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2006年6月 1日 (木)

親善試合「クロアチアvs.イラン」

5月28日、オシエクのグラツキ・ヴルト・スタジアムで親善試合「クロアチアvs.イラン」が行われました。ワールドカップ前では唯一国内で行われる親善試合であり、オシエクでは4年ぶりの代表試合となるためチケットは完売。約2万人の観客で埋め尽くされました。

P1100751 クロアチアのスタメンはオーストリア戦で全く同じ。守備的MFのトゥドール、コヴァチ兄は前々日まで別メニューをこなしていただけに正直なところ無理な起用といえましょう。GKブティナはまだ調整不足、DFシムニッチは左膝の故障のため外れました。スタメン(3-4-1-2)は以下のようです。
GKプレティコサ-(右から)DFシミッチ、コヴァチ弟、トマス-MFスルナ、トゥドール、コヴァチ兄、バビッチ-クラニチャール-FWプルショ、クラスニッチ
クロアチア人指揮官ブランコ・イヴァンコヴィッチ氏が指揮するイラン代表は、右MFマハダビキアが背中の怪我で欠場。スタメン(4-4-2)は以下のようでした。
GKミルザプール-(右から)DFカエビ、ゴルモハマディ、レザエイ、ノスラティ-MFティムリアン、ザンディ、ネクナム、カリミ-FWダエイ、ハシェミアン

序盤は拮抗した両チームでしたが、次第にアグレッシブな守備を見せるクロアチアが主導権を握ります。左のバビッチ、右のスルナによる攻撃が冴え、とりわけスルナとカリミのマッチアップは親善試合の枠を超えた激しいものとなりました。
16分、ニコを基点にクラスニッチ、バビッチと中央でパスが繋がり、バビッチは左から突っ込んだプルショへとスルーパス。プルショのシュートはDFレザエイに防がれます。20分にはスルナの右FKにトゥドールがシュートするもののGK正面を突きました。
P1100759 均衡が破れたのは21分、それまで劣勢だったイランはハシェミアンによる左サイドのドリブルでDFラインがずるずると後退し、ペナルティエリアのノスラティへ。シュートは蹴り損なったものの、ファーポストにいたカリミへと届き、これを叩きこんでイランが先制します。この時にニコ・コヴァチが太股の張りのため負傷退場、ヴラニェシュが代わりに入りました。
29分、スルナの右CKにクラスニッチが至近距離でシュートするもののゴールラインにいたカエビがクリアに成功。決定機を失敗し続けたクロアチアでしたが、31分、ヴラニェシュがスペースへと走りこんで右クロスを上げると、ブレーメンでのチームメイトであるクラスニッチがファーサイドでヘディングで落とし、クラニチャールがチョコンと足で背後へと流したところへプルショがズドンとシュートを決めて同点に追いつきます。
試合開始前は晴天だったもののゴール直後から10分ほど大雨にたたられ、スタンドに屋根のないスタジアムだけに観客はびしょ濡れとなりました。一方、イランは34分にカリミが右からシュートを放つも左ポストを逸れ、42分にはダエイのミドルレンジによるシュートもバーを越えていきました。

右足首の調子が良くないトゥドールに代えて左の守備的MFにモドリッチ、同じく膝に違和感を覚えたトマスに代えてトキッチが後半頭から起用されます。イランも前半で負傷したカリミとザンディが交代。
55分にモドリッチのスルーパスからクラスニッチのシュート、56分にはバビッチの左CKからヴラニェシュのヘディングシュート、58分にはスルナの右サイドからの強烈なシュートが放たれますが、全てGKとDFが好反応でクリアします。
後半は司令塔クラニチャールが雑なプレーに終始。クラニチャールのパスミスや技の失敗の度にスタンドからは大ブーイングが浴びせられました。イランは俊足FWのボルハニとカゼミアンを投入し、カウンター攻撃に徹していきます。
67分、コヴァチ弟とプレティコサの間で連携ミスが起き、無人のゴールに向けてネクナムがループシュートを放つもののボールは枠を捉えることができませんでした。82分、今度はトキッチが自陣内での不用意なサイドパスをボルハニがカットすると、そのままフェイクを入れてシュートを決めてイランが勝ち越しに成功します。
クロアチアの守備崩壊はまだ続き、87分にマダンチがあっさりとスルーパスからGKと一対一となりますが、誤審によるオフサイドで取り消されます。ロスタイムは異様に長い5分。94分、前方へと蹴り込まれたボールをGKミルザプールがファンブルしたところにオリッチが突っ込み、ミルザプールが足を掴んだとしてPKの判定。これをバビッチが決めて何とか同点に追いつくことに成功してタイムアップ。
クロアチアの審判団に助けられた後味悪い試合となりました。国際試合では第三国が笛を吹くのが常識ですが、核問題で揺れるイランはスイスやチュニジアと予定していた親善試合がキャンセルされるなど国際社会から締め出されつつあります。この試合で主審を務めたのは国際審判であり、クロアチアで名物審判であるジェリコ・シリッチ氏。シリッチ氏は定年を迎え、クロアチアvs.イラン戦が引退試合でありました。地元オシエクの出身だけに、最後はクロアチアへの大サービスということかもしれません(苦笑)

P1100724 試合後、ズラトコ・クラニチャール監督は記者会見にて
「調子を上げなくてはならない選手を知るために、現段階でこの親善試合を迎えたことはとても有難い。選手達は疲れていた。前半の私たちは高いリズムでとても良かったが、後半はリズムが落ちてしまった。でも私は本当に満足している。」
とコメント。お粗末なプレーで観客のブーイングの対象となったニコの出来について聞かれると
「全員がワールドカップに向けて調子を上げる必要がある。しかし、ニコのプレーについては満足している。私が要求していたことをこなしていたからね。」
と語り、クロアチアのジャーナリストの中ではため息が出てました。またニコに対してのブーイングの起きたこと自体を聞かれても、
「私達が望んでいた全てを彼は実現していたし、ミスはあったとはいえプレーの質はまずまずだった。」
と回答の焦点をずらしてしまいました。
ニコ・クラニチャールは試合後のコメントで
「我々は本当の姿ではなかった。プレーの中で私たちは数多くのミスをしたが、ドイツで起こるよりは今に起こった方が良いだろう」
と語り、自分のプレーについては触れませんでした。

またイランのイヴァンコヴィッチ監督は
「プレー内容と結果で私はとりわけ気分がいいよ。クロアチアは高く評価され、野心のある相手国のホームにて2-2で終えたことは、選手とっても大きな自信となるだろう。試合の終わりに起きた出来事はコメントできない。ある人はPKは存在したと言うし、ある人は逆を断言している。私はシリッチの判定に不幸を感じた自分の選手達のことを信じている。でも私はシリッチの豊富なキャリアを祝福したいし、今後のスポーツ人生の幸運を願っているよ。」
とコメントしています。

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コメント

いつも貴重な情報をありがとうございます、お仕事お忙しそうですね。
お体にはお気をつけて頑張ってください、現地情報や長束さんならではの情報をとても楽しみにしています。

さて、私もイランとの親善試合をテレビで見ました。
選手全員の動きが重そうなのがとても気になりました。
そして、クラニチャールはどこにいるのかわからないくらい、動いてなかったですね。
中央にいたであろうクラニチャールを越えて、サイドのバビッチとスルナがガンガンクロスを上げていたのがとても印象的でした。

やはり、親善試合組み過ぎですか?
選手達のコンディションがとても心配です。
そして、個人的な関心はモドリッチに集まっています、彼には大活躍して欲しいです。

投稿: ふぃ~ばぁ~。 | 2006年6月 4日 (日) 21時07分

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