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2007年11月16日 (金)

NE DAJ SE SVABO!

こちらの今朝、「オシムが急性脳梗塞で倒れた」というニュースを耳にし、今でも信じられずにいます。今年初め、本制作もあって集中的にオシムと会ってきたわけですが、熱くサッカーを語る姿が今でも忘れられません。
Sosim サッカーと共に生き、サッカーのために生きてきたオシムは、日本サッカーに自らを捧げながらも、故郷サラエボを大事にしてきました。サラエボで会った時のオシムは「これを機に会いたがる人が多くてね」と忙しそうにしつつも、嬉しそうな眼をしていたものです。あれだけのサッカー人間ですから、日本代表で遣り残した仕事があるのは不本意でしょうが、せめて命だけは取り留めて、最後には愛するサラエボに戻って欲しいと願っています。

2005年9月のクロアチアのスポーツ紙"Sportske Novosti"で、彼が懇意にしているジャーナリスト、アントン・サモヴォイスカ氏が「故郷に戻ることをしばしば考えたりするか?」と質問した際、彼は「ああ、私の戻る家がどこか判ったならばね....」と答えました。これに関して、今年初め、オシム本人に問いただしたところ、少し黙り込んだ後で、真のプロフェッショナルらしく、このように語ってくれました。

『故郷に戻るのを待っている間も人生は過ぎていく。私は人生の大部分を「外」で生きてきた。「外」とはどんな意味か? 「世界」に住んでいるということだよ。「世界」---私が自惚れているとか、自分を世界的人間と見なしている、とは解釈しないでくれ。そうじゃない。人生がそうさせるものだ。

あちこちに住むと、最後には「何なのか?」と自問するものだ。自分に最も固く結びついたもの。それは、私が生まれ育ったサラエボの一地区である。それに次ぐ残りが、私が働いた場所であり、プレーした場所だ。いつもそうして私は人生を思い巡らせている。

概して人間は、窮屈な事柄や手に負えない事柄に繋がれることなく、動き回り、人生を生き、それから多くを知るべき生き物だ。故郷はどこか、ルーツはどこかを知るのは素晴らしいことである。一方で、いわゆるコスモポリタンであることも素晴らしい。だから「いつ祖国に戻るのか?」との質問を受けた瞬間、何を考えているか答えることが難しかった。唯一言えるとしたら、戻るかもしれないし、私が生まれた場所で死ぬかもしれない、ということだ。しかし、サラエボで死ぬことと、人生を生きることは同じではないのだよ。

人生で何が起こるかなんて誰が知るものか。とりわけサッカー界で、ここやそこ、もしくは違う土地にどれぐらい留まるか、なんて誰が予想できるのかね。全ては状況次第だ。何をするのか、どこへ行くのかを選ぶ機会がいつでもあるわけではない。時には様々な環境が人々を動かし、思ってもいなかった場所に生きさせられることがある。それがより良い可能性もあれば、より悪い可能性もあるのだよ。マジョルカ島で余生を過ごすことを選べるような人々は少しだけだ。しかし、そこに住んだとしても、それも退屈なものだ。』

NE DAJ SE SVABO! (諦めるな、シュワーボ!)

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コメント

初めまして、白谷と申します。
書き込むのは初めてですが、
いつも愛読させていただいてます。

小ブログで、長束さんの書かれた記事を
引用させていただきました。
事後承諾で申し訳ありません。


僕も、浦安の方に向かってつぶやいてみました。
諦めるな、シュワーボ、と。

投稿: 白谷 | 2007年11月16日 (金) 23時31分

いつも拝見してました。
涙出そうになったけど、堪えました。
必ず回復する!
これだけの人が本気で同じ思いで祈るのは、代表応援しなかったりする人もいるサッカー界では例を見ないかもしれません。
NE DAJ SE SVABO!

投稿: みみ | 2007年11月17日 (土) 00時07分

初めて書き込みします。
自分の人生で初めて本気で祈っています。
良くなってください!
サッカーの神様!お願いします!

投稿: thai | 2007年11月17日 (土) 00時41分

ただただ祈ってます。オシムさん、帰ってきてください。あなたの誠実な仕事がやっと軌道に乗ってきたところ。その先をいっしょに見届けましょう!

投稿: lumiko | 2007年11月17日 (土) 02時35分

blogになってからは初めて書き込ませていただきます。いつもたくさんの貴重な情報を本当ありがとうございます。
突然の知らせですが、一日でも早く回復されサッカーを楽しむ日がくるようお祈りしております。当方も海外に住んでいるのですが、日本に向けて。。。
諦めるな、シュワーボ!

投稿: three3i | 2007年11月17日 (土) 06時50分

はじめまして。
ジェフサポな為、いつもオシム関連の記事は読ませて頂いております。
今回のエントリを読んで、泣きそうになりました。
このような情報を提供して下さって、本当に有難う御座います。
イビチャ・オシムの回復を、心から願っております。

NE DAJ SE SVABO!

投稿: ぽぽぬ | 2007年11月17日 (土) 22時29分

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