ディナモ、オーゼールに惨敗
9月14日、UEFAカップ一回戦「ディナモ・ザグレブvs.オーゼール」がザグレブのマクシミール・スタディオンで行われました。32,000人と予想以上の入りで、先のアーセナル戦で負けず劣らないサポーターの熱い応援に包まれました。
過去2回欧州カップで敗退した雪辱を晴らそうと、ディナモは試合前に合宿を組みました。DFノヴォトニーとMFチャゴは怪我の復帰が間に合わず、以下のスタメン(4-3-2-1)となりました。
GKトゥリーナ-(右から)エトー、チョルルカ、マミッチ、ツヴィタノヴィッチ-MFブリャト、ヴコイェヴィッチ、アギッチ-モドリッチ、ヴグリネツ-FWエドゥアルド
一方のオーゼールは移籍期限にリヨンからMFペドレッティを獲得。以下の布陣(4-5-1)を組んでいます。
GKコール-DFサーニャ、カブル、ミニョ、ラデ-イェレン、ペドレッティ、シェイル、カーレンベルグ、アカレ-FWニクラエ
最初の12分はディナモが積極的に仕掛けます。11分、ブリャトが右クロスを入れるとゴール前のヴグリネツがポストのようになって背後のエドゥアルド(写真右)がボレーシュート。しかしボールはクロスバーを叩きます。1分後にはモドリッチとのパス交換からヴグリネツがスルーパスをエドゥアルドへ。死に体となっているGKコールと一対一になったにもかかわらず、エドゥアルドは何を血迷ったのかループシュートの蹴り損ねをGKの正面に蹴ってしまいました。
二度に渡るビッグチャンスを逃したディナモは神経質になってしまい、パスミスや方向性の見られない攻撃を繰り返し、その度に速いミドルパスを繋ぐオーゼールのカウンターの餌食になります。43分にポーランド代表のMFイェレンが右サイドからドリブル突進すると、DFはズルズルと後退して寄せが甘くなり、30mの距離からミドルシュート。GKトゥリーナはパンチングしようにも目測を誤り、ボールはネットを突き刺してオーゼールが先制します。その1分後、ブリャトのヘディングシュートは枠を捉えるもののの、ゴールラインのペドレッティがクリア。ロスタイムにはニクラエが左サイドからシュートを放ちますが、GKトゥリーナがセーブしました。 後半からディナモはアギッチに代えてFWアンデルソンを投入。ディナモはゲームを取り戻そうと、51分にチョルルカのヘディングシュート(バーの上)、54分にはエトーのクロスからヴグリネツがシュート(GKがセーブ)を試みます。67分、ツビタノヴィッチが左クロスを入れると、アンデルソンがヘディングが落とし、シュートを狙ったヴグリネツ(写真)とGKコールが交錯。こぼれたところをエドゥアルドが押し込んで同点に追いつきます。
しかし、希望はあっさりと打ち破れました。72分、ペドレッティのスルーパスがマミッチの足に当たってルーズボールとなると、ブリャトがクリアに失敗してボールは背後にいるゴール前のニクラエへ。そのままシュートを決められてしまい、1-2と突き離されてしまいます。その後はオーゼールが押し気味に試合を進め、危険な場合を何度も作られ、ディナモは1-2のままで終わるのがやっとでありました。
1989年のUEFAカップ予備戦でディナモを指揮し、オーゼールを前に1-0、1-3で敗北しているヨシップ・クジェ監督は試合前に「私にとって最重要な試合だ」と位置づけていただけに、この試合結果と内容には堪えたようです。
「貧弱なプレーをしたということは、準備段階で私たちは失敗したという事実があるのだろう。もしくは私が間違えたかだ。違う結果になりえたと断言したならば、私が狂っているか、もしくはナルシストだと思われるだろうね。とはいえ、私は選手にもっと期待をしていた。」
と苦しいコメントを残しています。
第2戦は9月28日。第1戦でもベンチにDFの選手がいないほど苦しい状況にもかかわらず、チョルルカが次は累積警告で欠場。ノヴォトニーも復帰が間に合わず、欧州の舞台から去る可能性がかなり高くなっています。
(写真は落胆するモドリッチ)
クロアチア一部リーグ「NKカメン・イングラッド」会長で、クロアチア・サッカー協会副会長であるヴラド・ゼッツ氏が、自らが経営する建材業者カメン・イングラッド社の破産に伴って汚職と公文書偽造が発覚し、13日に逮捕されました。
今後3ヶ月間でNKカメン・イングラッドは買取先がなければ、チームが消滅することになります。買収からたちまち3部リーグから1部に駆け上がり、クロアチアで最も近代的なスタジアムをも作ったゼッツ氏でありますが、本拠地のあるヴェリカ市は人口2000人余りの小都市。チームの消滅は余儀なくされ、シーズン後半は11クラブでリーグが続けられることになりそうです。
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