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2007年9月12日 (水)

モラルの低下に苦しむU-21代表

A代表の欧州選手権予選と並行して、U-21代表の欧州選手権予選(本大会は2009年スウェーデン開催)が行われています。
クロアチアはイタリア、ギリシャ、アルバニア、アゼルバイジャン、フェロー諸島が同居するグループ1に所属。10のグループに分かれており、1位10ヶ国と2位で上位成績4ヶ国の計14ヶ国がプレーオフに進出、勝利した7ヶ国+開催国スウェーデンが本大会で戦います。
Ladic クロアチア代表の守護神として活躍したドラジェン・ラディッチ監督(写真)が率いるU-21クロアチア代表は、これまでフェロー諸島に2-0(ホーム)、ギリシャに3-2(ホーム)と勝利してグループリーグ首位。とはいえ、親善試合では首脳陣を満足させる戦いはできず、その上に選手たちのモラルが低く、ラディッチ監督を悩ませています。
リエカでキャプテンとして活躍するMFアナス・シャルビーニは、前回の合宿で控え選手という待遇に不満を持ち、荷物をまとめて合宿地を脱走。またハイドゥクのツートップ、ルカビナとカリニッチは共に怪我。カリニッチは4度に渡って怪我を理由に召集を断り、ルカビナは今回怪我のためにスプリトに帰されると直ぐにハイドゥクの通常練習に参加したことから、ラディッチ監督がその態度に不満を口にしております。

9月8日、そのクロアチアU-21代表がアルバニアのエルバサンにて、アルバニアU-21代表と戦いました。クロアチアのスタメン(4-2-3-1)は
GKロンチャリッチ-DFグラヴィナ、イプシャ、ロヴレン、パミッチ-MFプラヒッチ、ディニャール-マンジュキッチ、イリチェヴィッチ、クーケッツ-FWブシッチ
前半のクロアチアは格下相手にほとんどチャンスを作ることができず、後半もパスミスが目立ちます。ボランチのプラヒッチとディニャールは攻撃参加することなく、ドリブル突破に優れたイリチェヴィッチ(ボーフム所属)が孤軍奮闘するのみ。
アルバニアもこれといったチャンスがなかったわけですが、75分にロングボールを放り込むと、クロアチアのセンターバック、ロヴレンが目測を誤り、ボールは背後に入り込んだFWカニへ。そのままカニはドリブルを仕掛け、GKロンチャリッチをかわしてシュートを決めます。
クロアチアもイリチェヴィッチ、タディッチ、グラヴィナがシュートを放ちますが、GKコリキがセーブ。結局、クロアチアは0-1の敗北を喫してしまいました。

試合後の記者会見でラディッチ監督は
「私は大変失望している。負けたという事実以上に、その負け方や選手たちの振舞い方、プレーに対する取り組みに失望しているのだよ。この敗北は恥だ。我々は真剣な代表チームではなかった。」
とおかんむり。しかし、更にラディッチ監督を失望させることが翌日に起こります。

Sroncaric 試合を終え、チーム一行はザグレブ近郊の合宿地トゥヘリュに戻ってきたのですが、マンジュキッチ(写真右)とロンチャリッチ(写真左)がホテルの部屋で3時まで酒盛りをした上、そのまま友人の車で外出。ザグレブのクラブで一杯やって車でホテルに戻る際、スピード違反と無灯火で警察に捕まり、スキャンダルが明らかになりました。もちろん、ラディッチ監督は直ぐに二人を代表チームから追放しました。
マンジュキッチはドイツに住む姉が子供を出産したという知らせを聞き、そのお祝いで酒を飲んだと言い訳をし、ロンチャリッチはディナモのチームメイトということで酒に付き合ったとのこと。この二人は以前より問題児扱いされており、過去にロンチャリッチは前回のU-21代表合宿でカッとなってテレビを壊した前科がある上、ディナモでは遅刻の常習犯。ディナモの夏のキャンプでは練習をサボったために、合宿地から追放されました。マンジュキッチも直ぐにカッとなる性格で、欧州カップ戦では無駄にイエローカードを貰うことから罰金を科されています(5試合で4枚のイエロー)。

二人のハメを外した行動に怒り心頭のラディッチ監督は
「彼らの振舞いに対して、もう寛容になることはできない。余りにもやりすぎだ。心外だよ。あのような子供にとって良いことではない。アルバニア戦の前に彼らをチームから追放すべきだった。追放する際、彼らにはこう言った。
"私はお前たちに決して顔を向けることはしない。お前たちは私に対して好きなようにすればいい。"
もし代表でプレーすることが名誉ではなく、代表のプレーを望まないのならば、チームにとって必要ではないのだ。代表に召集されることを誇りにし、クロアチアのユニフォームを喜んで背負う若者たちがいるというのに…。
私の印象だが、クロアチア・サッカー界は試合への取組み方や仕事に対する考え方に問題を抱えている。私の選手たちは自分を高く買いかぶりすぎているのだ。」
と批判。また翌日にサッカー協会会長ヴラトコ・マルコヴィッチ氏が選手たちの前に現れ、
「カリスマ的なクロアチアのユニフォームを背負う準備のできてないものは、直ぐにでも去ってもいいぞ! (代表メンバーであることが)辛かったり、望まないのならば、お前たちは自由だ。扉はいつも開いている。クロアチア・サッカー協会がザグレブまでのタクシー代を払ってやる。」
と絞り上げました。サッカー協会も二人には罰金などの制裁を加える予定であります。

11日、クロアチアU-21代表は、ザグレブ郊外のザプレシッチでアゼルバイジャンU-21代表と対戦しました。スタメン(4-1-3-2)は以下のよう。
GKヴァルギッチ-DFバコヴィッチ、イプシャ、ロヴレン、パミッチ-MFディニャール-イリチェヴィッチ、ボシュニャク、クーケッツ-FWタディッチ、ブシッチ
一連の騒ぎで刺激を受けたのか、膿が十分に出されたのか、クロアチア・イレブンは前半から積極的なプレーをします。
13分、クーケッツからの縦パスを受けたタディッチ(ディナモ所属)が、チャンピオンズ・リーグでも対戦したGKアグハイェフ(ハザール所属)の股下を通すシュートを決め、先制に成功します。
更に21分、パミッチのミドルシュートがDFの足に当たって中に浮いたボールを、ペナルティエリア右にいたイリチェヴィッチがドライブをかけたボレーシュート。逆サイドのネットに突き刺さるビューティフル・ゴールで2-0とリードを広げます。
しかし、クロアチアの最終ラインは不安定で、次第にスピードあるアゼルバイジャンの攻撃に苦しみ始め、34分に左サイドから上げられたところをファーサイドのママドフがフリーでネットに押し込み、点差を縮めます。
とはいえ、前半ロスタイム、クーケッツの左クロスにブシッチがヘディングで合わせ、3-1と更にリードを広げました。
後半はペースが落ち、63分に1点目同様に左サイドを崩されて、中央への折り返しにママドフが決めて再び1点差。けれども、70分にユシフォフが二枚目のイエローで退場となって数的優位となり、終了間際にママドフの1対1のシュートをGKヴァルギッチがセーブして、3-2で何とか勝利を収めました。

試合後、ラディッチ監督は
「アルバニア戦の負けた後は困難な状況にあったが、勝点3を得ることに成功した上に自信を培うこともできた。もちろん、彼らは若い選手たちだし、彼らからルーティン的にプレーすることを期待することはできない。だから、問題が浮き彫りになったのだ。
アゼルバイジャンのようなチームを相手に、あのような2ゴールを奪われてはいけない。ヤル気と闘争心には拍手を送るが、まだ3人・4人はそれすら見せていなかった。次の試合では選手の変更があることだろう。」
とコメント。選手変更に関しては、謝罪を済ませたシャルビーニを復帰させることを明言してます。
これで3勝1敗のクロアチアは、3戦3勝のイタリアと勝点で並んでおり、10月12日にはアウェーでの直接対決を控えているとはいえ、モラルが低下した若い世代に対するラディッチの葛藤はまだまだ続くかもしれません。

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