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2007年11月20日 (火)

クロアチア、マケドニアに敗れるもユーロ本大会出場決定

11月17日、欧州選手権予選「マケドニアvs.クロアチア」戦がスコピエで行われ、泥んこのピッチの中、マケドニアに2点を奪われ、予選で初めての敗北。しかしながら、グループリーグ3位のロシアがアウェーのイスラエル戦に1-2と負けたことでクロアチアを勝点で追い越すことができず、クロアチアが最終節のイングランド戦を残して欧州選手権本大会出場を決めました。クロアチアは独立以降、3度目となる本大会出場となります。

Snaumoski スコピエは雪に続いて雨が降り、また会場となったグラツキ・スタディオンは3日前にヴァルダル・スコピエvs.パルチザン・ベオグラードのベテラン選手によるエキジビジョンマッチ(ヴァルダルのユーゴリーグ優勝20周年記念)が行われたことで最悪のピッチコンデション。試合開始1時間前になっても試合が開始されるかはっきりせず、審判団と両チームの監督らとの話合いが行われ、クロアチアのビリッチ監督は試合開催に反対、マケドニアのカタネッツ監督は試合開催に賛成。しかし、UEFAの圧力もあって最終的に試合開催が決定しました。

クロアチアはこの試合で引分け以上ならば、ロシアやイングランドの結果に関係なく本大会出場となります。ビリッチ監督は9月のエストニア戦以来、二度目となるベストメンバーを組むことができました。スタメン(4-4-2)は以下になります。
GKプレティコサ-(右から)DFチョルルカ、シミッチ、コヴァチ弟、シムニッチ-MFスルナ、コヴァチ兄、モドリッチ、クラニチャール-FWペトリッチ、エドゥアルド

一方のマケドニアは、エースのパンデフが負傷のため欠場。代わりにトップ下に入るはずのトラヤノフまで合宿中に負傷してしまったため、以下のメンバーで構成してきました(3-5-2)。
GKミロシェフスキ-DFセドロスキ、ミトレスキ、ノヴェスキ-MFラザレフスキ、シュムリコスキ、グロズダノスキ、ポポフ-タセフスキ-FWマズノフ、ナウモスキ

時間が経過すればするほど田んぼのように化していくピッチでは、パスとコンビネーションを重視したクロアチアのサッカーを表現できません。それでもいつものスタイルで通そうとするクロアチアに対し、中盤により枚数を掛け、アグレッシブにボールを奪いに来るマケドニアに押されてしまいます。ただマケドニアもこの状況下ではフィニッシュに持ち込めず、両イレブンが泥にまみれての肉弾戦となり、サッカーとは程遠いスポーツが行われているかのようでした。
前半の最初で最初のゴールチャンスは33分、右からマズノフから左足でクロスボールが入った瞬間、ゴール前にナウモスキがDFのマークから抜けましたが、頭一つ届かずにボールはGKプレティコサに。プレティコサは反応できずにキャッチミスをしますが、ナウモスキが詰め寄る前に掴み直します。
クロアチアは42分、一週間前に脳震盪を起こしたペトリッチを下げ、機動力に優れたFWマンジュキッチをピッチに投入。マンジュキッチにとっては代表デビュー戦となりました。

両チームにシュートが一本もないままハーフタイムになったのですが、1時間早くキックオフしていたイスラエルvs.ロシア戦が2-1で終わり、クロアチアのコーチ陣や選手たちは本大会出場が決定することを知ります。試合後にビリッチ監督は
「結果を知って、気分がかなり楽になった。試合に勝とうと話し合ったものの、あの試合結果が私たちに良いものと悪いものをもたらした。オフェンスではよりリラックスして入れたものの、ディフェンスにおけるリラックスは良いことではなく、集中が切れてミスに繋がってしまった。」
と語ったように、後半のクロアチアはゲームを優勢に進めながらも致命的な失点をしてしまいます。
とはいえ、クロアチアのビッグチャンスは53分にありました。スルナからの縦ロングパスがエドゥアルドに通ると、巧みなトラップとワンタッチからGKミロシェフスキをかわし、左に回ってシュートを放ちますが、ゴール前にカバーいたミトレスキがクリアしてしまいます。
ビリッチ監督はその1分後にエドゥアルドをイングランド戦に温存するためベンチへと下げ、足首の負傷から癒えたオリッチを投入。これで先発したツートップが入れ替わることになりました。
マケドニアは57分、右サイドのラザレフスキからエリア内左のマウモスキにロングパスを通すと、中央へ走り込んだマズノフにヘディングで折り返し。しかしながら、マズノフのシュートはシミッチに止められます。
マケドニアの攻撃が実を結んだのは70分、左サイドでマズノフがボールを受けると、チョルルカとスルナの寄せを避けてからゴール前のタセフスキに一度預け、フリーのスペースへ。ゴール正面でボールを貰い返すと、そのままゴール右下隅に狙い済ましたシュートを放ち、マケドニアが先制に成功します。
クロアチアも72分、オリッチが左スペース前方に蹴り込み、俊足を活かして自らボールに追いつくと、そのままフェイントでDFをかわしてペナルティエリアに侵入。しかし、死角から放ったシュートはサイドネットに収まってしまいます。
決定打となったのは79分、タセフスキがクリアボールを拾ってグラウンダーのミドルシュートを放つと、ボールはゴール前のナウモスキの足元に。ナウモスキが左に蹴り込んで、2-0とリードを広げます。
クロアチアの選手たちも必死に戦ったとはいえ、リードを縮めることすらできず。本大会出場が決まったとはいえ、苦い敗北を喫してしまいました。
(写真はSport-netより)

A代表の監督に就任して以来、15試合目にして初めて敗北を経験したビリッチ監督(写真)は試合後の記者会見にて
Sbilic_2 「条件はサッカーには本当に適さないものだった。このようなピッチでプレーするのは不可能だ。マケドニアがよく適応したとは言いたくない。私たちがゲームを支配した時間帯に、相手の2本のシュートが2点に繋がったのだから。この90分間が私たちの運命を決めるというのに、これまで一年半辛抱強く、かつ素晴らしく築いてきたものが全て壊されるところだったのだよ! 
このようなピッチなのにマケドニアは試合をやろうと主張し、審判もプレーすることを決め、私はそれを受け入れた。選手たちは自分の持てる全てを出してくれたし、英雄らしく戦ってくれた。私は唯一、よくやったと褒めるだけだ。イスラエルには本当に感謝しているよ。」
とコメント。またクロアチアテレビ(HRT)のインタビューでは
「私たちはロンドンでのイングランド戦で全力を出すつもりだ。イスラエルの誠実さを私が褒めるのならば、ロンドンで我々が全力を戦わないとしたら愚かな存在に過ぎない。今夜のお祝いはちょっとだけだ。水曜日にイングランドと素晴らしい戦いをし、クロアチア国民が我々のことを誇りに思うよう全てをやるよ。」
と述べています。
幸い、スコピエでの試合でクロアチアに怪我人はなく、21日のウェンブリーの決戦では手を抜くことなくイングランドを叩きに行くことになります(宗教的・歴史的にイングランドはクロアチアにとって好ましくない国であることもありますが……)。ちなみにイングランドは本大会出場するためには、クロアチアに引分けか勝利することが必要です。
クロアチア代表はイングランド戦に合わせてアウェーのナイキのユニフォームも新調。国内におけるイングランド戦の注目度は高く、クロアチアからは実に15台のチャーター便が飛び、6000人近いサポーターが集結することになります。
クロアチアは1996年イングランド大会、2004年ポルトガル大会に次いで三度目の本大会出場。ワールドカップを含めれば、独立以後に予選を戦った7大会中、実に6大会目の本大会出場になります。

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クロアチアU-21代表は、U-21欧州選手権予選で鍵を握るアウェーのギリシャ戦を17日、アテネのパニオニオス・スタジアムを戦いました。
怪我人続出とマンジュキッチのA代表召集のため(ちなみにA代表のチョルルカもラキティッチも出場可能)、ラディッチ監督は理想のスタメンを築くことから程遠く、初召集のMFクレショ・リュビチッチ(フランクフルト所属)すら先発させたほど。スタメン(4-2-3-1)は以下のようになりました。
GKヴァルギッチ-DFヴィーダ、バコヴィッチ、ロヴレン、パミッチ-MFディニャール、ヤヤロ-タディッチ、K.リュビチッチ、トマソフ-ブシッチ
逆境に強いのがクロアチアのスポーツ選手の特徴でもあったりするのですが、初めて一緒にプレーするイレブンはモチベーションを高く持って試合に入ります。前半はU-21現代表において過去最高の出来だったほど。クロアチアは5分、タディッチがサイドを破り、クロスボールにリュビチッチが合わせ、早くも先制点を奪います。
その後も完全に主導権を握りますが、計4度に渡って連続して決定機を逃します。すると28分、GKヴァルギッチとDFロヴレンがお見合いしてボールを奪われ、ペテロポウロスに同点ゴールを奪われてしまいます。これがギリシャの最初のシュートでありました。しかし、43分、パミッチのクロスにブシッチが足で合わせ、クロアチアが2-1と勝ち越しに成功します。
Srukavina とはいえ、後半直ぐにギリシャはCKからファーポストのテリポステリスにヘディングシュートを決められると、66分にはカウンターからディモウトソスに追加点を奪われ、2-3と再逆転。
これまではミスからズルズルと失点を許す傾向にあった現U-21代表でしたが、救世主はハイドゥクでもベンチに甘んじるFWルカビナ(写真)でした。残り15分でピッチに送られると、82分にM.リュビチッチのパスを貰い、斜めの角度から同点ゴール。更にその2分後、ペナルティエリアで4人をドリブルでかわして逆転のゴール。クロアチアは4-3で貴重な勝利を収めました。
ルカビナは乗り換えのウィーン空港でシューズを置き忘れ、DFイプシャからシューズを借りたのですが、「常にこのシューズを履いて試合に出なくちゃいけないね」と試合後はご機嫌でした。
これでクロアチアは1試合多いとはいえ、3位ギリシャと勝点5差で2位につけ、プレーオフ進出に大きな望みを繋ぎました。

【順位】
1位…イタリア(勝点16/6試合)、2位…クロアチア(勝点15/7試合)、3位…ギリシャ(勝点10/6試合)、4位…アルバニア(勝点10/6試合)、5位…フェロー諸島(勝点3/7試合)、6位…アゼルバイジャン(勝点1/6試合)

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コメント

いつも楽しく見させていただいています!
一つ訂正で、2004年大会はポルトガルでしたよ!
ついでといっては何ですが、今広島に所属するダバツ選手は本国ではどういった評価なんでしょうか?
経歴見るかぎり、ドイツ語圏でのプレーが多いみたいですが。
あと、02~03年にうちに所属したエルチェグ選手は今何をしていますか?
ハイドゥク関係の仕事でしょうか?
質問ばかりですいませんm(_ _)m

投稿: 金さん@広島 | 2007年11月20日 (火) 22時51分

> 金さん@広島
誤りの指摘、ありがとうございました。
早速、訂正させて頂きました。
ダバツ選手は私がこちらに移り住む以前にNKザグレブでプレーしているようで、実際にプレーを見たことがないのですが、早くにクロアチアに見切りをつけて、代理人を通して国外に渡ったのでしょう。2001年頃はそういう選手が随分といたはずです。埋もれていく選手が多い中で、国外で成功したグループに入ると思います。
エルチェグは現在、ハイドゥクのスポーツ・ディレクターという要職についています。いつも試合ではベンチに座って監督をサポートしていますよ。見た目は怖いですが、非常にフレンドリーな性格の方でして、スタジアムで会うたびに挨拶してくれます。

投稿: 長束恭行 | 2007年11月20日 (火) 23時41分

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