« ヨシップ・クジェ、ルワンダ代表監督に | トップページ | クロアチア・リーグ第11節/クロアチア・ダービーはディナモに軍配 »

2007年10月 5日 (金)

ディナモ、アヤックス相手に歴史的勝利!/UEFAカップ一回戦

10月4日、UEFAカップ一回戦第二戦「アヤックス・アムステルダムvs.ディナモ・ザグレブ」が、アヤックスの本拠地アムステルダム・アレーナで行われました。
ホームでの初戦をDF陣のミスで0-1と落としたディナモはあっさりとこのまま敗退と思いきや、アウェーにおいてアヤックスを打ち破り、3年ぶりにUEFAカップのリーグ戦へ駒を進めました。

初戦は累積警告で欠場したマンジュキッチがセカンドトップで先発。バラバンがリエカ戦で怪我をしたため、ワントップにはタディッチが入りました。ディナモの布陣(4-2-3-1)は以下のよう。
GKコッホ-(右から)DFエトー、ドゥルピッチ、シルデンフェルド、チャレ-MFヴコイェヴィッチ、ポクリヴァチュ-サミール、マンジュキッチ、モドリッチ-FWタディッチ

一方のアヤックスは主力を次々と放出したことにより、チャンピオンズリーグ予備戦敗退など憂き目を見ましたが、エールディビジでは現在首位。前節のVVVフェンロ戦では6-1で勝利するなど調子が上がってきています。この日はトップ下にフローニンゲンから750万ユーロで獲得したウルグアイ代表FWのスアレスを起用してきました(4-4-1-1)。
GKステケレンブルフ-DFハイティンハ、ファン・デル・ウィール、スタム、コリン-MFロンメダール、マドゥロ、ガブリ、エマヌエルソン-スアレス-FWフンテラール

タディッチとマンジュキッチがスピードに難のあるアヤックスのDF陣に惜しみないプレスをかけ、またディナモの最終ラインもリスクを承知で高く上げることで、国内リーグでは見られないほどのコンパクトなサッカーを追求します。とりわけ前半でディナモが見せたサッカーは、アヤックスを凌駕する欧州水準のものでありました。
Smodric 開始1分にはスタムからボールを奪ったマンジュキッチがトラバースパス。中央のモドリッチ(写真)がワントラップから放ったボレーシュートはクロスバーを越えていきます。
しかし、アヤックスも序盤に落ち着きが見られないディナモ守備陣のミスを突き、6分、GKステケレンブルフが蹴ったゴールキックにディナモの誰もが処理できず、ペナルティエリアに走り込んだスアレスに。スアレスが苦しい体勢からシュートを放ちますが、ボールは左ポストを逸れていきました。
この致命的なミスからのピンチを逃れたあとはディナモの守備も安定。ディナモが足元でボールを繋ぎながら、ゲームを掌握していきます。前半の最大のチャンスは13分、フリースローのボールをもらったマンジュキッチがマーカーを振り切って右クロス。ニアポストでスタムをマーカーを外したタディッチがヘディングシュートを放ちますが、ボールは右ポストに叩かれてしまいます。こぼれ球をモドリッチがシュートを狙ったものの、このボールは左ポストを逸れていきます。
30分にはポクリヴァチュが左足からグラウンダーのミドルシュート。これにはGKステケレンブルフが右へと反応良く飛びつき、コーナーへと逃れました。
試合が動いたのは32分。アヤックスの中盤の選手が誤ってヘディングで自陣内へとボールを追いやると、マンジュキッチがそれをかっさらいペナルティエリアに。背後からファン・デル・ウィールが倒してしまい、クラッテンバーグ主審はPKの判定。キャプテンのモドリッチがきっちりと右上隅にPKを決め、ディナモが先制。二試合を通して振り出しに戻ります。
とはいえアヤックスも43分、マドゥロの縦パスをもらったスアレスがバイタルエリアでコースを見つけてシュートを放ちましたが、これにはGKコッホが素晴らしい反応でセーブ。ディナモは前半を1-0で折り返すことに成功します。

このラウンドでの敗退が許されないアヤックスも後半は次第に前掛かりになってきます。しかし、モドリッチのようにボールを前へ運べる選手がいないのが仇となりました。ディナモは相手のパスミスをカットしてはパスを繋ぎ、攻撃を仕掛けていきますが、アヤックスも身体を張ったディフェンスで追加点を封じます。
Skoch アヤックスは62分にDFファン・デル・ウィールを変え、ルーマニア代表の右MFオガラルを投入。攻撃リズムを更に上げ、一方のディナモは国内リーグとは違うリズムに体力は消耗し、次第にアヤックスが主導権を取り戻していきます。
65分、ゴール前のパス交換からスアレスが左サイドからシュートを放つものの、これはGKコッホ(写真)がキャッチ。68分のエマヌエルソンのミドルシュートはクロスバーを越えていきます。74分にはスアレスの強烈なミドルシュートを再びコッホがキャッチ。76分にはロンメダールの右からの折り返しにフンテラールがスルーし、最後はスアレスが合わせますが、これまたコッホがパンチングでゴールを守りきります。コッホの神がかりなセーブに加え、今季は何度も凡ミスを繰り返したディフェンス陣もこの試合では集中が切れません。
ディナモはサミールに代えてグエラ(69分)、タディッチに代えてミキッチ(78分)を入れ、彼らのスピードを生かして打開策を図ります。87分にはマンジュキッチから右サイドでボールを貰ったモドリッチがドリブルで二人をかわし、右からシュートを放ちますが、GKステケレンブルフがセーブ。試合は延長戦へと突入しました。

後半のプレッシャーを耐えたディナモは延長戦に入ると息を吹き返します。91分、右からのモドリッチのCKにドゥルピッチが頭一つ越えてヘディングシュート。タイミングはドンピシャでしたが、ボールは左ポストを外れていきます。
Smandzkic しかしながら94分、ミキッチからの右クロスにファーポストへと回り込んだマンジュキッチ(写真)がフリーでヘディングシュートを叩き込み、勝ち越しに成功。貴重なアウェーゴールとなります。
更にその2分後、右サイドのグエラが折り返したところを中央のミキッチがスルーし、左サイドのマンジュキッチがペナルティエリア内でボールを貰うと、マーカーとの間合いを見て右足を振り抜きます。GKステケレンブルフは一歩も動けず、シュートはネットの右下隅に突き刺さり、リードを更に広げます。
3点を取り返さないと勝ち進めない状況下のアヤックスは、スタムを前線に上げるスクランブル体制に。101分にスタムがポストとなって右サイドのオガラルへとボールを流し、彼からの折り返しにフンテラールが決めて1-3。また延長後半のロスタイム、エマヌエルソンの縦へのロングパスがフンテラールに届き、これを決められて2-3となりますが、ディナモはリードを守りきり、トータルスコア3-3、アウェーゴール2倍ルールの適用により、過去4度欧州王者になったアヤックス相手に歴史的な勝利を収めました。

試合後、ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「これは私のキャリアにとって最も大きな、そして最も甘い勝利だよ!
アムステルダム・アレーナで実現した勝利を可能にしてくれた選手たち、スタッフ、フロントにおめでとうと言いたい。私たちは驚くべき試合をやり遂げた。勝利への貪欲さと共に、見たこともないほどの闘争心を持ってして素晴らしい戦いをやった。スペクタクルなプレーがスペクタクルな結果をもたらしたのだよ!」
と、普段は淡々と語る彼が声を震わせながらコメントしました。
一方、チェルシー監督就任の噂もあるテン・カテ監督は
「このようになってしまって残念だ。私のチームがこんな悪いプレーをするとは予想もしてなかった。初戦では良い結果だけに、とりわけ攻撃面でもっと良いプレーすると思っていた。選手たちにはとても失望している。彼らとどうやっていけばいいか私は分からない。」
と語っています。
PKに繋がるファウルを貰い、決勝点を含む2得点を決めたマンジュキッチは
「僕たちが偉大なチームであることを示したよ。アムステルダムで3得点を決めて、アヤックスを倒したのだからね。これは僕のキャリアで最大の試合だ。違うなんて口にしたら、それは嘘となるだろう。この試合のために僕たちは生きてきたんだ。」
と喜びを持って語っています。

ディナモ一向のチャーター機は夜2時半にザグレブに到着。選手たちを1200人のサポーターが迎えました。最近はジャーナリストへの侮辱で訴えられ、新スポーツ法に反する移籍のやり取りから検察に目をつけられているディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチも、喜びからハメを外しまくり。ザグレブ空港でのパーティでは泥酔して服を脱ぎだす始末。サポーターから野次られて激怒し、一触即発状態となり、特別警官隊が介入するまでになりました。
(空港での写真はこちら/試合の動画はこちら)

|

« ヨシップ・クジェ、ルワンダ代表監督に | トップページ | クロアチア・リーグ第11節/クロアチア・ダービーはディナモに軍配 »

コメント

この勝利はクロアチア国内リーグ、国内クラブへ良い影響を与える出来事ですね。


やれば、出来るということでしょうか。


日曜日のハイドゥク対ディナモが楽しみになってきました。

投稿: ボクシッチ | 2007年10月 6日 (土) 01時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ヨシップ・クジェ、ルワンダ代表監督に | トップページ | クロアチア・リーグ第11節/クロアチア・ダービーはディナモに軍配 »