クロアチア・リーグ第16節
11月10日・11日にクロアチア・リーグ第16節が行われました。
首位ディナモ・ザグレブはホームでオシエクと対戦。この日はスタンドが無料開放されたこともあり、1万人の観客がマクシミール・スタディオンに集まりました。
3日前のバーゼル戦で心身ともに疲労しているとはいえ、イヴァンコヴィッチ監督は同じスターティングメンバーでゲームをスタート。プレーテンポがバーゼル戦とは遅いとはいえ、国内水準では十分な戦いをしました。 24分、MFモドリッチのFKがクリアされたボールをエリア外のMFヴコイェヴィッチ(写真)が拾い、エリア内へと持ち込んで左足でシュートを放ちますが、ボールは右ポストをわずかに逸れます。
とはいえ、33分、MFグエラが倒されて得たゴール正面での直接FKを、FWショコタがグラウンダーで狙ったところ、ボールはオシエクの選手の壁で止まってヴコイェヴィッチの足元に。A代表のメンバーに定着しつつあるヴコイェヴィッチが右足で決めてディナモが先制します。
この1点で勝ち切れてしまうのが今季のディナモ。その後はチャンスが生まれず、58分にモドリッチがベンチに下がったのちはチャンスを演出できません。オシエクは81分、FWフルンチェヴィッチがエリア内でフリーでシュートを狙ったものの、ボールは枠を外れてしまいます。
ルーティンワークでディナモが勝利を飾り、第9節にヴァルテクスに1敗した以外は15試合全勝しています。
3位ハイドゥク・スプリトは最下位メヂュムリエとホームのポリュウド・スタディオンで対戦しました。 ゲーム序盤はメヂュムリエが優勢だったものの、17分、クロアチアの水にも慣れ、本領を発揮しつつある元ルーマニア代表MFチェルナト(写真)がFWカリニッチとのワンツーを決め、最後はGKとの一対一を冷静に決め、ハイドゥクが先制します。
メヂムリエも28分、MFダルモビルがミドルシュートを試みると、ボールはDFトゥドールの足に当たって弾道が変わり、ネットへと突き刺さって同点に追いつきます。
しかし、ハイドゥクは40分、チェルナトが3人を引きつけてからスルーパスをFWヴェルパコヴスキスに通すと、自らシュートを打てる立場ながら左にいるカリニッチにアシストし、カリニッチがしっかりと決めて2-1と勝ち越します。
後半50分にはチェルナトの左FKにヴァルパコヴスキスが滑り込みながらヘディングシュートを決め、3-1とリードを広げます。
昨季までのハイドゥクならばこのまま勝てたのですが、シーズン前の体力作りに失敗したせいか、ゲーム後半にあっさりと失点を許してしまいます。54分、メヂムリエのMFピシュコールに25mのミドルシュートを決められて1点差に縮められると、62分、DFチェリシュチャクの右クロスにFWペライッツァにヘディングシュートを決められて同点。更に67分には先ほどと同様にチェリシュチャクの右クロスにFWエリオマールがヘディングシュート。これはハイドゥクのGKトミッチが好反応で逆転ゴールを逃れます。
その後はハイドゥクが総攻撃を掛けるも、シュートはことごとくGKバノヴィッチの正面か、枠を捕らえきれずに3-3のドローで終了。82分にDFフルゴヴィッチが負傷退場したのですが、まだ交替枠が一人余っているというのにヤルニ監督はフルゴヴィッチが戻ると考えて誰もピッチに送らず、終了まで一人少ない状態で戦い続けるというお粗末な采配を見せています。
今節で問題になったのは、テレビ放映もされた2位リエカvs.8位ザグレブの対戦でした。 試合は7分、MFムイジャからの縦パスを受けたMFブルクリャチャが決めて先制し、その後はリエカの反撃を食い止め続けたものの、75分、リエカのクロスボールにザグレブのDFイヴァンコヴィッチがハンドを取られてしまいます。映像では手ではなく身体にボールが当たっている上、ハンドを取るにしてもFWヂャロヴィッチがヘディングを空振りしたボールが、手を下げた状態のイヴァンコヴィッチに当たっただけであり、到底ハンドにはならない場面。PKをヂャロヴィッチが決めて同点に追いつかれると、ロスタイムにはゴール前に放り込まれたボールをザグレブGKストイキッチがキャッチミス。ヂャロヴィッチにバイシクルで逆転ゴールを決められ、ザグレブはリエカに1-2と敗れてしましました。
降格ゾーンが近づいてきたザグレブにとっては死活問題であるため、ブラジェヴィッチ監督(写真)やメディッチ会長は黙っておらず、ヴチェミロヴィッチ主審を公に批判。背後に犯罪グループの存在すら指摘しました。今季はやたらと誤審が多く、その誤審が試合結果に大きく左右しているため、クロアチア・サッカー協会の審判委員会のディドヴィッチ会長が辞任を提出するまでに至っています。
全試合の結果はこちら。
Zadar - Cibalia Vinkovci 1:1
0:1 7' Bagaric (PK)
1:1 37' Tomasov
Varteks Varazdin - Slaven Belupo 1:1
1:0 22' Mumlek (PK)
1:1 78' Vrucina
Sibenik - Inter Zapresic 1:1
1:0 6' Vitaic
1:1 42' Gulic
Hajduk Split - Medimurje 3:3
1:0 17' Cernat
1:1 28' Darmopil
2:1 40' Kalinic
3:1 50' Verpakovskis
3:2 54' Piskor
3:3 62' Peraica
Rijeka - Zagreb 2:1
0:1 7' Brkljaca
1:1 75' Dalovic (PK)
2:1 90' Dalovic
Dinamo Zagreb - Osijek
1:0 33' Ognjenovic
【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点45)、2位…リエカ(33)、3位…ハイドゥク・スプリト(27)、4位…スラヴェン・ベルーポ(27)、5位…ザダール(22)、6位…チバリア・ヴィンコヴチ(20)、7位…オシエク(18)、8位…シベニク(17)、9位…インテル・ザプレシッチ(17)、10位…ザグレブ(16)、11位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(14)、12位…メヂムリエ(10)
【得点】
12ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)、ヂャロヴィッチ(リエカ)
9ゴール…モドリッチ(ディナモ)、ロヴレク(ザグレブ)
8ゴール…テルケシュ(ザダール)、マンジュキッチ(ディナモ)
7ゴール…シャラノヴィッチ(メヂムリエ)、ヴィタイッチ(シベニク)、ヴコイェヴィッチ(ディナモ)
【アシスト】
6アシスト…マンジュキッチ(ディナモ)、ムムレク(ヴァルテクス)、ブーレ(リエカ)、ツェルナト(ハイドゥク)
5アシスト…モドリッチ(ディナモ)、ジュパン(ザダール)、シャルビーニ(リエカ)、マルチッチ(チバリア)
4アシスト…クーケッツ(インテル)、ヴルチーナ(スラヴェン)、ケーリッチ(チバリア)、ムイジャ(ザグレブ)
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更に前になりますが、11月7日にはクロアチア・カップ準々決勝第1戦が行われています。
インテル・ザプレシッチとホームで対戦したハイドゥク・スプリトは、FWカリニッチのPKとDFペライッチのヘディングシュートで前半2-0とリードしたものの、後半72分にFWシヴォニッチがMFグルグロヴィッチのアシストからシュートを決めて2-1。最小リードで第2戦を迎えることになりました。
ヴァルテクス・ヴァラジディンはホームでチバリア・ヴィンコヴチを4-0と一蹴。
唯一2部でベスト8まで勝ち上がったセゲスタは、ザグレブに押されながらもスコアレスドローに終わっています。
Hajduk Split - Inter Zapresic 2:1
1:0 3' Kalinic (PK)
2:0 42' Pelaic
2:1 72' Sivonic
Varteks Varazidin - Cibalia Vinkovci 4:0
1:0 5' Mumlek (PK)
2:0 19' Prahic
3:0 37' Mujanovic
4:0 67' Semler
Segesta - Zagreb 0:0
Slaven Belupo - Dinamo Zagreb (12月12日か16日or17日に延期)
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クロアチア代表は11日からスロベニアのチャティジュにて合宿をスタート。ハイドゥクのFWカリニッチが怪我のため、ディナモからFWマンジュキッチが代わりに選出されました。しかし、マンジュキッチは寝違えて首を痛め、ペトリッチは前節の試合で脳震盪を起こしているため、100%計算できるのはエドゥアルドとオリッチのみという状況です。
もっと深刻なのはU-21代表。カリニッチとマンジュキッチが上記の理由で計算できず、怪我のためMFイリチェヴィッチ、MFシャルビーニ、MFケーリッチも召集されず。合宿に参加しているFWタディッチ、FWプラヒッチも怪我。U-21欧州選手権予選突破の鍵を握るギリシャ戦が控えているだけにラディッチ監督も頭が痛いところです。
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