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2006年8月17日 (木)

クロアチア、イタリアとの親善試合に勝利

8月16日、イタリアのリボルノで親善試合「イタリアvs.クロアチア」が行われました。
クロアチアはスラヴェン・ビリッチ、イタリアはロベルト・ドナドーニが新監督に就任して初めての指揮となります。(写真はJutarnji.comより)

ビリッチ監督が採用したシステムは4-3-3。センターバックを組ませるロベルト・コヴァチとトゥドールが揃って足首の怪我。また次の欧州選手権予選・対ロシア戦でシムニッチとシミッチがサスペンションということもあり、ディフェンダーの組み合わせに苦心することになりました。
最終的にはロシア戦では使えないシムニッチをセンターバックにし、リエカのクネジェヴィッチとコンビを組ませました。ディナモ・キエフではリベロを務めるサブリッチが右サイドバック。またバビッチが左サイドバックでの起用を拒否しているために、追加召集のシェーリッチが左サイドバックに入りました。
中盤はセントラルMFにニコ・コヴァチ。左がモドリッチで右がスルナ。この左右は状況次第でポジションを繰り返してました。
前線は3トップ。左にラパイッチ、右がエドゥアルド。そして真ん中がクラスニッチ。こちらもラパイッチが右へ、エドゥアルドが左へと途中からポジションチェンジをしております。二人とも守備参加には積極的でありました。
GKプレティコサ-(右から)DFサブリッチ、クネジェヴィッチ、シムニッチ、シェーリッチ-MFスルナ、ニコ・コヴァチ、モドリッチ-FWエドゥアルド、クラスニッチ、ラパイッチ

一方のイタリアはワールドカップ優勝メンバーが遅れた休暇を貰っていたことから、第3GKのアメリア以外はごそっと抜けました。実質はサードチームといって過言ないチームでありました。スタメン(4-3-3)は以下のようです。
GKアメリア-DFゼノーニ、ファルコーネ、テルリッツィ、キエッリーニ-MFデルヴェッキオ、リヴェラーニ、アンブロジーニ-FWロッキ、ルカレッリ、エスポジト

Modric_1 クロアチアはFWからDFまで間延びしたことで選手間の距離が随分と広く、個人で仕掛けていくスタイルは変わりないわけですが、チームの完成度の低さはイタリアにも言えること。ピッチも悪く、ファウルも目立つ荒い試合となったとはいえ、クロアチアは急増ディフェンスラインとGKプレティコサがよく守りました。
11分、中央のリベラーニからラインが崩れた左のロッキへとスルーパス。1対1になりますが、GKプレティコサがシュートをセーブ。13分にもリベラーニが縦に放り込んだところをロッキがボレーシュートを放つものの、ボールはバーを越えていきます。
コンビネーション不足でパスが続かないクロアチアではありましたが、中盤でモドリッチ(写真)とスルナが運動量をもってして攻撃に絡みます。18分にはエドゥアルドから折り返したボールをモドリッチがミドルシュート。ボールはバーを越えます。19分、バイタルエリアでの混戦からパスがロッキに通るものの、またしてロッキのシュートはGKプレティコサがセーブしました。
試合が動いたのは27分。エドゥアルドが中央をドリブルし、左サイドのスペースへ流れたモドリッチにボールを送ると、モドリッチはボールに追いつくと同時に後ろへヒールキック。そこを背後から上がってきたシェーリッチがフリーでクロス。ファルコーネとテルリッツィに挟まれながらエドゥアルドはピタリと頭で打点を合わせ、ボールはゴール左へと吸い込まれクロアチアが先制します。
34分、デルベッキオが荒いタックルをモドリッチにかますと、怒ったスルナとコヴァチが二人でデルベッキオを背後から削りに。それをきっかけに両チームの選手達がもみ合いになります。リベラーニがスルナを叩き、続いてコヴァチがリベラーニを叩き、その後にテルリッツィにど突かれたラパイッチが興奮。最後はスルナとテルリッツィ、リベラーニがイエローカードを貰いました。
40分、イタリアはパス交換からアンブロジーニがグラウンダーのミドルシュートを放つものの、プレティコサがキャッチ。その2分後、右でドリブルでゴールの方向へと向いたラパイッチが30mの距離からミドルシュート。ボールは回転せずに落ちたため、右へと飛びついたGKアメリアはキャッチミス。こぼれたところをモドリッチが詰めてシュートを決め、クロアチアが2-0と突き放します。

後半頭からクロアチア3人の選手を投入。ビリッチ監督はクラニチャールを"彼はトップ下の選手ではない。相手を背にしてボールを貰うのは不得手で、前へ向いた状況から仕掛けるタイプの選手だ。ポジションは右MFもしくは左MFの選手"と評価しており、スルナとの交替で左MFに入りました(モドリッチが右へ)。コヴァチの代わりにイェルコ・レコ。また最終ラインはチョルルカがシェーリッチに代わってセンターバックに。空いた左SBにシムニッチがずれます。シムニッチの左SB起用はトゥドールとロベルト・コヴァチが戻った時のオプションともいえましょう。
後半のイタリアは前半以上に前掛りになるものの、ゴール前での決定力とアイデアに欠けます。53分、リベラーニからDF陣を頭を越すパスがセミオリに届くものの、シュートは力なくGKプレティコサの正面。
61分にはエドゥアルドがドリブルから併走したクラスニッチへパスを通すと、ヒールでの折り返しからエドゥアルドが近距離でシュート。しかし、これはテルリッツィがスライディングでクリアします。62分にはペナルティエリアのパス交換から途中交替のペトリッチがシュートするも、ボールはバーの上に。68分にはペナルティエリアで二人のDFをフェイントで交わしたモドリッチがゴール左上に狙いすましてシュートを放ちましたが、GKアメリアがワンタッチで逃れます。
イタリアは79分、左クロスからディ・ミケーレがオーバーヘッドシュートを試みたものの、ボールは右ポストを逸れていきます。88分にもディ・ミケーレが巻いてのミドルシュートを放ちましたが、ボールは同じく右ポストの外へ。その直後にバラバンがペトリッチの戻しからミドルシュートを狙うものの、GKアメリアが好反応でセーブ。続いてオリッチのマイナスの折り返しにバラバンがシュートするも、ボールはDFの足に触れてからポスト脇へと逸れていきました。
試合はこのままタイムアップ。チャンスを活かしたクロアチアと、活かせずに終わったイタリアの差が出てしまいました。イタリアはこれで戦後のクロアチア相手に2分3敗(1942年のクロアチア独立国相手に1勝のみ)。クロアチアにとっては相性の良さもあったかしもしれません。クロアチアとしてはロシア戦のディフェンス陣にクネジェヴィッチとチョルルカが計算できる働きを見せたこと、またモドリッチがチームの中核になることが明確になった試合でありました。ラパイッチもアクセントになっていましたし、エドゥアルドもまずまず。ただ、クラスニッチが相変わらずチームと絡めないのは変化ありません。クラニチャールはいつも以上に走っていたとはいえ、プレーのムラは見られました。これから個々の特徴をどのように一つのチームに束ねていくか、ビリッチの手腕に期待したいところです。

また15日にはU-21の親善試合「イタリアvs.クロアチア」がイタリア・グロセットで行われています。ビリッチに代わってU-21代表監督に就いたドラジェン・ラディッチは、以下のスタメン(4-2-3-1)で試合に挑みました。
GKスバシッチ-DFムイジャ、イプシャ、ヴチュコ、バルトゥロヴィッチ-MFブルクリャツァ、ポクリヴァツ-リヴィッチ、ディニャール、イェルテツ-FWブシッチ
かつてインテルで活躍したピエールルイジ・カシラギがアッズリーニ(イタリアU-21代表)の新監督に就任。アッズリーニは過去2度、U-21欧州チャンピオンになっていますが、クロアチアは互角の戦いを見せました。結果を言ってしまえば0-0でありましたが、テクニックと戦術面がしっかり整っていたとのこと。とりわけ前半が良かったようです。
ラディッチ監督は
「前半の殆どは明確なプレーができていたし、私たちが望んでいることが実現できていた。試合を通して相手と互角に渡りあった。前半のような戦いをソフィア(ブルガリア戦)で見せなくてならない。布陣も良かったし、動きも正確だった。とはいえ、ゲームの入り方やパスプレーに関しての批判を私は持っている。もしかしたら私が余りに批判めいているかもしれないけどね。振る舞いと義務をきちんと果たした選手達にはおめでとうと言いたい。引分けは私たちにとって素晴らしい結果だ。なぜならイタリアは親善試合の意味合いを抜きにしても"ネコの咳"(楽な相手)ではないからだ。」
とコメントしています。

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コメント

いつも貴重な情報をありがとうございます。

モドリッチがチームの中核となるんですね。
それはそれでとても楽しみです。
世代交代が徐々に進み始めているんだなという印象を持ちました。

投稿: ふぃ~ばぁ~。 | 2006年8月17日 (木) 20時59分

はじめまして。このようなすばらしいサイトがあったなんて初めて知リました!今後とも貴重な情報お願いいたします。
ちなみに私はモドリッチとクラニチャールの共存が楽しみで仕方ありません。90分みたいです。クラニチャールのスタミナが心配ですが・・・。
巷ではクラニチャールが叩かれていますが、世界でも屈指のプレイヤーだと思っております(本気を出せばですが)。

投稿: クロッチョ | 2006年8月18日 (金) 20時52分

こんばんは! いつも細めに覗いています。楽しいブログをありがとうございます。

あの、今回の親善試合のテープでも、DVDでもいいのでどなたか
ゆずってもらえないでしょうか? どうしても欲しいです!
著者の、長束さん、どうにかならいでしょうか? お願いします!

投稿: Lucy | 2006年8月18日 (金) 21時06分

おもしろいレポートを楽しく読んでいます。
イタリアとの親善試合、やっぱりクロアチアが勝利したんですね。よかったです。

本当に、インターネットも衛星放送もあるのに、見たい試合の一つも見られないって・・・どうなんでしょうね。

投稿: 夕星 | 2006年8月20日 (日) 22時09分

クロッチョさん 
そんなのみんな同じきもちだよ~!!
私もモドリッチが活躍した場面とか超みたいもん!!
日本でもクロアチアの試合をもっと放送してほしいですよね(泣)
ちなみにパソコンで調べると少しだけですが
映像が見られますよ~~!ってか、しゃしゃってすいません。では☆
あっあと長束さんこれからも是非
クロアチアいう土地で立派に自立してらっしゃる日本人代表として活躍し続け下さい★
自分は最近クロアチア語
を勉強し始めた者です。いつになるか分らないけど
夢はクロアチア語と日本語の通訳です
クロアチアで立派に活躍してらっしゃる長束さんを
マジ尊敬してます!!つ-か目標です!
いつかクロアチアでサッカ-のお仕事でご一緒出来ることを願ってます。(@^v^@)
長くなりましてすいません。それでは☆

投稿: 鉄板確定777 | 2006年8月20日 (日) 22時37分

すいません。。
クロッチョさんではなくてLucyさんへでした~↓

投稿: 鉄板確定777 | 2006年8月20日 (日) 22時42分

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