紙面でも報じて貰いましたが、コメント全文と主力選手についての翻訳を掲載します。
いつも彼のコメントを訳すことで迷惑になるのなら心苦しいですけど.....。
「意図的に"間違えて"」という話は1990年のイタリア・ワールドカップのユーゴ代表の逸話を思い出させますね。

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日本代表について話すのは私にとってデリケートなことだ。なぜならどの文字も読まれてしまうし、日本の新聞が掲載してしまうからだ。クロアチア代表監督のためにスパイをしているなんて私が訴えられるのは望まない。だから欠点については飛ばして、ジーコのチームの美点だけを話したい。日本人を飾るのは大きな共同精神であり、特別なレベルの選手が欠けているとしても協調力で補っている。
もしボスニア・ヘルツェゴビナの親善試合(2-2)を見たならば、日本について間違った印象を得ることになるだろう。あの試合でジーコは意図的に"間違えて"チームを構成したと私は思う。批判する者たちに対して、ある選手たちは同時にプレーできないというのを見せつけるためにね。既に数週間後には作り直したチームでエクアドルに納得のいく勝利をしている。
ジーコは18人の確実な代表候補を抱えており、さらにまだ5つの代表の席を巡って開かれた競争があると思う。戦術的に日本は3バックで、中盤を厚くし、相手によってジーコは一人か二人のFWをピッチに送っている。

川口…外国経験を持ち、ポーツマスにも在籍した。冷静さが彼の特徴だが、敢えて言わせてもらえば、時々は余りにも冷静すぎる。
宮本…キャプテンで常に中央を務めるDFだ。ガンバでは一時ベンチに座っていたが、代表監督は彼を信じている。なぜなら代表で彼は高いレベルの調子を維持しているからだ。ジーコが実験をしたがらない証拠だ。
中澤…無名な選手ではない。しばしばコンビを組む宮本との違いは、中澤は身長が高く、素晴らしい跳躍をする選手だ。このような選手はセットプレーで日本最大の武器となる。
田中…ジュビロ磐田でプレーするこのストッパーは、もしかしたらジーコの全てのDFの代表候補で最高の選手だろう。速くて、ゲームを読むのが素晴らしい。
三都主…日本に帰化しているが、他のブラジル人選手と同じくサッカーを知っている選手だ。左サイドでプレーし、非常に良いテクニシャンだ。
加地…FC東京からガンバ大阪に移籍した。非常にポテンシャルのあるDFで、スピード、力強さを持ち、右サイドを何度も上下するパワーを持っている。ジーコのチームに多くのものをもたらすことができる。
福西…ヨーロッパでは余り知られてないかもしれないが、優雅でクリエイティブな選手だ。もしかしたら他の有名な選手以上にサッカーを知っているだろう。
中田…スター選手のように思われているが、彼はおそらく代表チームの中盤全体において最大の労働者だろう。驚く必要はない。なぜなら彼はヨーロッパ最強のリーグでプレーしたからだ。
中村…レッジーナののち、セルティックでも素晴らしく活躍している。華やかな選手であるのは疑いないし、おそらく日本のサッカー選手で最もクオリティある選手だろう。
小野…26歳という年齢ながら彼には豊富な欧州経験がある。現時点では非常に良い調子であり、ゴール前でも危険な選手だ。ヨーロッパに戻る踏み台としてワールドカップを利用したいはず。
高原…彼はドイツで注目すべき役割を果たしてないとはいえ、ジーコはHSV所属の彼に頼ることだろう。ペナルティエリアでは力強く、セットプレーでは危険な選手だ。
小笠原…サッカーを知っているが、ドイツでは中心選手とはならないだろう。なぜなら彼のプレースタイルではチーム全体が彼にあわせなくてはならないからだ。
柳沢…最近、メッシーナから鹿嶋にレンタル移籍した。セリエAで雇われたという事実が彼のクオリティを物語っている。
玉田…彼の名前は聞いたことがないだろうが、私にとっては素晴らしいFWだ。速くて落ち着きがあり、一対一にも強い。ペナルティエリアでも危険だ。

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2006年4月23日 (日)

クロアチア・リーグ 第27・28節

【第28節 4月22日】

Modric 首位ディナモ・ザグレブはアウェーにてカメン・イングラッドと対戦。ディナモは優勝決定リーグに入ってから5戦で勝点6と低迷気味。今季はカメン・イングラッド相手にディナモが分があるだけに勝利で弾みをつけたいところ。6分、モドリッチ(写真)が右サイドからダイアゴナルクロスを上げ、前方への胸トラップでマーカーより一歩先に出たボシュニャクがシュートを決めてディナモが先制。しかしボシュニャクはこのあと決定機を3つ連続して外してしまい、37分、ハイドゥク戦でもミスをしたドルピッチがあっさりとラキッチにマークを外されてしまい、近距離からラキッチが決めて同点にされてしまいます。
しかし後半53分、ダ・シルヴァがエリア内で倒されてPKを得ると、ボシュニャクが中央に放って2-1。65分にエトーが肘鉄を相手に食らわせたとしてレッドカードを貰いましたが、66分、ダ・シルヴァとのワンツーでモドリッチがDFラインを抜け、アウトステップでシュートを決めて3-1と突き放して勝利しました。

ハイドゥク・スプリトはリエカをポリュウド・スタジアムに迎えました。「ヤドランスキ・デルビ(アドリア海ダービー)」と呼ばれるこのカードは、カップ戦準決勝(リエカがハイドゥクに勝利して決勝進出)も含めて6試合連続してハイドゥクが勝利したことなく、リエカにとってハイドゥクはお客様。この試合でも実力と勢いの差が顕著に現れてしまいました。
Vugrinec この試合は「ヴグリネツ・ショー」。31分、右ウィンガーのノヴァコヴィッチが中央に折り返したところをヴグリネツ(写真)が胸トラップからシュートを右下隅に叩き込みリエカが先制。50分にハイドゥクのDFクラレヴスキが二枚目のイエローで退場するとハイドゥクはサンドバック状態となり、61分にはカウンターからシャルビーニが決めて2-0。72分、ノヴァコヴィッチの折り返しをヴグリネツが綺麗なボレーを決めると、83分にはルビールのロングボールを受けてからGKプレティコサをあざ笑うかのように近距離のシュートを決めてハットトリック。4-0でリエカが大勝しました。
第7節からリエカに移籍加入したヴグリネツですが、トップ下のポジションで22試合15ゴールも叩き出しています。この試合はテレビ放映があり、試合後の両チームの監督のインタビューでも「彼をクロアチア代表に入れるべき」だと強調していました。

残り4節で首位ディナモと2位リエカとの勝点差は8。次の直接対決(リエカのホーム)でディナモが勝利すれば3シーズンぶりの優勝が決まります。

[優勝決定リーグ]
Kamen Ingrad - Dinamo Zagreb 1:3
0:1  6' Bosnjak
1:1 37' Lakic
1:2 53' Bosnjak(PK)
1:3 66' Modric

Hajduk Split - Rijeka 0:4
0:1 31' Vugrinec
0:2 61' Sharbini
0:3 72' Vugrinec
0:4 83' Vugrinec

Varteks Varazdin - Osijek 3:0
1:0 20' Safaric
2:0 79' Novinic
3:0 84' Benko

[降格決定リーグ]
Slaven Belupo - Cibalia Vinkovci 1:0
1:0 64' Vrucina

Medimurje - Pula Staro Cesko 2:0
1:0 45' Mostarlic(PK)
2:0 76' Mostarlic(PK)

Inter Zapresic - Zagreb 1:0
1:0  5' Piskor

【順位】
[優勝決定リーグ]
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点66)、2位…リエカ(58)、3位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(46)、4位…オシエク(38)、5位…ハイドゥク・スプリト(36)、6位…カメン・イングラッド(32)

[降格決定リーグ]
7位…プーラ・スターロ・チェシュコ(41)、8位…ザグレブ(34)、9位…スラヴェン・ベルーポ(33)、10位…チバリア・ヴィンコヴチ(30)、11位…インテル・ザプレシッチ(30)、12位…メヂムリエ(26)

【得点】
19ゴール…ボシュニャク(ディナモ)
18ゴール…ダ・シルヴァ(ディナモ)
15ゴール…ヴグリネツ(リエカ)
13ゴール…ベンコ(ヴァルテクス)、シャルビーニ(リエカ)

【アシスト】
11アシスト…ダ・シルヴァ(ディナモ)
9アシスト…モドリッチ(ディナモ)、ムムレク(スラヴェン・ベルーポ)
7アシスト…ブリャト(ディナモ)、シャリッチ(リエカ)、ノヴァコヴィッチ(リエカ)、ヴルチーナ(スラヴェン・ベルーポ)

【第27節 4月15日】

P1100425スプリトのポリュウド・スタジアムで今季2度目となる「フルヴァツキ・デルビ(クロアチア・ダービー)」、ハイドゥク・スプリトvs.ディナモ・ザグレブ戦が行われました。既にハイドゥクが優勝争いから脱落しており、両チームの勝点は30点も離れていることもあって観客は7000人ほど(うちBBBが約1000人)。テレビの取材コーディネートで私もこの試合を現地で観戦しました。
ハイドゥクはロングボールの攻撃を多様して仕掛けるもののチャンスはなかなか生まれません。次第にディナモは主導権を握り始め、26分にエトーが近距離からシュートを放ちますがGKプレティコサの正面に。終了間際にはカウンターからボシュニャクがボールをエリア内へと持ち込み、ラストパスを中央のダ・シルヴァに送りましたが、シュートはバーを高く超えていきました。
前半はシュート2本しか打てなかったハイドゥクですが、後半にゴールが生まれます。47分、ミラディンが右サイドでボールを運び、ブラトニャクへ渡ると彼ははゴール前の元スロベニア代表FWチミロティッチへスルーパス。マークをしていたドルピッチがオフサイドトラップを仕掛けるもタイミングが遅く、フリーになったチミロティッチが右足でシュートを決めてハイドゥクが先制します。ディナモは同点にすべく攻勢を仕掛けますが、ここのところの得点力不足は顕著。79分にこの冬に新加入のブラジル人FWアンデルソンを投入しますが、彼はピッチ登場からわずか20秒でFWエルツェグを背後からタックルをやったために一発退場。勝負は決まりました。ロスタイムにゴール前でクラニチャールがフェイント二発で決定機を迎えたもののシュートは枠の上に。1-0でハイドゥクがダービーを制しました。
(写真は発炎筒を炊くハイドゥク・サポーターのトルツィダ)

3位ヴァルテクス・ヴァラジディンは2位リエカと対戦。この春はお互い好調である両チームはクロアチア・カップ決勝にコマを進めております(決勝は4月26日/5月3日)。当初はコンビネーションとサイド攻撃に優れたリエカが幾度となくチャンスを作りますが決められず。試合が動いたのは44分。ミドルシュートをリエカのGKジリッチがキャッチミスをし、それを奪ったFWノビニッチが角度のないところからシュートを決めてヴァルテクスが先制します。後半はヴァルテクスが主導権を握りますが、追加点を奪うことはなく1-0でヴァルテクスが勝利しています。

[優勝決定リーグ]
Hajduk Split - Dinamo Zagreb 1:0
1:0 50' Cimirotic

Varteks Varazdin - Rijeka 1:0
1:0 44' Novinic

Osijek - Kamen Ingrad 1:0
1:0 25' Primorac

[降格決定リーグ]
Slaven Belupo - Zagreb 3:0
1:0 26' Mumlek(PK)
2:0 56' Pejic
3:0 65' Vrucina

Cibalia Vinkovci - Medimurje 0:0

Inter Zapresic - Pula Staro Cesko 1:4
0:1 39' Raic-Sudar
0:2 42' Rivic(PK)
0:3 64' Rivic(PK)
1:3 73' Jese
1:4 81' Rivic

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2006年4月11日 (火)

クロアチア・リーグ第24~26節

しばらくご無沙汰でした。
国外取材から戻ったのちも取材コーディネートで忙しい日々を過ごしております。ブログを書くペースが随分と落ちてしまっていますが、いずれワールドカップが終了すれば取材の体験談などもちょこちょこと書ければと思います。

それではクロアチア・リーグの状況をまとめておきます。

【第26節 4月8日】
Dasilva_4 ディナモ・ザグレブは不調から脱出するためにスロベニアのチャティジュでミニキャンプを張り、3位ヴァルテクス・ヴァラジディンとのホームの試合に挑みました。観客は約1万人。私もこの試合はカメラマンとして訪れました。
ここのところ得点力不足に悩むディナモは第25節時点で得点王のボシュニャクが病気のために欠場。それでもディナモは分厚い攻撃を仕掛け、積極的に中盤のチャゴやブリャト、マミッチも前線へと加わっていきます。一方でヴァルテクスは俊足FWベンコを中心にボール奪取から速いカウンターを仕掛けていきます。試合が動いたのは38分、モドリッチからの左からのロングクロスに対してFWダ・シルヴァ(写真・右)とGKコプリッチがボールに競り合ったのですが、ダ・シルヴァが空中に差し出した手に視界を遮られたことでコプリッチがボールをこぼしてしまい、これをダ・シルヴァが押し込んでディナモが先制します。ダ・シルヴァが空中でボールを触った疑いもあったことからヴァルテクスの選手達は猛抗議。そのため3人がイエローを貰ってしまいました。ヴァルテクスは後半になって更に鋭いカウンターを仕掛けていきますがチャンスをモノにできず。73分、ダ・シルヴァがエリア内を突破したのをDFルチッチが足にタックルしてしまいPKの判定。これをダ・シルヴァが決めて2-0とします。しかしヴァルテクスもロスタイム、ルチッチと共にこの冬にディナモを追われたFWカルドゥムが美しいループシュートを決めて1点差に縮めてタイムアップ。ディナモが苦しみながら勝利を手にしました。

[優勝決定リーグ]
Dinamo Zagreb - Varteks Varazdin 2:1
1:0 38' Da Silva
2:0 73' Da Silva
2:1 90' Kardum

Rijeka - Odijek 3:1
1:0 10' Rendulic
2:0 21' Rinic
2:1 40' Barisic
3:1 90' Sharbini

Kamen Ingrad  - Hajduk Split 1:0
1:0 87' Lakic

[降格決定リーグ]
Zagreb - Cibalia Vinkovci 0:0

Pula Staro Cesko - Slaven Belupo  2:0
1:0 75' Rivic
2:0 82' Juric

Medimurje - Inter Zapresic 2:2
1:0 29' Mostarlic
2:0 42' Celiscak
2:1 58' Gondzic
2:2 80' Piskor

【順位】
[優勝決定リーグ]
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点63)、2位…リエカ(55)、3位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(40)、4位…オシエク(35)、5位…ハイドゥク・スプリト(33)、6位…カメン・イングラッド(32)

[降格決定リーグ]
7位…プーラ・スターロ・チェシュコ(38)、8位…ザグレブ(34)、9位…チバリア・ヴィンコヴチ(29)、10位…スラヴェン・ベルーポ(27)、11位…インテル・ザプレシッチ(26)、12位…メヂムリエ(24)

【得点】
18ゴール…ダ・シルヴァ(ディナモ)
17ゴール…ボシュニャク(ディナモ)
12ゴール…ベンコ(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(リエカ)、シャルビーニ(リエカ)

【アシスト】
9アシスト…ダ・シルヴァ(ディナモ)
8アシスト…モドリッチ(ディナモ)
7アシスト…ブリャト(ディナモ)、シャリッチ(リエカ)

【第25節 4月2日】

前節でリエカに敗れたディナモはオシエクと対戦。
これまでの破壊力は鳴りをひそめ、チーム全体が低調気味です。この試合は両方が攻め合う展開となり、9分にディニャール、21分にミラスのシュートをディナモのGKトゥリーナが飛びついてセーブします。それからはディナモが攻撃する展開に。36分、ゴール前の混戦からダ・シルヴァのシュートはGKスケンデルに止められ、こぼれたところをボシュニャクが蹴り込むもゴールラインに立ったMFデダイが壁となり、弾かれたのボレーでモドリッチが狙うもののクロスバーを越えました。これが現在のディナモの象徴するシーンでありました。後半はディナモがどれだけ攻めてもGKスケンデルが盾となってゴールを割ることができず。スコアレスドローに終わってしまいました。

リエカは5日のカップ戦準決勝のため主力を温存。それによりウィンターブレークに移籍した元ドイツ代表FWのフレディ・ボビッチが先発出場し、17分にリニッチが左から折り返したボールを叩き込んでクロアチア・リーグ初ゴールを決めています。また加入したばかりの元湘南ベルマーレのMFゴラン・ルビールも90分間良いプレーを見せております。
その一方でリエカとカップ戦を戦うハイドゥク・スプリトはアウェーでヴァルテクスに0-2と完敗。ヴァルテクスはDFイプシャが1部では初ゴール、更に2点目を決めております。

[優勝決定リーグ]
Osijek - Dinamo Zagreb 0:0

Rijeka - Kamen Ingrad 3:0
1:0 17' Bobic
2:0 29' Novakovic
3:0 77' Novakovic

Varteks Varazdin - Hajduk Split 2:0
1:0 12' Ipsa
2:0 21' Ipsa

[降格決定リーグ]
Cibalia Vinkovci - Pula Staro Cesko 0:0

Slaven Belupo - Inter Zapresic 1:1
0:1 53' GOndzic
1:1 82' Mumlek (PK)

Zagreb - Medimurje 1:0
1:0 74' Bartolovic

【第24節 3月25日】

Zilic 首位ディナモ・ザグレブは2位リエカとホームのマクシミール・スタジアムで対戦しました。
既に勝点差13で引き離しているディナモにとっては、リエカに引導を渡す試合となります。6分、モドリッチがマーカーをかわして中央20mの距離からミドルシュートを放ち、GKジリッチを弾いたところをエトーが押し込んでディナモが先制。しかし20分、リエカのレンドゥリッチの左のグラウンダークロスをDFドルピッチがクリアし損ねてオウンゴール。1-1に追いつかれます。
それからはディナモが幾らゴール前に攻め込んでも、リエカのGKジリッチ(写真)が何度もスーパーセーブ。耐え抜いたリエカは中盤でパスが繋がらなくなったディナモをカウンターで襲うようになり、86分、シャリッチが右サイドを突破すると無人のファーサイドへ折り返し、そこにヴグリネツが飛び込んでシュートを決めて逆転に成功。2-1でリエカが勝利し、ディナモの優勝ムードに冷や水を掛けました。試合後にディナモのズドラヴコ・マミッチ副会長が激怒し、ヨシップ・クジェ監督を公で批判。それまで良好とされていた両者の関係が冷めつつあります。

[優勝決定リーグ]
Dinamo Zagreb - Rijeka 1:2
1:0  6' Etto
1:1 20' Drpic (own goal)
1:2 85' Saric

Hajduk Split - Osijek 3:0
1:0 62' Jelavic
2:0 67' Jelavic
3:0 69' Kranjcar

Kamen Ingrad - Varteks Varazdin 0:1
0:1 26' Jolic

[降格決定リーグ]

Inter Zapresic - Cibalia Vinkovci 4:3
0:1  6' Zgela
1:1  8' Jese
2:1 12' Karic
2:2 20' Tadic
2:3 56' Knezevic
3:3 65' Karic (PK)
4:2 86' Skulic

Pula Staro Cesko - Zagreb 4:1
0:1 49' Bartolovic
1:1 58' Halilovic
2:1 65' Lukunic
3:1 82' Pamic
4:1 90' Babic

Medimurje - Slaven Belupo 3:4
1:0  7' Kresinger
1:1 10' Dodik
2:1 45' Kresinger
2:2 52' Dodik
2:3 62' Mumlek
2:4 69' Pejic
3:4 90' Racki

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