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2007年2月25日 (日)

エドゥアルドの二発で勝利/クロアチア・ダービー

2月24日、クロアチア・リーグ第20節が行われました。
Bbb  注目は何といっても、ディナモ・ザグレブvs.ハイドゥク・スプリトの「Hrvatski derbi」(クロアチア・ダービー)。勝点3でディナモを追うハイドゥクは、アウェーとはいえ勝ちにこなくてはなりません。一方のディナモは引導を渡す絶好のチャンス。マクシミール・スタジアムは30000人の観客で膨れ上がり、北と東のスタンドに終結したディナモ・サポーターのBBBと南スタンドに終結した3500人のハイドゥク・サポーターのトルツィダで、激しい応援合戦が繰り返されました。
毎回、ダービーとなると色々と問題が出てくるのですが、笛を吹くスヴィロコス主審がディナモのマミッチ副会長とパーティで同席し、その写真が新聞に取り上げられたことで事態が紛糾。一時は他の審判を起用する話もあったのですが、結局はスヴィロコス主審が笛を吹くことになりました。

ディナモ・ザグレブは前節と同様に4-2-3-1システムを採用。二列目の右サイドにミキッチを起用しました。
GKロンチャレヴィッチ-(右から)DFチョルルカ、ドゥルピッチ、シルデンフェルト、チャレ-MFヴコイェヴィッチ、マミッチ-ミキッチ、ヴグリネツ、モドリッチ-FWエドゥアルド
ハイドゥク・スプリトは満を持して新加入の俊足FWルカビナを先発起用。勝利を求めて、3トップで挑んできました。
GKバリッチ-DFペライッチ、ガル、ジブコヴィッチ、フルゴヴィッチ-MFルビール、ダムヤノヴィッチ、ツァレヴィッチ-FWルカビナ、ブシッチ、バルトゥロヴィッチ

Dudu_1 普段はファウルで荒れまくるのがこのダービーの典型なのですが、この試合はいつもよりクリーンな試合となりました。その一方で、華麗さやアトラクティブさに欠けた試合だったともいえましょう。コンパクトかつアグレッシブに攻めるディナモが主導権を握り、中盤が落ち着かないハイドゥクが劣勢に回ります。
2分には右サイドからエドゥアルド(写真・右)のパスがゴール前へと飛び出したヴグリネツに通るものの、ヴグリネツはGKバリッチに接触する以前にダイブしてしまい、イエローカード。19分には右サイドでボールを貰ったエドゥアルドが反転してコースを作り、ミドルシュートを放ちましたが、GKバリッチが好反応をみせてコーナーキックへと追いやります。
ゴールはその直後のCKからでした。ヴグリネツの左CKはGKバリッチが前方へとパンチングするも、空中に舞い上がったボールを事もあろうかハイドゥクDFのペライッチがヘディングでゴール前フリーのエドゥアルドに配球。フリーのエドゥアルドがボレーで叩き込んでディナモが先制します。
Rukavina_dudu ディナモはその後もゲームを支配。ハイドゥクはスピードのあるルカビナ(写真・手前)とバルトゥロヴィッチにボールを託そうにも、ディナモDF陣の執拗なチェックに苦しみます。とりわけルカビナはシベニク時代のチームメイトであり親友でもあるDFシルデンフェルトにきっちりマークされてしまいました。
ディナモの2点目はまたしてハイドゥクの愚かなミスから生まれます。39分、ディナモのFKからのクリアボールをハイドゥクのツァレヴィッチが拾うものの、パスかクリアをすることなく自分のペナルティエリアでドリブルを仕掛けてしまい、それをチョルルカがカット。ボールはまたしてゴール前フリーのエドゥアルドに届き、冷静にゴール左下に叩きこみます。

後半からハイドゥクはFWブシッチを下げてMFムサを投入。ようやく中盤でも形を作れてきますが、ディナモのアグレッシブな守備は変わることなく、ディナモが優勢に試合を進めます。
49分、チョルルカが右サイドを突破してペナルティエリアでフリーのヴグリネツにラストパスを送るものの、シュートはバーのはるか上へ。
67分、ハイドゥクは中央でボールを持ったルビールがミドルシュートを試みますが、ボールは右ポストを逸れていきます。
Dinamo_slava 80分、前線のエドゥアルドがトラップしたボールを前方へと蹴り上げてマークを外し、ゴールへと疾走。GKバリッチとペナルティエリア内で接触しましたが、主審はPKを取らず。この日のスヴィロコス主審はプレッシャーの中、偏ることのないジャッジングを見せました(ちなみに8節のハイドゥクvs.ディナモではコヴァチッチ主審が3つの怪しいPKを出し、試合が荒れまくっています)。
今のディナモの課題は終盤の集中力。前節のリエカ戦では3-0とリードしながら、83分以降に集中が切れて1点差まで追い詰められたわけですが、この試合でも同じ傾向が見られます。最後の10分間は押しまくられ、85分、ムサの右クロスが誰にも触れないままファーサイドへと流れ、そこにバルトゥロヴィッチが飛び込んで押し込み、2-1。
その2分後にもムサの左クロスにイェラヴィッチがヘディングシュート。ボールは左下隅へと向かいますが、GKロンチャリッチが好セーブ。それからもドン引きのディナモでありましたが、逃げ切ることに成功しました。
これでディナモは2位ハイドゥクに勝点差6。試合終了とともにディナモの選手は輪になって喜び、サポーターと万歳を繰り返しました(写真)。

もちろんマン・オブ・ザ・マッチはエドゥアルド。25日に24歳の誕生日を迎えた彼は22得点でリーグ得点王。昨シーズンの得点王はボシュニャク(現ヘンク)だったのですが、20節でその点に追いつきました。今季は欧州カップで5得点、クロアチア・カップで5得点、スーパーカップで2得点、クロアチア代表でも5得点を決めており、トータルで39得点という驚異的な数字を叩き出しています。

Razocaran_1試合後、ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「このような環境、このような観客を前にして、マクシミールでの素晴らしいシーズン再開となった。素晴らしい応援をしてくれたBBBには感謝している。トルツィダもそうだ。私はまず何より結果に満足しているし、プレーや働きぶりにも満足している。
勝利まで私たちを導いた選手たちのファナティックぶりを祝福したい。この勝利はシーズンの続きへ推進力を与えることになるだろう。シーズンは終わっていない。しかし、このアドバンテージはこの先を楽にさせてくれることだ。」
とコメント。
一方、ハイドゥクのヴリッチ監督は憮然とした表情。この試合の前、イヴァンコヴィッチとハイドゥク会長グルギッチがメディアを通して喧嘩をした際、イヴァンコヴィッチが「ベネチアの詐欺師」と言ったことにヴリッチが激怒。イヴァンコヴィッチとは一緒の席に座りたくない、ということで時間差で記者会見に現れました
「今夜のハイドゥクは自分に対しては勝ったと見ている。この結果には値しない。ディナモのプレーは悪かった。客観的なじゃないかもしれないが、ハイドゥクはディナモよりもゲームを支配したと思う。2つのミスが試合を決めてしまった。」
と述べています。

全試合の結果はこちら。

Slaven Belupo - Cibalia 2:0
1:0 53' Posavec (PK)
2:0 90' Vrucina

Medimurje - Kamen Ingrad 2:0
1:0 63' Peraica 63'
2:0 89' Piskor

Pula - Zagreb 0:2
0:1 67' Mandzukic
0:2 70' Lovrek

Sibenik - Rijeka 2:2
0:1  4' Ivanov
1:1 40' Franja
2:1 53' Gabriel
2:2 89' Sharbini

Osijek - Varteks Varazdin 4:1
1:0 17' Jukic
2:0 40' Knezevic
2:1 43' Mujanovic
3:1 51' Pavlicic
4:1 65' Lopes

Dinamo Zagreb - Hajduk Split 2:1
1:0 20' Eduardo
2:0 39' Eduardo
2:1 85' Bartolovic

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点53)、2位…ハイドゥク・スプリト(47)、3位…ザグレブ(37)、4位…シベニク(31)、5位…メヂムリエ(31)、6位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(28)、7位…スラヴェン・ベルーポ(27)、8位…オシエク(25)、9位…リエカ(24)、10位…プーラ(18)、11位…チバリア・ヴィンコヴチ(11)、12位…カメン・イングラッド(10)

【得点】
22ゴール…エドゥアルド(ディナモ)
13ゴール…シャルビーニ(リエカ)
10ゴール…ノヴィニッチ(ヴァルテクス)、ゼキッチ(チバリア)、ロヴレク(ザグレブ)
9ゴール…ヴグリネツ(ディナモ)、カルテロ(シベニク)、マンジュキッチ(ハイドゥク)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)
8ゴール…ルカビナ(ハイドゥク)

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2007年2月18日 (日)

クロアチア・リーグ再開、第19節

2ヶ月半のウィンターブレークを経て、2月17日、クロアチア・リーグ第19節が行われました。
ディナモとハイドゥクのマッチレースが続いているわけですが、この二強は若手選手を中心に大幅に補強。その他のチームも選手の入れ替わりがあり、秋とはまた違った戦いになるかもしれません。

首位ディナモ・ザグレブは7位のリエカと対戦。場所はリエカのホーム、カントリーダ。観客は約8000人で、そのうち2000人がディナモ・サポーターのBBBです。
Eduardo_1 クジェの解任を受けて、シーズン途中でディナモの指揮を引き受けたイヴァンコヴィッチは、準備期間で4-2-3-1システムを導入しました。エドゥアルド(写真)がワントップ、トップ下がヴグリネツ、左がモドリッチ、右が19歳の新外国人サミールという攻撃陣。またシベニクから獲得したDFシルデンフェルトもセンターバックで初スタメンです。
豊富な戦力の割には低迷しているリエカのブラチュン監督もシーズン途中から指揮。彼も準備期間で4-2-3-1を定着化させようとしています。ワントップが新外国人で元ブルガリア代表のイヴァノフ、トップ下がスペイン人のトニート、左が元ガンバのブーレ、右がロシアのトムスクから復帰したノヴァコヴィッチといった攻撃陣であります。
先制はディナモでした。7分、右サイドでチョルルカがロングボールをヴグリネツに通すと、ヴグリネツはドリブルで切れ込んでから中央フリーのモドリッチへラストパス。モドリッチは丁寧なパスを出す感覚でゴール右下隅にあっさりと決めます。
リエカも19分にトニート、24分にブーレがシュートチャンスを迎えるも決められず。前半終了間際にはモドリッチが一人で突破し、最後はヴグリネツにパスを送るものの、シュートは失敗に終わりました。
後半も似たようなテンポで進みましたが、57分に準備不足だったサミールに代えてMFトミッチを投入することでディナモが主導権を握ります。69分、トミッチが放ったシュートがDFの背後へ飛び出したエドゥアルドの足元にこぼれ、そのままゴール前に突進したところをDFレンドゥリッチが引っ張ったことでPK。エドゥアルドが右下に決めて追加点を取ります。
71分、リエカMFリニッチがモドリッチの背後からタックルをしてイエローを貰うと、その1分後にも荒いプレーで二枚目のイエロー。人数においてもディナモは優勢に立ちます。77分、最終ラインのドゥルピッチから縦に出たロングボールをオフサイドラインをかいくぐったエドゥアルドが受け、丁寧にゴール左下に決めて3-0。既にリーグ20得点目となるゴールです。
しかし、リエカも83分、イヴァノフがペナルティエリアで巧みに倒れてPKを貰うと、これを自分で決めて3-1。またロスタイムにはかつてディナモにも在籍したMFシュトロクが左サイドでチョルルカをかわし、GKロンチャリッチの股間を抜くシュートを決めて3-2。笛の直前にもリエカがCKのチャンスを持ちましたが、ディナモが何とかそのまま逃げ切りました。

ディナモを勝点差3で追いかける2位ハイドゥク・スプリトはオシエクとホームで対戦。サポーターのトルツィダの期待も多く、ポリュウド・スタディオンには13000人の観客が集まりました。ハイドゥクは期待の新星FWルカビナを獲得したもののベンチに温存し、バルトゥロヴィッチ、ブシッチ、イェラヴィッチの3トップを起用。このヴリッチ監督の起用がズバリと当たり、試合は前半で決まってしまいます。
13分、中央からの縦パスをブシッチが受けると左のバルトゥロヴィッチへとアシスト。バルトゥロヴィッチのシュートはネット右を揺らし、ハイドゥクが先制します。
20分にはイェラヴィッチの折り返しにブシッチが中央から叩き込んで2点目を追加。更に37分、新加入の右SBペライッチのアーリークロスにブシッチが長身を活かしてヘディングシュートを決めて3-0。これで勝負ありました。
後半頭からブシッチに代わってハイドゥク・デビューとなるルカビナを投入。意欲とポテンシャルは見せるものの、なかなかゴールを決められず、試合はそのまま3-0で終わりました。

次節は今季初めてとなるディナモとハイドゥクの直接対決。場所はディナモのホーム、マクシミール・スタディオンです。これから一週間はその話題で持ちきりとなるでしょう。

ちなみに私は今節、3位ザグレブと4位シベニクの撮影取材に行ってきました。
若手の成長とブラジェヴィッチ監督の采配が光るザグレブは、この冬にあった幾つものオファーを蹴って戦力を維持。一方、シベニクはFWルカビナ(→ハイドゥク)とDFシルデンフェルト(→ディナモ)の攻守の要を売却しただけでなく、ハイドゥクからレンタルしたFWカリニッチとキャプテンのDFブリャトが怪我で欠場してしまいました。
Mandukic 前半は3位対4位の試合とは思えぬお寒い展開で進みます。ピッチコンデションが悪く、パスミスの連続。ザグレブが主導権を握るものの、攻めきれることがなく0-0の状態が続きます。
均衡が破れたのは81分。右サイドのムイジャのクロスにU-21代表FWマンジュキッチ(写真右)がヘディングで叩き込んでザグレブが先制します。85分にはマンジュキッチが左サイドを一人でドリブルで持ち込み、タッチラインからペナルティエリアへと切れ込むと、最後は右足で巻いたシュートを決めて2-0。88分にはチュトゥラがエリア内でボールカットし、中央へ。フリーのユレンディッチがあっさりと決めて、結果的には3-0と快勝しています。

全試合の結果はこちら。

Hajduk Split - Osijek 3:0
1:0 13' Bartolovic
2:0 20' Busic
3:0 37' Busic

Varteks Varazdin - Slaven Belupo 0:0

Cibalia Vinkovci - Medimurje 0:3
0:1 77' Bratkovic
0:2 83' Cicero Lima
0:3 88' Celiscak

Zagreb - Sibenik 3:0
1:0 81' Mandzukic
2:0 85' Mandzukic
3:0 88' Jurendic

Kamen Ingrad - Pula 1:0
1:0 47' Cordas

Rijeka - Dinamo Zagreb 2:3
0:1  7' Modric
0:2 69' Eduardo (PK)
0:3 78' Eduardo
1:3 83' Ivanov (PK)
2:3 90' Strok

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点50)、2位…ハイドゥク・スプリト(47)、3位…ザグレブ(34)、4位…シベニク(30)、5位…メヂムリエ(28)、6位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(28)、7位…スラヴェン・ベルーポ(24)、8位…リエカ(23)、9位…オシエク(22)、10位…プーラ(18)、11位…チバリア・ヴィンコヴチ(11)、12位…カメン・イングラッド(10)

【得点】
20ゴール…エドゥアルド(ディナモ)
12ゴール…シャルビーニ(リエカ)
10ゴール…ノヴィニッチ(ヴァルテクス)、ゼキッチ(チバリア)
9ゴール…ヴグリネツ(ディナモ)、ロヴレク(ザグレブ)、カルテロ(シベニク)
8ゴール…ルカビナ(ハイドゥク)

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2007年2月10日 (土)

YouTubeに転がるクロアチア・サッカー映像

いつも試合結果や移籍情報のニュースばかりですが、たまには趣向を変えてみましょう。
Googleの高額買収でも賑わせている動画サイト「YouTube」にはクロアチアのサッカーにまつわる動画がかなり転がっています。そんな中、個人的にオススメのものを紹介しましょう。

現クロアチア代表では"我が道を行く"キャラとテクニックで特別な魅力を持つミラン・ラパイッチ。彼の左足から繰り出されるスーパーゴール映像です。
誰もが知っているのは2002年の対イタリア戦。
http://www.youtube.com/watch?v=VnHBcX47024
フェネルバフチェ在籍時、ライバルのガラタサライ相手に強烈なミドルシュート。
http://www.youtube.com/watch?v=oHZvsHxylJw
昨年、クロアチアのメディアで「一度は見とけ」と話題となったスタンダールvs.ヴェステルロ戦の強烈なFK。
http://www.youtube.com/watch?v=JDMHc-RUjt8
極めつけはこれ。トルコ・リーグのフェネルバフチェvs.ガジアンテップで、3-3の状況から50m独走して最後はループシュート。
http://www.youtube.com/watch?v=Y_u1ml4K5WY

昨年11月のUEFAカップ、バーゼルvs.ナンシー戦で話題となったシーンがこれ。
主役はクロアチア代表でFWのレギュラーを手中にしたムラデン・ペトリッチ。既に3人を交替させていたバーゼルでしたが、試合終了前にGKコスタンツォがペナルティエリアで相手選手を倒して一発退場。PKの場面でGKを自らかって出たのがペトリッチでした。ペトリッチはシュレティエンのPKを見事にセーブ。GKコスタンツォからは記念に手袋を貰えたそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=H-6gTszS_Ck

続いて2002年10月、ザグレブで行われたズボニミール・ボバンの引退試合の一コマ。前半はディナモvs.ミラン、後半はクロアチア代表vs.世界選抜が行われました。ボバンが終了が近づき、交替でピッチを去ることに。代わりに出てきたのが、ボバンの友人であり、2001年にウィンブルドンも制覇したテニス選手のゴラン・イヴァニシェヴィッチ。すると彼はファーストタッチでいきなりゴールを決めてしまいました。そんな驚きのシーンはこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=fpDK3Zz8DWQ

続いてクロアチア前代表監督のズラトコ・クラニチャール。ワールドカップで熱い身振り手ぶりをまとめております。とりわけリードしてから最終ラインがずるずる後退してしまったオーストラリア戦では吼えておりました。
http://www.youtube.com/watch?v=9S7exwARtc4

80年代のハイドゥクで活躍したブラズ・スリシュコヴィッチ。破天荒なキャラとして知られる人物でして、ボスニア・ヘルツェゴビナ前代表監督として日本戦後に辛口なコメントをした人物でもあります。そんな彼が率いるズリンスキ・モスタルの試合後に華麗な英語(?)でインタビューを受けています。
http://www.youtube.com/watch?v=V2z7crec5w8

同じく監督ネタ。昨年のワールドカップ直前にクロアチア・テレビで作成された特別番組「デルビ(ダービー)」から。98年代表監督のチーロ・ブラジェヴィッチが芸能人ら素人を一週間以上鍛えて、元プロ選手と対決するという企画でした。コミカルなキャラから特別な人気を持つチーロが素人相手に指導した映像をまとめたものです。現役監督としてザグレブを率いるチーロは今日2月10日が誕生日。72歳とは思えぬ元気さです。
http://www.youtube.com/watch?v=JQRcWe-NijU

次は歌モノ。昨年からディナモ・サポーター"BBB"の公式ソングとなった「Boja mojih vena」(俺の血管の色)のビデオクリップです。
子供の歌からサポーター達のだみ声、そしてラップと趣向に凝らしてます。サビのフレーズは「オー、神様。私たちがザグレブっ子であることを感謝しているよ。君たちがザグレブっ子だったら何て幸せだったんだろうね。」という意味。歌詞は垢抜けず泥臭いところはBBBらしいです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Krz5LGjnQHQ
http://www.youtube.com/watch?v=UDb2jDj9K3U

最後も歌モノで。昨年9月、ロシア戦を前にした合宿で、深夜にオリッチ、スルナ、バラバンが脱走。ザグレブのセルビア音楽クラブ「フォンタナ」で遊んできたことで、代表追放された事件は記憶にあると思います。(そのニュース映像は↓)
http://www.youtube.com/watch?v=8VIMDNRPS1k
事件から間もなく彼らをネタにしたセルビア風ソング「合宿」が作られました。歌詞に出てくる"ツェツァ"はセルビアの大御所女性歌手。映像も4バージョンあります(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=yok4EGU_oJM
http://www.youtube.com/watch?v=7Aphp3WKKHw
http://www.youtube.com/watch?v=85dL_JZxz20
http://www.youtube.com/watch?v=9sqxD1KFAOA

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2007年2月 8日 (木)

クロアチア、ノルウェーに2-1の勝利

2月7日、リエカのカントリーダ・スタディオンで親善試合「クロアチアvs.ノルウェー」が行われました。
今年初めての代表試合ですが、次々と怪我で選手が離脱。病気と闘うFWクラスニッチのために選手達は「イヴァン、私たちは君と一緒だ」のTシャツを着て整列しました。またリエカのサポーター"アルマダ"は「もし必要ならば、心臓をあげよう。イヴァン、アルマダは君と一緒だ」との横断幕を後半に掲げました。ビリッチが監督となって初めてのリエカでの試合ということで、スタンドは8000人とまずまずの入りです。
クロアチアのスタメン(4-4-2)は以下のよう。
GKプレティコサ-(右から)DFシミッチ、チョルルカ、ヴェイッチ、バビッチ-MFスルナ、レコ、モドリッチ、クラニチャール-FWバラバン、ペトリッチ
一方、ノルウェー(4-4-2)はベストメンバーを揃えてきました。
オプダル-DFハンゲラント、ハーゲン、ランベク、ヨンセン-MFヘスタッド、アンドレセン、ペデルセン、リーセ-FWスールシャール、カリュー

Petric_1 クロアチアは試合開始からゲームを支配します。しかし、最初のシュートはノルウェー。3分、リヨンからアストンビラに移籍したばかりのFWカリューが右サイドでバビッチをかわしてシュート。角度が悪くプレティコサがセーブします。最初の不注意はあったものの、バビッチは左サイドバックとして機能していきます。ビリッチ監督就任当初、バビッチはこのポジションを拒否したものの、現在はレバークーゼンで左サイドバックでプレーしていることもあり、すんなりと溶け込みました。6分、そのバビッチがオーバーラップからシュートを試みるもボールは枠の左へ。12分、レコのミドルシュートはGK正面。16分にはペトリッチ(写真)が18mの距離からシュートを放ちますが、DFハンゲラントに当たりGKがキャッチします。
18分、再びカリューがシミッチをかわして強烈なミドルシュートを蹴りますが、ボールはクロスバーを越えていきます。その2分後、左サイドのクラニチャールがロングパスをペトリッチに通し、DFを背にしてシュートするものの、力なくGKオフダルがキャッチしました。更にバラバンのクロスからオーバーラップしたチョルルカが左足でシュートで狙うも、枠を大きく外してしまいます。
とはいえ時間経過と共にクロアチアのプレーはどんどん良くなり、流れるような攻撃を見せます。クロアチアの先制点は26分、中央のクラニチャールが左サイドを上がってきたバビッチにパス、バビッチは速いクロスを挙げると、ゴール前に飛び込んだペトリッチがジャンピングボレーで叩き込みます。ビリッチ監督の下でレギュラーを獲得したペトリッチにとって、このゴールは代表13試合目で6ゴール目です。
一方のノルウェーも29分、コーナーキックからヴェイッチとプレティコサの連携ミスでボールがゴールラインを割るものの、ゴールが入る前にスールシャールがキーパーチャージをしたとの誤審で得点が認められませんでした。
34分、モドリッチが右サイドでボールをキープしながらペトリッチへラストパス。ペナルティエリア手前からのシュートは左ポストを逸れていきました。けれども38分、スルナの右ショートコーナーからクラニチャールがバイタルエリアで中央へ駆け込んだモドリッチへパスを通すと、モドリッチは正確なグラウンダーのシュートをゴール右隅に決めて2-0とリードを広げます。
42分にはバビッチが素晴らしいFKを放つものの、GKが指先でクリア。更にクラニチャールがペトリッチとのワンツーからシュートしますが、これもわずかに枠を外してしまいました。

合宿中の病気から調子がまだ戻らないエドゥアルドが後半頭からペトリッチに代わって出場します。47分、レコがミドルシュートを狙うもGKがキャッチ。モナコでようやくレギュラーとして活躍しているレコはセントラルMFとして素晴らしい働きを見せ、ニコ・コヴァチの後継者として評価を高めました。
クロアチアが前半同様にゲームを支配。61分、この試合が代表デビューとなる地元出身のFWブダンがバラバンに代わって登場します。67分、クラニチャールがファーサイドにクロスを上げ、そのブダンがヘディングでエドゥアルドに落とすものの、エドゥアルドのシュートは失敗に終わりました。74分にはスルナの突破からの折り返しにエドゥアルドがGKを惑わしてシュートを放つものの、ボールはDFハーゲンがゴールライン上でクリアします。その直後にはスルナが右サイドからクロスを上げ、ブダンがニアでヘディングシュートしますが、これはGKの好セーブで逃れました。
86分、ノルウェーはクロアチアのオフサイドトラップを穴を狙い、縦パスに飛び出したオーストがGKプレティコサと一対一に。シュートは足で止めたものの、左から上がっていたムーンがこぼれ球を押し込んで1点を返します。試合はそのまま2-1でタイムアップ。ディフェンスに幾分と乱れはあったとはいえ、これまで控えに甘んじてた選手達が主力と遜色ないコンビネーションプレーをみせたことで、収穫のあった試合でありました。

スラヴェン・ビリッチ監督は試合後のテレビのインタビューで
「選手が欠けていることを殆ど感じさせなかった。レコとヴァイッチは自分達が良い選手であることを示してくれたよ。レコは特別な選手になるための全てのクオリティを持っている。ヴェイッチは彼を悪く言う人達全員を否定してくれた。カリューをジャンプでも走力でも上回ったんだからね。
観客は楽しむことができたと思う。3つのゴールの他にも多くのチャンスがあった。2-0ならば望むべき最高の結果だったよ。終わったと思った時に、相手にゴールをあっさりと決められてしまうものだ。しかし、私たちは試合を最後まで導くことに成功した。
いかなるアリバイも弁解もない。それは試合前からも言っていたことだ。もし私たちが勝利しなかったとしても、それを口にすることはしなかっただろう。またノルウェーもトップフォームではなかったからね。」
とコメントしています。また記者会見では
「とても良い試合だった。とてもよいプレーをしただけではない。むしろ素晴らしいプレーをしたんだ。嘘をついて質素に振舞う必要はない。どれだけ私たちが良かったかを認識しなければならないんだ。いかなるトレーニングでも試合であるかのように集中し、全力を出しているからこそ良い。それが私たちの成功の秘密だ。
もちろん、クオリティある選手のグループが存在することも必要条件だ。今夜、そのグループの幅が更に広がった。そして新たなポジションにバビッチを得たことが決定的となった。イングランド戦以降、彼は左サイドバックのポジションをクラブでもプレーするようになったしね。そのスピードの賢さをもってして、彼は本物の現代的サイドバックとなることだろう。彼は本当に良いプレーをした。レコもヴェイッチも(戦力として)得ることになったし、バラバンも自らを証明してくれた。」
と述べています。

(写真はSport-netより。
試合動画はクロアチア・テレビのここで見られます)

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2007年2月 5日 (月)

ジヴコヴィッチ、代表復帰

Zivkovic2月7日にノルウェーと親善試合を行うクロアチア代表が4日から集合しております。
この試合を前にして怪我人が続出。シムニッチ、コヴァチ兄弟が怪我で出場が見送られ、既にサブリッチ、シェーリッチ、トゥドール、クネジェヴィッチといったディフェンス陣も怪我のため、新たにボリス・ジヴコヴィッチ(写真・ハイドゥク所属)が召集されています。元代表キャプテンでもあるジヴコヴィッチは、2004年欧州選手権以来の代表復帰になります。
またハンブルガーSVに移籍したばかりのオリッチは、チームの低迷と早くフィットさせるためにクラブ側が放出を拒否。協会もそれに応じることにしました。また最新のニュースではラパイッチが先のリーグ戦で怪我をしたと報じられ、ビリッチ監督はかなり神経質になっているそうです。

現時点で予想されるスタメンは
GKプレティコサ-DFチョルルカ、シミッチ、ヴェイッチ、バビッチ-MFスルナ、レコ、モドリッチ、クラニチャール-FWエドゥアルド(バラバン)、ペトリッチ

この試合はリエカのカントリーダ・スタディオン(20時15分キックオフ)で行われ、地元出身のFWブダン(パルマ所属)の代表デビューが見込まれています。

2月4日、リエカとサンフレッチェ広島がそれぞれ控え選手を中心にしての練習試合を合宿地のトルコで行いました。
今季、カメン・イングラッドから移籍したFWマテ・ブライコヴィッチが11分に左から斜めにシュートを決めて先制点を決めると、22分には同じくブライコヴィッチがFKから2点目を決めました。サンフレッチェも89分に入船が得点を決めて、2-1でリエカが勝利しています。

リエカ - サンフレッチェ広島 2:1 (前半2:0)
開催地:スポーツセンター・ワウ第6競技場
観客:10人

得点:
1:0 11' ブライコヴィッチ
2:0 22' ブライコヴィッチ
2:1 89' 入船

リエカ:
ラドマン(72' プルスカロ)、ユヌゾヴィッチ、ロドリゴ、プリラスニグ、パミッチ、シュトロク、リニッチ(46' ケルケズ)、マルキッチ、セルティッチ(60' リニッチ)、ブライコヴィッチ、Ah.シャルビーニ
   
サンフレッチェ広島:
河野、中尾、吉弘、槙野、趙、高柳、高萩、入船、田村、上野、前田
(途中交替:橋内、金田)

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ディナモ、ジェフに4-2で勝利

4日、ディナモ・ザグレブが合宿を張るトルコのベレクという街にて、ディナモvs.ジェフユナイテッド千葉の練習試合が行われました。昨年は4-0でディナモが勝利したカードですが、今年も4-2とディナモが勝利しました。

Dinamochiba前半はディナモが規律に優れたプレーをみせます。35分に右サイドバックのチョルルカがボールを持ったままオーバーラップをし、2人の選手を突破してペナルティエリアを突進。最後は12mの距離から斜めにシュートを決めてディナモが先制します。
その5分後、ディナモは"ビリヤード"のような正確なアクションで追加点を奪います。サミールとトミッチ(写真中央)が早いパス交換から最後はモドリッチに繋ぎ、14mの距離から正確なシュートをモドリッチが突き刺して、2-0とリードを広げます。
前半にジェフは21分、カウンターから羽生が決定機からシュート、その2分後には水野が12mの距離からシュートを放ちますが、ともにポストを逸れてしまい得点に結びつきませんでした。

予告通り、ディナモは後半から代表の3選手(エドゥアルド、モドリッチ、チョルルカ)を外し、GKをトゥリーナにします。ディナモは51分、トミッチがドリブルでマーカーを外し、コーナー付近まで突破したあとマイナス方向へ折り返すと、タディッチが6mの距離から確実にシュートを決めて3-0と更にリードを広げます。
ジェフもその直後の攻撃で、水野からパスを受けた山岸がシュートを決めて1点を取り返します。その後は途中交替のヴグリネツが一人でゴール前まで行くも、シュートは岡本が好セーブ。続くイェルテツもチャンスを逃しました。
試合の終盤はジェフがペースを握り、ジェフ攻撃陣が何度もディナモ守備陣をパニックに陥れます。一度はゴールラインでマミッチがシュートをクリアする場面もありました。73分、途中交替の朴がディナモのディフェンダーの足が止まったところを利用してミドルシュートを決め、1点差まで追い詰めます。
しかしディナモは77分、ヴグリネツが25mのミドルシュートを決めて4-2と勝利を確実なものとしました。

試合後、ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「試合は有益なもので、試合の大部分においてチームの戦いぶりに喜んでいる。4点しか取れなかったが、もっとゴールを奪うことができた。残念ながら、二度に渡って相手が小さなチャンスから得点に結び付けたことで、ある程度印象を悪くしてしまったよ。この試合が終わって、私が描くスターティングメンバーの構想がはっきりとした。しかし、まだスターティングメンバーを口にしたくはない」
とコメントしています。

ジェフユナイテッド千葉 4:2 (前半 2:0)
開催:スポーツセンター・リクソス(ベレク/トルコ)
観客:100人  審判:マヌール(アンタルヤ)

得点:
1:0 35' チョルルカ
2:0 41' モドリッチ
3:0 53' タディッチ
3:1 55' 山岸
3:2 74' 朴
4:2 77' ヴグリネツ

ディナモ・ザグレブ:
GKロンチャリッチ(46' トゥリーナ)-DFチョルルカ(46' ミキッチ)、ドルピッチ、シルデンフェルト、カルロス(46' チャレ)-MFトミッチ(81' ハヴォイッチ)、ヴコイェヴィッチ(63' マミッチ)-モドリッチ(46' イェルテツ)、サミール(58' ポクリヴァッチ)、エドゥアルド(46' ヴグリネツ)-FWタディッチ(69' パンデフ)

ジェフユナイテッド千葉:
GK岡本-DFストヤノフ、水本、斎藤-MF水野、佐藤、下村(55' 中島)、山岸、羽生(68' 新居)、工藤(55' 朴)-FW黒部(77' 楽山)

(ニュースソース、写真はJutranji-listより)

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2007年2月 4日 (日)

ディナモvs.ジェフユナイテッド戦直前情報

トルコ時間の16時(日本時間23時)からディナモ・ザグレブvs.ジェフユナイテッド千葉の練習試合が行われます。ディナモはこれまでのトルコ合宿で、メタリスト・ハルコフ(ウクライナ)に2-0、ヴィスラ・クラクフ(ポーランド)に0-0、OFKベオグラード(セルビア)に1-1とまだ良い結果を残していません。OFKベオグラード戦ではDFのチョルルカをセンターフォワードに起用するなど新たなテストをしましたが、結果は出ておりません。イヴァンコヴィッチは春からの戦いのため4-2-3-1システムを新たに採用、この試合におけるディナモのスタメンは発表されています。

GKロンチャリッチ-DFチョルルカ、ドルピッチ、シルデンフェルト、カルロス-MFトミッチ、ヴコイェヴィッチ-モドリッチ、サミール、エドゥアルド-FWタディッチ

トミッチとヴコイェヴィッチの二人は現時点では控えに甘んじてますが、どれだけ守備的MFという役割で働けるかテスト。また練習では評価の高い新加入の19歳、ブラジル人MFサミールがどれだけトップ下でやれるかが見所とされています。
クロアチア代表のレギュラー選手でもあるエドゥアルド、モドリッチ、チョルルカは45分だけプレーし、その後はクロアチアへと戻って2月7日のノルウェー戦(リエカ)の準備をする予定です。
元イラン代表監督としてアジアのサッカーに通じたディナモのブランコ・イヴァンコヴィッチ監督は
「ジェフユナイテッド戦は役に立つテストとなるだろう。オシムの到来以後はヨーロッパのやり方をもってして、日本のプレー哲学が幾らか高尚になった。ハイドゥク戦でのジェフを見たが、ハイドゥク相手には後半だけ3度の"死んだ"(失敗した)チャンスを作っていた。」
と語っています。

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2007年2月 2日 (金)

ドマゴイ・アブラモヴィッチ、復帰インタビュー

Abramovic 私のホームページ内でもコーナーを設けている、元U-21クロアチア代表FWドマゴイ・アブラモヴィッチ(25・写真)が右膝損傷の手術からようやく復帰。現在、所属のシロキ・ブリイェグ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の合宿でトレーニング、練習試合をこなしております。
アブラモヴィッチは昨年4月12日のカップ戦準決勝・対ジェリェズニチャール戦で右膝を相手選手に蹴られて靭帯を損傷。そのまま試合を続けて決勝へ導くゴールを決める闘志を見せたものの、状況は悪化。5月26日にオシエク病院で手術をしました。手術は成功したものの、その後は半年近いリハビリを続けておりました。
1月25日、シロキ・ブリイェグの公式サイトにインタビューが掲載されていましたので、翻訳紹介します。

「本当に良い気分だよ。もう膝は痛くないしね。競り合いにいく時の恐怖はないし、ボールを力強く蹴る時の恐怖もない。人間は健康であるならば、辛い準備を我慢することもずっと楽なもんだよ。私たちは素晴らしく練習している。最初の2日間は一日2度の辛いトレーニングをこなし、3日目は1度のトレーニングで午後はフリーだよ。」

-あなたは最初の紅白戦で他の選手以上に走り、チームメートを引っ張っていった。そして得点も決めた。1対1の結果のあとはPK戦で勝利者を決めようと要求したよね。
「そのようにプレーすることに私は慣れてしまったからね。他のやり方は知らないよ。だから私は最大限の力を出した。まず何より、以前にもやれたプレーが再びできることを自分で確信したいんだよ。ボールが欲しいし、ゴールも欲しい。チームでの私はそんな役割なんだ。」

-昨年のカップにおけるジェリェズニチャール戦であなたが怪我をした時、一つのチームを自分の背後に残していった。今はチームに新たな顔ぶれがいる。もう一度、トロフィまで辿りつけるのか?
「チームは一年間で変わった。今はまったく新しい若者ばかりだ。けれども彼らは良い選手達だし、良い若者達だ。だからフィットするのはそんなに問題じゃなかったよ。私たちは素晴らしいチームを持っている。ライバル達には何も劣っていない。今年はカップを逃すことは許されないだろう。2年間連続して準決勝を突破しながら、決勝で二度とも敗れてしまっている。今年は必ずカップを制覇してみせる。」

-リーグ戦ではサラエボとズリンスキ(・モスタル)に遅れをとっているが。
「サラエボは私たちとは勝点6のアドバンテージを持っている。ズリンスキとは勝点2の差だ。私たちは自分のプレーをして勝ち続け、そして彼らのミスを待つんだ。サラエボのアドバンテージに関係なく、最後の結果がもたらされるまで多くの戦いが残っていると思う。サラエボは春の対戦スケジュールは思いのほか良くはない。最後には私たちを信じているサポーターと共に喜びにあけるものだと信じているよ。」

アブラモヴィッチとは1999年以来の付き合いです。手術翌日に病院へとお見舞いしたのですが、チューブの入った痛々しい膝をさすりながらも絶望的に陥らず、常にポジティブだったことを思い出します。パパにもなったことで、言葉の節々に随分と責任感が溢れるようになりました。とにかく春での復活を期待しています。

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クロアチア・リーグ/冬の移籍のまとめ

Rukavina_31月31日をもって冬の移籍市場が閉ざされたので、これを機会に主だったクロアチア・リーグの選手の動きをまとめてみました。将来性豊かな若手選手を中心にした国内クラブ間での移籍が多く、ディナモのMFイェルテツ、ハイドゥクのFWルカビナ(写真)の移籍が大きな部類になります。
(◆はレンタル移籍)

○ディナモ・ザグレブ
[獲得]
FWヨシップ・タディッチ     (←レバークーゼン[ドイツ])
MFミハエル・ミキッチ      (←リエカ)
MFニコラ・ポクリヴァッチ   (←ヴァルテクス)
MFダリオ・イェルテツ      (←ヴァルテクス)
DFゴードン・シルデンフェルト (←シベニク)
DFサミール           (←パラナエンセ[ブラジル])

[放出]
FWアンデルソン・コスタ    (→ギマラエス[ポルトガル])◆
MFマルコ・ヤニェトヴィッチ  (→フルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツ)◆ ※
MFヤスミン・アギッチ     (→パスチング[オーストリア])
MFマリオ・グルグロヴィッチ (→プーラ)◆ ※
DFイェンス・ノヴォトニー   (→引退)
DFマリオ・ツヴィタノヴィッチ (→エネルギー・コットブス[ドイツ])
(※シーズン前半はメヂムリエにレンタル)

○ハイドゥク・スプリト
[獲得]
FWアンテ・ルカビナ   (←シベニク)
MFゴラン・ルビール   (←リエカ)
MFムラデン・ペライッチ (←スタンダール・リエージュ[ベルギー])
DFボリス・パンヂャ   (←シロキ・ブリウェグ[ボスニア・ヘルツェゴビナ])

[放出]
FWドラガン・ブラトニャク (→ヒムンキ[ロシア])
FWニコラ・カリニッチ   (→シベニク)◆ ※前半はプーラにレンタル
MFダルコ・ミラディン   (→エルゴテリス[ギリシャ])
DFルカ・ブチュコ     (→リエカ)

○リエカ
[獲得]
FWマテ・ブライコヴィッチ  (←カメン・イングラッド)
FWゲオルギ・イヴァノフ   (←レフスキ・ソフィア[ブルガリア])
MFイゴール・ノヴァコヴィッチ(←トム・トムスク[ロシア])◆
MFフルヴォイェ・シュトロク (←無所属)
DFルカ・ヴチュコ      (←ハイドゥク・スプリト)

[放出]
MFミハエル・ミキッチ (→ディナモ)
MFゴラン・ルビール  (→ハイドゥク)

○オシエク
[獲得]
FWスティエパン・ユキッチ (←ロケレン[ベルギー])

○ヴァルテクス・ヴァラジディン
[獲得]
FWヨシップ・シミッチ    (←無所属)
FWボルート・セルメール  (←バイエルンⅡ[ドイツ])
MFゴラン・ムヤノヴィッチ (←リエルセ[ベルギー])
DFゾラン・イヴァンチッチ (←北京[中国])
DFマリオ・ルチッチ    (←イェフダ[イスラエル])

[放出]
MFニコラ・ポクリヴァッチ (→ディナモ)
MFダリオ・イェルテツ   (→ディナモ)

○スラヴェン・ベルーポ
[獲得]
FWダリオ・ザホーラ     (←ディナモ)◆ ※前半はコペール[スロベニア]にレンタル
MFスレブレンコ・ポサヴェツ (←アンカラグチュ[トルコ])

[放出]
FWエディン・シャラノヴィッチ (→サラエボ[ボスニア・ヘルツェゴビナ]

○シベニク
[獲得]
FWニコラ・カリニッチ  (←ハイドゥク)◆ ※前半はプーラにレンタル

[放出]
FWアンテ・ルカビナ      (→ハイドゥク)
MFマリオ・ブディミール    (→エルゴテリス[ギリシャ])
DFゴードン・シンデルフェルト (→ディナモ)

○ザグレブ
[放出]
FWイヴィツァ・カラボグダン (→ポモラッツ)

○プーラ
[獲得]
MFマリオ・グルグロヴィッチ (←ディナモ)◆ ※前半はメヂムリエにレンタル

[放出]
GKシルヴィオ・ツァヴリッチ (→インテル・ザプレシッチ)
FWニコラ・カリニッチ    (→ハイドゥク)◆ ※前半はプーラにレンタル)

○メヂムリエ
[獲得]
DFダニエル・シュテフリ (←エッセン[ドイツ])

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2007年2月 1日 (木)

オシムのインタビュー

671 今日2月1日発売のスポーツ誌「Number」(文藝春秋社)の巻頭を飾るオシム日本代表監督インタビューに、通訳・翻訳として取材協力しております。
先月中旬に取材陣の一人としてサラエボを訪れ、目の前でオシムの話を聞くことができたのは貴重な機会でありました。是非ともご覧になって下さい。

文◎杉山茂樹
イビチャ・オシム「あえて率直に言わせてもらう」

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