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2006年7月15日 (土)

ズラトコ・クラニチャール監督更迭

Cico_1 7月14日、クロアチア・サッカー協会の最高委員会がズラトコ・クラニチャール代表監督(写真)の処遇に関して会議を行い、7月31日の契約切れをもって監督の座を下ろされることが決まりました。

前日には7人による専門委員会の会議が行われ、クラニチャール監督とスタッフ陣の予選の戦いぶりは評価するものの、ワールドカップは不成功との見解でまとまりました。しかし、専門委員会はクラニチャール監督の契約継続か否かの判断は最高委員会に委ねておりました。
最高委員会では19人のメンバーのうち14人が出席。クラニチャール監督は45分に渡って大会の報告と質疑応答を行い、その後は委員だけの話し合いに。その結果、クラニチャール監督の更迭が満場一致で決まりました。新監督は6~8日後に決めることにされています。ちなみに最有力候補は前イラン監督のブランコ・イヴァンコヴィッチ氏です。

クラニチャールは監督契約の際、ワールドカップ出場が契約更新の必要条件とされていましたが、その条件はクリアしていたにもかかわらず、本大会における結果と内容の酷さで国民の信用を失ってしまい、彼は"不運"だけで敗退理由を片付けたことが問題となっていました。
クラニチャール監督の成績は2004年7月の就任以来、親善試合を含む25試合で11勝8分6敗(42得点・25失点)。公式戦での敗北はワールドカップのブラジル戦のみでした。そのブラジル戦は好戦として国民を熱狂させたわけですが、日本戦とオーストラリア戦の惨めなドロー劇で評価を下げてしまいました。

マルコヴィッチ会長の後ろ盾を信じていたものの、最後は詰め腹を切らされたクラニチャールは
「更迭は起こらないよう望んでいた。マルコヴィッチ会長には何も文句はない。けれども彼が新契約を結ぶと公に発表してなかったならば、違う結果になっていたかもしれないね。
更迭の知らせに失望はしていない。顔を上げて去るよ。なぜなら2年間の公式戦で、7勝5敗にたった一つの敗北という結果を残したからだ。ワールドカップにクロアチアを連れていくことは計画通りに成し遂げたと思う。代表に新たな選手を入れたし、新監督は私が受け持った時よりも楽に仕事ができるだろう。
15年間、プロの監督としてやってきたから、悪い知らせを受け入れることも解っている。選手としても監督としても最高の仕事をしようといつも努力してきた。クロアチアはワールドカップでも多くのものを成し遂げたと確信して私は去るよ。我々の目標は決勝トーナメント進出だと(契約の)どこにも書かれてないが、達成できなかったために私は去らねばならないんだ。」
と語りました。

これまでクラニチャールをかばい続けていたものの、あっさりと彼を切ってしまったマルコヴィッチ会長は
「ワールドカップでのクロアチアは不成功ではないとクラニチャールがきっぱりと断言したことが最も更迭決定に影響した。ここ最近の15日間の彼はメディアと世論に衝突し、監督としての振る舞いに相応しくなかった。全てのことに私は嘆いているが、私たち二人は話し合った。これからも友人であり続けるだろう。私にとっても楽ではなかったよ。クラニチャールの存在は私にとって大きな意味があるからね。しかしそれが監督の人生だ。協会の利益のためにも自分の感情は押さえなくてならなかった。」
と白々しく答えています。

監督更迭の知らせを聞いたMFダリヨ・スルナは
「クラニチャールの監督交替は私に最も罪がある。」
と、日本戦のPKを外した自分を責めております。
またクラニチャールの師匠に当たるミロスラフ・ブラジェヴィッチは
「本当に残念だ。いつも私は彼を支持していた。なぜならクラニチャールを信じていたからだ。ヴラトコ・マルコヴィッチ会長がクラニチャールをこのように切ったとは本当に恐ろしいよ。彼はクラニチャールが残留すると叫んでいたじゃないか。」
とコメント。
また外敵に当たる前監督のオットー・バリッチは
「もっと酷い状況で私は監督のポストから外された。当時も今も私を変える必要はあったとは思っていない。クラニチャールは監督を続け、ミスを修正すべきだった。何が悪くて、どう修正するか間違いなく彼が最も知っている。後継者? 唯一考えられるのはブランコ・イヴァンコヴィッチだ。」
とコメントしております。
またディナモ監督のヨシップ・クジェは
「これまでに起こった全てのことを考えれば、監督交替は予想されたものだ。しかしそれが正しい決定だったかは先にならねばね。新監督の選択はクロアチア・サッカーにとって最も重要なことだ。」
と語っています。

私自身の考えとしては、クラニチャールは監督を継続すべきでした。息子ニコへのエコ贔屓だけ眼をつぶれば、彼は常にポジティブな思考と自信を選手にもたらし、守備に偏向していたクロアチアに攻撃の重要性を唱えた人物でありました。また人格も極めてオープンで、ジャーナリストとも上手くやっていく人物でありました。グループリーグ敗退後に手の平を返したように叩き出した国内メディアには正直辟易しておりましたし、監督の首を差し替えたところでも事態は好転しないでしょう。今大会のグループリーグ敗北の最大の理由は、収益を得るため大会前に親善試合を詰め込んだサッカー協会にあり、それで選手が疲れてしまっていたのは明らかでありました。

個人的にはクラニチャールによく可愛がってもらったために寂しさはありますね....。

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コメント

自分もクラニチャール監督はニコ問題を除けば、しっかりとワールドカップの切符を得たし、短時間でチームを作り上げたし、非常に良かったと思います。
 後任はイヴァンコヴィッチが有力なようですが、自分の友人の自称イランサッカーマニアにはあまり評価良くないないみたいですが(笑)

投稿: サンティ | 2006年7月15日 (土) 12時11分

自分も、ニコ問題(周囲との摩擦)がニコの成長も阻は
、代表の雰囲気も悪くする事が問題だと思いますが、それ以外については、チーム自体がオーガナイズされていて非常に良かったと思います。
オシム監督が言うように、thinking speedが遅く、連携して攻める事ができない。という欠点はあったと思いますが、今後、ニコorモドリッチの成長によって、解消される問題だと思っています。

親善試合が多すぎるため、日本戦、オーストラリア戦と良い出来ではなかったですが、他の試合でのパフォーマンスは納得行くものでした。

後任の人材がいないだけに残念です。

投稿: alena | 2006年7月16日 (日) 03時05分


w杯では、クラニチャール監督、大変情熱的に指導していて良かったと思いましたが、決勝戦にいけなかったのは大変残念でした。

でも、w杯に出場したし、選手も凄く強いように思えたんですけど。サッカーの世界って、よく分かりません。でも、他の監督によって今いる選手達がもっと強くなって伸びると思うとなんだか交代もしょうがないかなと思います。 

投稿: sara | 2006年7月17日 (月) 22時31分

ダリヨ・スルナ様、自分を責めないでください。
監督の更迭はあなた一人の責任ではないです。一番罪が大きいとも思いません。
日本の片隅でクロアチアとスルナ様を応援していますから、悲しい出来事に負けないでください。
(って、クロアチアの言葉で彼に手紙を書いて送れたらいいのにと思う)

投稿: evenstar | 2006年7月18日 (火) 15時53分

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さて、総括する前に次期監督を決めてしまった日本サッカー協会ですが、やっとワールド [続きを読む]

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