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2007年12月10日 (月)

クロアチア・リーグ第19節/ディナモ大敗

8日、クロアチア・リーグ第19節が行われました。この節を最後にクロアチア・リーグはウィンターブレークに入り、再開は来年の2月20日になります。

首位ディナモ・ザグレブは4位スラヴェン・ベルーポとアウェーで対戦。ディナモは先のUEFAカップ・対ハンブルガーSV戦の敗北による精神的なダメージが残る上、キャプテンで司令塔のモドリッチが足の親指の負傷で欠場。またDFドゥルピッチも太股の負傷で欠場しました。
一方、スラヴェンは今季ホームで負けなし。ただし、チーム事情はディナモ以上に深刻で、MFボシュニャク、MFポリャーク、DFラデリッチの3人が累積警告、またDFクリスティッチとDFポルドゥルガチュが怪我のため、ベンチの控えとして4人しか入れられないほどでありました(ルール上は7人までOK)。
試合開始と共にディナモが勢い良く仕掛けていきますが、心身両方の疲労もあってか次第に形勢はスラヴェンに傾いていきます。そして、ディナモの守備崩壊はいきなり訪れました。
まずは15分、中央でMFソピッチとMFポサヴェツが組み立て、最後は左サイドからDFチャバルのパスがペナルティエリア内のMFデリッチに通ると、デリッチはドリブルでDFカルロスとMFポクリヴァチュをかわし、近距離からシュートを叩き込んでスラヴェンが先制に成功します。
Svrucina その3分後には右サイドからMFユリッチがMFヤヤロにパスを通すと、ヤヤロはペナルティエリアでDFシルデンフェルドと相対しながら、最後は股間を抜いてのシュートをゴール左隅に決め、2-0とリードを広げます。デリッチ、ヤヤロの二人ともスラヴェンのユースで育った19歳のプレイヤー。スラヴェンのユルチッチ監督は若手起用に積極的な人物であり、二人は期待に応えました。
23分にはディナモのDFエトーがFWヴルチーナ(写真)を背後から叩いて倒してしまったためにレッドカード。数的優位にも立ったスラヴェンはヴルチーナがそのまま25mの直接FKを突き刺してしまいます。ちなみにヴルチーナ(23歳)もスラヴェンのユース出身で、18歳でトップデビューを果たしたのちコンスタントに出場している選手です。
ディナモは42分、MFヴコイェヴィッチが中央FKから左サイドのFWバラバンにボールを通し、バラバンの折り返しをカルロスが押し込んで1-3としますが、前半終了間際にお粗末なディフェンスを露呈してしまいます。スラヴェンのMFソピッチがドリブルにシルデンフェルドがつきましたが、あっさりとかわされシュート。GKコッホが一度は止めますが、弾かれたボールをシルデンフェルドがクリアしようとするものの、触れたボールが自陣ゴールの方へ。ゴールライン上でカルロスがクリアしますが、そのクリアボールを拾ったヤヤロがあっさりとゴールを決めて1-4。GKコッホはピッチで怒り狂い、「うちの若い選手たちは年上の選手に対してリスペクトがない」と試合後に嘆くほどでした。
モドリッチがいないディナモはゲームのリズムを作ることができず、後半もスラヴェンに押されたままに。64分、ソピッチが左のデリッチに展開すると、デリッチは中央に切れ込みながら最後はディフェンスの背後に走り込んだヴルチーナにラストパス。ヴルチーナはゴール右下隅にシュートを決めて5点目。ディナモが一試合で5失点を喫するのはクロアチア・リーグ始まって以来です。
83分に途中交替のDFブリャトが直接FKを決めて2-5とするものの、またして絶望的な試合をやらかしてしまいました。ディナモは2位リエカに勝点12の差をつけて「秋の王者」になったものの、ディフェンス再構築がウィンターブレーク中の急務となるでしょう。ちなみにスラヴェンとディナモは13日にクロアチア・カップ準々決勝第1戦で再び対戦します。

3位ハイドゥク・スプリトは10位ヴァルテクス・ヴァラジディンとアウェーで対戦しました。ヴァルテクスは開幕8連敗のどん底を味わったのち、第9節にベセク新監督のもとでディナモに勝利。それから2連敗したものの、第12~18節まで4勝3分とチームも上昇してきています。ハイドゥクはエースのFWカリニッチがまたして負傷で欠場。ルカビナとバルトゥロヴィッチも負傷のため、17歳のFWチョップを初めて先発出場させました。また司令塔のチェルナトが累積警告、MFアンドリッチが怪我、MFダムヤノヴィッチも下痢のため欠場しています。
主力選手がこれだけ欠けているとはいえ、ハイドゥクはゲーム開始からエンジンが掛かった状態に。いきなりFWヴェルパコヴスキスがゴールを決めるものの、副審の怪しいオフサイドの判定で取り消されます。しかし6分、ヴェルバコヴスキスが右サイドをドリブルで切り崩すと、最後はファーサイドに走り込んだMFリニッチにラストパスを送り、これを押し込んでハイドゥクが先制します。
Shrgovic 21分にはエリア内へ突破するヴェルパゴスキスをDFルチッチが倒してしまってPK。鳴り物入りでディナモ・キエフから移籍したラトビア代表の彼もようやくチームにフィットしてきました。DFフルゴヴィッチ(写真)が緩いボールを中央へと蹴り込んで2-0とします。
ヴァルテクスは精神的支柱の司令塔ムムレクを累積警告で欠いたのが大きく、38分まではシュートすら打てない状態。45分にはフルゴヴィッチが得意のFKを低い弾道にて叩き込み、3-0と更にリードを広げます。
後半はハイドゥクがスローペースになった反面、ヴァルテクスが攻撃を仕掛けるものの、62分にルチッチがPKで1点決めるのが精一杯。3-1でハイドゥクの勝利。得失点差でスラヴェン・ベルーポに順位を抜かれたとはいえ、ここ3試合はリーグ再開後に期待を持たせる戦いをしています。

2位リエカはここ2節もたついたとはいえ、FWヂャロヴィッチの久しぶりのゴールと、ジョーカーとしていい働きをするMFシュトロクのゴールでシベニクに2-0の勝利。
Skruno また前節にディナモに3-6と大敗したザグレブは、5位ザダールをホームに迎えて7-2の圧勝。この試合を最後に古巣ザグレブを離れ、国外へと移籍が濃厚なFWクルノスラフ・ロヴレクがキャリア初のハットトリックを達成。14得点で得点王レースのトップにも立ちました。ゴールの瞬間にサポーターの「ビエリ・アンジェリ」("白い天使"の意味)からは「クルーノ、ありがとう」の横断幕(写真)が掲げられ、「クルーノ、オスタニ(残れ)」のコールが繰り返されました。

今節は6試合で33ゴール、一試合平均5.5ゴールと、クロアチア・リーグ史上最高の数字となりました。全試合の結果はこちら。

Varteks Varazdin - Hajduk 1:3
0:1  6' Linic
0:2 21' Hrgovic (PK)
0:3 45' Hrgovic
1:3 62' Lucic (PK)

Zagreb - Zadar 7:2
1:0 12' Brkljaca
2:0 36' Cutura
2:1 48' Tomasov
3:1 55' Pejic
4:1 68' Lovrek
5:1 89' Lovrek
5:2 81' Parmakovic
6:2 83' Kartelo
7:2 85' Lovrek

Medimurje - Inter Zapresic 2:3
1:0 14' Piskor
2:0 16' Eliomar
2:1 43' Grgurovic
2:2 67' Gulic (PK)
2:3 87' Stefulj (OG)

Rijeka - Sibenik 2:0
1:0 17' Dalovic
2:0 85' Strok

Osijek - Cibalia Vinkovci 5:1
1:0  2' Niksic
2:0 23' Jukic
2:1 36' Husic
3:1 47' Niksic
4:1 56' Hrncevic
5:1 78' Jukic

Slaven Belupo - Dinamo Zagreb 5:2
1:0 15' Delic
2:0 18' Jajalo
3:0 24' Vrucina
3:1 43' Carlos
4:1 45' Jajalo
5:1 64' Vrucina
5:2 83' Buljat

【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ(勝点49)、2位…リエカ(37)、3位…スラヴェン・ベルーポ(33)、4位…ハイドゥク・スプリト(33)、5位…オシエク(25)、6位…ザダール(25)、7位…チバリア・ヴィンコヴチ(23)、8位…ザグレブ(22)、9位…インテル・ザプレシッチ(21)、10位…シベニク(20)、11位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(18)、12位…メヂムリエ(11)

【得点】
14ゴール…ロヴレク(ザグレブ)
13ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)、ヂャロヴィッチ(リエカ)
11ゴール…テルケシュ(ザダール)
10ゴール…モドリッチ(ディナモ)
9ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)
8ゴール…ニクシッチ(オシエク)

ディナモはボーフムに所属するクロアチアU-21代表MFイヴォ・イリチェヴィッチ(21)を獲得するため、スポーツ・ディレクターのゾラン・マミッチがドイツに渡って交渉したものの(ちなみにマミッチは元ボーフムの選手)、要求した移籍金が高いために成立しませんでした。
「まるでモドリッチを売却するかのように対応された。余りにも高すぎる金銭を要求したために、現時点では如何なる合意にも至りそうにない。」
Smikulic とマミッチは嘆いています。またポスト・モドリッチを探すべくマミッチはブラジルにも渡っており、バスコ・ダ・ガマのMFモライス(23)にもオファーを出しています。移籍金は600万ユーロと言われており、ディナモとバスコの間では合意に達したものの、選手と代理人の両者とはまだ合意に達していない状況です。
またディナモはベルギーのヘンクに所属するトミスラフ・ミクリッチ(25・写真左)の移籍をまとめました。ミクリッチはヘンクとの契約が今季いっぱいで切れるのですが、ディナモが30万~40万ユーロの移籍金をヘンクに払うことでこの冬に移籍。ミクリッチとは20万ユーロの年俸で3年契約を結ぶ予定です。ミクリッチはオシエクのユースで育ったストッパーと左サイドバックを専門とするディフェンダーで、2005年にオシエクからヘンクへと移籍。ヘンクでもレギュラーとしてプレーしていました。

2006年のワールドカップ・ドイツ大会でクロアチア代表を指揮したズラトコ・クラニチャール(写真)が、このほどアラブ首長国連邦のアル・シャーブの監督を解任されたことが明らかになりました。
Cico_1 今年6月に1年+1年オプションで契約したクラニチャールは、アル・シャーブを5試合指揮して2勝2分1敗、国内リーグ4位につけ、国内カップでも準々決勝に導いていたものの、選手起用面を巡ってオーナーと対立していました。
「たった一つの理由でクラブ側と物別れになってしまった。先日、規律面の悪さと反プロフェショッナルな行いから二人の選手を罰したのだが、アル・シャーブのフロントは彼らを許してチームに戻すことを望んだ。私はそれをやらなかったのだよ。その後、監督の仕事を続ける可能性がもうなくなってしまった。」
とクラニチャールはアラブ諸国ならではの解任理由を語っています。違約金でクラブは50万ドルほどクラニチャールに払うとされており、今月15日には自宅のあるザグレブへと戻って、新たな仕事を探すことになりそうです。これまでワールドカップや欧州選手権にクロアチア代表を指揮した監督は、代表監督の座を離れたのちは幾分と苦労しているのがが現実です。これまでの三監督の例を並べてみました。
○ミロスラフ・ブラジェヴィッチ(1994~2000年在任。1996年欧州選手権、1998年ワールドカップ)…イラン代表、NKオシエク、ディナモ、ムラ(スロベニア)、ヴァルテクス、ハイドゥク、ザマザ(スイス)と監督業を転々としたのち、2006年からザグレブの監督。
○ミルコ・ヨジッチ(2000~2002年在任、2002年ワールドカップ)…長くに渡って表舞台に出なかったが、2006年以来、ディナモ・ユース校長に就任。
○オットー・バリッチ(2002~2004年在任、2004年欧州選手権)…2004年11月にディナモのスポーツ・ディレクターに就任するも、成績不振のため一ヶ月間で辞めたのち、2006年よりアルバニア代表監督。ユーロ予選終了後、新たな契約延長のオファーを断って、ディナモのスカウティング・アドバイザーに就任予定。

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