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2007年9月26日 (水)

クロアチア・リーグ第8節/ディナモ連勝ストップ、ハイドゥク会長辞任

9月22日・23日にクロアチア・リーグ第9節が行われました。
ディナモとハイドゥクにとっては厳しい節目となる大荒れの週末となりました。

Sarmada 4位ハイドゥク・スプリトは2位リエカと対戦。試合はリエカのホーム、カントリーダ・スタディオン。ユーゴ時代を通して101回目となる「アドリア海ダービー」(Jadanski derbi)は、試合前からリエカが優勢とされていましたが、実力差がはっきりと出た内容かつ結果となりました。
昨季は不振を極めたリエカですが、今季はヴァルテクスから引き抜いたダリッチ新監督のもと超攻撃的なチームへと変身(システムは4-1-3-2)。メンバーも勝利を重ねる度に固定化されてきました。
ツートップには新加入のヂャロヴィッチ(モンテネグロ人、元セルビア・モンテネグロ代表)とシュコーロ(元ボスニア代表)。中盤の二列目には3人を並べ、右サイドに元ガンバのブーレ(元クロアチア代表)、トップ下には本来センターフォワードのイヴァノフ(元ブルガリア代表)、左サイドは20歳でキャプテンマークをつけるシャルビーニ(クロアチアU-21代表)。そしてワンボランチにはダリッチを慕ってヴァルテクスからやってきたシャファリッチ。最終ラインは元ハイドゥクの長身センターバックコンビ、ヴチュコとブドゥチン。左SBは俊足のパミッチ(クロアチアU-21代表)、右SBはボランチからコンバートされた元ハイドゥクのマルチッチ、そしてGKはジリッチ(セルビア人、元セルビア・モンテネグロ代表)です。
一方のハイドゥクのクレシッチ監督は、ルカビナとカリニッチのツートップ体制を諦め、カリニッチをトップに置き、両サイドに俊足のヴェルパコヴスキスとバルトロヴィッチを置く4-5-1。ただ奇策として、本来センターバックのパンジャをボランチに置きました。
リエカの積極的な攻撃を前にハイドゥクは次第に押されていく展開に。先制点は24分、ヂャロヴィッチが3人のマーカーに囲まれながら、ヒールキックで左サイドを上がるパミッチにパスを通すと、そのまま速いクロス。中央でノーマークのシュコーロがヘディングで合わせます。
ハイドゥクも反撃として28分、カリニッチがGKジリッチと一対一になりますが、これはジリッチが好タイミングで相手へと飛び込み、ピンチを逃れました。
Ssharbini 後半に入ると、更にリエカの厚みのある攻撃にハイドゥクは防戦一方になっていきます。51分、ヂャロヴィッチがポストになってシャルビーニ(写真)がバイタルエリアでボールをもらうと右足を一閃。ボールはGKトミッチの腕を弾き、そのままゴール左上隅に突き刺さり、2点目を奪います。シャルビーニはドリブルやパスで危険な形を常時作り出し、新たなファンタジスタとして今季はクローズアップされている選手です。
3点目は73分、ヂャロヴィッチがペナルティエリアでDFブリャトに倒されてPK。ヂャロヴィッチは自ら蹴ることを懇願するものの、チーム内の取り決め通りにイヴァノフが担当し、きちっと右下隅にシュートを蹴り込んで3-0とします。
ガッツ溢れるプレーからモンテネグロ人とはいえサポーターから愛される存在のヂャロヴィッチが報われたのはロスタイム。シャルビーニがイヴァノフとのワンツーで左サイドを抜け、最後もワンタッチでアウトサイドキックからセンタリング。それをヂャロヴィッチがヘディングで叩き込み、4-0。
完膚なきまでライバルのハイドゥクを叩きのめしたリエカの選手たち、そしてダリッチ監督は、ゴール裏のサポーター「アルマダ」と勝利を祝福しました。私もリエカまで赴き試合を観戦しましたが、熱狂的なサポーターと魅力あるサッカーが結びついた至福を堪能してきました。試合後にアルマダが集うスタジアム近くのバーで、年配のアルマダに「日本だろうが、中国だろうが、うちらにとっては敵ではない」と言われたのには苦笑いしましたが。
(2枚目の写真はSport-netより)

Grgic その翌日、ハイドゥク・スプリトのブランコ・グルギッチ会長(写真はSport-netより)が辞任を表明しました。かつてよりサポーターのトルツィダはグルギッチが去ることを願望し、試合の度に「Uprava odlazi!」(フロント、出て行け!)のコールを繰り返し、スプリトの街中にも同様のフレーズの落書きが目立つほど。7年間の任期のうち3度のリーグ優勝、1度のカップ戦優勝を果たしているものの、15度に渡って監督を更迭し、チャンピオンズリーグ予備戦ではシェルブーン(アイルランド)、デブレチェン(ハンガリー)という格下に敗北を喫するなど、サポーターの信用を勝ち取ることができなかった人物でありました。
「リエカとのハイドゥクの恥ずべき試合のあと、モラル的な理由で辞任を提出した。サポーターからの圧力で辞任を出したのではない。彼らの要求に屈したように誰かが思うことは、私自身としても望むべく形ではない。」
とグルギッチ会長はコメント。副会長のボクシッチ以下、経営委員会の全員が退陣することになっています。

国内リーグでは連勝記録を28まで伸ばし、安泰かと思われたディナモ・ザグレブも厳しい事情に立たされています。
木曜日にアヤックス戦をディフェンス陣の凡ミスで敗れたディナモは23日、8戦全敗のヴァルテクス・ヴァラジディンとアウェーで対戦しました。チーム全体の士気が失墜してしまったディナモは、モチベーション高いヴァルテクスのイレブンにあっさりと攻略されます。
開始5分、バライッチの左からのミドルシュートをGKコッホがパンチング。右にこぼれたボールをパパが押し込むものの、これまたGKコッホが足を使ってクリア。しかし、ルーズボールをパパがヘディングで中央に折り返すと、ブラジル人FWファビオが右下隅にシュートを叩き込み、ヴァルテクスが先制します。
ヴァルテクスのアグレッシブぶりに成す術のないディナモは、立て続けにシュートを浴びせられますが、GKコッホの好セーブによって新たな失点を許しません。ディナモは23分、バラバンが左サイドから正確なFKをゴール右上に突き刺し、同点に追いつきます。
しかし、その2分後、ムヤノヴィッチの右クロスをニアポストで合わせられないようディナモSBのエトーが飛び込むものの、誤ってオウンゴールを生み出してしまい、ヴァルテクスが再びリードをします。この日はアヤックス戦でパスミスをしたセンターバックのシルデンフェルドが外され、ヴルドリャクが起用されたものの、コンビを組むドゥルピッチともどもミスを繰り返し、左SBのチャレは32分に交替させられる始末でした。
後半は渇を入れられたディナモが滑り出し良く、バラバンのお膳立てからポクリヴァチュが中央から同点シュートを決めます(51分)。しかし61分、ムムレクの右からのクロスがペナルティエリアで全くノーマークのプラヒッチに通り、これをきっちり右上に決めてヴァルテクスがみたびリード。
とはいえ、ディナモは89分、カルロスの横パスをバラバンがスルーし、それまでピッチで目立たなかったモドリッチがミドルシュートを右下隅に決めて同点。
Ssokota ドラマティックな展開はロスタイムまで続きます。ムムレクが右サイドからの直接FKをコッホの読みとは全く逆のサイドに蹴り込んで4-3。これでヴァルテクスは今季初勝利どころか初勝点。ディナモはベンフィカが持つ国内リーグ29連勝まであと勝利一つとしながら、まさかの敗北を喫してしまいました。
この試合を前後して、先発起用されないことに不満を持つ元クロアチア代表FWトミスラフ・ショコタ(写真)がマスコミを通してイヴァンコヴィッチ監督を批判。ここ2試合は痛い敗北を喫したとはいえ、イヴァンコヴィッチ監督を全面支持するフロントは、ショコタを出場停止処分にすることに決めました。ショコタは契約を破棄し、退団することが濃厚とされています。

次の第10節は首位ディナモと2位リエカが直接対決。勝点差はまだ4あるとはいえ、今季の行方を占う対決となりそうです。

全試合の結果はこちら。

Zagreb - Inter Zapresic 3:0
1:0 19' Brkljaca
2:0 50' Lovrek
3:0 52' Mujdza

Medimurje - Cibalia Vinkovci 0:1
0:1 11' Keric

Slaven Belupo - Zadar 4:2
0:1  7' Zupan
1:1 15' Radeljic
2:1 22' Poljak (PK)
3:1 30' Poldrugac
4:1 32' Caval
4:2 75' Terkes (PK)

Osijek - Sibenik 1:1
1:0 32' Niksic
1:1 37' Lopes (OG)

Rijeka - Hajduk Split 4:0
1:0 24' Skoro
2:0 51' Sharbini
3:0 74' Ivanov (PK)
4:0 90' Dalovic

Varteks Varazdin - Dinamo Zagreb 4:3
1:0  5' Fabio
1:1 23' Balaban
2:1 27' Etto (OG)
2:2 52' Pokrivac
3:2 61' Prahic
3:3 89' Modric
4:3 90' Mumlek

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点24)、2位…リエカ(20)、3位…ザダール(17)、4位…スラヴェン・ベルーポ(16)、5位…ハイドゥク・スプリト(16)、6位…ザグレブ(11)、7位…チバリア・ヴィンコヴチ(11)、8位…シベニク(11)、9位…オシエク(11)、10位…インテル・ザプレシッチ(7)、11位…メヂムリエ(4)、12位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(3)

【得点】
8ゴール…モドリッチ(ディナモ)
7ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ)
6ゴール…シャラノヴィッチ(メヂムリエ)、マンジュキッチ(ディナモ)、カリニッチ(ハイドゥク)、テルケシュ(ザダール)、ロヴレク(ザグレブ)
5ゴール…ゼッツ(シベニク)、ヴィタイッチ(シベニク)、ジュパン(ザダール)、バラバン(ディナモ)

【アシスト】
4アシスト…ジュパン(ザダール)ムムレク(ヴァルテクス)、モドリッチ(ディナモ)、シャルビーニ(リエカ)
3アシスト…マンジュキッチ(ディナモ)、バラバン(ディナモ)、ブーレ(リエカ)、ヂャロヴィッチ(リエカ)、ツェルナト(ハイドゥク)、ポリャーク(スラヴェン)、ヴルチーナ(スラヴェン)

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