チーム改革に走るハイドゥクとリエカ
2シーズン連続でディナモの後塵に拝するハイドゥク・スプリトが、補強に躍起になっています。
一度は獲得を断念したかに思われたディナモ・キエフのMFフローリン・チェルナト(27)ですが、キエフ入りしたハイドゥクの代表団がFWトミスラフ・ブシッチ(21・写真)との一年間の交換トレードをまとめました。
チェルナトはルーマニア代表の創造性豊かなMFですが、現在のディナモ・キエフにおいては出場機会になかなか恵まれませんでした。中盤の構成力とパッサーに欠けるハイドゥクにとっては欲しい選手でありました。
一方、ブシッチはクロアチアU-21代表のレギュラーでもあり、怪我がちとはいえ、昨季は22試合で11得点を決めていた逸材。これまでの年俸が2万ユーロだったのが、ディナモ・キエフに行くことで31万ユーロまで跳ね上がりそうです。キエフにレンタルで渡る前に、ハイドゥクはブシッチと新たな3年契約を結ぶ予定で、そこで移籍金を150万ユーロとする設定を盛り込むようです。
ハイドゥクは先日、FWニキツァ・イェラヴィッチ(21)をベルギーのズルテ・ヴァレゲムに売却したばかりで、ヘディングに強いFWを続けて放出することになります。これは同時にプレースタイルの改革を意味しており、ツートップにはアンテ・ルカビナ(21)とレンタルから戻ったニコラ・カリニッチ(19)という俊足選手を置き、更にサイドもできるムラデン・バルトゥロヴィッチの3人でやり繰りすることになります。
またハイドゥクは新たに2人のMFと契約を結んでいます。 クロアチア代表歴もあるスルヂャン・アンドリッチ(27・写真)はパナシナイコスとの契約を破棄し、ハイドゥクと3年契約を結びました。2003/04シーズンはキャプテンとしてハイドゥクの優勝に貢献したアンドリッチにとって、3年ぶりのハイドゥク復帰となります。
またリエカとの契約が切れたMFシニーシャ・リニッチ(25)もハイドゥクと3年契約を結んでいます。二人とも守備的MFとしての計算ができる選手であり、獲得が難航しているとはいえニコ・コヴァチが加入すれば、中盤のポジション争いが激化することになります。
また新たなGKとしてメヂュムリエのヴィエコスラフ・トミッチ(24)を獲得。昨季にゴールを守ったヴラジミール・バリッチが高齢化、ズラトコ・ルニェが戦力外(ヴァルテクスへ)となったことで、彼が来季のハイドゥクのゴールを守ることになります。
ハイドゥク同様にチーム改革を推し進めるリエカですが、モンテネグロのFWラドミール・ヂャロヴィッチ(24・写真)と契約に合意しました。
ヂャロヴィッチは2002年から3年間、NKザグレブで在籍し、サポーターに愛された闘争心溢れる選手で、その後はアルミニア・ビーレフェルト(ドイツ)、エルチィエスポール(トルコ)でプレーしました。
またヴァルテクスの司令塔で、キャプテンであるMFニコラ・シャファリッチ(26)のリエカ移籍も秒読みとされています。この移籍は昨季までヴァルテクスの監督を務めていたダリッチ新監督の強い希望もあり、国外からのオファーが実現しない限りはリエカに移籍となりそうです。
12日、クロアチア一部リーグ協会の会長選が行われ、ハイドゥクの代表を務めるイゴール・シュティマッツが新たな会長に就任しました。
今季まではディナモのダミール・ヴルバノヴィッチ氏が会長を務め、今回の会長選にも出馬していたものの、リーグ改革を希望する他のクラブの支援を得たシュティマッツが、12クラブ中8クラブの票を得て選出されました(3票がヴルバノヴィッチ、1票が棄権)。
シュティマッツはクロアチア・サッカー協会の幹部と対立関係にあり、今後は独自にリーグ改革が推し進められる可能性が出ています。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ユベントスファンの者ですけど、一転してロベルトコヴァッチがユーヴェに残るって記事があったんですけど、どうしたのですか?
投稿: ピエモンテ | 2007年6月20日 (水) 21時32分
ピエモンテさん
それどころか、UEFA公式と独キッカー誌オンラインでは一転してドルトムントへ移籍した(2009年までの契約で〉と報じています・・・
私も何がなんだかさっぱりわからないのです・・・
投稿: 赤白アザラシ | 2007年6月21日 (木) 12時29分
ロベルト・コヴァチの移籍話が急転したことについて、詳しく記事にしたいものの、今のところ仕事が詰まっているため、ここで紹介します。
ディナモとは3年契約で、税抜き600万ユーロという年俸で合意に至っていたものの、コヴァチ側が2年目以降の年俸に関して、銀行の保証を要求しました。
ディナモは担保となるような物件がないため、銀行からの保証が受けられず、副会長とスポーツ・ディレクターのマミッチ兄弟個人の財産(5000万ユーロ)を元に金銭を保証することを提案。しかし、これをコヴァチ側が拒否したため、話が流れてしまいました。
ボルシア・ドルトムントはディナモより前にコヴァチに打診しており、ディナモとの移籍が破綻に終わったことを聞いてアタック。ユベントスの年俸(1年250万ユーロ)よりも若干少ないものの、2年契約を結んだというわけです。
ディナモ側の失望は大きく、今後は代表の試合がザグレブであると、コヴァチへのブーイングが起こると思います。エドゥアルドやモドリッチですら年俸12万ユーロほどなのに、年俸200万ユーロを蹴ったことは、チームを過剰なまでに愛するBBBにとっては「彼もやはり金か」という印象を拭えません...。
それはさておき、先ほどホテル・シェラトンでばったりスラヴェン・ビリッチ代表監督と会いました。昨年にインタビューしたこともあって覚えてくれてて、「今が最高のチームですよ」と言ったら「ありがとう」と喜んでくれました。
投稿: 長束恭行 | 2007年6月22日 (金) 00時58分
詳細ありがとうございます。ユーヴェはDFの刷新をしててチームの構想的にトゥドールとコヴァチは離れなければならなかったから、今までの感謝とともに新天地での活躍を願ってます。
投稿: ピエモンテ | 2007年6月22日 (金) 20時42分
腎臓移植をしたクラスニッチはブレーメンと1年契約を延ばすんですかね?
投稿: ボバン | 2007年6月25日 (月) 21時58分
今週中にクラスニッチはブレーメンと契約延長にサインする予定です。
投稿: 長束恭行 | 2007年6月26日 (火) 01時44分
どうも有り難うございました。
投稿: ボバン | 2007年6月26日 (火) 17時51分