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2007年3月31日 (土)

プルショ、レンジャースを退団/マミッチ、現役引退、など

元クロアチア代表FWダド・プルショ(32・写真)が、今季限りで所属のグラスゴー・レンジャースを退団することが決まりました。
Prso 来季もプレーできるかどうか知るするために、手術以来、問題を抱えている膝の検査をフランスでしたところ、状況はさほど芳しくありませんでした。レンジャースはもう1年の契約延長を望んでいたものの、プルショは
「どれだけ私の膝が休息を要求しているか医者は説明してくれた。スコットランドのようなハードなリーグでプレーを続け、高いレベルのプレーをすることはできない。
ウォルター・スミス監督はもう一年残るように言ってくれたけど、私の人生において誰も騙したことがないように、レンジャースを騙したくないんだ。このような膝でレンジャースと契約することは、クラブに対して無責任だし、チームメートに対してもサポーターに対しても無責任になってしまう。プレーができない今シーズンを繰り返したくはないんだ。」
とコメントしています。
ただし、負担の軽いリーグでの現役続行は示唆しており、金銭条件の良いカタールかアメリカのMLS(ロサンゼルス・ギャラクシー)への移籍の可能性はあるとも報じられています。ようです。
その一方で、レンジャースはクロアチア代表FWボシュコ・バラバン(28)の獲得を考えているとBBCが報じています。ブルージュが要求する移籍金は200~250万ユーロほどとされています。

ディナモ・ザグレブの主将であり、98年W杯クロアチア代表メンバーでもあるMF/DFゾラン・マミッチ(35・写真)が早期引退を表明。29日に引退記者会見を行いました。
Mamic 今季限りでの引退は述べていたものの、ディナモが優勝をほぼ手中にした今、若手にポジションを譲り、欧州に挑戦する来季のチームを固めて欲しいという希望のもと、現時点で引退することに決めました。
「最後に私の全てのコーチに感謝したい。私と一緒に働いたコーチ、私にサッカーを教え、練習してくれたコーチの全員に。私のために尽くしてくれたドクター、フィジオセラピストへも。そして貴方たちジャーナリストにも感謝している。」
とコメントしたのち、涙を見せました。まだまだチームの中核を担える存在とはいえ、このような引き際に称賛の声が高く、ディナモもスポーツ・ディレクターのポジションを与えることを決めています。移籍当初は実兄でチームの実権を握る副会長ズドラヴコ・マミッチが差し金となるのでは、と言われたものの、そのような欠片も見せず、素晴らしいリーダーシップで若い選手を引っ張るだけでなく、泥臭くもありエレガントであるボランチとして活躍しました。今後、キャプテンマークはエドゥアルドが付けることとなっています。

様々なクラブが関心を寄せているクロアチア代表FWムラデン・ペトリッチ(26)が、所属のバーゼルとの契約を2010年まで延長しました。ただ新たな契約にはバイアウト条項を盛り込んでおり、一定以上の移籍金を提示されたら無条件で退団できることになっています。彼の価格は360万ユーロ前後とされていますが、設定された移籍金の額は明らかにされていません。
またバーゼルの彼のチームメイトMFイヴァン・ラキティッチ(19)にクロアチア・サッカー協会が触手を伸ばしています。クロアチア移民のラキティッチは現在スイスU-20代表であり、27日にゼニツァで行われたボスニア・ヘルツェゴビナU-20代表との試合にはクロアチア代表アシスタントコーチのアサノヴィッチが視察に来ました。バスへと急ぐ彼に対してアサノヴィッチは会話する機会を持てなかったものの、今後も注意深く彼のことをフォローし、バーゼルまで視察に行く考えもあるそうです。
スイスA代表として出場した時点で、彼はクロアチアA代表のユニフォームを着ることができないため、両国間の綱引きが予想されているものの、本人はクロアチア代表への願望の方が高いと言われております。

クロアチア代表FWイヴィツァ・オリッチ(28・写真)が、現在のA代表における自分の位置に不満を表明しました。マケドニア戦の事前合宿でもマスコミに口を閉ざした彼ですが、その際にも"不満がある"と報じられていました。28日付のスポルツケ・ノヴォスティ紙に
Olic 「事は明らかだ。マケドニア戦ではエドゥアルドとバラバンが先発し、のちにブダンが入った。もしペトリッチが健康だったら、私はFWとして客席に座ることになってしまう。私は28歳だ。これまで2度のワールドカップと1度の欧州選手権に出場し、キャリアにおいては11もの優勝トロフィーを手にしてきた。もう若い選手ではないし、私には尊重されるべきキャリアがある。もし客席に座ることになったり、5番目のFWになるようだったら、若い選手が加わった方がいい。」
とコメント。ビリッチ監督は翌日のインタビューで
「イタリア戦やイングランド戦、イスラエル戦で出場時間を得たように、彼はほぼレギュラーの扱いだ。また出場時間を得ることだろう。しかし、次の最初の機会から出場すると言っているわけではない。彼は私たちに必要だし、スタメンの構想にも非常に近い選手だと断言できる。もし、1番や2番のFWじゃないとしても、5番目というわけではない。彼からは多くを期待している」
と宥めながら語っています。

今季いっぱいでバイヤー・レバークーゼンと契約が切れるクロアチア代表DF/MFマルコ・バビッチ(26)にパナシナイコスが接触しています。
レバークーゼンで7シーズンに渡りプレーしていた彼ですが、今季での退団を希望。パナシナイコスと交渉していることを本人が明らかにしました。しかし、同じポジションにアンソニー・シェーリッチがおり、彼が来ることでシェーリッチがステータスが脅かされるようならば移籍を拒むそうです。

ハイドゥク・スプリトに所属していたFWユーリツァ・ヴチュコ(30)が、起用面を巡ってチームを退団。新たな移籍先として中国リーグの天津康帥傅と1年契約を結びました。天津は中国でも豊かなクラブとして知られ、昨季は4位、現在は3節を終わって首位であります。

27日にクロアチアのザプレシッチで、U-21クロアチア代表とU-21スロベニア代表が親善試合を行い、ハイドゥク所属のFWアンテ・ルカビナ(20)がハットトリックと1アシストの活躍で、5対0で勝利しています。昨季のリーグ最大の発見として注目を浴び、今年ハイドゥクへと移籍したものの、2月のジェフユナイテッド千葉の練習試合以来、ゴールを決められずにいました。いまだハイドゥクの公式戦ではゴールのないルカビナですが、この試合での爆発で再びマスコミの注目を集めています。

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2007年3月25日 (日)

クロアチア、マケドニアに逆転勝利

Eduardo_zagrlja_srnu_koji_je_zabio 3月24日、欧州選手権予選「クロアチアvs.マケドニア」戦がザグレブのマクシミール・スタジアムで行われました。観客はマケドニア・サポーター約1000人を含む約3万人。試合の時間帯にはやんだものの、前夜から降る雨でピッチは重い状態でありました。

ユーゴスラビア時代は同じ国家だったクロアチアとマケドニアと過去4度に渡って対戦。クロアチアの2勝2分であるものの、そのうち1つの引き分けはユーロ2000予選におけるスコピエの1-1(1999年6月5日)。この試合で勝てなかった誤算がのちのち響き、最終節で新ユーゴスラビア(セルビア・モンテネグロ)に引き分けて本大会出場を逃しました。クロアチア人は過小評価をするとよく失敗する国民性だけに、試合前からスラヴェン・ビリッチ監督はマケドニアへの警戒を常に口をしていました。

ペトリッチ、コヴァチ弟が足首の怪我のために欠場。木曜日の練習で同じく足首を怪我したシミッチは間に合いました。クロアチアのスタメン(4-4-2)は以下のよう。
GKプレティコサ-(右から)DFチョルルカ、シミッチ、シムニッチ、バビッチ-MFラパイッチ、コヴァチ兄、モドリッチ、クラニチャール-FWバラバン、エドゥアルド

マケドニアを率いるのは両親がクロアチア出身でスロベニア国籍のスレチコ・カタネッツ。2004年にクロアチア代表監督の候補に挙がるものの、嫌スロベニアのネガティブ・キャンペーンを張られ、自ら辞退した経緯があります。
Kovac_i_pondev 現マケドニア最大のタレントであるFWゴラン・パンデフ(ラツィオ・写真右)のほか、主将は元ディナモで元ベガルタ仙台のDFゴツェ・セドロスキ(メテルスブルク)、トッテナムやエバートンが関心を示すDFノヴェスキ(マインツ)、ケルンでプレーするセントラルハーフのアレクサンドル・ミトレスキ、クロアチアのスラヴェン・ベルーポでゴールを守るGKヤネ・ニコロスキらがプレー。イングランドのホームで充分に苦しめるなど(結果は0-0)、侮れないチームに仕上がりました。スタメン(3-4-1-2)は以下のようです。
GKニコロスキ-DFヴァソスキ、セドロスキ、ノヴェスキ-MFポポフ、シュムリコスキ、A.ミトレスキ、ラザレフスキ-FWパンデフ-マズノフ、ナウモスキ

コンパクトなラインからコンビネーションを重視したサッカーが信条のクロアチアですが、マケドニアはDFの3人とMFの4人が中心となってスペースを潰し、そこからパンデフに預けてのカウンター攻撃が有効。コンセプトは違えど、足元のプレーが共に優れたチームであり、前半はほぼ互角の戦いを見せます。
お互いチャンスが作れぬまま時間が過ぎていきますが、最初の決定機はマケドニアに訪れます。20分、パンデフの右CKからファーでヴァソスキが繋ぎ、ゴール前のナウモスキがシュートチャンスを迎えますが、かろうじてクリア。
Modric_na_prvom_poluvremenuクロアチアは25分、この日何度も右サイドをドリブルで突破したチョルルカがマイナス方向に折り返し、モドリッチ(写真)がグラウンダーのシュートを放ちますが、ゴール前に立つDFの足元に当たってしまいます。その1分後にはバビッチが突破しての右クロスに、ファーに走りこんだラパイッチが飛びつきますが、ヘディングはさほど得意ではなく、上手くヒットできませんでした。
クロアチアがゲームをコントロールできない中、先制点はマケドニアに生まれます。正面20mの位置でシミッチがパンデフを倒してファウル。セドロスキがグラウンダーで強く蹴り込んだFKは人の壁をすり抜け、GKプレティコサの方向へ。普通ならばキャッチせねばならないボールをプレティコサはつかみ損ねてしまい、手元を弾いたボールはゴールに吸い込まれます。
44分、クラニチャールの強烈なミドルシュートが枠を捕らえたものの、GKニコロスキが好反応でクリア。マケドニアのリードで前半を終えました。

Srna_3 後半からビリッチ監督は、右MFの位置で頑張るものの結果が残せなかったラパイッチに代えて、突破力とクロスボールがあるスルナ(写真)を投入。この采配がズバリと当たります。ズルズルと後退するマケドニアに対して、アグレッシブとなったクロアチアは一方的に攻め込みました。
あっさりとペナルティエリアに侵入するクロアチアは、51分にクラニチャール、56分にはエドゥアルドがエリア内で倒されるものの、オーストリアの主審プラウツは笛を吹かず。しかし、58分にはオーバーラップしたシムニッチがエリア左外で倒されてFKを得ます。
キッカーはスルナ。角度がさほどない位置からゴール右上を狙いすましたボールに、GKニコロスキだけでなく、味方・相手の誰一人も一歩も動けないまま、完璧な弾道でボールがネットに収まります。これでクロアチアは同点に追いつきました。
Sedloski_dobije_crveniその後も手を緩めることない攻撃を仕掛けるクロアチアにマケドニアは防戦一方。68分、スルナに対してセドロスキ(写真)が意図的なタックルを仕掛けて2枚目のイエローで退場。形勢は更にクロアチアに傾きます。
マケドニアは何とか持ちこたえる中、80分、ビリッチ監督はバラバンに代え、高さのあるブダンを投入。この采配も当たりました。88分、空中のルーズボールをブダンが右サイドでフリーのスルナに繋ぐと、スルナはそのままドリブル。低いアーリークロスにGKニコロスキの目の前で合わせたのはエドゥアルド。ボールは股間を抜けて、逆転に成功。ちなみにエドゥアルドはクロアチア・リーグにおいてニコロスキからゴールを決めたことがありません。その後もクロアチアは攻め続け、2-1で苦しみながらも貴重な勝利をモノにしました。

喉を枯らして記者会見にやってきたビリッチ監督(写真)は
Bilic_5「選手たちを祝福したい。これは彼らの勝利だ。特別な相手を倒したのだから。注意をしていた通り、マケドニアはクオリティあるチームだったが、我々の方がクオリティで上回った。ファンタスティックに我々を応援してくれた観客にも感謝している。またこの試合が大事だと正しい方向で報じてくれていたメディアにも、この勝利は値するよ。
コメンテーターはテレビで"我々にゴールが必要だ。なぜなら、闘志を燃やすことなく試合に入ったからだ"と言っていた。私が思うに、余りにも闘志を燃やしすぎて入ったために、その点で力をやたらと力を浪費してしまったんだよ。ラインも作れず、コンパクトさも無かった。マケドニアは2度ほど危険な状況を作ったとはいえ、何もないところからゴールを決めてしまった。退場選手が出るまでは3トップでプレーし、世界クラスのパンデフをはじめ、3人ともが中盤が攻撃に加わるまでボールキープすることを知っていたんだ。
ハーフタイムに私は選手に、負けているとはいえ忍耐強くプレーせねばならないと言った。そして、ゆっくりとプレーし、センターまで全体を上げようと言った。組織的に相手陣へと攻め込んだならば、彼らのブロックを打ち破ることに問題はなかった。クラニチャールやモドリッチらのショートパスや正確性をもってすればね。
ゴールチャンスは作れるものだと予想していたが、退場選手が出るまではマケドニアもカウンターを仕掛ける可能性が存在していた。その後は一方的になり、努力が結実した。キャラクターを持ってして、我々は試合をものにしたのだ。けれども、第一にクオリティが私たちにあったから勝利したんだよ。組織だって常に攻撃し、チャンスを作っていったのさ。」
とコメント。またスルナを後半から起用しのは計画通りであり、彼が入ることで更なる力をもたらす狙いがあったことを述べています。

一方、マケドニア代表監督のカタネッツ(写真)は
Katanec 「まずはクロアチアの勝利を祝福する。私たちはクロアチアは少しでも苦しめたし、面白い試合だったとと思う。クロアチアは結局のところ、より優れたチームである。それが事実だよ。とりわけ後半は殆ど自陣に張り付くことになってしまった。前へと何もトライしようとしなかったことが、試合を決めてしまった。またピッチで起きた幾つかの事柄も影響した。"素晴らしい"審判のようなものがね。ジャッジの基準はおかしなもので、とりわけ2枚目のイエローカードについてはそうだ。一方のチームにはジャッジし、もう一方はしない。とはいえ、それがクロアチアの勝利の価値を下げるものではない。
鍵となるディテールは退場ではない。後半においては、やるべき入り方をしなかった。私はそれに怒っている。間違ったメンタリティであったが、それはそれだ。ボールをキープし、何も起こそうとしなかったために、自陣25mまであっさりと来ることをクロアチアに許してしまった。」
と述べています。また、クロアチアのベンチにいたプロシネチュキがマケドニアの選手を侮辱したことに怒りを示し、最後に一言「クラスニッチができる限り早く回復し、ピッチに戻ることを願っている」と語ると、会見の場から拍手が送られました。

Eduardo_na_drugom_poluvremenu_2 この試合もカメラマンとして取材しました。マケドニア戦というカードでここまでの観客が入り、素晴らしい応援が繰り返されたのは、ビリッチの新生クロアチアへの期待が大きい表れでありましょう。先制点を許す苦しい試合展開でありましたが、「絶対に試合をひっくり返すんだ」というマインドとチームの勢いがヒシヒシと伝わってきました。もしこの先に本大会出場を決めた後に、振り返ってキーとなった試合は?と聞かれたら、間違いなくこの試合が挙がると思います。(写真はエドゥアルド)

予選グループEでは、イングランドがイスラエル相手にスコアレスドロー。イスラエルは昨年11月にクロアチアに敗れるまで、7年間に渡って公式戦13試合ホーム無敗記録を作ったの国なので、イングランドは押し気味の内容ながらのドローしか持ち込めなかったのはさほどサプライズではないでしょう。これでイングランドは黄色信号が点灯した感があります。
尻上がりに調子を上げているロシアは、エースのケルジャコフが2ゴールを決めてエストニアに2-0と勝利しています。それぞれ5試合を消化して、クロアチアが勝点13で首位。ロシアが勝点11で続き、イングランドはイスラエルと共に勝点8となっています。クロアチアは6月2日にエストニア(アウェー)、6月6日にロシア(ホーム)と対戦します。

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2007年3月23日 (金)

クラスニッチ、2度目の腎臓移植は成功

腎臓に問題を抱える代表FWイヴァン・クラスニッチ(27)ですが、3月16日に2度目の腎臓移植手術がハノーバーの病院で行われ、成功したことが報じられました。
1月25日にブレーメンの病院で母親の腎臓を移植したものの失敗。今回は病院を変え、父親のイヴァン(息子と同名)がドナーとなりました。クラスニッチは
「新たな手術のニュースについては、私の身体が新たな臓器を受け入れたことを医師団が確信するまで公にしたくはなかった。神様に感謝しているよ。全てが最高だ。父親も私の体調も素晴らしい。医師団は私にまたプレーできると言ってくれた。」
と喜びを語っています。

土曜日にマケドニア戦を控えるクロアチア代表ですが、何人かが怪我の問題を抱えています。足首を怪我したものの合宿参加を強行したFWペトリッチでしたが、やはり状態が思わしくなく出場は不可能。同じくDFロベルト・コヴァチも足首の怪我で外れています。
また木曜日の練習でDFシミッチが右足首を負傷。酷い痛みを感じており、出場は微妙です。もしシミッチもOUTだった場合、最終ラインは右SBチョルルカ-CBヴェイッチ-シムニッチ-左SBバビッチとなります。

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2007年3月18日 (日)

クロアチア・リーグ第23節/マンジュキッチが代表に

3月17日、クロアチア・リーグ第23節が行われました。

独走態勢になりつつある首位ディナモ・ザグレブは、7位リエカとホームで対戦。
Modric_5 リエカの新監督クジェにとっては、今シーズン前半に率いていたディナモとの対決になります。守備的に固めてきたリエカに対して、ディナモは得意のコンビネーションを築けずに苦しみます。一方のリエカも前線のブーレとノヴァコヴィッチにロングボールを放り込むだけで、チャンスをなかなか作れません。
ディナモはセットプレーから好機を見出しますが、3分にヴコイェヴィッチ、12分にエドゥアルドがヴグリネツのFKからシュートを放つものの、力なくゴールを奪えません。
リエカは前半終了に近い41分にノヴァコヴィッチの右サイド突破からリニッチ、同じくシャリッチのセンタリングからブーレがシュートを試みるも失敗に終わります。
試合が動いたのは69分、CKからのクリアボールにモドリッチ(写真)が再び左サイドからセンタリング。そこにはエドゥアルドがフリーで待っており、あっさりと今季のリーグ23得点目を決めます。
リエカも77分にジョーカーとして取っていたFWシャルビーニを投入するも効果なく、ディナモが1-0で勝利。クジェの後にディナモを受け持ったイヴァンコヴィッチ監督はこれで13戦13勝と、100%の勝率を誇っています。

ハイドゥク・スプリトはホームでヴァルテクス・ヴァラジディンと対戦。
ハイドゥクはチームになかなかフィットしないFWルカビナをベンチに置いてスタート。前半20分間は特に見るべきものはなく、22分にインターセプトからヴァルテクスがカウンター。2対1という絶好の形を作りながらも、ラストパスがオフサイドというミスを犯してしまいます。ハイドゥクも32分、イェラヴィッチが5mのシュートを外すなど前半は0-0で終わります。
後半54分、イェラヴィッチに代わってルカビナが出場。得点は決められないとはいえ、そこからゲームが動きます。62分、ガブリッチが左サイドからセンタリングを挙げると、長身FWブシッチが巧みにトラップをしてからゴールを決めてハイドゥクが先制します。
終了間際、シャファリッチは好位置からFKを放ちますが、ゴールラインにいたルカビナが救います。その後にハイドゥクはカウンターを仕掛け、パスを貰ったガブリッチが一人でセンターラインからドリブルで進み、きちっとゴールを決めて2-0で勝利しました。

全試合の結果はこちら。

Hajduk Split - Varteks Varazdin 2:0
1:0 62' Busic
2:0 90' Gabric

Zagreb - Osijek 2:1
0:1 51' Pavlicic
1:1 67' Lovrek
2:1 80' Parlov

Sibenik - Pula 1:0
1:0 32' Kalinic

Slaven Belupo - Cibalia Vinkovci 1:0
1:0  1' Vrucina

Medimurje - Kamen Ingrad 1:1
0:1 23' Sivonjic
1:1 35' Rac

Dinamo Zagreb - Rijeka 1:0
1:0 69' Eduardo

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点62)、2位…ハイドゥク・スプリト(54)、3位…ザグレブ(46)、4位…シベニク(37)、5位…スラヴェン・ベルーポ(34)、6位…メヂムリエ(32)、7位…リエカ(30)、8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(28)、9位…オシエク(26)、10位…プーラ(19)、11位…チバリア・ヴィンコヴチ(12)、12位…カメン・イングラッド(12)

【得点】
23ゴール…エドゥアルド(ディナモ)
15ゴール…シャルビーニ(リエカ)
13ゴール…ロヴレク(ザグレブ)
11ゴール…ヴグリネツ(ディナモ)、マンジュキッチ(ハイドゥク)
10ゴール…ノヴィニッチ(ヴァルテクス)、ゼキッチ(チバリア)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)

クロアチア代表FWムラデン・ペトリッチがスイス・カップの対アーラウ戦でGKと交錯。GKが足の上にのっかかったことで足首の靭帯を伸ばしてしまい、怪我は重くないとはいえ、24日のマケドニア戦を見送ることとなりました。
Mandzkic代わりにザグレブのFWマリオ・マンジュキッチ(20・写真)が召集されています。マンジュキッチは現在11ゴールで、クロアチア・リーグで得点ランク4位につけています。ビリッチ監督は長身FWのサーシャ・ビエラノヴィッチ(アスコリ)を呼ぼうか、将来性を考えてマンジュキッチを呼ぼうか考えた上での選択でした。
マンジュキッチは
「自分の興奮を表現できる言葉が見つからない。ビリッチ監督には感謝している。彼は子供の時に見ていたクロアチア代表の一人だった。シュケル、ボバン、プロシネツキ、ビリッチ、アサノヴィッチ……彼らは私のアイドルだった。そして今は私にチャンスを与えてくれた。この先も更に練習を積むための、そして代表にまたやって来るためのモチベーションとなるよ。これはまだまだ始まりだと願っている。」
とコメントしています。

腎臓病を抱える代表FWイヴァン・クラスニッチ(27)ですが、4月上旬に二度目の移植手術をすることが独ビルト紙に報じられました。既に新たなドナーが見つかっているそうです。
またもう一つの良いニュースとして、ヴェルダー・ブレーメンとクラスニッチが1年の契約延長に合意しつつあるとのことです。

元代表FWトミスラフ・ショコタ(29)が15日、ディナモ・ザグレブと3年契約を結びました。
ディナモで育った彼は2シーズン得点王になったのち、2001年にベンフィカへ移籍。その後はポルトに移り、契約期間を2年半残したところで関係を解消し、ディナモへと戻ってきました。
「この日を本当に嬉しく思う。何年か経ってディナモに戻れたことをね。16年間過ごしてきたクラブなのだから。6年間ポルトガルにいて、ポルトとは2年半の契約が残っていたとはいえ、もう既に充分だったとも言える。あるいは偉大なディナモを形成するプロジェクトに私は惹かれた。できるだけ早くプレーしたいし、ゴールを決めたい。クラブに新たな次元を作りたいね。」
と契約の場の会見で語っています。背番号はかつてディナモでつけたのと同じ「25」番です。

遡りますが、14日にはクロアチア・カップ準決勝が行われてます。
ディナモ・ザグレブvs.ハイドゥク・スプリトのライバル対決が実現。第1戦はディナモの本拠地マクシミールでしたが、リーグの行方もほぼ固まってきたことで対抗意識も下がり、観客は12000人止まりでありました。
ハイドゥクはディナモに対して手も足も出ない状態でしたが、GKバリッチがディナモの波状攻撃を一人で食い止めます。
唯一の得点シーンは40分、モドリッチから左サイドのスペースを駆け上がるチャレへパスが通り、そこから早いグラウンダーの折り返し。最初は中央のミキッチがシュートを放ちますが、GKバリッチがセーブ。しかし、右にこぼれたボールをヴグリネツが押し込こんでいます。
もう一試合の準決勝リエカvs.スラヴェン・ベルーポは0-0のスコアレスドロー。
リエカはこの試合から前ディナモ監督かつ元ガンバ監督であるヨシップ・クジェが率いました。リエカはFWシャルビーニが何度もチャンスを迎えたものの、セカンドGKのリスヤクの好セーブもあって一つもシュートが決められずに終わっています。
第2戦は4月4日に予定されています。

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2007年3月13日 (火)

マケドニア戦のクロアチア代表メンバー/ルカビナが初選出

12日、クロアチア代表監督スラヴェン・ビリッチは24日に控えたマケドニア戦(開催地:ザグレブ)の代表メンバー22人を発表しました。
Rukavina_4 驚きをもって迎えられたのはハイドゥクのFWアンテ・ルカビナ(20・写真)。今シーズン最大の発見とされるシベニク出身のFWは、この冬に移籍したハイドゥクではまだ結果を残していないものの、ビリッチは新たな代表メンバーとして選出しました。
「アンテとは話合いをしており、マケドニア戦のスタメンの座を競争させるために呼ぶわけではないと説明した。彼の加入で誰もリストから落ちたわけではない。ルカビナにとっても、私たちと一緒にトレーニングをしたり、食事や散歩、話をしたり、年上の選手とカード遊びするのも良いことだろう。
一年後に私たちが望むような選手になったならば、つまり代表に呼ばれる価値の選手になったならば、他の選手が彼をより良く知ることができるかなんて恐れることはないはずだ。プルショは28歳に最初の代表召集を受けた際に、どれだけ身震いし、泣いたか、またどれだけショックだったかを私に話してくれた。
のちに最初の召集でショックを受けるようなことを避けるために、ルカビナのような才能ある若手選手達を代表に加えることを私たちは実践したい。なるべく早く代表に適応するために、また代表への適応時期をなるべく短くするために、クロアチア・サッカーの将来に必要な選手を呼ぶつもりだ。」
と語っています。
またリストからは怪我から回復中のDFロベルト・コヴァチが外れています。ただし、彼はキャンプには参加する意向を示しています。また医師団が許すのならば、腎臓移植の待機中であるFWクラスニッチも顔を出すようです。

GK:
スティペ・プレティコサ (スパルタク・モスクワ)
ヴェドラン・ルニェ   (ベジクタシュ)
マリオ・ガリノヴィッチ (パナシナイコス)
DF:
ダリオ・シミッチ     (ACミラン)
ロベルト・コヴァチ    (ユヴェントス)
ヨシップ・シムニッチ   (ヘルタ・ベルリン)
フルヴォイエ・ヴェイッチ (トムスク)
ヴェドラン・チョルルカ  (ディナモ・ザグレブ)
MF:
ニコ・コヴァチ         (レッドブル・ザルツブルク)
ミラン・ラパイッチ     (スタンダール・リエージュ)
ダリヨ・スルナ         (シャフタール・ドネツク)
マルコ・バビッチ       (バイヤー・レバークーゼン)
イェルコ・レコ         (ASモナコ)
ユーリツァ・ヴラニェシュ (ヴェルダー・ブレーメン)
ニコ・クラニチャール    (ポーツマス)
ルカ・モドリッチ     (ディナモ・ザグレブ)
ダニエル・プラニッチ   (ヘーレンフェーン)
FW:
ボシュコ・バラバン   (クラブ・ブルージュ)
イヴィツァ・オリッチ  (ハンブルガーSV)
ムラデン・ペトリッチ  (バーゼル)
エドゥアルド・ダ・シルヴァ (ディナモ・ザグレブ)
イゴール・ブダン    (パルマ)
アンテ・ルカビナ    (ハイドゥク・スプリト)

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2007年3月12日 (月)

クロアチア・リーグ第22節/ショコタがディナモに復帰

  3月10日、クロアチア・リーグ第22節が行われました。12クラブからなるクロアチア・リーグは今季に関していえば総辺り3回戦で行われ、今節でちょうど2巡したことになります。これまでの結果を元にして、3巡目の対戦日程が組まれ、上位6チームはホームの試合が一試合多めに行われます。

首位ディナモ・ザグレブは9位オシエクとホームで対戦しました。
Tadicディナモは開始1分から攻撃的にゲームを支配します。2分、モドリッチが放ったシュートはわずかにポストを逸れ、20分のヴコイェヴィッチのシュートはポストを叩きます。
この日は代表にも名を連ねるオシエクのGKスケンデルが何度も好セーブをみせ、ゴールを破ることはできません。
後半頭からMFトミッチを下げて、この冬にレバークーゼンから移籍したFWタディッチ(写真)を投入します。この采配がズバリと当たり、47分、ヴグリネツの左FKをエドゥアルドがヘディングで繋ぐと、ゴール前のタディッチがヘディングで押し込んでディナモが先制。タディッチは前節に続き、途中交替でのゴールを決め、2戦2得点と結果を残しました。
その後も攻撃的に試合を進めたディナモですが、得点はこの1点に留まり、1-0と勝利しています。司令塔のモドリッチは14日のクロアチア・カップ準決勝の対ハイドゥク戦に備えるため70分にベンチに下げる、という余裕を見せています。

2位ハイドゥク・スプリトはアウェーでプーラと対戦。
ハイドゥクはゲームの主導権を握るものの、未だにFWルカビナがフィットすることなく、得点がなかなか奪えません。
62分からはルカビナを代えて長身FWのブシッチを投入しますが効果なく、ラスト10分にはジヴコヴィッチを下げて、もう一人のFWイェラヴィッチを入れます。中盤は支配すれど、決定機を演出することはなくロスタイムに。
ガブリッチのクロスボールをGKイヴェシャが弾き、そのこぼれ球をイェラヴィッチが押し込みましたが、ゴールラインでイフティッチがクリアして万事休す。
スコアレスドローに終わり、ディナモとの勝点差が8へと広がってしまいました。

シーズン再開から3連勝中の3位ザグレブは11位チバリア・ヴィンコヴチとアウェーで対戦。
11分、ディナモが来季の獲得を考えているザグレブのFWマンジュキッチが、ペナルティエリア前左でマーカーをフェイントで外すと、そのまま右に狙い済ましたシュートを決めて1-0。
後半に入り、ザグレブはMFブルドリャクがイエローを立て続けに貰って55分に退場になると、その2分後には右MFムイジャが背後からのタックルで一発レッド。2人少ないザグレブはそれでも持ちこたえ、4連勝を果たしています。

全試合の結果はこちら。

Slaven Belupo - Kamen Ingrad 2:1
1:0 14' Mumlek
2:0 62' Posavec
2:1 90' Sest

Cibalia Vinkovci - Zagreb 0:1
0:1 16' Mandzukic

Medimurje - Rijeka 1:2
0:1 51' Starcevic
0:2 60' Sharbini
1:2 82' Rac

Pula - Hajduk Split 0:0

Sibenik - Varteks Varazdin 2:0
1:0 23' Juric
2:0 29' Caval

Dinamo Zagreb - Osijek 1:0
1:0 47' Tadic

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点59)、2位…ハイドゥク・スプリト(51)、3位…ザグレブ(43)、4位…シベニク(34)、5位…スラヴェン・ベルーポ(31)、6位…メヂムリエ(31)、7位…リエカ(30)、8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(28)、9位…オシエク(26)、10位…プーラ(19)、11位…チバリア・ヴィンコヴチ(12)、12位…カメン・イングラッド(11)

【得点】
22ゴール…エドゥアルド(ディナモ)
15ゴール…シャルビーニ(リエカ)
12ゴール…ロヴレク(ザグレブ)
11ゴール…ヴグリネツ(ディナモ)、マンジュキッチ(ハイドゥク)
10ゴール…ノヴィニッチ(ヴァルテクス)、ゼキッチ(チバリア)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)
9ゴール…カルテロ(シベニク)

Sokotaポルトに所属する元代表FWトミスラフ・ショコタ(29・写真)が、来季から自らが育ったディナモ・ザグレブに復帰することが明らかになりました。
ディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチは
「この移籍にはとりわけ満足している。なぜなら、ショコタは私たちを助けることができる選手だからだ。怪我からも回復しているしね。」
とコメントしています。今週にはザグレブを訪れ、3年契約を結ぶことになっています。ディナモは来季のチャンピオンズリーグ出場に向け、DF/MFイゴール・ビシュチャン(パナシナイコス所属)の復帰も画策しています。この冬にディナモに戻ったミキッチ、ショコタ、ビシュチャンは大の親友として知られ、来季から3人がチームに揃う可能性も出てきました。

今季は8位に低迷するリエカですが、ここ2節は勝利しているとはいえ、そのプレーが気に食わないロベルト・イェジッチ会長がミルヴォイ・ブラチュン監督を解任。新監督に前ディナモ監督のヨシップ・クジェを迎えることになりました。リエカは水曜日にスラヴェン・ベルーポとカップ戦準決勝を戦う予定で、早ければその試合から指揮することになります

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2007年3月 9日 (金)

プレティコサ、スパルタク・モスクワに正式移籍

3月7日、クロアチア代表の正GKスティペ・プレティコサ(28・写真)が、シャフタール・ドネツクからスパルタク・モスクワへ移籍することが決まりました。
Plete_1 7日がロシア・リーグの移籍期限最終日ということもあり、UEFAカップで遠征中のセビージャでプレティコサはサイン。移籍金は300万ドル、年俸は100ドル、契約は2009年12月31日までとなっています。
移籍がまとまったのは移籍期限ギリギリ。ミラノにいたスパルタクの幹部はミラノ在住の著名なクロアチア代理人、ナレティリッチ親子と同席しており、セビージャにいるシャフタールのアフメトフ会長とプレティコサとの間で話をまとめ、ファックスを通して契約を済ませました。
「もちろん満足しているよ。シャフタールと同様に大きな野心を持ったチームに去ることになる。条件もシャフタールよりいいものだ。しかし、最も重要なことは継続的にプレーすることであり、それは私にとってだけでなく、代表にとっても最も重要なことだ。"五大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、フランス、ドイツ)"のクラブの一つに移籍した方が、私には嬉しかったかもしれない。けれども究極をいえば、確実に背番号1でいれるチームに行くことの方が重要だ。」
とプレティコサは語っております。

スラヴェン・ベルーポに所属するDFイヴァン・ラデリッチ(26)がボスニア・ヘルツェゴビナ代表に選出されることになりました。
ラデリッチは2004年にセレッソ大阪に在籍。同シーズンの開幕当初だけセレッソを率いたフアド・ムズロヴィッチがボスニア・ヘルツェゴビナ代表の新監督に就任した縁もあって、母親がヘルツェゴビナ出身のラデリッチに白羽の矢が立ちました。ちなみにクロアチア生まれのラデリッチはこれまでボスニア・ヘルツェゴビナのチームに在籍したこともなく、ユース代表ではクロアチアでプレーしています。3月28日のノルウェー戦に向けて間に合うよう、ボスニア・ヘルツェゴビナのパスポートを取得予定です。

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2007年3月 5日 (月)

スルナ、シャフタールと契約延長

28日のニュースになりますが、クロアチア代表MF/DFダリヨ・スルナ(24・写真)が2月27日、シャフタール・ドネツクと再契約を結びました。
Srna_2 これまでの契約は2008年夏までだったのですが、パリサンジェルマン、リバプール、フィオレンティーナなどが関心を示す中で、どうしても放出したくないシャフタールのアフメトフ会長はスルナに200万ユーロ・4年半契約の年俸を提示。サインを済ませました。
「2011年まではシャフタールの選手だ。今は平穏に眠ることができるよ。すっきりしたところでプレーに専念できる。
ナンシー戦(UEFAカップ)のあと全てが転がるように進んだ。会長と何度か会い、私が自分の条件を彼に伝えたのだが、会長は5秒もたたないうちに承諾した。あちらの提示も拒否できないものであったしね。詳細は明らかにしたくないが、条件には大満足している。家族や私に近い人達、(代理人の)シュティマッツ兄弟はシャフタールの提示を受け入れるようアドバイスした。私はそれをしたということさ。
シャフタールは私のヨーロッパだと理解した。私たちは毎年、欧州カップ戦でプレーしている。アフメトフは常に前進するチームを作ってきた。会長から監督、サポーターまで誰もが私を好んでいるし、熱愛している。とはいえ、どこかのクラブが私に関心を持って、契約満了以前にチームを出ることだってありえる。けれども、気にはしていない。良いプレーができるよう自分をささげたい。それが今の私の関心事だ。」
とスルナはインタビューで答えています。
スルナはクロアチア人選手では最高の年俸を得ることになりました。以下が年俸のランク(推定額)です。
200万ユーロ…ダリヨ・スルナ(シャフタール・ドネツク)
190万ユーロ…ロベルト・コバチ(ユベントス)
170万ユーロ…ダド・プルショ(グラスゴー・レンジャース)
150万ユーロ…ダリオ・シミッチ(ミラン)、イヴァン・クラスニッチ(ヴェルダー・ブレーメン)
140万ユーロ…ヨシップ・シムニッチ(ヘルタ・ベルリン)
75万ユーロ…ニコ・クラニチャール(ポーツマス)、イェルコ・レコ(モナコ)、イヴィツァ・オリッチ(ハンブルガーSV)

その一方で、代表正GKのスティペ・プレティコサ(28・写真)はシャフタールで出場機会を貰えずにいます。ウクライナ・リーグで新たに設けられた外国人枠もあって、GKはウクライナ人のシュストが守っています。
Plete 昨年は調子を維持するためにハイドゥクへレンタル移籍したものの、それをシャフタールに認めさせる代わりに現契約を一年増やさせられてしまいました。早くにシャフタールから移籍したいものの、シャフタール側は高額な移籍金を要望しているため、これまで幾つも話が流れてしまっています。
「今は練習して夏を待つだけだ。新しいことは何もない。おおよそはベンチで座っているだけだ。
会長は私に夏になったら話合いをしようと言っている。彼はいつも私に放出してあげようと言っているが、高い移籍金で縛り付けている。もし誰かが真剣に獲得を考えたら、その価格を上げようとする。もうレンタル移籍は私の頭にない。なぜなら毎年シャフタールを出たら、昨年のハイドゥク移籍の時のように一年契約を延長しなくてはならないからだ。
シーズンの終わりにどうなるか見てみよう。今はいかなるプランや移籍を話す時期ではない。」
と述べています。

Klasnic_1 二度目の腎臓移植手術を待つ代表FWイヴァン・クラスニッチ(27・写真)ですが、独ビルド紙にヴェルダー・ブレーメンとの行き違に怒りをぶちまけています。ブレーメンとは今季いっぱいで契約が切れるわけですが、復帰が見込めないクラスニッチに対して、ブレーメン側は契約延長を提示したという美談が報じられたものの、実際は書面では何も届いてないそうです。
「書面という形で新たな契約提示を私はまだもらっていない。書面で見るまでは契約について何も話すことはできない。
"私たちは君と契約する"とは誰だって言えることだろう。インテル・ミラノから連絡をあって、"君をイタリアに連れていきたい"と言うことができる。しかし、書面で得るまでは何も決定はできない…。」
とコメント。それに対し、ヴェルダーのスポーツ・ディレクターのクラウス・アロフスは以下のように反応しています。
「イヴァンはどんな時でも私の事務所に来て、契約延長にサインできる。全ては準備されている。そう決めた時から、彼が今の困難な状況にあっても支えることを示してきたのだが…。」
ちなみに条件は現在と同じ150万ユーロ、契約延長は1年だそうで、クラスニッチはこれまでのチーム貢献を考えると不満であるようです。

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2007年3月 4日 (日)

クロアチア・リーグ第21節

クロアチア・リーグ第21節が3月3日に行われました。

Ivan 首位ディナモ・ザグレブはアウェーで6位ヴァルテクス・ヴァラジディンと対決。ディナモの監督ブランコ・イヴァンコヴィッチ(写真)はヴァルテクスの出身であり、90代前半に一部クラブとしてのヴァルテクスの礎を築いた人物です。本拠地ヴァルテクス・スタディオンの憩いの場となるカフェを所有し、息子はトップチームの2ndキーパーを務めているなど、まだヴァルテクスとは縁が深い人物でもあります。
先制点はいきなり1分でした。ヴァルテクスはチャチッチのCKを中央でヴクマンがヘディングで前方へ。新加入のスロベニア代表FWセメレールが2mの近距離から膝でトラップし、反転してボレーを叩き込んで先制に成功します。
それからは自力に勝るディナモが両サイドからチャンスを作っていくも、この日のエドゥアルドは連続して外してしまいました。
39分にはエドゥアルドが一人で突破するも、ペナルティエリアでGKマヂャリッチが飛び出してボールをカット。お互い走力を活かしたサッカーをしながら、最初のチャンスを決めたヴァルテクスが1-0でリードして前半を折り返します。
後半はディナモが攻撃し、ヴァルテクスが守る展開。54分、ようやくディナモは右CKからの続きでヴコイェヴィッチがヘディングで左ポストにいたヴグリネツ(写真)にパスを通し、これをボレーで決めて同点に追いつきます。
Vug_3試合の分かれ目となったのは59分。ヴァルテクスのFWシミッチがディナモの選手に倒されたものの、マリッチ主審は笛を吹かなかったことにDFプラヒッチが激怒。主審を思わず叩いてしまったためにプラヒッチは一発レッドを食らい、これで人数的にもディナモが優位に立ちました。
69分、チョルルカの右クロスにエリア内のヴグリネツが地面に叩きつけるヘディングシュートで逆転。ヴァルテクス育ちのヴグリネツは前回の古巣対決でもハットトリックしており、ヴァルテクスは煮え湯を飲まされた感があります。
ヴァルテクスは1人少ない中でリズム良くコンスタントに攻撃を仕掛けましたが、78分にはモドリッチのCKにGKマヂャリッチが処理と判断を誤り、こぼれ球を新加入のFWタディッチが決めて3-1。ディナモは首位の足場を固めています。

2位ハイドゥク・スプリトは4位シベニクとホームで対戦。
Musa 前節はディナモとの直接対決に破れ、ヴリッチ監督の立場も微妙になる中、シーズン前半の牽引役であったMFバラティナッツが給与未払いを盾に退団を希望。一方のシベニクはFWルカビナとDFシルデンフェルトの両軸を取られ、戦力ダウンは否めません。
11分、フルゴヴィッチの左クロスにファーサイドに走りこんだムサ(写真)が決めてハイドゥクがあっさりと先制に成功します。
ハイドゥクのユニフォームを着て公式戦3試合となるFWルカビナは、38分に相手GKと一対一になるも、下手にドリブルを続けてしまってシュートに失敗。この日も良い働きを見せることなく前半で下げられてしまいました。
ハイドゥクは53分、ムサのFKからファーポストでフリーだったバルトゥロヴィッチがヘディングで決めて2-0。59分にはバルトゥロヴィッチの右サイドからのパスを受けたルビールが、シュートを打つことなく、好ポジションにいたブシッチへと流し、これを決めて3-0。きちっと格下相手に勝利をしています。

その他の試合では、ザグレブが難敵メヂュムリエを4-0と圧倒してリーグ再開後3連勝。またリエカも新加入の元ブルガリア代表FWイヴァノフが3戦連続ゴールもあってプーラに勝利しています。

Varteks Varazdin - Dinamo Zagreb1:3
1:0  1' Semler
1:1 53' Vugrinec
1:2 69' Vugrinec
1:3 78' Tadic

Zagreb - Medimurje 4:0
1:0 30' Mandzukic
2:0 63' Lovrek
3:0 69' Lovrek
4:0 74' Brkljaca

Kamen Ingrad - Cibalia Vinkovci 2:2
0:1  6' Tadic
1:1 12' Cordas
1:2 20' Bagaric
2:2 67' Sivonjic

Osijek - Slaven Belupo 1:1
0:1 51' Vrucina
1:1 53' Primorac

Rijeka - Pula 2:0
1:0  5' Sharbini
2:0 38' Ivanov

Hajduk Split - Sibenik 3:0
1:0 11' Musa
2:0 53' Bartolovic
3:0 59' Busic

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点56)、2位…ハイドゥク・スプリト(50)、3位…ザグレブ(40)、4位…シベニク(31)、5位…メヂムリエ(31)、6位…スラヴェン・ベルーポ(28)、7位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(28)、8位…リエカ(27)、9位…オシエク(26)、10位…プーラ(18)、11位…チバリア・ヴィンコヴチ(12)、12位…カメン・イングラッド(11)

【得点】
22ゴール…エドゥアルド(ディナモ)
14ゴール…シャルビーニ(リエカ)
12ゴール…ロヴレク(ザグレブ)
11ゴール…ヴグリネツ(ディナモ)
10ゴール…ノヴィニッチ(ヴァルテクス)、ゼキッチ(チバリア)、マンジュキッチ(ハイドゥク)、バルトゥロヴィッチ(ハイドゥク)
9ゴール…カルテロ(シベニク)
8ゴール…ルカビナ(ハイドゥク)

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