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2008年1月15日 (火)

イヴァンコヴィッチ、ディナモ監督を辞任

国内リーグで首位を快走するディナモ・ザグレブに激震が走りました。
14日、今年で3年目となるクロアチア一部リーグ室内選手権準決勝で、ディナモがライバルのハイドゥク・スプリトに1-2で敗北。ディナモを私物化しているズドラヴコ・マミッチ副会長がサポーターの標的となり、「マミッチのジプシー野郎」のコールが体育館に鳴り響きました。これに怒ったディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチがドレッシングルームへと乱入し、
「イヴァンコヴィッチ、マギッチ、そして全てのコーチどもめ。お前の母ちゃん、やっちゃうぞ! 8人しか選手を起用しなかったのはお前たちなのに、いつも私が罪を被るじゃないか。」
Sivankovicmagicと、クロアチア語定番の罵り言葉をコーチ陣に投げかけました。一晩経った15日の午前、ブランコ・イヴァンコヴィッチ監督(写真右)と彼の右腕であるライコ・マギッチ・アシスタントコーチ(写真左)が辞任を提出。クラブもそれを受理しました。
イヴァンコヴィッチ監督は失望した表情を見せながら
「辞表を出すことを決めた。これは私における最終決定であり、サーカスはもう御免だよ。マミッチの行き過ぎた行動が、コップから水がこぼれる一滴となった。
私がデマゴギーなしで言えることは、ディナモが私の監督のキャリアにおいて最も美しい時代となった。素晴らしい結果、素晴らしいプレー、そして素晴らしい栄光があったのだよ。非の打ち所のない振る舞いを見せた選手たちを指導できたのは幸せだったと思う。15ヶ月に一つもトラブルもなく、完璧に機能していたのだからね。」
とコメント。イヴァンコヴィッチは昨シーズンに国内リーグ・カップの二冠を達成し、リーグ28連勝という欧州歴代2位の記録を樹立。ディナモ史上最高の勝率を誇る監督でありましたが、またしてマミッチ副会長の暴走の犠牲者となりました。
その後、ブラジェヴィッチ(現ザグレブ監督)のTVトークショーに出演したマミッチは散々イヴァンコヴィッチをけなしたわけですが、同時に後任監督として現在ディナモ・ユースを指導しているズボニミール・ソルド(41)の就任を明らかにしています。

話が前後しますが、8~14日に開催されていたクロアチア一部リーグ室内選手権についてです。今年で3年目を迎えるこの大会はドイツの室内選手権を見習ったもので、優勝したクラブには使途をユース運営に限定した20万クーナ(約440万円)が贈られます。しかしながら、シーズン再開の準備以前に行われるため各クラブは怪我人の心配を抱いていました。ディナモは膝に故障を抱えるMFモドリッチをはじめ、半分の主力を出場させず、またハイドゥクもFWカリニッチを温存。一方で現在リーグ得点王のザグレブのFWロヴレクは初日で前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまいました。
Sdinhaj まず最初の4日間は12チームを2グループに分けての総当り戦が行われ、ディナモ、ザグレブ、インテル・ザプレシッチ、ハイドゥク、ザダール、リエカの6チームが二次リーグへと進出。6チームのリーグから未対決の9カードが行われ、1位ディナモ(勝点13)、2位インテル(10)、3位ザグレブ(8)、4位ハイドゥク(7)の4チームが決勝トーナメントに進出しました。
準決勝でディナモとハイドゥクの両雄が対決。ハイドゥクは二次リーグでディナモと2-2で引き分けたものの、インテルには0-4、ザグレブには0-6と大敗していました。ディナモ優勢と見られた準決勝ですが、7分にハイドゥクのフルゴヴィッチが先制点を挙げると、21分には個人技でルカビナが追加点。ディナモは23分にPKでカルロスが1点返しますが、それが精一杯。終了間際にはカルロスの肘打ちをきっかけに両チームの選手にわる殴り合いに転じてしまい、後味の悪い試合となりました。
Shajduk ファイナリストはハイドゥク、そして準決勝でインテルを3-0と一蹴したザグレブ。過去の大会で二連覇を果たしているザグレブは「ロヴレクのため」を合言葉に勝ち上がってきました。試合は序盤からザグレブが主導権を握り、20分にムイジャの左からの折り返しにイブリチッチが押し込んで先制に成功します。ザグレブは直後に追加点のチャンスを決められずに終わると、24分、ハイドゥクのフルゴヴィッチが左サイドからシュートを決めて同点。前後半40分を終えてPK戦に託されました。ハイドゥクは5人全員が決めたのに対し、ザグレブはブルクリャチャのシュートが止められてしまい、5-4でハイドゥクが勝利。初優勝を飾っています。3位決定戦ではディナモが3-0でインテルを一蹴。また最優秀選手はザグレブのイヴリチッチ、得点王はザダールのトマソフが9得点で受賞しています。
(写真はSport-netより)

14日、ワールドカップ南アフリカ大会の欧州予選、グループリーグ6の試合日程に関する話合いがザグレブのシェラトン・ホテルで行われました。各国の代表団が集結し、クロアチアからはビリッチ監督、またイングランドからはカペッロ新監督らが出席しています。ウクライナが主張をごり押ししたため話合いは難航しましたが、予定より遅れること一時間、日程が発表されました。クロアチアは以下のような日程です。
2008年9月6日    カザフスタン戦(ホーム)
2008年9月10日  イングランド戦(ホーム)
2008年10月11日  ウクライナ戦(アウェー)
2008年10月15日  アンドラ戦(ホーム)
2009年4月1日    アンドラ戦(アウェー)
2009年6月6日    ウクライナ戦(ホーム)
2009年8月19日  ベラルーシ戦(アウェー)
2009年9月5日    ベラルーシ戦(ホーム)
2009年9月9日    イングランド戦(アウェー)
2009年10月14日  カザフスタン戦(ホーム)
欧州予選は9グループに分かれ、1位となった9ヶ国に加え、2位の成績上位8ヶ国でプレーオフが行われ勝利した4ヶ国が本大会に出場します。
ビリッチ監督は
「我々の希望の多くが通ったと言えよう。最初はホームで弱い相手と対戦したかったし、イングランドも次の秋のうちに対戦したかった。唯一嫌な日程は8月のベラルーシ戦で、本来ならば親善試合を行う日だからね。」
とコメントしていますが、まだサッカー協会はビリッチ監督との契約延長に合意できておらず、年間1000万円にも満たない安給料のクロアチアの監督の座を去る可能性も十分にあります。

前クロアチア代表監督のズラトコ・クラニチャールが、クロアチア二部リーグのクロアチア・セスヴェッテの監督に就任することになりました。契約期間は6ヶ月です。
当初は1990年にツルヴェナ・ズヴェズダをチャンピオンズ・カップ優勝に導いたセルビアのリュプスコ・ペトロヴィッチが監督に就任する予定でしたが、中国のクラブに引き抜かれてしまい、代わる人物を探していました。UAEのクラブの監督を辞任したばかりのクラニチャールはボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督の仕事に関心を持っていたものの、こちらはボスニア人のメホ・コドロが就任。よってクラニチャールはセスヴェッテと合意に至りました。ちなみにセスヴェッテは現在一部リーグの首位を走っており、初の一部昇格を目指しているザグレブ郊外のクラブです。

Shrgovic ハイドゥクの左サイドバックで主将も務めるボスニア・ヘルツェゴビナ代表DFミルコ・フルゴヴィッチ(28・写真)に、ジェフユナイテッド千葉がオファーを出しています。フルゴヴィッチは近いうちにハイドゥクから去ることをかつてより明言しており、最近ではフランスのレンヌ、ル・アーブル、ドイツのケルン、またロシアのクラブからもオファーが届いていると報じられていました。移籍金は70万~100万ユーロとされ、条件面を考慮した上で1月までには新たなクラブを選ぶと言っていましたが、現在はジェフからのオファーに魅力を感じているようです。
「ジェフからの具体的なオファーはある。しかし、今は急いでコメントすることはない。何かが起こる可能性は十分にあるが、タイミングより前に突っ走りたくはないよ。
とはいえ、僕はかつて大阪にいた。比較的短かったとはいえ、2001年にガンバでプレーしていたんだ。今だったらもっとよく適応できることだろう。当時はハイドゥクから大阪に移り、それからシロキ・ブリイェグ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)に戻って、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表となった。それからヴォルフスブルクへ移籍し、ブンデスリーガからハイドゥクに戻った。まるで一周を終えるかようにね。そして今、僕が去るとしたら新たな一周が始まる。歴史は繰り返されるように、日本へ旅立つことは運命におけるチャレンジなのだよ。
僕が仮定形で話すことが多いのは、物事に急ぎたくないし、ハイドゥクをせかすつもりもないからだ。クラブとの話合いが全てとなるだろう。それ以外は有り得ない。日本に行くことが唯一のオプションではないけど、全ての条件面において最も良いオファーとなるだろう。もう29歳になるし、もう一度国外のクラブと契約する価値が私にはあるだろう。」
とコメントしています。

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コメント

初めまして。アーセナルファンの者です。エドゥアルド移籍を期にこちらのHPを拝見し、それからというものクロアチアサッカーに関してはほとんど素人の自分でも多彩なカメラワークの写真や記事を楽しく読ませていただいてます。エドゥアルドが来てくれたことはアンリ退団のショックを受けていた多くのアーセナルファンの一番大きな喜びでした。アーセナルでもゴール量産体制に入り多大な貢献を果たしてくれています。外から見ていてクロアチア代表は良くチームがまとまっている印象を受けます。EURO予選最終戦イングランド戦の前のクロアチア代表選手達のコメントには気迫を感じました。これからも記事を読ませていただきます。影ながら応援しております。

投稿: ピボーテ | 2008年1月15日 (火) 20時37分

はじめまして。

ジェフ千葉のサポですが、フルゴヴィッチの記事を探すうちにここへはじめて辿り着きました。

まだ正式に移籍とはなっていませんので、この先どうなるかかわかりませんが・・・
こちらのサイト、いろいろとクロアチアの情報が掲載されていて興味深いです。W杯では過去2度も対戦している馴染みの深い国ですからね。

ご縁があってフルゴヴィッチが千葉の地を踏むことがあれば楽しみです。

また、お邪魔させていただきます。

投稿: ばい | 2008年1月16日 (水) 00時45分

こんばんは。
クロアチアにお戻りになられたのかしら?
フルゴヴィッチ情報、ありがとうございました。

イヴァンコヴィッチ辞任のニュースはけっこうショックです。
前のエントリーで、室内選手権ではケガをされては困るので主力はでないと書かれていたのに、それで負けたからと言って、こんな言われ方をする筋合いはないだろう・・・という気がします(それがマミッチだと言われればそうかもしれないけど)

ところで、カリニッチにシャルケが興味?という話は信憑性のある話なんでしょうか?
あと、ビリッチの去就も気になります・・・。

今年もクロアチア関連のニュースを楽しみにしておりますので、よろしくお願いします。

投稿: kamecave | 2008年1月16日 (水) 00時53分

> ピボーテさん
はじめまして。エドゥアルドのアーセナルでの活躍は私も喜んでいます。当初は本来のポジションではない左MFで持ち味を発揮できませんでしたが、相手ゴールに近いポジションでプレーするようになりましたね。ペナルティエリア内でのポジショニングやゴール感覚は本当に素晴らしい選手ですよ。ただ、ディナモと比べるとアーセナルは綺麗に崩そうとする余り、試合でのシュートチャンスは少ないですよね。モドリッチのような裏のスペースにしっかり出せるパッサーがいれば、もっと得点力が上がりますよ。

> ばいさん
はじめまして。フルゴヴィッチは攻撃力がありますし、強烈なFKも兼ね備えているので、補強に値する選手だと思いますよ。ガンバ時代よりはかなり成長しています。千葉は主力が次々と抜けている状態なので、上手く獲得できるといいですね。

> kamacaveさん
こんにちは。イヴァンコヴィッチ辞任には私も驚きました。マミッチには誰も逆らえませんからね…。私には優しい人なんですけど(苦笑)
カリニッチのシャルケ移籍話ですが、1月20日に予定されている理事会で新会長をはじめとするフロントの面子が決まらない以上は移籍決定は難しいようです。移籍金1050~1100万ユーロで、次の移籍の15%の移籍金をハイドゥクがもらう、という好条件らしいですね。ウクライナのドニプロも1200万ユーロのオファーを提示した、と言われています。ただ、現時点でカリニッチに行かれてしまうと完全な戦力ダウンですので、売却はないのかな、と見ています。ブシッチがディナモ・キエフから復帰したので、ルカビナが売られるのでは?という話がありますよ。マルセイユやパリSJなどが関心を示しているようです。

投稿: 長束恭行 | 2008年1月16日 (水) 07時49分

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