UEFAカップ予備選一回戦第一戦
19日、UEFAカップ予備戦一回戦の第一戦が行われました。
クロアチアからは、リーグ2位のハイドゥク・スプリトとカップ戦準優勝のスラヴェン・ベルーポが出場しています。
ハイドゥク・スプリトはユーゴリーグ以来の対決となるモンテネグロのブドゥチノストと対戦。とりわけこの両者は1975年のユーゴカップ決勝で対戦、その時にはハイドゥクが延長で2-0と勝利しています。第一戦はブドゥチノストのホーム、ボドゴリツァで行われました。
ハイドゥクはFWヴェルパコヴスキスが登録に間に合わなかったものの、俊足の若手ツートップ、カリニッチとルカビナの背後に、ルーマニアの"ファンタジスタ"チェルナトを置いた4-3-1-2の布陣です。
GKバリッチ-(右から)DFブリャト、ガル、ジヴコヴィッチ、フルゴヴィッチ-MFペライッチ、アンドリッチ、ガブリッチ-チェルナト-FWルカビナ、カリニッチ
一方のブドゥチノストは以下の布陣でありました(4-2-3-1)。
GKヴヤディノヴィッチ-DFラキッチ、ヴクチェヴィッチ、ペリシッチ、ヴコヴィッチ-MFライチェヴィッチ、ヴラホヴィッチ-ヂュリシッチ、ムゴシャ、デリッチ-FWセクリッチ
客席にはモンテネグロ・サッカー協会会長のサヴィチェヴィッチ、ツルヴェナ・ズヴェズダ会長のストイコヴィッチ、ハイドゥク副会長のボクシッチ、ハイドゥク・マネージャーのシュリャクなど、かつてのユーゴサッカー界のスターがずらりと並びました。ハイドゥクは2004年以来、欧州カップの最初のカードでコケており、それなりの補強をした今季は挽回しなければなりません。
20時半キックオフながら、37度という高温の中で試合が行われたわけですが、両チームとも闘争心を持っての激しい戦いとなります。前半はお互いチャンスらしいチャンスを作れませんでしたが、28分、フルゴヴィッチ(写真・元ガンバ大阪)が30mの位置から放った直接FKのボールは無回転のままゴール左上隅を突き刺し、ハイドゥクが先制に成功します。
その後はハイドゥクがゲームをコントロールするも、35分、CKのボール処理にハイドゥクのGKバリッチが失敗し、ブドゥチノストのFWセクリッチが押し込むだけの場面を失敗します。
後半に入り、今度はブドゥチノストがゲームを支配していきます。59分、途中交代で入ったMFシュチェパノヴィッチが中央でボールをもらい、前方へとドリブル。ハイドゥク守備陣はずるずると後退し、シュートコースも遮ることすらせず、結局はシュチェパノヴィッチにペナルティエリア外からあっさりとシュートを決められ、同点に追いつかれます。
ハイドゥクは67分、ルカビナがマーカーを振り切り、後はシュートするだけにもかかわらず、最後は見当違いのパスをカリニッチに送って、チャンスを逸してしまいます。
ブドゥチノストも72分にデリッチ、84分にミリッチがシュートチャンスを迎えるも決められず、試合はそのまま1-1のドロー。ハイドゥクは内容と結果が釣り合わないとはいえ、アドバンテージを持ってホームに戻って第二戦(8月2日)を迎えることになります。
ちなみにこの試合に向けて厳戒体制が敷かれていたのにもかかわらず、ハイドゥクのサポーター「トルツィダ」とブドゥチノストのサポーター「ヴァルヴァリ」、そして援護に駆けつけたズヴェズダのサポーター「デリエ」が試合前からバトル。怪我人が出た上に、トルツィダが使用したバスや乗用車も破損してしまってます。
もう一試合、スラヴェン・ベルーポはアルバニアのテウタと、ホームのコプリヴニッツァで対戦しています。
クラブ創設100年を迎えたスラヴェンは、欧州カップとしては過去にインタートトカップだけ出場。17勝6分10敗とまずまずの成績を残しており、2002年にはシュトゥットガルト、2004年にはリールと対戦。また2001年にはアストン・ヴィラにホームで勝利しています。スラヴェンにとっては初のUEFAカップ挑戦となりました。
クルノスラフ・ユルチッチ新監督は、新補強選手を加えた4-3-3の布陣で挑みます。
GKイヴェシャ-DFポルドゥルガチュ、ラデリッチ、クリスティッチ、ボジャッツ-MFポサヴェツ、ソピッチ、チャヴァル-FWシェーヒッチ、クレシンゲル、ヴルチーナ
ピッチ上の温度が52度(!)という灼熱の中で試合がスタートし、序盤はスラヴェンが次々と好機を見出したながらも、10分、テウタのFWクシャファイがエリア内でDFクリスティッチを振り切り、近距離からゴール左上隅にゴールを決め、スラヴェンは先制されてしまいます。
しかし、18分、ヴルチーナ(写真)がエリア内で倒されて得たPKをポサヴェツが決め、同点に追いつきます。22分にはテウタのDFカパイが早くも二度目のイエローで退場すると、その後は完全にスラヴェンのペースになりました。
28分、ポルドゥルガチュの右クロスにシェーヒッチが倒れこみながらのボレーシュートを叩き込み、逆転に成功。後半47分にも、ポサヴェツの左CKからシェーヒッチがヘディングで追加点を決め、3-1に。60分には相手の守備陣が集中が切れたところを俊足FWのヴルチーナが決め、更にリードを広げます。
66分、テウタも右CKからブラフサがヘディングを決めて2点差に追い詰めますが、83分にソピッチのパスを受けたヴルチーナが華麗なトラップから冷静に決め、ロスタイムにはチャヴァルの左クロスからボシュニャクがゴール前に飛び込んでシュートを決め、安全圏ともいえる6-2のスコアで終えました。
イヴァンコヴィッチ監督に干されていたディナモ・ザグレブ所属のGKイヴァン・トゥリーナ(26)が、ギリシャ一部リーグのスコダ・クサンシに移籍、4年契約を結びました。
ディナモ・ユースで育ち、恵まれた体格から将来を嘱望された彼でしたが、2003年以降に正GKを任されたのにもかかわらず、好不調の波が激しいために信頼を持たれませんでした。今季のシーズン前の合宿においては、新加入のドイツ人GKコッホを侮辱する発言をしたためにトップチームを追放。そのために移籍先を探しておりました。移籍の妨げにならないよう、クラブはクサンシから移籍金を要求しておりません。
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コメント
DFサブリッチもディナモ・キエフからハイドゥクへレンタル移籍するみたいですね?(間違ってたらすいません。)
今シーズンのハイドゥクは凄い補強してますね。ヨーロッパでもさほどネームバリューがあるクラブではないですし、ここまで素晴らしい移籍が実現しているのは、トルツィーダの僕にとっては嬉しい限りです。案外ボクシッチが副会長ということがプラスに作用してるんでしょうか。
今シーズンのハイドゥクの躍進を祈っています!
投稿: ボクシッチ | 2007年7月22日 (日) 00時04分
サブリッチの話はないですね。
それこそ、チェルナト獲得の頃に話題になったのですが、昨季は怪我で出場機会がなかっただけであり、ディナモ・キエフに残ってやるようです。
あれ、ボクシッチさんはトルツィダだったのですか。
だったら、私の敵ですね(冗談)
投稿: 長束恭行 | 2007年7月22日 (日) 19時10分
そうなんですよ。実はトルツィーダでした。(^-^)b ハイドゥク出身の選手にはついつい肩入れしてみてます。今シーズンのハイドゥク優勝を祈願してます(^-^)/
投稿: ボクシッチ | 2007年7月23日 (月) 02時27分
ごめんなさい。
サブリッチのレンタル移籍話、再燃しているみたいですね。
本人は完全回復したと思っているものの、監督が慎重になってリザーブチームに入れていることが不満のようです。
火曜日までには移籍するかしないか決まるようです。
ハイドゥク、初戦からコケてしまいましたね。
プダール監督は既にメディアと対立関係にあるため、不振が続くとメディアによる叩きが悪化する可能性はありますね。
投稿: 長束恭行 | 2007年7月23日 (月) 18時45分