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2007年10月29日 (月)

クロアチア・リーグ第12・13節/クロアチア・カップ

ここのところ更新が滞っていますが、ここ一週間のクロアチア国内のリーグ、カップ戦の成り行きをまとめましょう。

10月20日、クロアチア・リーグ第12節が行われ、首位ディナモ・ザグレブはアウェーにて8位シベニクと対戦しました。
前半はシベニクがディナモの攻撃をしっかりと食い止め、取り立てて見所の少ない内容でありましたが、後半に試合が動き出します。
52分、シベニクのMFヴィタイッチがゴール右下隅を狙って30mのFKを放ったものの、これにはディナモのGKコッホが好セーブ。続くDFグルイッツァのミドルシュートもコッホが食い止めます。
Svukojevic 54分にはヴィタイッチのCKにペナルティエリア内のFWゼッツが合わせに向かったところを、ユニフォームを引っ張られて倒されましたが、コヴァチッチ主審はPKを取りません。
シベニクの選手や監督、観客の怒りが頂点に達したのは82分でした。ディナモの右FKからのクリアボールをMFサミールがミドルシュート。ボールはシベニクの選手に当たってMFヴコイェヴィッチ(写真)の足元に届き、近距離からシュートを決めてディナモが先制します。しかし、ペナルティエリア内にはCKの場面で交錯して倒れたシベニクのDFボナチンが最後尾にいて、サミールがシュートを放った瞬間にはヴコイェヴィッチはそのボナチンよりも若干前のポジションにいました。副審はオフサイドの旗を挙げたのにもかかわらず、コヴァチッチ主審はゴールを認めてしまったのです。
更にロスタイム、マンジュキッチがペナルティエリアで倒されたことでコヴァチッチ主審はPKまで進呈。客席からの「ジプシー」「泥棒」のコールが更に激しくなりましたが、PKをFWショコタがきっちりと決め、2-0で勝利を果たしました。ちなみにショコタは起用の少なさを批判して一時は追放処分を受けてましたが、バラバン、タディッチの負傷も手伝ってこの試合で途中出場しています。

ただ今3連敗中で6位に転落したハイドゥク・スプリトは3位ザダールとホームで対戦しています。
これまで怪我人で泣かされたハイドゥクですが、骨折で今季前半が絶望のDFジヴコヴィッチ以外は全員が計算できる状態に。昨年のワールドカップのオーストラリア戦以来、ピッチを離れていたトゥドールもベンチスタートしました。
Skalinic この試合で一際目立ったのは、A代表入りも果たし、目下売り出し中の19歳FWカリニッチ(写真)。14分に得たPKは深く芝生をダフってしまい失敗しものの、36分にMFチェルナトの右CKをヘディングで決めて同点に追いつきます。
53分にはチェルナトのシュートが弾かれて左にこぼれたところをMFダムヤノヴィッチが中央へ。GKスバシッチがキャッチし損ねたところをカリニッチが押し込んで逆転に成功します。
70分には右SBペライッチの折り返しに、クレシッチ監督になってから起用チャンスを得ているMFリニッチがファーサイドから決めて3-1。その4分後にはリニッチがパスカットから左のスペースに走り込むカリニッチへボールを送り、カリニッチは右足でシュートを決めてハットトリックを達成。今季10得点目となるゴールでモドリッチを抜き、単独でトップスコアラーとなりました。
78分からはトゥドールが交替でピッチに送られ、14ヶ月ぶりの公式戦出場となりました。試合は4-1でハイドゥクの完勝に終わっています。

2位のリエカは、インテル・ザプレシッチに前半11分にPKで先制を許すものの、後半57分にMFブーレの右FKをDFブディチンがヘディングで決めて同点に追いつくと、73分には左SBパミッチの折り返しにFWヂャロヴィッチがGKと左ポストの隙間に流し込んで逆転に成功しています。

全試合の結果はこちら。

Hajduk Split - Zadar 4:1
0:1 21' Terkes
1:1 36' Kalinic
2:1 53' Kalinic
3:1 70' Linic
4:1 74' Kalinic

Zagreb - Medimurje 1:1
1:0 54' Lovrek
1:1 60' Bratkovic

Varteks Varazdin - Cibalia Vinkovci 2:1
1:0 25' Mumlek
1:1 90' Bagaric (PK)
2:1 90' Prahic

Rijeka - Inter Zapresic 2:1
0:1 11' Grgurovic (PK)
1:1 57' Budicin
2:1 73' Dalovic

Slaven Belupo - Osijek 2:0
1:0 14' Posavec (PK)
2:0 22' Posavec (PK)

Sibenik - Dinamo Zagreb 0:2
0:1 82' Vukojevic
0:2 90' Sokota (PK)

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10月23・24日にはクロアチア・カップが行われ、ベスト8の座を賭けて戦われました。このラウンドまでは一発勝負で決められます。

ディナモ・ザグレブは4日前と同様、アウェーでシベニクと対戦しました。
審判の偏った判定で負けた先の悔しさをぶつけるかのようにシベニクは6分、MFヴィタイッチのCKからMFガブルエル・ダ・シルヴァが先制点を決めます。
ディナモは久しぶりに先発したFWヴグリネツのチャンスメークから好機を見出すものの、ヴコイェヴィッチ、サミール、マンジュキッチのシュートはいずれも精度に欠けてしまいました。
37分にはヴィタイッチのクロスにFWゼッツがシュートを決めて、シベニクがリードを広げます。
Ssokotamandzkic ディナモは60分、ペナルティエリアの外でゼッツを倒したGKコッホがレッドカードを出されて更に苦境に立たされますが、これを契機にチームが一丸となり、一人少ないながらもイニシアティブを握ります。
70分、MFモドリッチからが右サイドからのお膳立てにMFマンジュキッチ(写真左)がロビングでシュートを決めて1点差にすると、77分には途中交替のFWショコタ(写真右)がMFグエラの放ったボールに食いついて同点弾を決めます。
シベニクはMFミラノヴィッチが二枚目のイエローで退場となり、更にディナモが加勢となり、89分、ショコタがゴール前の混戦を制してゴールを決めて逆転。土俵際のうっちゃりでディナモがベスト8進出を決めました。

ハイドゥク・スプリトはホームでクロアチア・セスベッテと対戦。
Ssablicセスベッテは2部とはいえ、現在はフルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツと首位争いをしており、昇格に最も近いクラブです。ちなみにこの試合でトゥドールがハイドゥクに戻って初めて先発出場しました。
最初の15分にFWカリニッチが二度に渡るチャンスを決められず、リードを作れないまま前半を終えたハイドゥクですが、後半52分、股関節に痛みを覚えたトゥドールに代わり出場したDFサブリッチ(写真)が、CKのクリアボールからシュートを決めて先制に成功します。88分にはMFツェルナトのFKをカリニッチがゴール前で方向を変えてゴールに流し込み、今季の公式戦15得点目を決めて、2-0と格下相手に勝利しています。

サプライズとなったのは2部のセゲスタと1部2位のリエカとの対戦。前半20分はアウェーのリエカが主導権を握るものの、次第にセゲスタが攻める展開に。35分にFWツェロヴェチュキが20mのミドルシュートを決めると、52分にはMFコヴァチェヴィッチを決めて2-0。87分にはDFヤンコヴィッチのゴールで、3-0と快勝。ザダールに続いて1部リーグのチームを食う金星を挙げました。

全試合の結果はこちら(太文字が進出)
Bjelovar - Varteks Varazdin 1:1 (PK 3:5)
Cibalia Vinkovci - Osijek 2:1
Hajduk Split - Croatia Sesvete 2:0
Slaven Belupo - Pomorca 1:0
Segesta - Rijeka 3:0
Sibenik - Dinamo Zagreb 2:3
Dakovo - Zagreb 0:7
Inter Zapresic - Podravina 1:0

また準々決勝のカードは以下のようです。昨季の決勝のカード、ディナモvs.スラヴェンがここで再現となります。初戦は11月7日、第2戦は11月28日。またUEFAカップを戦っているディナモは12月12日に初戦、第2戦は来年2月に行われる予定です。
Hajduk Split - Inter Zapresic
Segesta - Zagreb
Slaven Belupo - Dinamo Zagreb
Varteks Varazdin - Cibalia Vinkovci

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10月27日、クロアチア・リーグ第13節が行われました。

首位ディナモ・ザグレブはアウェーで4位ザダールと対戦しました。
カップ戦も含めればハイドゥク、シベニク、シベニク、ザダールと、アンチ・ディナモの多いダルマチア地方にて4試合連続の試合をしているディナモ。正GKコッホが先のシベニク戦で退場となったため、この日がデビューとなるGKケラヴがゴールを守りました。また、ここ2試合ゴールを決めているショコタが先発起用されています。
一方のザダールは、今季昇格組ながら一時は2位までつける躍進ぶり。とりわけホームでは4勝2分で負けなし。他のスタジアムと比べてもピッチが小さいという利点に加え、トルナーダと呼ばれる熱狂的サポーターの後押しがあるチームです。この日もスタノヴィ・スタディオンのキャパシティいっぱい、約6000人の観客が集まりました。
Ssokota開始4分、ザダールのMFトマソフの何でもない縦パスをDFドルピッチがクリアミス。それにFWテルケシュが追いつき、一対一となったGKケラヴが手を使ってテルケシュの足を引っ掛けたものの、この日の主審シムチッチもPKと判定せず。また荒れ気味の雰囲気になりますが、14分、MFスラツからペナルティエリア左に走り込むトマソフに展開し、最後は飛び出したケラヴを抜く中央へのラストパス。同じく走り込んだテルケシュが押し込んで、ザダールが先制に成功します。
しかしディナモも35分、MFポクリヴァチュの左クロスにMFマンジュキッチがヘディングで折り返し、最後はショコタ(写真)が倒れ込みながらシュートを叩き込んで同点に追いつきます。
その4分後には、MFモドリッチの右CKをDFシルデンフェルトがヘディングで繋ぎ、ゴールからマンジュキッチが左足で対角線にボレーシュート。それにショコタが反対側から突っ込んで、GKが触れる前に相手ゴールへとボールを押し込んで逆転に成功します。
後半に入ってザダールはミトロヴィッチ、バトゥリナ、チュスティッチの3人のフォワードを次々と投入するも、立ち上がりのようなリズムは作れず、逆にディナモがチャンスを作ります。しかし、ショコタとマンジュキッチの近距離のシュートはそれぞれGKスバシッチに止められ、追加点が奪えません。とはいえ、この試合でワントップのショコタとセカンドトップのマンジュキッチの連携が深まったのは大きな収穫でありました。試合は後半になっても動かず、2-1でディナモが勝利をしています。

5位のハイドゥク・スプリトはアウェーで9位インテル・ザプレシッチと対戦しました。
Sjarni 26日にハイドゥクのセルゲイ・クレシッチ監督が「個人的な理由」から辞任を発表。以前に成績不振を理由に辞任を希望した時には説得もあって留まったのですが、今回は理由を明らかにしないままチームを去ることになりました。この試合からアシスタント・コーチだったロベルト・ヤルニ(写真)がハイドゥクの指揮を取ることになりました。
現役時代は世界屈指の左サイドとして活躍したヤルニは、浅い最終ラインで中盤が菱形の4-4-2システムを採用。ツートップにはカリニッチとバルトロヴィッチを組ませ、ルカビナとヴェルパコヴスキスはベンチに置きました。またDFトゥドールは前のセスベッテ戦の怪我で欠場、またMFアンドリッチも前日の練習で怪我をして欠場です。
試合は開始4分、右SBペライッチの右クロスにインテルDFイフティッチがクリアミス。ボールは中央のカリニッチ(写真)に届き、空中のボールを上手く流し込んでハイドゥクが先制。これでカリニッチは11ゴール目となります。
Skalinic_2 その後もアウェーのハイドゥクが押しますが、ぬかるんだピッチに何度も足が取られる場面が増え、頼みの綱であるカリニッチに対してのマークも強くなります。一方のインテルも前半は何度か好機を見出しますが、28分のゴール前の混戦をFWグーリッチが決められず、33分のMFクルズナールの左クロスにグーリッチがヘディングで合わせるもボールは枠を捕らえられません。
後半はハイドゥクが引き気味となり、インテルに主導権を渡しますが、ゴール前を固めてゴールを割らせません。それでも最大のインテルのチャンスは55分、クルズナールの左クロスに途中交替のFWオスマールが飛び込み、ボールは相手ゴールへと向かったものの、ライン上でDFサブリッチがクリア。チーム力で上回るハイドゥクが1-0と辛勝し、3位へと浮上。ヤルニ新監督にとっては幸先良いスタートとなりました。

また、2位リエカはアウェーで7位チバリア・ヴィンコヴチと対戦。リエカはカップ戦敗退のショックから抜け切れられず、チバリアのU-21代表MFバガリッチにPKとミドルシュートの二発で沈められ、0-2で敗戦。首位ディナモとの勝点差を10にまで広げられています。

全試合の結果はこちら。

Zadar - Dinamo Zagreb 1:2
1:0 13' Terkes
1:1 35' Sokota
1:2 40' Sokota

Zagreb - Sibenik 3:1
0:1 17' Zec
1:1 20' Lovrek
2:1 57' Ibricic
3:1 61' Ibricic

Cibalia Vinkovci - Rijeka 2:0
1:0 55' Bagaric (PK)
2:0 80' Bagaric

Medimurje - Slaven Belupo 2:0
1:0 41' Saranovic
2:0 90' Peraica

Inter Zapresic - Hajduk Split 0:1
0:1 4' Kalinic

Osijek - Varteks Varazdin 0:1
0:1 37' Smrekar

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点36)、2位…リエカ(26)、3位…ハイドゥク・スプリト(22)、4位…スラヴェン・ベルーポ(20)、5位…ザダール(20)、6位…チバリア・ヴィンコヴチ(18)、7位…オシエク(17)、8位…ザグレブ(15)、9位…シベニク(15)、10位…インテル・ザプレシッチ(13)、11位…メヂムリエ(9)、12位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(9)

【得点】
11ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
9ゴール…モドリッチ(ディナモ)、ロヴレク(ザグレブ)
8ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ)、テルケシュ(ザダール)
7ゴール…シャラノヴィッチ(メヂムリエ)、マンジュキッチ(ディナモ)
6ゴール…ジュパン(ザダール)

【アシスト】
6アシスト…マンジュキッチ(ディナモ)
5アシスト…モドリッチ(ディナモ)、ツェルナト(ハイドゥク)、ジュパン(ザダール)
4アシスト…ムムレク(ヴァルテクス)、シャルビーニ(リエカ)、ブーレ(リエカ)、クーケッツ(インテル)、マルチッチ(チバリア)、ヴルチーナ(スラヴェン)

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コメント

仙台カップで見たカリニッチが活躍してるみたいで嬉しいです。2年前の仙台カップで見た時も、少し輝いてました。
(時差ボケがあったので、あまり体調がよく無かったとか。)
知っている選手が、活躍すると嬉しいです!

ブシッチ、A・ルカビナを追い越してのA代表は、日本から見てると意外でしたけど、現地ではどうなのでしょう?
抜擢という感はあると思いますけど、若手FWの中では、どのくらい期待されているのでしょう?

それに、アヤックス戦で大活躍したマンジュキッチも頑張って欲しいです。A代表となると、ライバルは多いですけど。

投稿: alena | 2007年10月30日 (火) 00時59分

カリニッチは17歳の頃から将来性は買われていたのですが、昨季にプーラとシベニクにレンタルされて一シーズン過ごしたことがプラスに働いていますね。
FW枠の競争は激しいため代表定着はまだ遠い話でしょうが、この前の召集は経験を積み、国際的に注目を浴びさせるといったビリッチ監督の計らいもあったのでしょう(なにせハイドゥク閥ですし)。
「もう少し守備面を…」というのはトゥドールの意見ですが、彼も含めて様々なサッカー関係者がその天性のゴール嗅覚を高く買っています。後は無駄なイエローカードが多いのを改善していかなくてはならないでしょうが、ハイドゥクではトゥドールを越える過去最高の移籍金額になるのでは?(600万ユーロ以上)、と言われていますよ。
ルカビナはちょっと期待外れでしたね。スターシステムに乗せられてしまった感があります。その点、マンジュキッチはまだまだ荒削りとはいえ、スケールのある選手ですよ。数年後には代表のレギュラーを張っている可能性もあるかもしれませんね。

投稿: 長束恭行 | 2007年10月30日 (火) 06時40分

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