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2006年6月26日 (月)

クラニチャール監督を擁護するサッカー協会長

ワールドカップ後のクロアチア国内の状況をお伝えしましょう。

Markovic クロアチアのグループリーグ敗退を受け、クラニチャール監督とサッカー協会に批判が集中しております。そんな中、クロアチア・サッカー協会長のヴラトコ・マルコヴィッチ(写真)がクロアチア・メディアに口を開きました。いかにメディアがクラニチャール監督辞任にこだわっているか解ると思います(それに対して、日本のメディアは川淵会長に手ぬるいこと.......)。

-我々が決勝トーナメントに進めなかった最大の犯人はクラニチャール監督なのか?
「絶対に私たちは決勝トーナメントに進む知識と可能性を持っていたのに、ゴールと運に恵まれなかったのは明らかだ。けれども、ワールドカップ出場が大きな成功なんだ。」

-しかしワールドカップ出場では何も残せなかった。少し質問の形を変えよう。監督はドイツにおける完全な不成功の後に去る必要はあると思うか?
「私たちは先へと進まねばならなかった。決勝トーナメントに進めなかったことは大きな失敗だと捉えている。しかし、監督への指令はチームをワールドカップへと導くことだった。就任以前からクラニチャールを最も支持していた人達の中にジャーナリストもいたと私は思う。けれども今はジャーナリストが彼を否定している。
私は一晩で考えを変えるような人間ではないよ。誰にするかと決定したならば、私はそれを守り続ける。しかし、(継続は)私だけが決めることではない。監督は詳細な大会レポートを報告しなければならないし、最高委員会にも通らなくてはならない。今の状況はそんなところだが、クラニチャールは私の大きな支持を得ているし、この先も監督だ。」

もしクラニチャールが欧州選手権予選の最初の二試合で敗れるようなことがあったとしても、貴方の支持を得られることになるのか? 致命的な状況になっても彼を信じるというのか?
「予選では強いチームと対戦するし、誰が相手となって楽に勝てないのは間違いない。けれどもクラニチャールはワールドカップ予選で素晴らしい結果を残した。次の予選も最後に結果を残せるようにしなくてはならない。私たちはその試練を乗り越え、欧州選手権に行けるものだと確信している。」

ミルコ・ヨジッチは日韓ワールドカップの失敗の後に去り、オットー・バリッチも欧州選手権ポルトガル大会の失敗のあとに去った。なぜクラニチャールはドイツでの失敗後に去らないのか?
「彼ら全員が大会後に自ら辞表を出していった。君たちが辞任を謳い上げ、世論のプレッシャーが唯一の原因となったんだ。ヨジッチに関しては、監督に就任した時からワールドカップ後に去ると言っていたけどね。
私は君たちの質問に完全に答えることはできない。でもクラニチャールはプレッシャーと上手く付き合っていけるだろう。彼が何を思っているかは判らないが、正確でしっかりした人間だ。私にとっては全員が同様に美点と欠点を持っているものだよ。」

それは失敗の後でも去らないということか? それも美点や欠点であると貴方は考えているのか?
「私は彼が何を考えているか知らないと君たちに言ったはずだ。」

私たちは監督のことを思っているのではない。むしろ、ワールドカップでどこにも勝てなかった後に去らないことも美点であると貴方が考えているのかどうかと聞いているのだ。グループリーグではブラジルと一緒に決勝トーナメントに行くと考えていたわけでしょう?
「ワールドカップで起こったことはもちろん、私たちが到達すべき結果ではなかった。私たちもトーナメントにおける場所があったはずだ。
クラニチャールからは違うアプローチを私を求めるし、もっと彼をコントロールするつもりである。もしかしたら今までベンチ脇に私が立ってなかったことも間違いだったかもしれない。彼の辞任について繰り返して私に聞いたところでも、この先も彼であると言わねばならないよ。なぜ辞表を出さねばならないんだね? 私のサポートは続くし、欧州選手権にも進められると信じている。」

Cico 一方でクラニチャール監督(写真)はドイツに残り、25日にイングランドvs.エクアドル戦を視察しました。9月から始まる欧州選手権予選でイングランドが同組であることが理由です。

欧州選手権予選について聞かれたクラニチャール監督は
「予選グループは難しい、非常に難しいよ。けれども新たなサイクルにおいても多くが私たちを信じているものと見ている。イングランドとロシアはとりわけ危険だが、イスラエルも忘れてはならない。どのチームも強いが、予選を突破できるものと私は断言する。ワールドカップ予選前でも貴方たちは私たちが消えるものと書いたが、実際はスウェーデンとブルガリアよりも上だった。少なくともイングランドとロシアの二つの代表を相手にして、どちらか一つより私たちは上となるだろう。」
と語りました。

膝に問題を抱えるプルショや高齢のニコ・コヴァチが代表引退をほのめかしているわけですが、クラニチャール監督は
「選手達が代表を去ると言った、と君たちが記事にしていることは聞いている。けれども、まだ一人の選手も私に"もう代表でプレーはしたなくない"と言ってきてはない。全員を考慮にしているし、新しいアイデアも持っている。」
と答え、ワールドカップ出場リストで最後に落としたディナモ・ザグレブFWのエドゥアルド・ダ・シルヴァに関しては
「もちろん、彼は今まで我々の活動に名前を連ねていており、召集するつもりだ。しかし問題なのはズドラヴコ・マミッチ(副会長)が彼を代表に手放すかどうかだ。私が監督である以上は手放さないかもしれない。決して判らないよ。」
とコメントしています。
マミッチはダ・シルヴァの落選に際してクラニチャール批判を大展開し、またクラニチャール監督も息子ニコをディナモから追い出したマミッチへの恨みがあります。本大会でモドリッチの起用が少なかったことですら、この二人の対立が原因とも考えられ、これからも二人の闘争が代表チームに悪影響をもたらしそうです。

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コメント

二人の対立のせいで実力のある若手が
日の目を浴びる機会が少ないというのは、
悲しい事だし、すごく馬鹿らしい事
だと思います。いい大人なんだから
子供の喧嘩のような事をするのは
辞めて欲しいですね。
二人にとってはただの意地の
張り合いかもしれませんが
巻き込まれる選手にとっては
ものすごく迷惑な事だろうし、
選手生命を左右してしまう事も有り得ると思います。
モドリッチはワールドカップで出場の時間は短かったですが
よく走るし積極的にボールを取りに
いっていたし、活躍していましたね(´∀`)
スピードもピカイチ!あんなに
ダッシュしてボールを奪っても
次の瞬間きちんと周りを見てパスを回している所は流石だと思いました
しかし、モドリッチはクロアチア国内から
すごく実力を評価されているみたいですが
移籍情報を見させて頂いて思ったのは
一つも名前が出ていないと
いう事です。やはり国外では
まださほど実力が評価されていないのでしょうか?
それとも単に本人やチームが
オファーを断っているのでしょうか?
気になります……

あと、サッカーニュースを毎日更新して下さってありがとう
ございます。いち早くクロアチアのサッカー情報が
分かるので毎日わくわく楽しみにして見ています☆☆
これからも大変だと思いますが体などに気を付けて頑張って下さい
ではでは(^-^)/

投稿: みみっち | 2006年7月 5日 (水) 04時29分

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