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2006年10月 8日 (日)

アンドラ戦は7-0の大勝

10月7日、ザグレブのマクシミール・スタジアムで欧州選手権予選「クロアチアvs.アンドラ」戦が行われました。チケットの値段設定が10~30クーナ(200円~600円)と、11日のイングランド戦と比較して1/10以下に設定されたこともあって、相手を考えればまずまずの約1万5000人の観客が集まりました。

Elevenクロアチア代表はオリッチ、スルナ、サブリッチが怪我のため欠場。またラパイッチも足の怪我が完治せずベンチスタート。ビリッチ監督は"2-4-4に変化する"4-4-2システムを採用。ロシア戦では途中交替で右MFのポジションを務めたペトリッチをFWへと上げ、逆にロシア戦ではFWで出場したエドゥアルドを右MFへと下げました。スタメンは以下のよう。
GKプレティコサ-(右から)DFチョルルカ、シミッチ、コヴァチ弟、シムニッチ-MFエドゥアルド、コヴァチ兄、モドリッチ、クラニチャール-FWペトリッチ、クラスニッチ

一方のアンドラはFIFAランク160位、1994年のFIFA加盟以来の公式戦の成績が1勝2分39敗という弱小国。唯一の勝利は前回のワールドカップ予選でのマケドニア戦ですが、その時に得点を決めたFWベルナウスは所属のスペイン二部エルチェの試合に出場するために遠征に参加しませんでした。スタメン(5-4-1)は以下のよう。
GKアルヴァレス-DFアヤラ、エスクーラ、フェルナンデス、ソネイェー、ルビオ-MFガルシア、ヴィエイラ、プショール、シヴェラ-FWサンチェス

Petric この日の夜は"ペトリッチ・ショー"。所属バーゼルでも今季13得点とゴールマシンに化しているFWペトリッチ(写真)が、ゴール前を固めたアンドラを粉砕しました。
14分、コヴァチ兄の右クロスに対して、アンドラの最終ラインを上手く抜けたペトリッチがフリーでヘディングで合わせてクロアチアが先制します。その直後にも同じ形でクラニチャールのクロスからペトリッチがヘディングシュート、また19分にはエドゥアルドのクロスからペトリッチがボレーシュートを放ったものの共にポストを逸れてしまいました。
なかなか追加点を奪えない中、39分、ゴール前に浮かんだボールをシムニッチが左からヘディングで押し込み、ボールがファーポストに向かったところをペトリッチがヘディングで叩きこみ、2-0のリードで試合を折り返しました。

Modric_3 後半もペトリッチのゴールが続きます。47分、クラニチャールからの縦パスをペナルティエリア手前で受けたペトリッチは、反転しながら2人の選手をかわし、効き足の左足を振り抜くとボールは右のネットに収まり、ハットトリックを達成します。
その3分後にはクラニチャールが左サイドのクラスニッチに展開、グラウンダーで折り返したところに、またしてペトリッチが飛び込んでシュートを決めて4点目。
58分にはクラニチャールからモドリッチ(写真)にスルーパスが通ると、モドリッチは中央のクラスニッチへアシスト。クラスニッチはシュートし損ねたものの、器用にボールをネットへと送り込んで5-0。
61分、ペトリッチに途中交替が告げられると、スタンディングオベーションが起きました。ペトリッチに代わってピッチに入ったバラバンに対しては、ロシア戦前の「フォンタナ事件」(スルナ、オリッチ、バラバンが深夜に合宿を抜け出し、セルビア音楽のクラブから朝帰り。追放された事件)もあってスタンドから大ブーイング。しかし、わずか40秒でバラバンはチョルルカの右クロスからダイビングヘッドで6点目を決めます。
7点目は見事なコンビネーションからのゴールでした。83分、モドリッチが前方のバラバンにパス。バラバンはワンタッチのヒールでクラニチャールに渡すと、クラニチャールはフェイントを加えた短いドリブルで2人をかわし、背後から越えてきたモドリッチにスルーパス。フリーとなったモドリッチがきちっと決めて7点目。
公式戦では1995年のユーロ予選でエストニアに7-1で勝利したことがありますが、今回のは7-0は過去最高の得点差の勝利となりました。

Bilic_1 試合後、ビリッチ監督(写真)は
「私がここに来るよりも、2~3人の選手もしくはプレーした全員が来た方がいいのだろう。なぜなら彼らはそれに値するからだ。この大勝についてはまず彼ら選手達に感謝したい。また勝利に達するまでの道筋や、積極性、攻撃における責任を果たしたことについてもね。このような試合では2点取るまでは少し苦しむだろうと予想していた。2点取った時点でプレッシャーから解放され、あとは出来るだけの得点を決め、イングランド戦の前のルーティンワークへと変化した。
どんな相手でも7点取ることは楽ではない。私たちが大勝できることを証明しただけでなく、素晴らしい個々の選手がいることを証明した。しかし、まず何より私たちには素晴らしいチームがある。ペトリッチについては、彼のことを知らない人達だけが驚いているだけだ。毎日、ジャーナリスト達は練習を見学していることだろうから、ジャーナリスト達にとっては驚きではないと思っている。彼は素晴らしい選手だし、様々なポジションで起用できるポリバレントな選手だ。バーゼルにおける彼のゴールゲッターとしての調子を見て、FWに置くことを決めた。イタリア戦では私たちも少し彼に驚いたが、それ以来、彼には多くを期待するようになった。私たちはペトリッチ、クラスニッチ、バラバンから多くのゴールを期待してるし、彼らはそれを果たしてくれた。」
とコメントしています。

グループEは波乱が起こり、イングランドがホームでマケドニアとスコアレスドロー、またロシアもイスラエルと1-1で分けています。次は11日にザグレブのマクシミール・スタジアムで「クロアチアvs.イングランド」戦が行われます。

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