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2007年10月 3日 (水)

クロアチア・リーグ第10節/ディナモ、2位リエカに1点差の勝利

遅れましたが、9月29日に行われたクロアチア・リーグ第10節に関するレポートを。

Smodric_i_sharbini今節の注目のカードは首位ディナモ・ザグレブと2位リエカの直接対決。前節、最下位ヴァルテクスに敗れてリーグ連勝記録が28でストップしたディナモに対し、リエカはハイドゥク・スプリトに4-0と快勝。現在の勝点差は「4」。調子が対象的な両 チームとあって、シーズン前半の行く末を決める試合であります。スタジアムはディナモの本拠地、マクシミール・スタディオン。観客数は思ったほど伸びず、7000人ほどに留まりました。
ディナモはベストメンバーを組んだのに対し、リエカは中盤のリーダーであるイヴァノフが累積警告で欠場。また右MFのブーレもウイルス性の病気で欠場しました。とはいえ、両チームの若きキャプテン、ディナモのモドリッチ(22歳・写真左)とシャルビーニ(20歳・写真右)のファンタジスタ対決が見所です。
お互いが削りあう激しい試合となりましたが、地力で上回り、ホームの利があるディナモが優勢に試合を進めていきます。とはいえ、リエカは中盤を支配されることなく、最終ラインもなかなか突破させません。
Smadzkic ディナモのチャンスは21分、マンジュキッチ(写真)が右サイドでDFブディチンからボールを奪うとエリア内に侵入。GKジリッチの手の届かないところにシュートを狙いますが、ボールはクロスバーを叩きます。
38分にはモドリッチがバラバンに繋ぐものも、バラバンのシュートは右ポストを逸れてしまいます。43分にも同じくバラバンがシュートを放ちましたが、GKジリッチがキャッチ。プレーの激しさを示す数字として、前半だけで実に32ものファウルを数えました。
後半に入ってもディナモの優勢は続きます。52分、マンジュキッチの右クロスにサミールがヘディングシュート。これに対してもGKジリッチが好反応でコーナーに逃れます。続くコーナーキックではドゥルピッチがヘディングシュートをしますが、ボールはクロスバーを越えていきました。
ディナモはバラバンが太股を痛めて負傷退場してしまい、このセットプレーの直後にタディッチがピッチに送られます。66分のマンジュキッチのシュートはGKジリッチに止められ、71分にはタディッチがワンタッチでマーカーをかわし、縦に抜けてシュートを試みますが、ボールはサイドネットの外側に留まります。
Snakon_gola なかなか均衡が破れない試合でしたが、76分、モドリッチの左CKにニアのシルデンフェルドがヘディングでボールの方向を変え、中央からヴコイェヴィッチが頭から飛び込んでのヘディングシュート。ボールはネットに突き刺さり、ディナモが決勝点を決めます。ヴコイェヴィッチはイヴァンコヴィッチ監督の方へと走り出し、批判の矢面に立ちつつあった監督としっかりと抱き合ったのが、印象的なシーンでありました(写真はガッツポーズするヴコイェヴィッチ)。
リエカもシャルビーニをはじめシュートを放ちましたが、枠を捕らえきれないが、GKコッホがセーブ。試合はそのまま1-0でディナモが勝利。選手たちに自信を取り戻す貴重な一戦となりました。
試合後、ゴールを決めたヴコイェヴィッチは
「この勝利は偉大な監督であり、同様に偉大な人物であることを示したイヴァンコヴィッチ監督に贈るものだ。僕たちにとっては辛い一週間だった。しかし、リエカ戦では僕たちが大きな家族であることを示したんだ。」
とコメントをしています。

怪我人も続出し、5位と不調に甘んじるハイドゥク・スプリトは、8位シベニクとアウェーで対戦。スプリトと同じダルマチア地方にあるシベニクとの一戦は「ダルマチア・ダービー」(Dalmatinski derbi)と呼ばれ、リエカとの「アドリア海ダービー」と共にライバル意識のある戦いであります。シベニクは昨季から13人の選手(うち9人がレギュラー)がチームを離れたため、シーズン当初はパッとしなかったものの、カリニッチ新監督のもとでチームが再構築。アウェーでは1分4敗と弱いですが、ホームでは第8節にリエカに今季初の土をつける勝利を収めております。
試合はシベニクのペースで進みます。10分にガブリエルのシュートがGKバリッチに弾かれ、ガラ空きになったゴールをゼッツがシュートを押し込もうとするものの失敗。ハイドゥクは24分にツェルナトがドリブルで次々とDFをかわし、シュートするもののGKルニェに防がれます。
後半はシベニクがチャンスを何度も作るものの決定機を失敗し続ける中、76分、クルシッチの右からのパスを受けたヴィタイッチが、一人選手をかわしてバイタルエリアから左下隅へと狙い済ましたシュートを決めて1-0とリードします。リエカを沈めるゴールも決めたMFヴィタイッチはハイドゥク・ユースで育ちながら、お払い箱になった選手でありました。
連敗が許されないハイドゥクは猛攻撃を仕掛け、80分、アンドリッチの直接FKはGKルニェがキャッチしながらもボールはゴールラインを割ったように見えましたが、線審はノーゴールの判定。ロスタイムにはコーナーキックから前線へと上がったGKバリッチが一つ頭越えてヘディングシュートを試みますが、ボールはクロスバーを越えてしまい、1-0でシベニクが勝利。ハイドゥクはリエカ戦に続いて敗れてしまいました。
Kresic この試合から二日後、ハイドゥクの監督セルゲイ・クレシッチ(写真・sport-netより)が辞表を提出。しかし、スプリト市長やスプリト・ダルマチア県知事までもが加わっての説得会議が行われ、クレシッチの留任が決定しました。その条件として現場にマイナス的な介入をするとされたスポーツ・ディレクターのイヴィツァ・シュリャクの辞任をクレシッチが要求したと言われています。辞表を提出したことに関してクレシッチ監督は
「辞表を提出した一つの理由としては、クラブにポジティブな効果を呼びたかったことがある。ところが、幹部が辞任では問題は解決しないと考えている。」
とコメントを残しています。
次節、いよいよハイドゥク・スプリトとディナモ・ザグレブが対決する「クロアチア・ダービー」(Hrvatski derbi)がハイドゥクのホーム、ポリュウド・スタディオンで行われます。両チームの勝点差は11まで開いていますが、今季初の対決だけに私もスプリトまで取材に行く予定です。

全試合の結果はこちら。

Sibenik - Hajduk Split 1:0
1:0 - Vitaic

Zadar - Varteks Varazdin 2:0
1:0  3' Zupan
2:0 58' Elez

Cibalia Vinkovci - Zagreb 3:1
1:0  5' Malcic
1:1 18' Lovrek
2:1 40' Malcic
3:1 52' Maroslavac

Inter Zapresic - Slaven Belupo 1:0
1:0 48' Starcevic

Osijek - Medimurje 4:0
1:0 19' Niksic
2:0 42' Pavlicic
3:0 76' Niksic
4:0 90' Niksic

Dinamo Zagreb -Rijeka 1:0
1:0 76' Vukojevic

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点27)、2位…リエカ(20)、3位…ザダール(20)、4位…スラヴェン・ベルーポ(16)、5位…ハイドゥク・スプリト(16)、6位…チバリア・ヴィンコヴチ(14)、7位…オシエク(14)、8位…シベニク(14)、9位…ザグレブ(11)、10位…インテル・ザプレシッチ(10)、11位…メヂムリエ(4)、12位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(3)

【得点】
8ゴール…モドリッチ(ディナモ)
7ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ)、ロヴレク(ザグレブ)
6ゴール…シャラノヴィッチ(メヂムリエ)、マンジュキッチ(ディナモ)、カリニッチ(ハイドゥク)、テルケシュ(ザダール)、ジュパン(ザダール)
5ゴール…ゼッツ(シベニク)、ヴィタイッチ(シベニク)、バラバン(ディナモ)

【アシスト】
4アシスト…ジュパン(ザダール)、ムムレク(ヴァルテクス)、モドリッチ(ディナモ)、シャルビーニ(リエカ)
3アシスト…マンジュキッチ(ディナモ)、バラバン(ディナモ)、ブーレ(リエカ)、ヂャロヴィッチ(リエカ)、ツェルナト(ハイドゥク)、ポリャーク(スラヴェン)、ヴルチーナ(スラヴェン)、テルケシュ(ザダール)

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コメント

この試合では今一つだったようですがアナス・シャルビニはかなり楽しみな中盤のプレーメーカーでありファンタジスタですね。


ボバン、アサノビッチ、プロシネチキ以来、クロアチア代表は中盤のプレーメーカーの不在に相当長く苦しみましたが、今の代表チームの中盤はモドリッチ、クラニチャル、ラキティッチ、スルナ、レコなど優秀な選手がいますので…期待できます。


兄のFW アフマド・シャルビニも良いみたいですし、(中東に行ってしまいましたが)シャルビニ兄弟の代表入りも有り得そうな予感がします。

投稿: ボクシッチ | 2007年10月 3日 (水) 23時23分

ちなみに今シーズンのハイドゥクはほぼ終了…ですね。


メンバー的にはディナモと双璧だと思うのですが、トゥドル、サブリッチの代表センターバックコンビを夢見て期待していたのですが…(--;)

右から、ジブコビッチ、サブリッチ、トゥドル、フルゴビッチの4バック…未だに実現せず…


チェルナト、ヴェルバコフスキスをレンタルとはいえ補強し、クロアチア国内クラブとしてはかつてないほどの豪華なメンバーなんですけどね…。


個人的にはやはりホームでサンプドリアに負けたとはいえプダルを解任するのが早すぎたと思います。我慢があまりにも足りないように感じました。

今のハイドゥクの状態はかなりグダグダでバラバラで泣けてきます。(-.-)

投稿: ボクシッチ | 2007年10月 3日 (水) 23時56分

シャルビーニ弟はここ二試合連続で生で見ましたが、身体の使い方が上手い選手ですよ。開幕戦の取材時には当たりに弱いかな、というイメージがあったのですが、どんどん上手くなっていますね。スピードに乗ってから放つミドルシュート、アウトステップでのパスなど、特色を持っている選手です。一時、シャルビーニ兄弟がパレスチナ代表(父親はシリア出身パレスチナ人)を選ぶ、なんて話はありましたが、兄貴はともかく弟はいずれクロアチアA代表に選ばれる逸材かもしれません。

ハイドゥクに関しては、今季頭にルカビナを獲得し、フロントが彼を高額で転売したい挙句、監督が無理して使わねばならないのがネックでしょうね。
昨季のひもじい戦力で前半まずまずの戦いを見せたゾラン・ヴリッチもルカビナの起用で苦労していましたし。ルカビナのポテンシャルは高いとはいえ、ペナルティエリアでゴールを決める場面のプレーが軽率すぎます。
チェルナトは80年代のプレーメーカー、ヴェルバコフスキスも軽い(想像以上に小柄なんですね)というイメージで。
チーロが監督で始まった2005/06シーズンの再現っぽくなってきてますよ。

ちなみに私が今いるところ、NKザグレブの練習がバルコニーから見えるところで、外ではチーロの声が飛んでいました(笑)

投稿: 長束恭行 | 2007年10月 4日 (木) 00時37分

ありがとうございます。アナス・シャルビーニますます楽しみです。


1987年生まれの若干20歳で背番号10でリエカのキャプテンと王道の要素が満載です。笑


クロアチア代表入りをついつい考えてしまうのですが。クラニチャル不在時に左MFで中盤を作るような感じが私の理想です。


ハイドゥクは…、ライバルのディナモにすべての面においてドンドン離されておりますね。(-.-)


ルカビナはスピードがあって突破力があるのですが…決定力がない→ボクシッチとどこか似ているような…(^o^;)


ハイドゥクの組織内で色々な複雑な事情があるのですね…。 完全に自滅みたいな感じで…


今シーズンはディナモの独走状態はないと確信していたのですが、早くも崩れ去りました…。


ハイドゥク対ディナモの第一戦が勝ち点11差の戦いになるとは、全く予想外でした…(;_;)泣

投稿: ボクシッチ | 2007年10月 4日 (木) 01時26分

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