クロアチア、エストニアに辛勝
6月2日、欧州選手権予選「エストニアvs.クロアチア」が、エストニアの首都タリンのル・コック・アレーナで行われました。
エストニアは予選で5戦全敗、得点すらゼロという状況とはいえ、2002年ユーロ予選のホームでは0-0のドローという屈辱を味わった上、アウェーでも1-0で何とか勝利、という相性の悪い相手であります。予選のどの試合も鍵となるとはいえ、相手を過小評価して自滅という"シンドローム"を持つクロアチアにとっては重要な試合となりました。
それぞれ怪我のため100%の状態でないエドゥアルドとペトリッチのツートップがスタメン起用されます。クロアチアのメンバーは以下のとおり(4-4-2)。
GKプレティコサ-(右から)DFチョルルカ、コヴァチ弟、シムニッチ、バビッチ-Mスルナ、コヴァチ兄、モドリッチ、クラニチャール-FWエドゥアルド、ペトリッチ
一方のエストニアは以下のメンバー(4-4-1-1)です。
GKプーム-DFヤーゲル、ステパノフ、ピーロヤ、クルグロフ-MFコンサ、ドミトリイェフ、クラヴァン、リンドペレ-ヴァシリェフ-FWヴォスコボイニコフ
両サイドバックのチョルルカとバビッチを積極的に上がらせる攻撃的シフトを敷いたはずのクロアチアですが、自陣での強固なブロックで対抗するエストニア守備陣に苦戦します。サイドは封じられ、中盤は枚数をかけられてパスを遮断されたことで、攻め手を失います。またエストニアは絶対的なFWであるオペールではなく、小柄で俊足のヴォスコボイニコフをワントップで起用してのカウンターを仕掛け、戻りの遅いバビッチの左サイドを狙っていきます。
19分、クルグロフのクロスボールに対して、スパルタク・モスクワで不安定な守備を見せているプレティコサが危うい飛び出しをしますが、これは何とかクリアします。
21分、エドゥアルドからボールを受けたペトリッチがシュートしますが、わずかに左ポストを逸れていってしまいました。
苦しい中とはいえ、試合を決めたのはまたしてエドゥアルド(写真)でした。右のチョルルカから横パスを受けたクラニチャールは、トラップのコントロールに失敗しながら、ボールは前方のエドゥアルドに。エドゥアルドは反転しながら、GKプームの届かない右側にシュートを決め、貴重な先制点を奪います。
後半は48分にクラニチャール、52分にペトリッチがそれぞれチャンスを迎えるものの、ゴールは決められず。エストニアはテンポが落ちても、よく組織された守備でクロアチアを封じます。
試合が終わりに近づくにつれ、エストニアのプレッシャーが強くなり、80分、クラヴァンがコーナーキックからヘディングシュートを放ち、これはプレティコサが好セーブ。また83分にはヴァリシェフがゴール左隅にミドルシュートを放ちますが、これもプレティコサが好反応で逃れます。
何とか1点のリードを守りきり、クロアチアが1-0の勝利。勝点差2で首位をキープしつつ、天王山となる6月6日のロシア戦(ザグレブ)へと繋げることに成功しました。
スラヴェン・ビリッチ監督は試合後、
「難しい試合だった。最小のアドバンテージを持って終盤に入った際、相手は生か死かの戦い方をしてきた。2度にわたってプレティコサが相手のチャンスを防いでくれたよ。そのプレーぶりに選手たちを祝福したい。最も大事なのは勝利したこと、勝点3を取ったことだ。しかし、良くない点が充分過ぎるほどあったことは言わねばならない。フレッシュさとアグレッシブさが私たちに欠けていたが、勝利には値したと思う。」
とコメントしています。
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コメント
いよいよ、折り返し地点の天王山でしょうか。ロシア戦に向けて凄く緊張感が高まってきています。これといってレギュラーメンバーに出場停止・怪我人がいないことがプラス材料でしょうか。何とか頑張って欲しいところです。
投稿: ボクシッチ | 2007年6月 6日 (水) 01時49分