ディナモ、チャンピオンズ・リーグへの道
29日、フランスのニヨンでチャンピオンズ・リーグ予備戦1回戦と2回戦の抽選会が行われました。
クロアチアのクラブはここ数年、欧州で失態を繰り返してランキングが25位まで落ちたことと、アンドラ、サンマリノ、モンテネグロのクラブが今季から加わったため、昨季優勝チームのディナモ・ザグレブは1回戦スタート。1回戦の対戦相手はアゼルバイジャンのハザール・レンコランに決まりました。
ハザール・レンコランは1975年創立のクラブで、一度は消滅したものの3年前に復活。造船会社「パルマリ」のマンシモフ社長がオーナーとなり、昨季のアゼルバイジャン・リーグを制しました。これまでディナモ・ザグレブが欧州で対戦するチームでは最も辺境といえる場所で、サポーターのBBBがどうやって行くかが気になるところです。
このハザール・レンコランを問題なく退ければ、2回戦でもシード扱いのディナモ・ザグレブの相手はスロベニアのドムジャレかアルバニアのティラナ。スロベニア・リーグ昨季の王者ドムジャレは、先日にハイドゥク・スプリトとの練習試合で2-0と勝利しており、ディナモのイヴァンコヴィッチ監督も抽選会前から「ドムジャレは最もやり難い相手」と警戒していました。抽選結果を聞いたイヴァンコヴィッチ監督は
「チャンピオンズリーグ予備戦の一回戦・二回戦のおいて、私たちが優勢であることにジレンマはない。ドムジャレとティラナは多額のお金をチームに投資しているとはいえ、二つのハードルを飛び越える必要があるだろう。ティラナは昨年、ヴァルテクスを下している事実が、私たちに注意を促している。とはいえ、ディナモの方がクオリティがずっと高いはず。抽選結果を悔やむことはできないし、また誰に対しても過小評価することは許されない。最大限の準備をして、高いモチベーションでプレーしようと思う。」
とコメントしています。1回戦の初戦はアウェーで7月17日or18日、第2戦はホームで7月24日or25日に開催。また2回戦の初戦はアウェーで7月31日or8月1日、第2戦はホームで8月7日or8日に開催されます。
またUEFAカップの予備戦の抽選会も行われています。
昨季2位のハイドゥク・スプリトはモンテネグロからブドゥチノスト・ポドゴリツァと対戦。またクロアチア・カップ準優勝のスラヴェン・ベルーポはアルバニアのテウタと対戦します。
第1戦は7月19日、第2戦は8月2日に開催されます。
28日、クロアチア代表DFイゴール・トゥドール(29)が、ハイドゥク・スプリトと1年+1年オプション契約を結びました。まだ足首の状態が完全ではないトゥドールは、健康面次第で給与が変わる契約を結んでおります。29日からドイツでの合宿に参加し、リハビリの特別プログラムをこなすことになっています。
またハイドゥクは元オーストラリア代表DFトニー・ポポヴィッチ(34)と交渉しており、DF陣が手薄なだけに彼の加入が見込まれております。
同じく28日、代表FWイヴァン・クラスニッチ(27)がヴェルダー・ブレーメンと1年契約を結びました。この夏にヴェルダーとの契約の切れるクラスニッチは他のビッグクラブへの移籍が見込まれていましたが、ご存知のように腎臓疾患が発覚。一度は失敗したとはいえ、腎臓移植手術を終えました。
その間にヴェルダーはクラスニッチに同じ条件で契約延長を申し出ていたものの、書面でもらえなかったことにクラスニッチは不信感を抱き、両者間は一度はこじれかけましたが、双方が歩み寄り、今回の契約に至りました。
術後の経過は良好で、3ヶ月間のリハビリを順調にこなしているクラスニッチは
「私の目標はシーズン始まりに合わせてフィットさせることだが、何も急ぐことはない。もしかしたら第5節にプレーできるかもしれないし、もしかしたらウィンターブレーク明けになるかもしれない。大事なのはちゃんとプレーすることだ。」
と語っています。現時点では最高血圧が135を超える運動が許されておらず、また腎臓が正しい位置にきてないため、本格的な練習にはまだ時間が掛かりそうです。
ヴァルテクスのキャプテンである守備的MFニコラ・シャファリッチ(26)がリエカに移籍。28日に2年契約を結びました。ヴァルテクスが出し渋ったことで交渉が難航しましたが、前ヴァルテクス監督でもあるダリッチ・リエカ新監督の念願がようやく叶ったことになります。
また同日にリエカは今季トップ下として期待しているアナス・シャルビーニ(20)との契約得院長も終えました。一時は兄のFWアフマド・シャルビーニ(昨季21得点、先月にUAEのアル・ワドハに移籍)と同じく移籍をちらつかせましたが、あと一年間契約しているリエカ側がチーム内で干すことをほのめかしたことで、契約延長を無理強いさせました。ちなみにシャルビーニは今季、チームのキャプテンを任させられることになっています。
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コメント
クラスニッチには今年復活してもらって、来年ビッグクラブへ羽ばたいて欲しいです。
投稿: ボバン | 2007年6月30日 (土) 13時59分
エドゥアルドがアーセナルへ移籍しましたね。正直アーセナルへ移籍とは驚きです。モドリッチ、チョルルカも続けて移籍してしまうのでしょうか? 今年のクロアチア人移籍は活発で例年になく楽しいです。去年に比べると全く別の国のことのようですね(^o^;) 今の代表チームがうまくいっているからなのでしょうが☆
投稿: ボクシッチ | 2007年7月 3日 (火) 02時34分
いやあ
ダシルバのアーセナル移籍は、ビックリしました。
まあ移籍するなら、それなりのクラブに行くのだろうなとは思っていたのですが。。。
アーセナルには他にもブラジル人がいるんで、環境には順応しやすいと思います。
アンリの後釜と考えるのは、短絡的過ぎでしょうか?
モドリッチならば、どこのリーグでも通用するでしょうし、移籍するのなら、いきなりビッグクラブでしょうか!?
投稿: ファンタジスタ待望論者 | 2007年7月 3日 (火) 08時41分
ダシルバ決定ですか!!!それならホントに嬉しいんですけど。
モドリッチ、チョルルカはどうなんでしょうね。
投稿: ボバン | 2007年7月 3日 (火) 12時51分
エドゥアルドのアーセナル移籍、私もビックリしました。
嬉しいのとは反面、彼のプレーが間近で見れなくなることには寂しさを感じます。
彼は本当に素晴らしい青年でして、国内でどれだけ有名になっても謙虚な人間であります。
私は2001年春の旅行の際、まだエドゥアルドが18歳で二部のセスベッテでプレーしていた時にアブラモヴィッチを通して彼と知り合いました。その秋に私はザグレブに移り住んだものの、外国人で言葉も不自由だった私はアパート探しをしても断れてばかり。途方に暮れてマクシミール・スタジアムを訪れたところ、エドゥアルドとばったり練習場で出会いました。彼と話をしているうちに、彼こそ若いうちに異国の地へと渡り、自分以上の苦労をしたはずと感じ、勇気を出してその直後に当たったアパートに私の下宿が決まった、というエピソードがあります(彼には昨年、その話をしました)。
その後もエドゥアルドとはスタジアムや練習場で会っては、いつも挨拶や話をし、6年間、私はゴール裏でカメラを構えながら彼の成長を見届けてきました。そしてゴールを重ねるたびに私自身も励まされたものでした。外国人がこの地に住むのは楽ではありませんから、何かしら自分の姿をオーバーラップさせていたのかもしれません。最初に会った頃のエドゥアルドは気の弱そうな若者だったのが、今では本当にたくましい選手へと成長し、クロアチア代表にも欠かせないFWへとなりました。クロアチアで彼ほど愛され、そして尊敬され、またクロアチアに同化した外国人選手はもう出てくることはないでしょう。
これからはディナモのエドゥアルドではなく、アーセナルのエドゥアルドとしてプレッシャーに晒されるでしょうが、単なる点取り屋ではなく、人間性に優れ、守備や周囲との連携にも長けている彼ならば充分にアーセナルでもやっていけると信じております。
投稿: 長束恭行 | 2007年7月 4日 (水) 06時08分