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2006年5月25日 (木)

親善試合「オーストリアvs.クロアチア」

5月23日、ウィーンのエルンスト・ハッペル・スタジアムで「オーストリアvs.クロアチア」の親善試合が行われました。観客は22,000人。
クロアチアは合宿初日でDFヨシップ・シムニッチが膝の故障でリタイア。またGKトミスラフ・ブティナも調整不足のため欠場しました。スタメン(3-4-1-2)は以下のようです。
GKプレティコサ-(右から)DFシミッチ、コヴァチ弟、トマス-MFスルナ、トゥドール、コヴァチ兄、バビッチ-クラニチャル-FWプルショ、クラスニッチ
またヒッケルスベルガー新監督体制になって2試合となるオーストリアは代表初選出が5人、うち3人が先発出場しました。スタメン(4-3-2-1)は以下のようです。
GKパイヤー-DFシュタントフェスト、シュトランツル、シャーナー、イベルツベルガー-MFレクサ、アウフハウザー、プレーガー-ライトゲプ、イヴァンシッツ-FWヤンコ

Momcad序盤はバビッチを左SBの位置にした4バックでスタートしたクロアチアですが、ピッチをワイドに使いながらワンツーなどで最終ラインを崩しに掛かるオーストリアに苦戦します。オーストリア代表の主将でクロアチア系のイヴァンシッツが開始から2分間で2度に渡って最終ラインを突破しましたが、コヴァチ兄とシミッチが追いかけてクリアしました。中盤でのパスミスが目立つとはいえ、バビッチが左MFの位置へと上がることで次第にクロアチアが攻撃の主導権を握ります。11分、そのバビッチから左のスペースに走りこんだプルショへパスが出ると、プルショは最初のタッチで中央へと折り返します。ゴール前で待っていたのはクラスニッチ。ゴールを背にしながらマーカーのサイドとは逆に反転すると、蹴り込んだシュートはネット中央に突き刺さり、クロアチアが先制しました。しかし14分、イヴァンシッツが放った右CKは大きく弧を描き、ゴール左上へと鋭角に入ってきたところをGKプレティコサがキャッチミス。ボールはラインを割ったとしてオーストリアのゴールが認められます。25分、スルナのCKからコヴァチ兄がヘディングシュートをしますが、ポスト右に立っていたシュトランツルがクリア。その直後にはクラスニッチとのワンツーからプルショがシュートを放つものの、GKパイヤーがセーブします。しかし、35分にクラスニッチはプルショに一度ボールを当ててから中央突進。再びボールを貰ってから細かいボールタッチで3人のDFを次々とかわし、最後はGKまでもかわしてのシュート。愛称通りの「キラー」ぶりを発揮しました。ヴェルダー・ブレーメンではクローゼとのコンビネーションで活躍しているクラスニッチですが、これまでサイド攻撃中心の代表チームでは輝きを見せませんでした。しかしこの試合に来て、ようやくプルショとのコンビネーションが確立した感があります。

後半からクラスニッチを代えてオリッチ、プレティコサに代えてディドゥリツァを投入します。47分、アウフハウザーのシュートはGKディドゥリッァの正面。53分、シュトランツルがCKをクリアしたところをクラニチャールがミドルシュートを放ちますがGKの正面。3点目は55分でした。クラニチャールからボールを受けたバビッチが左サイドからコースを探ってのミドルシュート。ボールはDFシャーナーの背中に当たってコースが変り、ネット左に吸い込まれます。その後は完全にクロアチアがゲームを支配。60分にはスルナのCKからオリッチがヘディングシュート。地面に叩き付けられたボールはクロスバーを越えます。69分、途中交替で入ったバラバンが正面25mのFKを右に決め、4-1と更にリードを広げての完勝となりました。

試合後、ズラトコ・クラニチャル監督は会見にて以下のようにコメントしています。
「まず何より選手の試合への取組み方、プレーの組織ぶり、プロ意識に満足している。もちろんミスには気づいているし、それは練習で修正していくつもりだ。でもそれは細かい部分だよ。前半、オーストリアは攻撃的にプレーしたために、私たちが突破するのは楽ではなかった。組織的なプレーを通しながら、私たちは個人能力で全てを解決する可能性へと至った。活躍した選手としてはクラスニッチ、プルショ、オリッチ、バラバンの名前を強調したい。それはFWの選手選択を誤らなかったという証明だ。
唯一心配していたのは選手の疲れだ。5日間で10回のトレーニングをこなしただけに疲れてないかと心配した。けれども後半には控え組にも素晴らしいメンバーがいることを見せられたのは大きな収穫だ。途中交替した選手達はきちんと代わりを務められるたからね。
ゴールキーパーに関しては何の問題も発生していない。プレティコサは誰でも起こるようなミスからゴールを許してしまった。今の彼は落ち込んでないし、落ち込む必要もない。私の考えの中では何も変わらないし、プレティコサのステータスもあのゴールのあとで変わることはない。私たちには三人の優秀なゴールキーパーが揃っているから。
(ルカ・モドリッチが先発から外れたことについて)
彼はかなり疲れていることはトレーニングでも感じ取れた。モドリッチは途中交替で入ってから他の選手同様に良いプレーをした。私のチームは11人からではなく、ここにいる24人全員がなるチームだ。」

P1100674 このところ試合もテレビの仕事で行くことが多く、日本戦までは仕事が続くわけですが、今回だけは気楽にサポーターとして友人と観戦に行ってきました。ク ロアチアのサポーターは1万人近くいましたが、その殆どがオーストリアやその近辺に住むクロアチア移民。そのため客席もクロアチア語よりドイツ語が飛び交っていました。応援の仕方もクロアチアとは異なって幾つかはゲルマン化されているわけですが、そんな中で発炎筒の大量の投げ込みや国歌に対してのブーイング(その国で世話になっているくせして)などはクロアチア以上にマナーが悪く、苦笑いしてしまいました。

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