クロアチア・カップ/続くディナモの不振
25日と26日、クロアチア・カップが行われ、ベスト16を掛けての戦いが行われました。この試合からクロアチア一部リーグのクラブが加わるわけですが、基本はアウェーでの一発勝負となります。
ヴァルテクスに敗れてリーグ連勝記録がストップした失意のディナモ・ザグレブは、三部リーグのヴィロヴィティツァと対戦。ヴィロヴィティツァはかつて「ムラドスト127」という名前で一部リーグにも参戦していたのですが(三浦和良のディナモ・デビュー戦の相手)、チームは破産に追い込まれ、現在は地元の名前を取ってNKヴィロヴィティツァと呼ばれています。
何人かの主力選手は外れたとはいえ、名が知れた選手ばかりが出場したディナモですが、ショックを引きずったのがありありで、三部相手でもピリッとしません。
前半にGKロンチャリッチが相手選手と交錯し、膝を負傷して退場。その後は第3GKのケラヴァがゴールを守ります。後半48分、ブリャトのCKからバラバンのヘディングシュートでようやくディナモが先制しますが、55分にヴァツラヴェクがミドルシュートを決めて同点に追いつかれます。
埒が開かないディナモは、63分に休ませるはずのモドリッチを投入。チャンスを作り出すものの、75分にチャレがシュートをポストに当て、終了間際にはチャゴがミドルシュートを同じくポストに当てます。
とうとう後半に突入しましたが、96分に右CKからバラバンが、107分にはマンジュキッチがボレーシュートを決めて3-1と突き放し、危うく勝利を収めました。
この試合の会見後、イヴァンコヴィッチ監督(写真)は
「監督の中には、解雇されてしまった人物と、解雇されてしまう人物という二種が存在するが、私に関していえば解雇されることは間違いなくない。もし私が問題というならば、自分から話し合って去るつもりだ。」
と語りました。これから9日間でリエカ戦、アヤックス戦、ハイドゥク戦と厳しい戦いが続くだけに、イヴァンコヴィッチ監督にはイバラの道が待ち構えています。
グルギッチ会長辞任でチームが揺れているハイドゥク・スプリトは4部のムラドスト・モルヴェとアウェーで対戦。
走らない司令塔として批判を浴びているルーマニア人MFツェルナトをベンチに置き、20歳のFWマカリンを左アウトサイド、ラトビア代表FWヴェルパコヴスキスを右アウトサイドのMFに置いた4-4-2システムを採用。
前半でカリニッチがハットトリックを達成し、マカリンは前半と後半それぞれ2ゴールを決める活躍で9-0にて圧勝しています。
全試合の結果はこちら。順調に一部リーグのクラブが勝ち進む中、二部セゲスタに敗れたザダールと一部対決となったメヂムリエが敗退しています。
Virovitica - Dinamo Zagreb 1:3
Mladost Molve - Hajduk Split 1:9
Slavonac - Slaven Belupo 0:1
Dakovo - Kamen Ingrad 2:1
Medimurje - Sibenik 2:2 (PK 4:5)
Zelina - Rijeka 0:4
Trogir - Varteks 1:2
Ogulin - Osijek 2:3
Oriolik - Cibalia Vinkovci 1:4
Granicar - Zagreb 1:3
Slavonija - Pomorac 1:4
Croatia Sesvete - HASK 2:0
Segesta - Zadar 1:0
(太文字が勝ち抜け)
27日、クロアチア代表監督のスラヴェン・ビリッチは、欧州選手権予選のイスラエル戦(10月13日・ザグレブ)と親善試合のスロバキア戦(10月17日・リエカ)に出場するクロアチア代表メンバー23名を発表しました。
パルマ所属のFWイゴール・ブダンが怪我が完治せずに外れた以外は前回と同じメンバー。ただ、ディナモのMFオグニェン・ヴコイェヴィッチが今回は追加召集ではなく、最初から選ばれております。ただし、FWムラデン・ペトリッチ、MFニコ・コヴァチは所属クラブでそれぞれ怪我しており、メンバーから外れる可能性も出ております。全メンバーは以下の通りです。
GK:
スティペ・プレティコサ (スパルタク・モスクワ)
ヴェドラン・ルニェ (ランス)
マリオ・ガリノヴィッチ (パナシナイコス)
DF:
ダリオ・シミッチ (ACミラン)
ロベルト・コヴァチ (ボルシア・ドルトムント)
ヨシップ・シムニッチ (ヘルタ・ベルリン)
ヴェドラン・チョルルカ (マンチェスター・シティ)
ダリオ・クネジェヴィッチ (リボルノ)
ディノ・ドゥルピッチ (ディナモ・ザグレブ)
MF:
ニコ・コヴァチ (レッドブル・ザルツブルク)
ダリヨ・スルナ (シャフタール・ドネツク)
マルコ・バビッチ (レアル・ベティス)
イェルコ・レコ (ASモナコ)
ニコ・クラニチャール (ポーツマス)
ユーリツァ・ヴラニェシュ (ヴェルダー・ブレーメン)
ルカ・モドリッチ (ディナモ・ザグレブ)
ダニエル・プラニッチ (ヘーレンフェーン)
イヴァン・ラキティッチ (シャルケ04)
オグニェン・ヴコイェヴィッチ (ディナモ・ザグレブ)
FW:
ボシュコ・バラバン (ディナモ・ザグレブ)
ムラデン・ペトリッチ (ボルシア・ドルトムント)
イヴィツァ・オリッチ (ハンブルガーSV)
エドゥアルド・ダ・シルヴァ (アーセナル)
4位ハイドゥク・スプリトは2位リエカと対戦。試合はリエカのホーム、カントリーダ・スタディオン。ユーゴ時代を通して101回目となる「アドリア海ダービー」(Jadanski derbi)は、試合前からリエカが優勢とされていましたが、実力差がはっきりと出た内容かつ結果となりました。
後半に入ると、更にリエカの厚みのある攻撃にハイドゥクは防戦一方になっていきます。51分、ヂャロヴィッチがポストになってシャルビーニ(写真)がバイタルエリアでボールをもらうと右足を一閃。ボールはGKトミッチの腕を弾き、そのままゴール左上隅に突き刺さり、2点目を奪います。シャルビーニはドリブルやパスで危険な形を常時作り出し、新たなファンタジスタとして今季はクローズアップされている選手です。
その翌日、ハイドゥク・スプリトのブランコ・グルギッチ会長(写真は
ドラマティックな展開はロスタイムまで続きます。ムムレクが右サイドからの直接FKをコッホの読みとは全く逆のサイドに蹴り込んで4-3。これでヴァルテクスは今季初勝利どころか初勝点。ディナモはベンフィカが持つ国内リーグ29連勝まであと勝利一つとしながら、まさかの敗北を喫してしまいました。
ディナモとアヤックスが欧州の舞台で戦うのは初めてではなく、1998/99シーズンのチャンピオンズ・リーグのグループリーグで対戦しています。ホーム(1998年9月16日)では、クラニチャール監督率いるディナモが主導権を握るものの、プロシネツキのミドルシュートがGKファン・デル・サールに止められ、またヴィドカが決定機を外してスコアレスドロー。3節が終わってクラニチャール監督が解任され、ヴラジミール・ザイエッツが監督に就任。
アヤックスは厳しいマークでゲームメイカーのモドリッチ(写真)をチームメイトから寸断しようと図ります(アヤックスは以前にモドリッチ獲得を考えたものの、高すぎて断念した経緯あり)。
32分、ディナモはセットプレーのクリアボールをポクリヴァチュがミドルシュート。ボールはゴール前のヴコイェヴィッチに届き、右下隅を狙って近距離のシュートを放ちますが、GKステケレンブルフの好反応で先制点を奪えずに終わります。
後半、ディナモはヴグリネツを代えてFWショコタを投入し、バラバンをセカンドトップへと移します。最初のチャンスは49分、バラバンの左クロスにショコタが落とし、サミールがミドルシュートを狙いますが、惜しくもボールはポスト脇を逸れていきます(写真)。
そのツケは61分に訪れます。最終ラインでボールをキープしたドゥルビッチ(写真左)が、無意味に左のシルデンフェルド(写真右)に横パス。混乱したシルデンフェルドは前方にパスを出すも、あっさりロンメダールがカット。フンテラールに預けてDFの背後に抜けようとするロンメダールを左SBのチャレ(写真中央)がつくべきなのに、パスを貰い返したロンメダールの突破をあっさりと許してしまい、最後はGKコッホも抜かれてシュートを決められてしまいます。ディフェンス陣の凡ミスで失点してしまう癖は国内リーグで幾度も見られているのですが、このような大事な場面でもポカを犯してしまいました。
話を試合レビューに戻しましょう。ユルチェヴィッチに率いられたスラヴェン・ベルーポは安定したチーム経営から次第に強豪の一角へと入りつつあり、ガラタサライに敗れたとはいえ、今季はUEFAカップを戦ったチーム。2分には右から流れてきたボールをシクリッチがミドルシュートを放ち、弾道はしっかりと枠に行っていましたが、ディナモのGKコッホが好反応で逃れます。
12分にログリッチのラストパスから、MFヴィタイッチ(写真)がペナルティエリア手前かシュートを叩き込むと、30分にはFWゼッツのシュートが弾かれたところをヴィタイッチが押し込み、2-0とシベニクがリードを広げます。
いつものように自陣内を固め、ボールホルダーに対しては荒いチェックをしてくるアンドラ。標高900mの山岳地帯に位置するアンドラ・ラ・ベリャは風が強く、サイドチェンジやロングパスで打開しようにも正確性に欠けます。
34分、クラニチャールが倒され、正面25mの位置で直接FKを得たクロアチア。スルナが蹴ったボールはアンドラの人壁に当たり、そのままコースが変わってゴール右上に吸い込まれます。
後半頭からFWペトリッチを下げてバラバンを、モドリッチを下げて左MFにプラニッチを起用し、クラニチャールが左MFから中央へとシフトします。プラニッチ(写真)は先のエストニア戦ではベンチにも入れなかったわけですが、へーレンフェーンでの活躍ぶりを証明するようにタッチ&ゴーやドリブル突破で左サイドを切り裂きます(冬にはフェイエノールトに移籍とも)。
クロアチアのゴールラッシュは続き、56分、レコが右サイドから突破し、折り返しのパスからバラバンが放ったシュートはDFアヤラに当たるものの、エドゥアルドが反応良く左足を振り抜き、5-0とリードを広げます。
クロアチア代表の守護神として活躍したドラジェン・ラディッチ監督(写真)が率いるU-21クロアチア代表は、これまでフェロー諸島に2-0(ホーム)、ギリシャに3-2(ホーム)と勝利してグループリーグ首位。とはいえ、親善試合では首脳陣を満足させる戦いはできず、その上に選手たちのモラルが低く、ラディッチ監督を悩ませています。
試合を終え、チーム一行はザグレブ近郊の合宿地トゥヘリュに戻ってきたのですが、マンジュキッチ(写真右)とロンチャリッチ(写真左)がホテルの部屋で3時まで酒盛りをした上、そのまま友人の車で外出。ザグレブのクラブで一杯やって車でホテルに戻る際、スピード違反と無灯火で警察に捕まり、スキャンダルが明らかになりました。もちろん、ラディッチ監督は直ぐに二人を代表チームから追放しました。
8月のボスニアとの親善試合ではスタメン起用でアピールしたFWイゴール・ブダンが怪我のために外れたとはいえ、ブダン以外は代表のいつものメンバーがずらりと揃い、またFIFAから代表変更の許可が正式に下りた19歳のMFイヴァン・ラキティッチがベンチ入りスタートしました。またこの夏にアーセナルに移籍したエドゥアルド・ダ・シルヴァ、マンチェスター・シティに移籍したヴェドラン・チョルルカにとっては、ディナモを離れて初めてのマクシミール帰還となります。マイナス要素は二人のセンターバック、シミッチとコヴァチ弟がACミラン、ボルシア・ドルトムントで出場機会に恵まれいないことですが、それでも現時点のベストメンバー(4-4-2)で挑みました。
5分、エドゥアルドが左からヘディングで折り返そうとした際、DFアラスがハンドを犯し、クロアチアがPKを得ます。キッカーはスルナでしたが、左ポストにぶち当ててしまい、ワールドカップの日本戦同様に先制チャンスを台無しにしてしまいます(写真)。
36分にはクラニチャールからボールをもらったモドリッチが対角線にシュートを放つものの、ボールは左ポスト脇を通過。支配しながらも時間だけが刻々と過ぎる中、貴重な先制弾を決めたのは6月のタリンでの試合と同じくエドゥアルド(写真)でありました。
そして62分、クラニチャールに代わってラキティッチ(写真)が登場。19歳6ヶ月はクロアチア代表の公式戦において最年少デビューとなります。シャルケで背番号10をつける新星ラキティッチに対してスタンドの観客の期待は大きく、彼がボールタッチする度に歓声が上がりますが、「ロケット」のニックネームに似つかわしい爆発力は鳴りをひそめ、若干は遠慮していた感がありました。それでも73分、ボールは左ポストを逸れていったとはいえ、押さえの利いたミドルシュートを放ちます。
試合後、ビリッチ監督は
「僕にとっては再びマクシミールに来られたことが嬉しいね。ここは自分の家のように感じている。まるで僕がここから決して去っていないかのようにね。(マクシミールで行われる)イスラエル戦でここに戻ってくることを今から待っているよ。2ゴール目はアシストしてくれたモドリッチに感謝している。ディナモで一緒だった日々と同じようにピッチで僕たちは理解し合えるんだ。」
首位ディナモ・ザグレブはアウェーでNKザグレブと対戦。
その1分後にはオーバーラップしてボールをもらったポクリヴァチュがミドルシュート。GKストイキッチは左手で止めたものの、ボールを右手で掻いてしまい、そのままネットにボールが吸い込まれてオウンゴール。スコアが2-0と広がります。
ここ数年はユース選手を次々と育てることで、ディナモとハイドゥクに次ぐ三番手グループに位置していたヴァルテクスですが、今季は開幕スタートに失敗。クジェ監督は早々と去り、新たにベセク監督を迎えたものの、未だに一勝どころか全試合に負けております。昨季までヴァルテクスを指揮していたダリッチ、ヴァルテクスの主将だったMFシャファリッチ、またヴァルテクス・ユース育ちでこのほどディナモからレンタルされたMFイェルテツ(写真)が、古巣を相手にして初めて指揮・出場しました。
先制したのはアウェーのハイドゥク。5分にツェルナトがヘディングで前方に何でもないボールを押し込んだところ、クリアすべきDFクリスティッチがバランスを崩し、ボールはルカビナにかっさられ、そのままゴール左上にシュートを決められます。
ハイドゥクは3分、12分とカリニッチがシュートを狙うものの正確性に欠け、16分にリニッチのミドルシュート、25分にはチェルナトのCKからペライッチがヘディングシュートを狙いましたが、共に枠をわずかに逸れてしまいます。
試合が動いたのは9分、ハサン・サスからのパスを受けたカランのシュートはポストを叩かれるものの、こぼれ球を拾ったリンコルンが再びカランへと繋いでシュート。ガラタサライが先制点を奪います。
くじ運の悪さにディナモのイヴァンコヴィッチ監督は

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